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41.  君よ憤怒の河を渉れ 《ネタバレ》 
とても勢いのある映画だ。謎あり、アクションありで、疾風、怒涛が駆け抜けていく感じ。二度も熊に襲われたり、猟銃で狙われたり、免許なして飛行機を運転したり、夜の新宿を馬で疾走したりと、意表を突く展開の連続で、映画の醍醐味をあじわうことができる。評価したい。ただ強引な展開に不審を抱きながらの鑑賞となるので、爽快感を得るまでには至らないが、最後まで見届けたい気持ちにさせられる。 無実の罪を着せられた者が、無実を証明するために逃走し、真犯人を突き止めるという主題は、とても感情移入しやすく、大衆好みだ。しかしミスキャストなのは残念。主人公杜丘役の役者は、脂ぎって日焼けした親父顔、ぎょろつく目玉、短髪、どすの利いた声で、謹厳実直な検察官には見えない。それに高年齢すぎて、若いヒロインが一瞬で恋に落ちるという設定に無理が生じている。実際に、中年で脂ぎった殺人逃走犯がいたとして、それを助けるホステスがいるとも思えない。常に演技がかった、やさぐれ刑事も鼻につかないではないが、叩き上げの刑事なら、いてもおかしくないと思わせるものがある。後半に杜丘との奇妙な「友情」を結ぶことを思えば、これぐらい個性があった方が適格だろう。 ほとんどが逃走場面だが、鑑賞しながら、どうして家族や親友に連絡しないのかという疑問にとらわれていた。緊急時に助けとなるのは、家族か親友で、真っ先に連絡するだろう。警察やマスコミだって家族や親友を追及するに違いない。それが一切姿を見せないという不自然さ。同僚の上司が登場するのみだ。逃走犯を一匹狼にしたいのはわかるが、孤児育ちであるなど、一定の説明が必要だろう。 事件の真相は、人格を喪失させる新薬を使っての犯罪という荒唐無稽なもの。犯人が杜丘に罪をなすりつける手法も稚拙で、あれではすぐに夫婦での共謀偽証と知れる。杜丘は逃げる必要などなかった。偽証の妻を殺したすぐあとに杜丘が来て指紋を残して、犯人にとって都合がよすぎる。刑事が偽証の夫の居場所を教えてくれて、杜丘にとって都合がよすぎる。精神病院の院長が自殺し、製薬会社の社長も自殺して、ラスボス政治家にとって都合がよすぎる。政治家を射殺しても正当防衛が成立して、刑事と杜丘にとって都合がよすぎる。少し荒を削り、整合性をもたせれば傑作になりえただろう。役者の熱演が光っただけに残念である。
[DVD(邦画)] 6点(2013-06-12 16:14:05)
42.  坊っちゃん(1977) 《ネタバレ》 
原作は根っからの江戸っ子気質で恬淡かつ曲がったことが嫌いという青年が、田舎の中学に教師赴任し、そこの社会の閉鎖性と人間関係の欺瞞や権謀術数に辟易し、遂には奸物に鉄槌を下し、教師を辞すという痛快な青春物語。補助物語として、下女の清との疑似親子的な愛情が描かれ、ほろりとさせられる。 本作品では、清の登場は冒頭のみ。代わりに原作では名のみだったマドンナが「新しい女」として登場し、男たちと丁々発止と渡りあう。また原作では、生徒達と和解しないで終るが、本作品では和解する。 明治39年という設定だが、大正5年発行の1円札が使用されるのはご愛嬌で、まあその程度の作品。生徒が主人公を「坊っちゃん先生」と落書きするが、坊っちゃんと呼ばれていたのは知らないはずで不自然である。 練兵式での祝勝会、市中での生徒同士の小競り合い、祝勝会余興の土佐のぴかぴか踊り、生徒と坊っちゃんたちを交えた大喧嘩など、群集場面が全て省かれているのは予算の都合と見当がつく。狸校長、赤シャツ教頭、のだいこなどのキャラはなかなかのもの。とくに山嵐は豪胆、快闊な人物として描かれ、坊っちゃんとの友情が作品の核をなしている。これといった見所もないが、欠点もない。明るい作風に仕上がっているので鑑賞後感は悪くない。
[DVD(邦画)] 6点(2013-05-13 02:00:38)
43.  樺太1945年夏 氷雪の門 《ネタバレ》 
オリジナルは153分だが、フィルム劣化のため119分に編集されてのDVD化。ソ連軍に侵攻されたかつての南樺太や真岡郵便電信局の様子を歴史的視点で描くことより、集団自決した九人の電話交換手に同情する気持ちが強いため、かなりの脚色がある。昭和20年8月20日真岡電信局に勤務した交換手は12名。10名が睡眠薬と青酸カリによる服毒自殺を図り、9名が亡くなった。生存者がいた。遺体は勤務時の姿勢のまま、ヘッドフォンをして電話台に俯せになっていたという。青酸カリの入手経路は不明だが、机の上に置いてあったのを飲んだという証言がある。生存者の中にも所持していたという人もいるので、さほど入手困難なものではなかったようだ。映画では、全員自主的に残留するが、局長に残留要員選定命令が出ていたとする証言もある。劇中、疎開船3隻が留萌沖で国籍不明の潜水艦の攻撃を受け、沈没したと通信を受ける場面があるが、これは22日発生の出来事で明らかな脚色。ソ連の立場はほとんど描かれていない。1945年2月のヤルタ会談で、ドイツ敗戦後90日後(つまり8月9日)のソ連の対日参戦と終戦後の日本の領土・植民地の処理が決定され、南樺太は戦勝権益としてソ連領となると決まった。日本は8月15日に無条件降伏したが、ソ連軍は「8月25日までに南樺太を占領せよ」との命令を受けていて、少なくとも9月2日の降伏調印式までに終了させたい思惑があった。樺太全土を占領できたのは25日。民間の犠牲者は約3,700人。ソ連関係者がこのソ連軍鬼畜映像を見て、激怒したのはむべなること。ソ連関係者から配給会社に横槍が入り、公開は延期、最終的に別の配給会社から当初より大幅に興行規模を縮小しての公開となった。「早すぎる死」と悼む声が多い。街中に艦砲射撃され、上陸したソ連兵から電話交換室にも銃弾が撃ち込まれる状況では逃げ場はなく、ソ連軍から恥ずかしめを受けるといった恐れもあり、いさぎよい死を選んだのは無理からぬことともいえる。日本人には自殺文化、自殺の美学があり、自殺により名誉を守る、責任を果たすといった倫理規範が存在した。お粗末な特撮、ソ連の戦車は自衛隊のものを流用するなど戦闘シーンは迫力がない。砲弾の中、悠然とうどんを食べる少年がいて、頼もしく思っていたが頓死した。逆にきっと食われると予想したうさぎは生き残った。戦争において生と死は紙一重だ。
[DVD(字幕)] 6点(2012-12-22 22:01:41)
44.  どですかでん 《ネタバレ》 
貧民街で暮らす人達の姿を赤裸々に描く群像劇。爪に火を燈すようなぎりぎりのどん底生活では、良くも悪くも人間性が浮き彫りになる。トラウマになるほど悲惨な挿話もある。性にまつわる問題が多い。挿話の束ね役は、いつも超然としている彫金師の長老。泥棒に財布を進上するちゃめっ気があり、六ちゃんの電車ごっとに付き合い、偽薬で自殺志願者を救い、刀振り回す男をさばき、病気の乞食父子を援助しようとする。大活躍だ。一見救いのない話が多いように見えるが、微かながら光明はある。妊娠した娘は、元凶である叔父と別れることができ、傷害罪は問われず、勤労青年とも仲直りできた。生物学上の父親が違う家族では、父子の絆が確認できた。夫婦交換の夫婦では、夫婦の絆が確認できた。無愛想の妻の家では、妻との絆が確認できた。自殺志願者は、生きている意義を知った。六ちゃんの家は、母が知恵遅れの子を心配をしているが、子は母の心配するほど成長してきている。不義の妻の家では、夫と十分な和解は叶わなかったが、夫は妻の作った食事を食べるなど妻を許す兆しを見せ、妻は夫と別れて新しい人生を踏み出すきっかけを掴む。乞食の親子は異色。子はあっけなく死ぬ。施された食べ物で食あたりを起こすという皮肉。しかしこの子は幸せであったと信じたい。父の為に物乞いの毎日。父の空想に付き合う日々。それでも愚痴一つこぼさなかったのは、父のことが好きで、一緒の生活が幸福だったからだろう。監督初のカラー作品で、監督の敬愛するゴッホの絵のように荒々しく、色がどぎつい。ストーリーはおいておくにしても、力強く生命感溢れる映像は心証深い。ゴッホが監督したかのような内容と仕上がり。後に「夢」でゴッホを描いているのも偶然ではないだろう。ゴッホは自殺し、監督も公開の翌年自殺未遂を起こす。芸術家は”狂気”を持ち合わせている。六ちゃんの運転する電車は空想。乞食の建てる家は想像。空想や想像だけの世界で生きていれば苦悩はない。だがそれは現実逃避に過ぎない。”映画という現実”を創り上げるために監督がどれほど苦悩し、苦労したか。生身の監督の悶え、もがく姿が投影されている気がする。ある意味自画像といえるかもしれない。ラストでは電車の絵に光明が射す。最後まで希望を失わない姿勢に感動。大阪万博の年にこの映画を創るとは何と不器用な。時代設定を戦後すぐにすればもっと感情移入できた。
[DVD(邦画)] 6点(2012-07-12 07:25:54)
45.  暗黒街のふたり 《ネタバレ》 
前科のある男が出所し社会復帰をめざすが、刑事のストーカー紛いの干渉と不運が重なって殺人を犯し、死刑になるという不条理な話。だがその不条理よりも、一貫性のないストーリー構成に不条理を感じてしまう。思うに死刑という結末ありきで、悲運と不条理を訴えたい場合、次のような設定にすれば理解されやすい。①男が過去の罪を悔やみ、社会復帰しようと奮励している。②刑事が男を疑っており、監視し、生活に容喙する。③強盗仲間から執拗に誘われる。④職を得るのが難しいなど、社会復帰に困難が伴う。⑤妻とは深く愛しあっている。⑥保護観察司など一部の人からは信頼されている。⑥不幸な偶然が重なり殺人を犯してしまう。この中で②だけは成功している。誰もあの刑事には怒りを禁じ得ないだろう。しかし他の設定はゆるがせである。冒頭、刑務所の作業中に煙草を盗み吸う場面があるが、全く余計だ。更生している人とは思えないからだ。強盗仲間の勧誘は中途半端。新参者が男につっかかる場面があるが、その後登場せず、伏線が回収されない憾みがある。そして社会復帰があまりに簡単に行き過ぎる。経営者からは共同経営を持ちかけられるほど信頼され、刑事より多額の給料では恵まれ過ぎている。妻が事故死してしまうが、これもいただけない。男の不運を強調するのが企図だろうが、すぐに恋人が出来てしまうのでは効果が薄い。観客の同情も、妻と恋人の二人に分散してしまう。一貫して深い夫婦愛を描いた方が、より感情移入しやすかっただろう。脚本の意図としては、恋人を銀行員にして、刑事に銀行強盗を匂わせたかったのだろうが、失敗している。保護司との関係だが、二人にどういう因縁があるのかはっきりしない。のみならず、刑事との因縁もよくわからない。刑事が男をあれほどまでに警戒する理由を示してほしい。さらに言えば、男の家族が一切登場しないので、男の人物像はよくわからないままだ。殺人だが、あっさりしすぎている。短気を起こして刑事を殺すのでは同情が得られない。もっと殺すに十分な理由が必要だし、あるいは偶発的な事が重なって冤罪に近い形で殺してしまうというような展開が望ましいかった。最後にこれは最大の欠点と思うが、それは不用意なナレーションにより、結末が判ってしまうこと。法廷場面で、男が死刑になるのは明らかなので緊張感がない。男が淡々と運命を受け入れ、陳述もしないのは奇異に感じる。
[DVD(字幕)] 6点(2012-07-04 01:06:53)
46.  刑事コロンボ/忘れられたスター<TVM> 《ネタバレ》 
刑事が鬼の首を取ったように断言する「フィルムが切れたせいで映写時間が伸び、犯人のアリバイが成立しない件」は、本人が意図的に巻き戻したとすれば説明がつく。例えば、再び見たい部分があったとか、トイレに行っていたとか、うとうとしていたとか、言い訳はいくらでも可能。詰めにキレが無い、というかバカバカしいほどだ。裁判で一蹴されること請合いである。物証なら硝煙反応のついた犯人の手袋。 ◆犯人は認知症なので、責任能力はなく、逮捕しても起訴は不可能。記憶を喪失する病気で、余命二ケ月となれば万人の同情を買う事必死である。友人がかばって犯人の名乗りを上げるのはわかるが、寄り添ってあげた方が親切かもしれない。◆犯人の夫はいつ妻グレースの病気、動脈瘤のことを知ったのか?知っていたのなら医者なのだし、当然治療に専念させるべき。知人たちにも内内に話し、妻がゆめゆめ舞台復帰など本気で考えないように差し向けるべきではなかったか。少なくとも妻のパートナーには打ち明けるべきでしょう。又本人に告知するという選択もあった。世界一周の旅を計画していたそうだが、病気のことを思えば論外で、妻の舞台復帰をやめさせるための方便と推量される。それにしても妻が重篤というのに、ユーモア冒険譚「マクトウィグ夫人の変身」をわざわざ求めて読むなんて、どういう神経をしているのか。◆グレースは帰宅してすぐに睡眠薬をくすね、運動しやすい黒服に着替えた。その時すでに夫殺害の意志があったのは確実。それならあらかじめ車庫から拳銃を持ちだしておけばよかった。これも脳障害の影響?◆犯行動機は表面上「舞台復帰を反対する夫を殺害し、資金を調達するため」だが、認知症のためどこまでが本気で、どこまでが妄想なのか判断できない。しいて動機を忖度すれば、スターだった若く輝かしい日々への過度の憧憬と脳の病気が重なり、自己中心的な考えに憑りつかれたというところか。それで愛する夫を殺害してしまったのだから、悲劇である。翻って犯行はアリバイ考察、拳銃による自殺偽装と非の打ちどころがなく、用意周到さを窺わせる。このあたり脚本の矛盾を感じる。咄嗟的で幼稚な犯罪だったが偶然の産物により、プロと見まがう犯行に見えるようになったとする展開ならリアリティが増しただろう。◆二ヶ月は持ちこたえてみせる⇒三日程度。◆木を伝うシーンは二人ともスタントマンが行っている。残念。 
[地上波(吹替)] 6点(2011-07-31 21:27:16)
47.  刑事コロンボ/ロンドンの傘<TVM> 《ネタバレ》 
妻の色仕掛けでプロデューサーを籠絡し、マクベス公演を実現させるとはさもしい俳優夫婦です。相当おちぶれていたのでしょうね。その割には良い暮らしぶりですが。 ◆被害者であるプロデューサーは明日初演の公演を中止させるとわめくが、それならこそこそ誰にも見られずに楽屋裏からやってくる必要はないと思う。 ◆女優の投げたクリーム瓶があたっただけで死ぬのは不自然。心臓発作か? ◆楽屋番の男は、女優の楽屋に置いてあった被害者の高級傘を何故自分のものと間違えたのか?女優の楽屋に自分の傘を置いておいたのか?それに傘は入口の傘立てに置くものと思うが、あのホールには傘立ては無いのか?イギリスでは部屋の中に傘を持ち込む習慣があるのか?刑事はどうして傘が部屋にあったと考えたのか? ◆被害者はどういう方法でホールまでやってきたのか?歩きでは無理な距離。車は家に置いたまま。タクシーを利用したのか?それならタクシー運転手が名乗り出ると思うが?執事の話では被害者宅付近では雨は一滴も降らなかった。が、車には雨の跡があった。勘案すると被害者は自分で車を運転したことになる。そして車は犯人が元に戻した?細かいことを言えば、車体に雨の跡があったというが、それは埃などがつもった車体の話であり、毎日洗っている車に雨の跡など付かないと思うがどうだろうか? ◆階段から転落したと思われる被害者のポケットの老眼鏡が壊れていなかったことが事故死を疑うきっかけとなったが、老眼鏡はそんなに簡単に壊れるものではないだろう。死体は仰向けに倒れているのだし。 ◆なぜ長年脇役専門だった俳優夫妻の蝋人形ができてるの?さんざんモデルをやらされたと女優が言っているが、舞台で主役を務めたのはつい数日前。舞台の影響はそんなに大きいのか? ◆被害者の蝋人形は何故傘を持っているの? ◆最もロンドンらしいと感じたのは、パブの中が中流階級用と労働者階級用とに仕切られていたこと。そして上流階級の憩うクラブ。高級感あふれる室内、天井は高いし、ティーセットは豪華。階級社会を垣間見た。 ◆執事が夫婦を恐喝するのは絶対にコロンボの仕込みと思ったが違った。長年仕えた主人を殺した犯人に仕える気分はどうだろう? ◆刑事のスーツケースが一週間も経ってから見つかるのはなぜ? ◆刑事の傘のトリックは自白を引き出すためのご愛嬌。二人も殺しているのだから仕方が無い?
[地上波(吹替)] 6点(2011-07-31 11:50:06)
48.  刑事コロンボ/美食の報酬<TVM> 《ネタバレ》 
事件のあったレストランで、コロンボが犯人と初対面する場面でゴッド・ファーザーのパロディをしている。遊んでますね。◆あの魚は河豚じゃなくてハリセンボンで毒は無い。◆被害者があのワインを飲むとは限らない。犯行方法が杜撰。◆犯人は有名人で金はあったはず。レストランを脅してまで金を取る必要があるのか?◆警察は組織で動いているので、刑事を殺しても意味はないと思うが、どうだろうか?刑事の態度と風貌のせいで、たった一人でぼんやり捜査しているように見えてしまうのだろうか。状況証拠のみで物証がないのに、わざわざ物証を持って出かけてゆく心理がわかりません。◆被害者が厨房の引き出しをバタンバタン開け閉めしたのは何故だろうか?小切手の控のありかを知らせているのなら締める必要はないはずだが。あんな場所に無造作に置いておくのも無造作すぎる。◆犯人は最後の対決シーンでワインの栓抜きを取り替えた。抜け目なく栓抜きに印をつけておいたコロンボにバレてしまったのだが、どうしてすぐに栓抜きを元に戻さなかったのだろうか?いくらでも隙はあったはずである。それにあの場合栓抜きなど使う必要もなく、直接ワインに毒を仕込むことも可能だった。◆栓抜き(ワインオープナー)はガス噴射式のものだろう。針がコルクを貫通して、ガスを送り込み、内側からコルクを持ち上げるもの。その知識がないとトリックがわからない。「CSI」だとCGを駆使して微に入り細に入り説明するが、コロンボシリーズでは口頭で説明するだけ。◆刑事はカートリッジが怪しいと睨み、鑑識に検査を依頼する。でもどうして針を検査しないのか?そもそも机の上にあった料理に関係するものは全て持ち帰り、鑑識に通すのが常道である。それなのに料理を作った調理人は容疑を晴らすため料理を食べまくり、コロンボも食べる。ワインオープナーは持ち帰らない。こんな杜撰な捜査がありますか?だから犯人は翌日やってきて栓抜きを交換できた。◆刑事は犯人が警察から被害者が毒で死んだと聞いて、医者にも行かず、まっすぐ店にかけつけてきたので怪しいと気づいたと高言する。しかし警察から詳細を聞かされているはずもなく、1時間以上も経過しており、それで体に異常がなければ医者になどいかなくて普通だろう。料理評論家であれば普通の人より中毒などの知識、経験も豊富であるはずだ。◆何故銀行員が刑事にケーキを出すんだ。
[DVD(吹替)] 6点(2011-07-31 00:47:02)
49.  刑事コロンボ/自縛の紐<TVM> 《ネタバレ》 
被害者の紳士靴が紐を結んだままロッカーにあり、 運動靴には誰かに結ばれたとわかる結び目。 これが被害者が何者かにより運動着に着替えさせられた動かぬ証拠であり、犯人しか知りえない秘密。 何故なら被害者はたった一人でオフィスに遅くまで残っていたのだから。 一方で犯人のアリバイ工作。 犯行後自宅に戻った犯人は、被害者の録音テープを使って自宅の別の電話にかけ、電話に出た秘書にその時点で被害者は生きているとみせかける。だかここで犯人は決定的なミスをおかす。「運動着に着かえてトレーニングしているそうだ」などと、客に余計な一言を加える。 捜査により、被害者が何者かによって運動着に着替えさせられた事実が判明した時点で、犯人が明らかになる。鮮やかで爽快感のあるエンディング。 犯人は墓穴を掘ったわけだが、被害者も墓穴を掘っているようにみえる。 まだ不正経理の調査が終わってないのに犯人に内容をぶちまけ、罵詈雑言を浴びせ、集団告訴すると脅している。そして今日から会社にたった一人残って調査を続けるとも。これじゃあ殺してくれと頼んでいるようなもの。普段には電話の会話を録音させている用心さはどこへいったのやら。 それにそんな調査は専門家にまかせればよいのに。後悔先に立たずである。 性急な行動が死につながった典型的な例。 原題「an exercise in fatality」は「死のエクササイズ」。これは「exercise in futility」(無益な行い、徒労)の語呂合わせだろうか。「無益な行い」は被害者にあてはまりそうだ。 ミステリーとしてはシンプル、1ボディ(死体)、2トリック。大部分は刑事のコミックショー。
[地上波(吹替)] 6点(2011-07-30 19:12:47)
50.  刑事コロンボ/逆転の構図<TVM> 《ネタバレ》 
ユーモア・ミステリーとして秀逸。ユーモアは、教会の救済所で浮浪者に間違えられたり、灰皿がなくて葉巻の灰をポケットに落とすところなど傑作。 【疑問】 ①「良く練られた計画殺人」の筈なのに、事件当日に奥さんを待たせて、暗室で1時間もかけて脅迫文を作っていたのは何故だろう?わざと奥さんを怒らせているとしか思えないのだが。 ②そもそも殺人動機が不明確。性格の不一致で離婚すれば済むのに。それに夫婦不和は、犯人の浮気が原因では? ③犯人は共犯者の借りているモーテルの鍵をどうやって入手したのか? ④モーテルで共犯者のカメラを盗んだのは犯人。そのカメラで誘拐写真を撮る必要があったから。でもそんな手のこんだことをする必要はないだろう。普通に返してもらえば良いのだから。 ⑤犯人がモーテルに入ったときの鞄は黒だったのに、廃車場では茶色に変わっている。鞄の中には紙幣も入っており、代える理由が不明。 ⑥犯人は共犯者との約束の時刻にどうして30分も遅れたのか? ⑦犯人は共犯者に脅迫状を見せて巧妙に指紋をつけさせるが、元となった新聞にはつけていない。少し考えれば脅迫状に指紋をつける犯人などいないのだから、逆にすべきだったのだ。カメラには共犯者の指紋がついている筈で、これは正解。 ⑧刑事が共犯者の周囲を洗わないのはどうしてか?洗えば、簡単に犯人と交友関係が出てくる筈。また金の出どころも洗わないのはどうしてか?農場など買えるお金がある筈もないのだから。それに農家を買うお金があれば誘拐など行う必要がないので不自然さに気づくはず。農家を買ったのにモーテルに住んでいるのも変である。死体を始末しないで放置するのも不自然。普通は隠す筈。 ⑨殺害部屋は太陽光が差し込んでいるので影で時間のトリックが判明すると思う。 ⑩刑務所の写真集なんてあるの?肖像権の問題があるはずだが。 ⑪最大の欠点は死体がすぐに発見されるように仕組んだこと。どこかに隠せば、死体無き殺人で、捜査は困難を極める。 ⑫刑事の仕掛けたトラップは証拠としては弱い。プロカメラマンであれば、印画紙からそれを撮影したのはどのカメラか、ある程度察しがつくのではないか?あのカメラは特殊で、その場で印画できるタイプであり、メーカーも限られているだろう。
[DVD(吹替)] 6点(2011-07-28 01:25:41)
51.  ナイル殺人事件(1978) 《ネタバレ》 
良かったのは、エジプト観光気分を満喫できた点。気になったのは、エジプト人に対するリスペクトが無い点。エジプトでは上映不可だろう。◆終始一貫のんびりムード。遊覧船の乗客ほぼ全員に犯行動機があるというのに。殺人が起きて誰も警戒しない、鍵もかけないし、部屋に閉じこもらない。その割に死体がゴロゴロ。アンバランスだね。◆捜査は至って楽。なにせ犯人が、わずか数名の乗客の中にいるのだから。とりあえず容疑者の手を観察し、匂いを嗅いで、硝煙反応を確認すれば良いね。◆この手の作品の良し悪しは、犯行計画が見事かどうか。サイモンは妻を殺したいのなら、事故にみせかけてピラミッドから突き落すとか、コブラ使うとか、いくらでも機会はあった。わざわざ元恋人ジャッキーと手の込んだ芝居をする必然性が無い。彼女がサイモンをフェイクで撃ったとき、目撃者一人の他に駆け付けたのが一人だけだったから成功したが、他の人も駆け付ければ計画は破綻。それが医者だったら負傷して無い事がばれるし、妻ルイーズが来ればどうするつもりだったのか。妻は寝ていて射殺されたけど、ついさっきまでカードしてたよね。起きて他へ行っていたらどうする?そもそも撃った弾が足元の床にめり込んでいるんだから、ばればれ。その場はごまかせても現場検証で確実に発見される。空砲を使いなさい!そして妻射殺の際の爆音に誰も気づかないのはどうして?このとき誰かが駆け付ければ計画は破綻。目撃されるだろうし、少なくともサイモンは自傷する機会を失う。◆拳銃だが、ジャッキーが床に捨てたのに、みんなが現場に戻って来たら無くなっていた。その拳銃が殺人に使用されたわけだが、現場に残っていたのはサイモンだけなのだから、彼が知らないはずが無い。第三者が持ち出せた可能性はあるが、誰も拳銃のことに言及しないのが不思議。凶器が床に落ちたのに、拾おうともしない。◆目撃した小間使いは犯人にお金を要求して刺殺。でも紙幣の破片が指に残ることは無い。死後硬直して無いのだから。◆目撃した女流小説家は2メートルくらいの距離で射殺されたんだから、逃げる姿くらいは目撃できたでしょ。◆即死なのにダイイング・メッセージ。肩掛けにハンカチと拳銃を包んで捨てればいいのに、わざわざ灰皿を重しに使用。真珠を盗んでも返したらおとがめ無し。母親を殺された翌日に婚約。睡眠薬を飲まされ、毒蛇を部屋に放たれる愚鈍な名探偵。
[DVD(字幕)] 6点(2011-01-08 17:14:05)(良:3票)
52.  メカゴジラの逆襲 《ネタバレ》 
◆真船桂の父は優秀な生物学者だったが、恐竜発見とそれを自由に操る研究で世間から抹殺される。桂は世間から隔絶して父と共に研究を続けていたが、やがて母親が失意の内に死亡、自身も研究中の事故で死亡した。しかし宇宙人の手でサイボーグとして再生。研究は宇宙人の協力のもとに成功。恐竜は命令通り、調査船を撃沈させる。◆そこへ海洋学者の青年が父の研究を知りたいと訪ねてくる。父は死んだと突き放すが、憎からぬ感情を抱く。青年が恐竜の探査に向かうと知った桂は止めるように懇談。宇宙人の命令で調査船を恐竜で襲うが、偶然調査船は助かる。父は世間に対する憎悪と復讐心に執りつかれているが、桂には人間らしい心が宿っていた。恐竜対策本部をスパイする為に青年に近づく桂だったが、心は揺れ動く。◆国際警察との戦闘で二度目の死亡。宇宙人の手により再び甦るが、体内にメカゴジラの作動装置を埋め込まれる。宇宙人の意のままとなり、恐竜とメカゴジラを操り、町を破壊し、ゴジラを叩きのめす。基地に捕縛された青年が連れてこられても心を開かない。◆国際警察が基地を襲撃。父は流れ弾で死亡。彼女自身も被弾して負傷。青年が叫ぶ。「たとえサイボーグでも僕は君が好きだ」その言葉で人間の心を取り戻した桂は、作動装置をもつ自分が破壊されない限りメカゴジラは倒せないと告げ、青年に自分を破壊するように懇願。拒否する青年の腕に抱かれながら、銃で自らを撃つ。悲運の生涯を終えた。 【感想】主人公は桂だろう。ゴジラやメカゴジラより、チラノザウルスと桂の方が目立っていた。桂のサイボーグとしての葛藤と恋愛感情は十分に描かれているとはいえないが、印象深いものがある。マッドサイエンティストの父に育てられ共に研究、幼くして母親を亡くす、2度も死亡してサイボーグとして再生、宇宙人に人類を売り渡す、恐竜を操り青年の乗る調査船を襲う、町を破壊し、ゴジラと対決、まさに波乱万丈の人生だ。そして最後は青年と人類を守るために自害。子供向け怪獣映画にしては不釣り合いな重厚な悲劇性を内包する異色作品。【ツッコミ】チラノ弱そう。たかが超音波に弱い理由は何。尻尾で暴風は起きない、ゴジラはなぜやってくる。蹴飛ばされたゴジラが重力を無視して飛んでゆく。制御装置に火花が散りすぎ。桂の眼が光すぎ。ゴジラの磁力はどうなった。円盤あっさりやられすぎ。
[ビデオ(邦画)] 6点(2010-10-08 23:39:02)
53.  ゴジラ対メカゴジラ 《ネタバレ》 
◆アンギラスが叫ぶ。岩の中の何かが光って爆発炎上。沖縄アズミ王族の子孫の女ナミが幻を見る。それは怪獣が町を破壊する幻影。洞窟から発見された奇妙な金属。それは宇宙金属と判明した。洞穴から発見された古代遺跡とシーサーの置物。それには古代アズミ王族の予言が描かれていた。アズミ族を滅ぼそうとヤマトンチューがやってきたとき、二匹の怪獣が現れて人々を救う。本土では地震が頻発。巨大生物が移動しているとの憶測あり。置物を狙う謎の人物が登場してアクションシーン。そしてそれらを遠くから見守る謎の新聞記者(岸田森)。考古学博士二人と宇宙工学の権威がからむ。ヒロインも三人、ナミと考古学博士と宇宙工学博士の娘だ。そしていよいよゴジラ(実はメカゴジラ)登場。ここまで開始から18分。謎をふんだんに含み、テンポのよい展開で、掴みはOK。 ◆だがその後の展開がグダグダ。聞かれもしないのに計画を何もかもしゃべり過ぎる宇宙人には辟易。死んで正体を現す姿がゴリラそっくり!仮にもブラックホール第3惑星人だよね。キンギシーサーを眠りから覚ますナミの歌が民謡風ではなく、もろ昭和ムード歌謡。これはギャグにしか見えない。最大のツッコミどころ。大して活躍しないヒロインに失望。メカゴジラのルックスが合格点で、兵器も多彩、戦闘シーンは迫力あるのに惜しい。全体として脚本の中味は濃く、リメイクして使えそうな出来映えである。 【疑問点】 ①ナミの見た幻の怪獣はキングギドラだったのは何故?②アンギラスとゴジラは何故メカゴジラに闘いを挑むのか?③ゴジラの顔が妙にカワイイ。④キングシーサーが目覚めたときは陽が沈んだ後なのに、その後真昼間になっている。⑤まだ眠っているキングシーサーを倒すためにメカゴジラが飛来するが、何故か遠くで降りて、ゆっくり歩いてゆく。⑤怪獣が大暴れてしているのにマスコミも自衛隊も政府首脳も一切登場しない。⑦博士のパイプ兵器は電極の+と-を破壊する電磁波を作るものだが、それだけで何故基地とメカゴジラが爆発する?⑧沖縄の老人は、最初ゴジラ(実はメカゴジラ)が東京で暴れているときにヤマトンチューをやっつけろと応援していたのに、舞台が沖縄になった途端に手の平返し。⑨予言の空に浮かぶ黒い山、赤い月に何の意味があるのか? 蜃気楼は鏡面でないので、沈む太陽は昇らない。
[ビデオ(邦画)] 6点(2010-09-25 20:17:02)
54.  ヒッチコックの ファミリー・プロット 《ネタバレ》 
ジョージ(タクシー運転手)とブランチ(ニセ霊媒師)<以下GB>、アーサー(宝石商)とフラン<以下AF>の二組のストーリーが途中から交差する構成。GBはおまぬけで下品、完全にコメディ路線。AFは誘拐犯で殺人も辞さないシリアス路線。最後までかみ合わないままで終わってしまった印象がある。アーサーは成功した宝石商なので、犯罪に手を染めているのが不自然。GBがエディ(アーサー)を探すのは遺産相続のためなので、いい話。それなのに命を狙われたりするので、落ち着かない。ちぐはぐなのだ。そこを狙ったとしたらかなり高度なユーモアだ。一層AFもコメディ路線にすれば楽しさが盛り上がったのに。エディが育ての両親を殺したという設定のせいで、重くなりすぎた。おまけにその理由も不明のまま。誘拐の方法など、どこかとぼけた味わいがあるだけに惜しい。マロニーはがさつな殺人鬼で、事故死してしまう。これも重い。アーサーは実はエディというネタばれはもっと引っ張ってもよかった。ブランチのキャラがとてもチャーミングなので、彼女を中心に構成しなおせばよいリメイクが作れると思う。ブランチがサーサーを探して尋ね歩くところはキレがあった。「あなたは山羊座ね」「しし座よ」「だと思ったわ」の会話がツボでした。GBを隠し部屋に閉じ込める方法も大うけ。ラストでブランチが宝石のありかを見つけますが、その説明がつかないですね。シャンデリアがゆれて偶然落ちてきたほうがまだ納得。GBらしいオチになります。やはり映画は脚本が命ということを再確認。
[DVD(字幕)] 6点(2009-09-23 12:46:39)
55.  ガメラ対大魔獣ジャイガー 《ネタバレ》 
ガメラ映画としては佳作と思いました。良い所を上げます。1.怪獣バトルシーンが多い。2.ジャイガーの武器が多彩。幼虫攻撃でガメラが透明になるシーンは出色。3.子供達の活躍が効いている。4.ムー大陸や悪魔の笛など小ネタがいい味を出している。5.万博という当時の世相を反映している。残念なところ。1.呪いを訴えたウェスター島の島民が最初に出てきたきりになってしまっている。一緒に知恵を絞ってほしかったです。2.万博会場を壊してほしかった。かなりのインパクトになったはず。3.ジャイガーはどうしてあの石像を追ったのだろうか?4.ガメラが子供の味方であることを強調しすぎ。人類の味方でいいのでは?
[DVD(邦画)] 6点(2009-07-02 00:14:25)(良:1票)
56.  男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け 《ネタバレ》 
このシリーズは、たいてい寅次郎が世間の人から馬鹿にされるシーンがあります。そのときは不愉快な気分になります。コメディなのだから、そのようなシーンは不要と思います。 冒頭の夢シーンはそれ以上に不要です。何の伏線にもなってません。監督のセンスを疑います。 寅次郎の熱いハートとずっこけぶりに焦点を絞ってもらいたいものです。 この作品では、青観という有名画家が重要な役割を果たします。が、過去に老婦人とどのようなかかわりがあったのか、今度どうなるのか、など不消化の部分が残ります。画家は、絵は真剣に描くものだ、売っぱらったことはない、などとして寅次郎の依頼を断りますが、実際に絵を売っていますし、子供にも絵を描いてやったりしており、矛盾を感じます。また市役所が依頼した絵の顛末も不明のまま。なんかもやもやしますね。お金持ちなのに、お金を持たずに飲み屋に入ったのはどうして?どうして絵を売ったことがないのに神田古書店のおやじを知っているの? ぼたんの芸者シーンは、いかにも演技で笑っているかんじでなじめませんでしたが、後半のお金を騙し取られて苦悩するシーンからはよい味が出てました。他のマドンナと違い寅次郎と同じ世界の住人に感じられるところが異色です。別世界に咲く高嶺の花ではないわけです。美女すぎないところが、寅次郎と似合っているのでしょう。 寅次郎がぼたんの境遇に同情するシーンが最大の見せ所ですね。意を決して悪党と対決に行くのですが、場所を知らないというオチ。依頼を断った画家を叱るシーンが熱いですね。あれに感動したので画家は絵をぼたんに送ったのだと納得がいきます。最後の感謝のシーンでもオチがありますね。泣いて笑わせる。すばらしいですね。
[DVD(邦画)] 6点(2009-02-02 06:33:41)
57.  青春の殺人者 《ネタバレ》 
テーマがテーマだけに、後味が悪い作品。 基本的には息子をしばろうとする父親と、その呪縛から逃れようとする息子の対立。 いちごの回想シーンで、父親とケイコに肉体関係があったような描き方をしているが、 あれはどういうことだろうか? 無理心中を図ろうとする母親の心理がよくわかりませんでした。 相当抑圧されていたことは理解できましたが。 「もうこれで働かなくていい」が、最後の言葉、さびしいですね。 子離れできない母親だったのでしょうね。 主人公にも母親を殺す理由がないんですが。 家庭環境にさほど問題があったわけじゃなく、むしろケイコの家の方が悲惨なのですが。 その後は主人公の心の弱さが前面にでて、支離滅裂な行動のオンパレード。 自殺を図るも失敗。トラックの荷台にのって逃走。 水谷と原田の演技はよかった。 原田のみずみずしいヌードに+1点。 ヌードと血でリアリズムを出していました。 「せつない青春もの」ではなくて、「せつない犯罪もの」でした。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-04-16 18:54:29)
58.  配達されない三通の手紙 《ネタバレ》 
【人間を描く】特殊な事情の下での復讐的犯行であり、もっと犯人に同情できるように描かれていれば余韻が残ったろう。犯人が結婚直前に婚約者の男性に捨てられた失意の様子、その後の3年間の喪失の日々、婚約者が戻ってきてからの和解の過程、楽しいヨーロッパでの新婚旅行、満ち足りた結婚生活、これらの動機に関する重要なことが簡略にしか描かれていないのが不満だ。犯人の内面に踏み込んでおらず、女の情念や嫉妬といった感情は記号的にしか伝わらず、感情移入ができない。また夫は二人の美女から死ぬほど愛される役柄である。それなのに男性的・人間的魅力に乏しい。神経質な顔に軟弱そうな体、言われるまま義父の会社に勤務するが勤務評価は低い、感情的に女に手をあげる、酔いつぶれて「あの女を殺す」と叫ぶ、別れてくれない女を毒殺しようとする、妻や妻の姉に金を無心する…、ダメ人間である。いったいどこに魅かれるのか。彼がどうして結婚破棄をして逃亡したのかも説明されない。過去の苦悩や苦悩が描かれなにので、この男が自殺しても観客の心は動かない。脚本は米国青年が日本にやってきてからの出来事を律儀に時系列で進め、ジョギングや陶芸やフルートなど不要なものばかり描いている。加害者の不幸な人生を描くことに成功して名作となった「砂の器」と好対照をなす。ただ被害者である元恋人の不幸な人生は描けている。 【サスペンス】登場人物の少ない家庭内殺人事件である。夫が犯人であるかのようにミスリードしているのは見え見えで、苦笑を禁じえない。三女と居候の青年は探偵役、長女は本筋に絡まない、父親も母親も影が薄い。となると残るは妻と夫の妹だけで、意外性がないのだ。三女の婚約者や長女、父親などを容疑者候補にするくらい練らないと良質のサスペンスをはいえないだろう。警察の捜査も不信で、どうして被害者の身元を真っ先に確認しないのか。素人探偵に先を越されている。警察の不注意で無実の容疑者人が逃亡、自殺させてしまった責任は重い。逃亡を幇助した容疑者の妹も見逃している。事件の真相を明らかにせず、闇に葬るのは検事としてあるまじき行為である。証拠がないというが、ヒ素の入手経路を調べれば真相が明らかになるはずである。
[DVD(字幕)] 5点(2012-11-21 22:44:41)
59.  タイム・アフター・タイム 《ネタバレ》 
低調な映画。凡作といわれても仕方がない出来。つじつまが合わないことが多い。歴史上の切り裂きジャックは1888年に犯行を行ったが、本作のスティーブンソンは1893年に娼婦殺しをする。彼が犯人と判明する経緯が何ともあっけない。警察が偶然彼の荷物を調べて、証拠品を発見するだけである。何の推理やサスペンスもない。探偵役のウェルズは相当なおバカである。タイム・マシンに同時気化装置なるものをとりつけているのだが、それをつけた意図が不明である。鍵をはずすと中にいる人間が永遠の彼方へ飛んでいってしまうという物騒な機能は必要だろうか?自分が乗っている間に、誰かがいたずらするという可能性を考えないのか。あるいは運転中に衝撃ではずれるとか。鍵を車外に付けていれば、当然その可能性はあるだろうに。また逆転ロックをかけておけば、マシンは常に元にいた場所に戻るという。だがそれはトラベラーが外にいた場合、永遠に戻れなくなることを意味している。うっかりミスを想定しないのか。極めつけは、犯人を追って1979年に飛んだことである。犯人を捕まえたいのなら、マシンで数時間前に戻ればよいだけじゃないか。それから博物館のタイム・マシンだが、鍵がなくても動くはずだ。「連続して旅行をを続けたい場合は鍵を使う」とウェルスも説明している。事実犯人は鍵なしでタイム・トラベルしている。犯人も犯人で、ウェルズを殺すとか、他の都市にさっさと移ればよいものを。ウェルズの恋人が殺されたと観客に思わせるトリックがあったが、あれは反則だ。どう見ても実際に死んだ恋人の友人は部屋にはいなかった。犯人は、「鍵を渡さなければ恋人を殺す」と手紙で脅すが、そんなことをすれば避難・潜伏されてしまうのはわかりきったことである。誘拐して脅かさなければ意味がない。恋人を避難・潜伏をさせられないウェルズは犯人より低能である。そもそも犯人は何をしたいのか、そこが見えてこない。人間が描けていない。タイム・トラベルや切り裂きジャック事件に対する情熱も、H・G・ウェルズに対するリスペクトも見られない。
[DVD(字幕)] 5点(2012-11-21 08:12:17)
60.  ドラゴン危機一発 《ネタバレ》 
敵役のやることなすことが、すべておバカですね。子供の売る饅頭を食べて金を払わない。氷の中から袋が出てきたらそれがヘロインだとすぐばらしてしまう。目算もなく仲間に誘い、断られらたら即刻殺す。遺体を氷づめにして倉庫に放置。あとさき何も考えていません。それを3度も繰り返している。そもそも氷の中にヘロインを入れて運ぶっていうのはどうなんですか?そんな馬鹿な、でしょ。途中で氷が溶けたり、割れたらすぐにばれてしまう。それにそんなに大量のヘロインがあることが不思議です。挙句の果てに失踪した四人の行方をごまかしきれなくなって、一家殺害に及ぶ。娘は拉致してラスボスに提供。行き当たりばったり、無闇やたら、支離滅裂、無軌道すぎです。こんな組織が存続できたのが奇跡。個人による復讐、勧善懲悪型の映画の場合、適役が強くて、悪賢い程盛り上がるのですが、この映画は途中で投げ出したくなります。 ◆主人公のチェンですが。この人もおバカです。警察に相談すれば良いものを敵側の策略にまんまとひっかかり、籠絡されそうになります。武闘型英雄が酒に弱いというのはダメでしょう。刃物を多用するというのもいかがなものか。刃物を持った相手に対して拳で立ち向かって勝つというのが英雄の常道でしょう。子供も殺してしまい、後味が悪いです。 ◆ラスボスが武術の達人という設定ですが、どうみてもそこいらにいるおっさんにしか見えない。もうちょっと何とかならなかったのか。首をかしげます。これでタイトルが「唐山大兄 THE BIG BOSS」ですからね。ずさんとしか思えません。恋愛パートですが、チェンは屋台の女が好きだったのか、メイが好きだったのか?すっきりしないですね。ちなみにすさまじいほどの怪鳥音はオリジナルには無くて、死後に世界配信するときに挿入されたもの。
[地上波(吹替)] 5点(2011-10-25 22:39:37)
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