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プロフィール
コメント数 53
性別 男性
年齢 40歳
自己紹介 国、年代、ジャンルを問わず、いろいろな映画を観ていくつもりです。

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41.  あしたの私のつくり方 《ネタバレ》 
高校生くらいの女の子にとって、家庭とか友人関係というものはママゴトのようなものなんだろうか。主人公たちはママゴトの役を降りて本当の自分を生きることを選んだが、現実ではそこで「本当の自分って何?」という問題が浮上してしまいそうだ。
[映画館(邦画)] 6点(2007-08-18 11:11:14)
42.  田園に死す
ノスタルジアにつきまとう記憶の美化によって隠蔽された事実を暴き、真剣に過去と向き合おうとしても、過去が記憶という曖昧なものによってしか現れてこない以上、過去を否定することは、記憶によって形成された自己を否定することになってしまうのではないか。そんなことを考えさせられた。独特の色使いが良い。『書を捨てよ町に出よう』のときよりずっと洗練された感じがする。
[DVD(邦画)] 9点(2007-08-18 10:52:12)
43.  薔薇の名前
数年前にやり込んでいたテレビゲームの世界観そのものだった。そのゲームは、プレイヤーの恐怖心を煽りながら謎を解かせるという内容のものだが、不気味な登場人物や仕掛けだらけの建物など、この映画を手本にして作られたのではないかと思ってしまったほどだ。逆にその手のゲームをもとにして作られた映画といえば、『バイオハザード』や『サイレン』あたりが思い浮かぶ。どちらともゲームの世界観を骨抜きにし、それ以外のもので勝負しようとしていたようだが、それが正解だったとは言いがたい。喚起される恐怖心が場所にまつわるものでなければ、逃げようにも逃げられないという感じが出てこないのだ。それに比べ、この映画は、徹底的に場所というものにこだわっていて、観客の心を完璧に教会の中に閉じ込めてしまうという点で優れている。それだけにショーン・コネリーのお気楽な雰囲気が残念に思えた。
[DVD(字幕)] 7点(2007-08-18 10:19:57)
44.  サロメ(1987)
期待していたよりは普通の映画だった。演劇としてストーリーが進行していくことに原因があるのか、次々とこちらの想像を上回るような映像が展開されなかったのが残念。もちろんこれはケン・ラッセルの映画だからこそ言えることなのだが。サロメは蒼井優に少し似ていて魅力的だった。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-08-13 01:34:51)
45.  股旅
冒頭の儀式こそ興味を引いたものの、後の展開には特に目を見張るようなものがなかった。主人公たちが非人道的なことを仕方がないからとやってのける箇所や、あっけないラストは当時の時代性を表しているようだが、今となっては色褪せて見えてしまうものなんだろうか。
[DVD(邦画)] 6点(2007-08-13 01:17:48)
46.  ツォツィ 《ネタバレ》 
紋切り型のストーリー展開とやたらと流れる音楽は、ハリウッド映画の模倣以上のものを生み出しているわけではないが、ツォツィの怯えたような目とぎこちないしぐさが良い。盗んだ車に赤ん坊がいることを発見したときに聞こえる犬の鳴き声や、父親に蹴られて歩けなくなった犬の姿が、社会になじめないツォツィのイメージを強調していたように思う。彼の表情やしぐさは、人間によってトラウマを与えられ、野良犬にも飼い犬にもなりきれない哀れな犬を見事に体現していて、その点ではとても力のある映画だった。
[映画館(字幕)] 7点(2007-08-13 01:03:04)
47.  竜馬暗殺 《ネタバレ》 
倒幕を掲げながらも色情にかまけたり、口論から殺し合いを始めたかと思えばふとしたきっかけで中断してしまったり、野放図な展開が良い。これは、原田芳雄扮する竜馬の気負いのなさに拠る所が大きいのはもちろんだが、映画のスタイルもそういった雰囲気を醸し出すのに一役買っていたように思う。白黒の粗い映像とか、走って行く人物を手持ちカメラで追ったりするなど、ドキュメンタリー的な要素を取り入れることによって躍動感を生み出し、それぞれの登場人物の様子が活き活きと描いている。時代劇というと、少なくとも僕が今までに観た中では、ある種の様式的な美しさが強調されてきたように思える。活劇という形を取りながらも、そうした潮流を撥ね除けてみせた点で、この映画はとても新鮮に感じられた。30年以上も前に作られた映画を新鮮だと言うのもおかしな話ではあるが。
[DVD(邦画)] 9点(2007-08-08 02:02:16)
48.  にっぽん昆虫記 《ネタバレ》 
冒頭のマイマイカブリがラストで山を登って行くとめの姿だとすれば、随分と身も蓋もない映画だなと見終わった後すぐに思った。志を持って生きようとしながらも、欲望に取り込まれ、最終的には生きていればそれでいいというような境地にまで堕ちて行くこと自体は肯定的に捉えていない。しかし、最後のとめの描写には確かにどこか突き抜けた感があり、力強さを感じてしまう。生きるということに対して得体の知れない感情を喚起させる、不思議な映画だった。
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-08-08 01:24:28)
49.  カサノバ(1976) 《ネタバレ》 
アフェアというかイリュージョンがすごい。鳥の置物が意味もなく動きまくり、怪奇な音楽が流れる中で行われるプレイは、何ともエキセントリックで、これだけでも一見の価値がある。カサノバという偉大なるエピキュリアンの半生を、『サテリコン』のような名状しがたい独特の世界観で描けば、これほどまでに強烈な映画ができてしまうのかと、ただただ感心するばかりだった。女と名のつく物なら何とでも寝るカサノバの姿には崇高ささえ感じられる。年老いてから誰にも見向きもされなくなり、夢の中で人形と寄り添うラストは皮肉だが、考えようによってはハッピーエンドなのかも。
[ビデオ(字幕)] 9点(2007-08-05 09:35:58)
50.  サン・ジャックへの道
ロードムービーということで、どちらかといえばゆったりしたテンポのストーリー展開を予想していたが、序盤から飛ばす飛ばす。おかげでほとんど疲労感を感じることなく映画を楽しむことができた。何よりそれぞれの登場人物の個性がしっかり描けている所が良い。まあ、個人的には緩慢な雰囲気のロードムービーが好きではあるのだけど。
[映画館(字幕)] 7点(2007-08-04 12:09:17)
51.  そして船は行く
一切のリアル志向を拒絶するかのようなフェリーニの姿勢には感服してしまう。当時のヨーロッパの人々が常に心のどこかで抱いていたであろう戦争の不安が全体に漂っていて、時代とは無関係に生きることのできない人生の哀しさが伝わってくる。月明かりの下で歌を歌ったり踊ったりするシーンは幻想的ですばらしい。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-08-04 11:56:06)
52.  インテルビスタ
フェリーニにしてみれば映画の撮影もお祭り騒ぎ。たまにしんみりしてしまう所もあったりと、ほとんど思い出話に近いようなものをあそこまで面白くしてしまうのはすごいと思う。特に、マストロヤンニとエクバーグが過去に共演したシーンを見つめる所は、二人の表情にフェリーニ自身の心情を重ねているようで印象深い。
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-08-02 01:23:11)
53.  復讐するは我にあり
人間の醜悪な部分を徹底的に描いてみせていたと思う。序盤の殺しのシーンで、殺される人たちの最期の抵抗が間抜けに見えたのが気になっていたが、最後まで観て妙に納得してしまった。人々の良心の欠如が巌を殺人鬼に仕立て上げていたように感じられたから。最期に何度も繰り返されるストップ・モーションでは、そのことを僕自身が突きつけてられているようでぞっとした。
[DVD(邦画)] 8点(2007-08-01 01:45:50)
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