41. ワイルドシングス
「ゲーム」と双璧を成すどんでん返しまくり映画。それなりにキマっているし、エロあり、スリルありでなかなか魅せてれる。 [DVD(字幕)] 7点(2012-07-22 01:50:20) |
42. 鮮血の美学
《ネタバレ》 自主映画さながらの俳優・カメラの素人っぽさが普通の映画ではありえない奇特の雰囲気を醸し出す。1時間にわたる何のカタルシスもない展開の後に起こる殺人。その後の衝撃的な展開・・・にもかかわらず全く盛り上がらない(盛り上げる気がない?)物語演出。挙げ句の果てには、所々で明るげな音楽が顔を覗かせはじめる。一体制作者は何を見せたかったのか? その意図を全く汲み取れないこと自体にこの作品の恐怖の本質がある。狂気そのものが垣間見える稀有な作品。おぞまし。 [DVD(字幕)] 6点(2012-07-22 01:46:36) |
43. おおかみこどもの雨と雪
映画という魔法にかけられたままの2時間を経験しました。日本最高の脚本家のひとり:奥寺佐渡子が書いた母親の成長物語と、オオカミ子どもの成長物語、そのドラマの数々を、細田守は登場人物の喜怒哀楽、そしてありとあらゆる映像表現を使って観客にぶつけてくる。心温められ、また締め付けられるような人間ドラマのシーンと、圧倒的な大自然のシーンとの対比。人間愛と野生、その関係を大胆に、かつ的確に描きだした圧倒的な結末。人間味溢れる登場人物、そこから紡ぎだされることばの数々。おそらく邦画アニメ史上にその名を刻むであろうこの作品。公開初日に観られた幸運に感謝です。 [映画館(邦画)] 9点(2012-07-21 15:00:08)(良:2票) |
44. 隣人は静かに笑う
巷にあふれる「衝撃の結末」というキャッチコピー。サスペンスファンの身としては、そんな触れ込みの作品を数十本と見てきましたが、未だこの作品を越えるものは現れていないといえる。それ程の結末。アーレン・クルーガー(弱冠27歳!?)の天才的な脚本構成に完璧にやられます。加えて素晴らしいのは、PV出身監督マーク・ペリントンのスピード感溢れる演出。アンジェロ・バダラメンティの素晴らしいスコアも相まったオープニング、そしてクライマックスでは鳥肌モノのスリルを味わえるでしょう。「羊たちの沈黙」「セブン」に比べて知名度で劣るのは、名画らしい重厚さ、行き届いた役者演出という点が欠如しているからか。しかし、サスペンス史上にその名を刻む超・衝撃作であることには違いありません。 [DVD(字幕)] 9点(2012-07-21 03:37:55) |
45. ミート・ザ・フィーブルズ/怒りのヒポポタマス
いやぁ、これは凄まじい。無表情なパペット達があらゆる方法で殺し合えば合うほど、その奥に隠されている本当の表情を想像させてしまうという仕掛け。残虐極まりないブラックジョークの数々に圧倒。でも爆笑しました。「チーム・アメリカ」と双璧を成す伝説のパペット映画に認定。 [ビデオ(字幕)] 8点(2012-07-21 03:29:35) |
46. 127時間
凄まじかったです。大自然の壮大なカット、ハンディカム、ドキュメンタリータッチ、コマーシャリズム……ダニーボイルはあらゆる映像表現を用いて主人公の葛藤を描きだしてゆく。オープニングのシークエンスが完璧にエンディングに繋がるというカタルシスも抜群。劇場を出たとき、自分の吸い込む空気の味が少しだけ変わっていた。こんな経験は年間何度もできるものではない。9点。 [映画館(字幕)] 9点(2012-07-21 03:10:21)(良:2票) |
47. SUPER8/スーパーエイト(2011)
8ミリ映画づくりを通しての甘酸っぱい青春アクションラブドラマ。それだけでお腹いっぱいなのに、なんとこの制作者はそこに宇宙人を絡ませ、しかも敵対するだけでなく心の交流までを描こうとした。この正気と思えない試みは案の定破綻をきたしているわけだが、それでもドラマパートのクオリティで一定以上の面白さを保っている。ある意味惜しい作品。 [映画館(字幕)] 6点(2012-07-21 02:52:49) |
48. コクリコ坂から
ところどころ首をかしげるセリフが出てくるのだが、世界観はしっかりと構築されており、監督が全力を注いだという意味で少なくても「借りぐらしのアリエッティ」よりは上である。 [映画館(邦画)] 6点(2012-07-21 02:49:32) |
49. X-MEN:ファースト・ジェネレーション
ケビンベーコンが悪役をやるって90年代映画か! とウキウキしての観賞。内容は勧善懲悪に徹しきれない時勢をしっかりと反映したヒーローモノで、CGやキャラ付けも見事。ケビンさんも相変わらずでちゃんとウキウキできました。 [DVD(字幕)] 8点(2012-07-21 02:46:15) |
50. モテキ
日アカは井上真央にかっさらわれましたが、この作品の麻生久美子は邦画史上に残るレベルの名演でしょう。女の見栄、悲しさ、たくましさをこれでもかと見せつけられ、気まずさを覚えるほどの凄さでした。 [DVD(字幕)] 7点(2012-07-21 02:43:47) |
51. アンノウン(2011)
《ネタバレ》 オチはしっかりしているが、サスペンスファンには予定調和の域。そこそこスピーディーな演出も評価できるが、なにせ監督は00年代のホラー史に残る傑作「エスター」を撮った人。過剰な期待をせざるをえなかったためマイナス1点 [DVD(字幕)] 5点(2012-07-21 02:41:44) |
52. 殺人者はライフルを持っている!
DVD収録のボグダノヴィッチへのインタビューに感動しました。およそ相容れない「必要絶対条件」を、ライフル魔の登場という物語設定で見事にくっつけるという発想が素晴らしすぎる。人生、ここぞという場面でのやる気とアイディアで決まるということか。 とはいえ、映画単体で見た場合、一つの場面場面で盛り上げ切れず、肩すかしを喰らったようなシーンが続くばかりで、演出力の弱さは否めません。ガンショップでライフルを300発購入する場面なんて、もっとハラハラさせられそうなもの。せめて音楽があればなぁ...「パニック・イン・スタジアム」はこれを何十倍にも進化させた映画なんですね。 [DVD(字幕)] 5点(2012-02-21 01:39:09) |
53. 縞模様のパジャマの少年
何が凄いって、この映画、終盤に入るまで徹底して子供の目線で描いていること。ゆえに我らは、収容所の中で起こっていることが頭では理解できていても、最悪の想像まで至らない状態で観賞し続けるのである。これが、ラスト15分になってこれ以上無いくらいに効いてくる。ブランコ、パジャマ、パンといった小道具の使い方も完璧。「子供の視点から観たホロコースト」というテーマを、信じられないほど見事に、かつ衝撃的に描き切った紛れもない傑作である。 [DVD(字幕)] 9点(2012-02-16 00:59:39) |
54. ヒミズ
《ネタバレ》 去年の12月、早稲田大学の某自主映画祭で、学生が監督した「砂の島」という中編作品を鑑賞した。311を受けて一から脚本を作ったというその作品では、その災害を受けて変容してしまった人々の心の動きや生活がリアルに描かれ、深く胸を討たれる作品に仕上がっていた。それに比べ、「ヒミズ」のなんと“取ってつけた”ことか! 大体、一人の中学生の個人的なレベルの悩みと、被災地の映像を“がんばれ住田”で結ぶことなど、あんまりではないか。監督が真摯に取り組んだつもりでも、こうも随所で物語の“取ってつけた感”が出てしまっては、嫌な感じしか残らない。所詮、テーマに中途半端に取り組んだ作品は、そこに真っ向から勝負した作品に敵うものではないのだ。 しかし、そうした致命的欠陥が存在してもなお、主人公2人を取り巻く過酷な環境を、観客に体感させるように描き出した監督の手腕は評価されるべきであり、物語の輪郭を鮮やかに切り取った染谷将太・二階堂ふみの瑞々しい演技の素晴らしさは言うまでもない。その頭を痺れさせるようなテンションの高さは「ハート・ロッカー」に通じるものがあり、主人公が生きる“戦場”さながらの日常という舞台設定がひしひしと伝わってきた。 [映画館(邦画)] 6点(2012-01-23 19:47:15) |
55. ALWAYS 三丁目の夕日‘64
国民的シリーズになりつつあるALWAYSも、ついに三作目。本作では、ストーリーにも「淳之介の巣立ち」「六ちゃんの結婚」「ヒロミの出産」という三つの柱を立て、それぞれをドラマチックに描こうとしている。しかしこの試みは、感動パートを茶川家のみに絞った一作目と対照的であり、その結果、皮肉にも笑い・見やすさ・感動、全ての部分で一作目に劣っているように感じた。魂を込めて描かれたそれぞれのパートが、物語中で互いの良さを打ち消し合ってゆくのを観て、それこそ、物語の基本中の基本:「起承転結」の重要さを思い知らされるようであった。間違いなく力作だし、不器用な六ちゃんの恋愛模様など楽しめる部分も数多くある。それでも、感動パートを詰め込みすぎるあまり、その重さで映画自体が難破しかけている印象が強く残った。 [映画館(邦画)] 5点(2012-01-23 18:55:11) |
56. スーパー!
《ネタバレ》 精神病男を主人公に据え、“犯罪者とヒーローの違い”を強烈に問いただした怪作。最初は笑えるが、後半に行くに連れどんどん真に迫ってくる。クライマックスの「割り込みは悪だ!! 麻薬売買は悪だ!!」と叫びまくるその姿には、ただただ胸が締め付けられ圧倒された... [DVD(字幕)] 8点(2012-01-16 01:55:46) |
57. ブラック・サンデー
ドキュメンタリータッチを貫き、これ以上ないくらいリアリティに根ざしたテロリスト映画なのに、呆れるほどの娯楽性を併せ持った神業的作品。登場人物のボルテージの高鳴りに呼応するように、盛り上がりを見せてゆくストーリーが圧巻。音楽も見せ場も激しくなってゆき、観ているうちにどんどんハードルが上がる。任務遂行のためには、意図も簡単に邪魔者を射殺してゆくテロリストの姿はリアル過ぎて鳥肌物。惜しむらくはそう、最後の最後で... [DVD(字幕)] 9点(2011-12-18 02:25:21) |
58. ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
ただただ不器用で、決して怪物になることを望んだわけではない男が、完全に怪物になってしまった瞬間、大音量で流れるブラームス。石油を掘り当てた瞬間から、男の破滅は既に始まっていたということか。見せ場の数々に、偶然と必然の混じった絶妙なストーリー、ダニエル=デイ=ルイスのオールタイムベスト級の演技と、映画史に刻まれるべきラスト15分の“対決”。その尋常でない登場人物のエネルギーに触れた瞬間、我々はただただ「凄いものを観てしまった」と茫然とするしかない。 [DVD(字幕)] 9点(2011-12-18 01:36:58) |
59. ナイト&デイ
ハリウッド御得意のお家芸として、自信を持って制作された様子が伺えるアクションコメディ。 だが、個人的にはギリギリアウトという印象。 撃ち合いのあのタイミングでキスだとか、リアリティを完全に越えてしまっている…。 しかし、都合良く主人公を眠らせて場面展開を省略するという荒技は衝撃的だった(笑) アクションにおいては魅力的な場面は多いが、本当にそれだけ。現時点では6.70点ですが、数年後には5点台に落ちていることでしょう。 [映画館(字幕)] 5点(2010-11-03 02:27:33) |
60. 陰陽師
陰陽師の活躍するシーンが少なくて残念。 [ビデオ(字幕)] 4点(2010-09-21 21:25:15) |