41. THE FIRST SLAM DUNK
原作ファンの気持ちに最大限応えつつ、初見の人にも面白い。漫画の映画化は鬼門だと思っていましたが、なんのことはない、原作者が作ればよかったのですねと思わせる一作(簡単にいうな)。◾️ぜひ小林まこと先生に、映画「1・2の三四郎」を撮影していだきたい。観たい。 [DVD(邦画)] 8点(2024-03-22 20:14:01) |
42. 怪物(2023)
《ネタバレ》 さすがというしかない。小説でたとえるなら東野圭吾や奥田英朗のそれ。引き込む力がすごいんだ◾️思春期以前のころのグラグラ感。二人の気持ちを決して他の人に知られないためのウソ。木田さん(女子)には、どうやらバレている(たぶん、雑巾のパス)。◾️本作は二人が事故に遭って宇宙の終焉(ビッグクランチ)を迎えて然るべき映画じゃないかな。すみません、人でなしで。【追記】皆さんのレビューを見て、そうですよねと納得。本作は、あくまでも救いのない悲しいお話です。 [DVD(邦画)] 9点(2024-03-17 19:24:32) |
43. カイロの紫のバラ
《ネタバレ》 二十歳のころに見てからの再見です。ミア・ファローがかわいい映画という記憶でしたが、見直してみて、けっこうシシリアも悪いな、なんて。年取ったものです。しかし、この8点は、だからこそミア・ファローに投じる8点なワケで、そういった意味では全然成長していないワタシです。ミア・ファローがすべて仕切っていた映画とも言える。 [DVD(字幕)] 8点(2024-03-14 19:14:32) |
44. アニー・ホール
《ネタバレ》 メタな演出が時々あり、そこは作り物然とするのだけれど、一方、例えば恋愛のはじめの探り探り(テニスから一緒に帰るシーン)など、頭抱えたくなるほど(?)リアルですよね。悲惨またはみじめな、めんどくさい中年男がフラれる話なんだけど、けっこうズシンときました。実は、トラウマ級。本作がつまらない人のことが、うらやましい。1回目見終わったあと、今見たのはいったい何だったんだと、すぐさま2回目を見たのは初めて。あれ、これまさか、Based on a true story?と思って.本作のラストのようなアレンの作品があるかと探してしまいました(勘違いでした)。ヒロインの歌がちゃんとステキなのも、ポイントです。 [DVD(字幕)] 9点(2024-02-24 19:17:31) |
45. 梅切らぬバカ
《ネタバレ》 お世話が必要な人がいることで、介護者やその周囲の人がひとつになったり、お世話が必要なひとを中心に社会が回ったりというのはよくあることです。(その人が赤ちゃんだったりすることも考えても)。精神的な支柱になる。■だから珠子が、人に委ねる気になったとき胸が熱くなりました。それでは先がないんだもの。うれしいはずの独り立ちなのに。■もとに戻っちゃってよかったような気がしているのは、ワタシが観客だからでしょうなあ。■そんなお話ではなかったとも思いますけど。■塚地氏はうまいなあ。尺もちょうどいい。良い映画だった。 [DVD(邦画)] 8点(2024-02-23 16:58:15) |
46. 波紋
《ネタバレ》 これは、息苦しい。グワーっと血圧が上がるシーンはないのだけれど、目が離せない。ある家族のドキュメンタリーを見ているようだし、隠しカメラで覗いているよう。どんな家族も、世間に対してとりつくろったり隠し事をしている。そして内実を見れば、本作のようにホラーじみているのだと。◾️そんな映画だと思っています。だから、最後のフラメンコのシーンが惜しいのですよ。映画に句点を打つために、終わらせるために踊っているようで。フラメンコはほんの一舞いだけ、それとわかるようにやってくれていれば9点にしたのに。なんちゃって。 [DVD(邦画)] 6点(2024-02-11 16:20:21) |
47. パージ:大統領令
《ネタバレ》 この嫌な世界で、小技が効いてる。遠くに見えるギロチン処刑やら、ボンネットに3人はり付けて走る車やら。チョコバーが欲しい女の子は、ここ最近見た物語の登場人物で最悪の不快なキャラだし。おそらく、普通の人がやらかした殺人も見せてくれるし(絶望して歌ってた)、ホントにイヤでイヤでしょうがないこの世界の解像度が高いんだ。しかし。なんで、本筋はこんなに予定調和なんだろう。良識派の政治家が間一髪で生き残り、大統領選で勝利しパージを廃止するなんて、そんなのつまらないんだよ。もっと、やるせないの、くれよ。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-02-09 20:29:26) |
48. 元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件
《ネタバレ》 前半20分、正調ラブコメの主人公だった二人。急にシリアスなパニック映画に引っ張り込まれたものだから、それらしく振る舞おうとして、ガラにもなくロープを命綱に飛行中に燃料パイプふさぎにいったり、命綱もなしにラム酒を燃料タンクに注入したり。フレディの亡骸を投下にいたっては、なんかあんたら、アクション映画に出たからといって、イキりすぎじゃないか、なんて。イヤな観客です。映画との間合いが計りにくいのは、邦題が軽すぎるからなのかなあ。 [インターネット(字幕)] 4点(2024-02-08 12:42:38) |
49. 泥棒野郎
《ネタバレ》 チャップリンのような映画を目指していたのかなあ。結果としては、「オレたちひょうきん族」のコントみたいでしたし、もしかすると「ゲバゲバ90分!」のそれみたいなのかもしれない。コメディというより、ギャグの連続。邦題は、こざっぱりしてて好き。 [DVD(字幕)] 4点(2024-02-04 20:33:01) |
50. ビヨンド・ユートピア 脱北
《ネタバレ》 人が命からがらなのにひどい言い方かもしれないが、思ったほどには面白くない。80のばあちゃんと女の子2人連れてのジャングルも超える脱北行なワケだから、どんな凄まじいスペクタクルかと思えば、想像できる程度にしかアドベンチャーじゃない。正しい支援牧師と可哀そうな脱北者という筋一辺倒で、本当はこちら側ももっとしたたかでなければいけないはずだが、と。今後の脱北活動を考えれば、明らかにできないことがあるのは承知はするが、でもせめて、なぜここにカメラが入ることができて、そこでどんな出演者との間に交渉があったのか、なども映像として組み込んでいけば、よりリアルに近づくのではないか?いやいや本作は実際の場面を使ったものであり、リアルな映像なんだけど、ホントにこんなもんなのかなあって思っちゃうんですよね。我ながら、最後まで人でなしです [映画館(字幕)] 5点(2024-01-28 00:06:19) |
51. BLUE GIANT
《ネタバレ》 切実だなあ、息苦しい。何度も、涙ぐむ。なんかこう、形のないものを信じている人がいて、その気持ちが分かるというか。よかったです。どう理解したら良いのかと考えたあげく、「俺節(@土田世紀)」みたいだ、と思いました。やっぱりジャズと演歌は特別なのか。原作未読。 [DVD(邦画)] 8点(2024-01-21 14:27:57) |
52. 83歳のやさしいスパイ
《ネタバレ》 本作における「ドキュメンタリー」パートは、介護施設の部分に違いない。そして、任務を携えてそこに潜入したセルヒオはフィクションなんだと思う。もし、ただそのままワタシの視線で介護施設を見た場合には、単にかわいそうなお年寄りたちの集まりになってしまっていたとも思うのだが、しかし、セルヒオの物語(フィクション)を介して見ることにより、一人一人のお年寄りが、それぞれの輪郭をもって立ち上がってくる。見えなかったものが見えてくる。フィクションで補助線を引くというドキュメンタリーの新しい手法。すばらしい映画でした。【追記】ワタシ、「新しい手法」なんて書きましたけど、「電波少年」がやってたのって、こんな事だったのかも知れない。本作は、やさしい「電波少年」。 [インターネット(字幕)] 9点(2024-01-14 20:38:21) |
53. ゼロの焦点(1961)
登場人物たちが、ワッセワッセと情報交換をしながら、95分でサスペンスドラマを作り上げましたというような、なんだかメタな感触があり、それが妙な味わいでした。源流なんだけど、むしろ二時間ドラマのパロディを見ているような。 [DVD(邦画)] 5点(2024-01-13 15:54:44) |
54. 点と線
《ネタバレ》 刑事の三原が分からない。直情的な正義漢なのだと思うが、子供っぽく見えてしょうがない。乗船名簿を調べてくれた駅員さん、双葉商会の社長さん。まるで、自分の思惑と違う情報提供者は切り捨てて良いような失礼さ。こんなヤツ(三原)がまともな仕事ができると思えないなあ。係長(志村喬)、甘やかしすぎじゃないか。田舎の実直な刑事(鳥飼)とタメ張るキャラであるべきなのに。□旦那が青酸カリ入りビールを飲み干すのを、駅名を唱えながら顔色を変えない高峰三枝子はさすがだ。□「心中なんだろうな」。冒頭の静かな偽装心中シーンと対比して、本当の心中(無理心中)はこんなにもみっともないんだと言いたいようなラストシーン。 [インターネット(邦画)] 5点(2024-01-11 15:42:33)(良:1票) |
55. search #サーチ2
《ネタバレ》 画面上で完遂するのがキモのシリーズなので、とうとう画面から離れちゃったと思わせたSWAT突入部分が、再現VTRだったところはうまい。次作は邦画で見てみたい。LINEを使って、X(旧ツイッター)やヤフコメで叩かれ、5chやYahoo知恵袋で相談しながら事件を解決する(道具が古くて恐縮です)。かたくなに、ガラケー使ってる登場人物がいたりして(オレだ、オレ)。是非とも、コメディでお願いします。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-01-06 20:03:30)(笑:1票) |
56. 大陸横断超特急
《ネタバレ》 んー。昨日、ミッション・インポッシブルの最新作を見たものとしては、さすがにヌルい。特急列車の屋根での攻防のおっかなビックリは、もしかしたらあれがリアルなのかもしれないが物足りない。ヒッピーやら、香水の調合が趣味の女性やら、ユニークな乗客もいたような気がするが全く本筋に絡んでこないのもなんだかなあ。主人公はおそらくモテ設定だったのだと思うが、承服できない。きっちりシカゴの駅舎の中に、特急列車を突っ込ませたところは良かったです。皆さんのレビューを見てなるほど。広川太一郎氏の吹き替えで見れば、面白かったかも。駅舎に電車が突っ込んじゃったりなんかしてぇ~。 [DVD(字幕)] 4点(2024-01-03 21:14:57) |
57. ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
《ネタバレ》 うーん。派手なアクションを見せてくれているとは思うんだけど、こんな感じだとニヤニヤしちゃうんですよ。そこに没入するというより、ちょっと引いてしまう。■全体に、ルパン三世の実写版を見たような気分です。“それ”のありようが、マモー(@複製人間)みたいだし。そこに、郷ひろみ(イーサン)と平野ノラ(グレース)、三浦友和(ガブリエル)が出演してたみたいな(共感は求めません)。■もちろん続編も見たいのです。PART TWOで終わるのか。もっと続くのでは。まだ”それ”の足下にも届いていない感じだし。■あれ、そうか。イーサンのチームの存在が、”それ”にとって痛くもかゆくもない感じが物足りないのかも。本作の最後にイーサンに出し抜かれて悔しがっているガブリエルも、”それ”の筋書きどおり?■”それ”が舌を巻くシーンが欲しかったんだな。 [DVD(字幕)] 6点(2024-01-02 21:32:10) |
58. メッセンジャー(1999)
《ネタバレ》 面白い。コメディエンヌ・飯島直子の手柄だと思うし、古畑任三郎のそれも手がけた本間勇輔のワクワクする音楽のおかげでもあるし。画面右上からまるで空から降りてきたように登場する自転車(最後の対決の始まり)、または右下からのっそりと現れる自転車(JRバスを追う場面)。自転車のシーンは、もれなく良いよね。ただ一つ、文句を付けるとすれば、ビールを瓶で飲むのおいしくなさそうだということ。ワタシも「あなたが好きだから」といってると思います。 [DVD(邦画)] 9点(2023-12-28 15:40:43)(良:1票) |
59. NO 選挙、NO LIFE
《ネタバレ》 畠山理仁氏が愛おしい。2時間半かけて、長野まで東京選挙区の参議院議員候補(蓮舫氏、他の候補の応援演説中)を追いかけて、20秒コメントが取れた時の笑顔。こんなに嬉しそうな笑顔。「選挙は自由だ」と訴え、(誰にも振り向かれずとも真剣な)候補者に自分を重ねる畠山氏。基本的には、夏休みにカブトムシ探して虫取り網持って走ってる小学生みたいなんですよ。しかし。小学生の夏休みが終わるように、畠山氏にも「こんな経済的にペイできないこと、いつか辞めなければいけない」という屈託があり。そこがイイんだ。いつも、時間切れ、引退することを意識しつつ、候補者を真摯に追いかける畠山氏。奥さんのみならず、ご子息らも腹が座っているよ。予告編を見た時には、もっと感情を揺さぶられるかと思ったが、これはむしろジワジワといいぞ。 [映画館(邦画)] 10点(2023-12-23 14:52:13) |
60. 夜空の大空港<TVM>
《ネタバレ》 ■ある高度まで降下すると爆発する仕組みの爆弾が旅客機に仕掛けられた、と聞くととてつもなく面白いのではないかと思ったのだが、しかし。■トンプソン捜査官は、翻弄されるばかりで、集めた情報から結局、犯人を絞りきれない。犯人は、よりによって犯行の最中なのに酔っ払ってしまい、飲み屋の大将に大事な秘密をバラしてしまい、あげく○○してしまう。爆弾発見が大オチなんだろうけど、仕事用のカバンの重さって体に染みついてますよねえ。しかも、爆弾の形状がポイントにもなってたかと思いきや、あんなに爆弾然としているブツなら、機長もそこは気づいてよ。■ある種のエポックだとは思うが、グダグダなんだよ。□酔っ払ったとはいえ、犯人の醸し出している焦燥感は好きでした。 [DVD(字幕)] 3点(2023-12-17 19:23:37) |