41. ミスト
《ネタバレ》 素直に面白かった。 人間のあらゆる恐怖の根源は、「わからない」こと。実体がわからないから、怖い。 異次元からのさまざまな怪物が出てきたが、それは結局、「人間の恐怖」を象徴したものであって、実はなんでも良かったのかな、とも思える映画。 「わからない恐怖」の状況下で、人々はどんな行動をとるのか。 無謀な者、怯え続けた者、錯乱した者、やはりこれらの人間はすぐに命を落とす。 勇気ある者が生き残り続けたが、最後に「諦めた者」になってしまった。 希望の重要性を説く映画は数多くあるが、それらとは全く違う角度から、希望の大切さを強烈に示唆してくれた映画だった。 安西先生のあの名セリフを思い出さずにはいられない。 [DVD(吹替)] 8点(2008-10-02 14:18:15) |
42. パッション(2004)
《ネタバレ》 やはり、みんなが言うように拷問のシーンが長すぎる。 人間の罪を描くという目的がある以上、決してはずせないシーンであることは確か。 しかし、いかんせん長すぎる。映画鑑賞者は、主人公に感情移入して映画を見るもの。 しかも、それがキリストであればなお更であろう。 それを、あんな長いリアルな拷問シーンを流したのであれば、人間の脳の構成上、必ず鑑賞者側にも苦痛が伝わり体に異変が起きるだろう。外国で鑑賞中に心臓発作を起こして死んだ人もいるようだけど、何も不思議ではない。 少し、危険な映画のような気がした。 全ては、「あえて」やったことだと思うが、何か他に方法はなかったのだろうか。 拷問シーンを30%カットして、他のシーンを増やしたリメイク版が出れば、 間違いなくすばらしい映画になると思う。 キリスト教系の学校に通っていた自分でも、辛かったという印象の方が強く残った。 [DVD(吹替)] 5点(2008-09-29 11:27:17) |
43. ブレイブ ワン
この映画のPRとして、「許せますか?彼女の選択」という文が使われているが 明らかに被害者の目線で撮られた映画であって、被害者側にだけ感情移入できるように創られているので、鑑賞後に決して正当な判断は下せないような気がする。 例えば、最後に命乞いしたにも関わらず殺されてしまった残虐な黒人犯人、つまり加害者側を主役にして映画を制作したとしたらどうなるだろうか? おそらく、幼児期の両親からの虐待、貧困、差別、などさまざまな同情するような シーンがスクリーンに映し出されると思われる。人間が悪に染まるには、必ず理由があると僕は思う。 あらゆる復讐は、最終的に必ず自分を不幸せにしてしまう。 「罪を憎んで、人を憎まず」ではあまりにも奇麗事すぎだと思うが、 他でもない、「被害者のために」それを理解させようとする動きが、今の時代では見受けられる。そういう意味では、少し時代に逆行した作品といえるのではないか。 いや、鑑賞後に罪について深く考えさせられた自分がいるので、映画としては狙いどおりなのかな。6点。 [映画館(吹替)] 6点(2008-09-27 15:28:30) |
44. レインメーカー
敵陣に単身一人で乗り込み、自分よりも遥かに経験も実績もある人間達に 小ばかにされ、揶揄された四面楚歌の状態でも、自分の信念を貫いたあの会議室のシーンが個人的に大好きで何回も見てしまう。 ルーディのような男になりたい。素直にそう思える作品。 [DVD(吹替)] 7点(2008-09-27 14:57:42) |
45. 絶体×絶命
《ネタバレ》 期待しないでなんとなく見た映画だったが、面白い。 アンディ・ガルシアが僕の中では静かなイメージだったので、 全く予想と違う内容でイイ意味で期待を裏切ってくれた。 悪役であるはずの、マイケル・キートンがハマリ役。しばしば応援してしまった。 ラストも、これまたイイ意味で期待を裏切ってくれた。爽快です。 邦題がB級系なので、ちともったいないですね。 [DVD(吹替)] 8点(2008-09-27 14:48:01) |
46. 宇宙戦争(2005)
《ネタバレ》 劇場で見たとき、衝撃と笑撃がそれぞれあった。 まずは、あの「ブォオオォォォーーン」という不気味なサウンド。 これでもかというぐらい重低音を利かせて映画館に鳴り響く。 やっぱ、映画館はスゴイ。感動の衝撃。 もう一つは、トムのピーナツバター遠投。あれにはやられた。 瞬間的にごっつのキャシー塚本が僕の脳内を駆け巡り、もう戦争どころではない。 緊迫した映画館の中で、ひとり笑いをこらえるのに必死。本当につらかった。 脚本へのツッコミどころは多数あるが、「宇宙戦争~ある家族の場合」という視点で 見れば、とっても素直に楽しめる。基本は家族愛がテーマなんだろうね。 あのピーナツバター遠投シーンにこの映画のすべてが詰まっている。 そう僕は思うんです。 [映画館(字幕)] 7点(2008-08-12 02:23:19) |
47. ライオン・キング(1994)
《ネタバレ》 ディズニー映画初心者としてなんとなく見始めた映画だったが、途中から釘付け。 みんななんて表情が豊かなんだ。 嬉しい顔、悲しい顔、驚いた顔、怒った顔、そして人生に苦悩する繊細な顔までもがアニメで見事に表現されているではないか。もう、それだけで感動。 ディズニーを完全になめてました。すみません。 ストーリーもグイグイ引き込まれるものがありました。ヒヒが、水面に映るシンバの姿に父親と重ね合わせて、王者の自信と誇りを取り戻させたくだりなんかは最高ですね。 そして実はヒヒが、拳法の達人だったことも最高です。 諭せる人は強いんだ。 [DVD(字幕)] 8点(2008-08-12 01:52:37) |
48. ザ・メキシカン
公開当時、劇場で見た後の感想としては4点。なんも残らなかった。 今、DVDであらためて鑑賞した感想は8点。むちゃくちゃ面白い。何でだ。 何系といえばいいのだろうか、とにかくオシャレな映画。 こういう感じの映画は元気が欲しいときにはうってつけ。 意外と脚本もしっかりとしていたし、雰囲気もイイ。 とにかく「好き」といえる部類の映画に昇格していた。 なんでこう時がたつとレビューの感想が変わるのだろうか。 今では部屋のBGMとしても大活躍の映画です。 ブラピ最高。釣りキチ三平スタイルバンザイ。 [DVD(字幕)] 8点(2008-08-12 01:21:34) |
49. ヒート
《ネタバレ》 僕の中では、10点を越える本当に大好きな映画。 仕事長期休暇の時、 ネプチューンマンよろしくニールの口ひげを真似ていたほどラブリー。 主演はもちろん、あまりに豪華な脇役陣たちも一人一人がピタリと役にはまっていて 実に気持ちがいい。 そこに、90年代の映画特有の画面の粗さが加わり、もう雰囲気は最高潮。 繰り返し観て感じるのは、この映画は一貫して「愛」を描いているということ。 仲間同士の愛、家族愛、男と女の愛、そして、最期の宿敵同士の愛。 ニールが何度も口にする「いつでも30秒フラットで高飛びできるように、面倒な関わりは持つな」に相反するように、小さなラブストーリーがいくつも出てくる。 どのストーリーも決して外せない。 そして最後には、孤独を貫いてきたニール自身も「愛」を選択する。 やはり人生は一人ぼっちじゃつまらない。 もともとニールは、犯罪プロフェッショナルであったと同時に、人一倍愛に満ちた人だったのだろう。とりわけクリスの嫁の浮気を本気で怒った時のニールは誰よりも、愛情豊かだったね。あのシーンで泣いた人もなかなかいないだろう(笑 171分を全く感じさせない奇跡の映画。 ただの骨太ドラマにしなかったマイケル・マンに心から感謝したい。 この映画を公開当時に映画館で観たことは、僕の誇り。 [DVD(字幕)] 10点(2008-08-08 02:13:13) |
50. ザ・ロック
《ネタバレ》 定期的に何度も見てしまう映画。 なんというか、やはり完成度が高い。俳優、テンポ、音楽、ストーリー、ユーモア、 そして、後味のよさ。全てがイイ。なんか、気持ちがいいぞ、この映画は。 グッドスピードの「I love pressure」がお気に入り。 ショーンコネリー演ずるメイソンは元英国諜報員らしいが、まさに007。 彼が年老いたボンドにしか見えない。だが、それがいい。 [DVD(字幕)] 8点(2008-08-02 01:05:57) |