41. 肉の鑞人形
《ネタバレ》 もうずっと昔、今は無き東京ファンタスティック映画祭のオールナイト上映で観ました。 内容だけで言えば本当にいいかげんな映画という印象ですが、実現しなかったとは言えダリオ・アルジェントがプロデュースしてルチオ・フルチが監督する予定だったことを考えると、イタリアンホラーの灯を絶やすまいとする夢の企画であったと同時に、その灯が完全に消えてしまう最期の瞬間でもあったんでしょうね。 クライマックスに真鍮製のターミネーターが何の脈絡も無くいきなり登場したとき、劇場内にどよめきが起こったのをよく覚えています。 現在は見るのが少し難しい状況になっているようですが、久しぶりに見てみたいな~と、ふと思い、レビューしました。 [映画館(字幕)] 3点(2021-05-15 22:46:56) |
42. ラ・ラ・ランド
《ネタバレ》 予備知識なしで観たので、もっとゲップが出るくらい歌って踊ってなミュージカルなのかと思っていましたが、ミュージカル的なアプローチはかなり抑えめな印象でした。 しかし、あまりミュージカルに興味がないわたしでも、オープニングシーンや二人がワルツを踊るシーンはなかなか見応えのあるものでした。 物語については、思い描く夢や未来に辿り着こうとすればするほど現実はかけ離れていってしまう、というよくあるアレで、ラストもベタとは言え、せつないものでした。 それでもこの映画の二人はいろいろとかなり恵まれていて、思い描いた未来と違ってしまったとは言え、手に入れたものは御の字な訳で「そんな上手く行くかよ」って感想が個人的には先に来てしまいました。そこは映画として素直に楽しまなければいけないのですけど・・・ [CS・衛星(字幕)] 4点(2021-04-01 10:15:21) |
43. シックス・センス
《ネタバレ》 公開当時、かなり話題になっていましたよね。でも、どうなんでしょう?ハリウッドのメジャー作品としては斬新な内容だったと思いますが、この当時でも「実は主人公は死んでいた」、そのネタ一本で勝負するのはちょっと苦しいものがあったんじゃないでしょうか? 同じネタというだけなら、もっと昔のもっとマイナーな作品の中に、これより練り込まれたものがいくつもありますので。 この後、シャマランは奇をてらったような映画を連発しますが、世間の評価は「何か凄い監督」から「ええ加減にしとけ!」に変わって行ったのは周知の事実・・・ [CS・衛星(字幕)] 3点(2021-03-08 23:20:52) |
44. ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
あまり評判の良くない本作ですが、個人的にはまずまず楽しめました。もはや今更感のある映像とはいえ、現代の映像技術がなければこの物語を映像化することは無理だった訳で、総合的に見ればなかなかの出来だと思います。ストーリーもハン・ソロが昔何してたかってだけなので、まああんなモノじゃないですかね? 本家スターウォーズと時間軸に矛盾を感じる個所もありましたが、EP4の前日譚であることを意識してか、わざと70年代のSF映画のハリボテ感を出しているようなプロダクションデザインは好感が持てました。 それと、ロン・ハワード監督作品の常連、弟のクリント・ハワードが外伝とはいえ、遂にスターウォーズに出演したってのが笑えました。 [地上波(吹替)] 6点(2021-03-06 21:59:02) |
45. ウエストワールド
《ネタバレ》 まだTVゲームもない時代(厳密にはあったでしょうけど、一般には全く認知されていなかったハズ)にコンピュータでロボットを制御し、細かい行動の設定までできるというアイデア、それもそれを扱うテーマパークですからね~。バーチャルリアリティよりはアナログですが、発想は根本的には同じであり、製作年を考えれば、恐ろしく先鋭的だと思います。しかも自分で監督までして、マイケル・クライトンはホント化け物ですね。 ただ、デロスのテーマパークとしての側面をじっくり見せ過ぎで、少し間延びしているような気もします。でも、当時の観客にはここまでじっくり描写しても付いていけなかった人も多かったんじゃないでしょうか? ユル・ブリンナーが言わばユル・ブリンナーのロボットの役をやっているというのも、よく実現したなぁ~と感心します。 いろいろと突っ込み処も多いですが、なかなかの佳作だと思いました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-03-02 20:46:39) |
46. スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
《ネタバレ》 パルパティーンが実は生きていたりだとか、EP4~EP6の英雄たちのその後がどれも悲しかったりだとか、この新しい3部作は蛇足のような気もしますが、それでも子供の頃、スターウォーズのキャラクターが裏に印刷された、瓶入りペプシの王冠を集めた身としてはシリーズ終了となればそれなりの感慨はありました。 長い戦いの末、「映画スターウォーズ」の始まりの地である惑星タトゥイーンで物語の幕が下りるのも中々グッときましたね。 レイア姫、そしてスター・ウォーズに翻弄され続けたキャリー・フィッシャーの魂よ安らかに・・・フォースとともにあらんことを [地上波(吹替)] 7点(2021-02-27 21:42:24)(良:1票) |
47. 新・刑事コロンボ/狂ったシナリオ<TVM>
《ネタバレ》 TVでやっていたので、久しぶりにゆっくり鑑賞しました。刑事コロンボの中にはもっと雑な話もあるかと思いますが、本作の犯人は幾ら何でも詰めが甘すぎます。文字通り被害者の顔を潰してまで証拠隠滅を図ろうとしたのに、現場に状況証拠を残しすぎです。オチにしても本気で殺人を隠蔽したいなら、あんなものを絶対に栞には使わないでしょう。 とは言え、それでもシリーズへの愛着と言いましょうか、刑事コロンボ補正が働いて思わず最後まで見れてしまうのがこのシリーズの魅力ですね。 当時の新・刑事コロンボの番組告知で、本作でコロンボがスクリーン上に映し出された宇宙船から攻撃を受けるシーンが使われていたのをとても懐かしく思い出しました。今にして思えば、新しい時代の刑事コロンボの象徴だったんでしょうね。もう何十年も前の話ですが・・・ [CS・衛星(吹替)] 3点(2021-02-27 00:18:45) |
48. ジョニー・ハンサム
《ネタバレ》 かなり昔、○曜ロードショーで見ました。何年かして、その時の友人に「ジョニー・ハンサムって映画、あれ面白いの?」って聞かれたので、3分くらいで起承転結説明してあげたら(その程度の内容なので)、「それのどこが面白いの?」って言われました(苦笑) 閑話休題、ワタシ個人の感想としましては、整形してミッキー・ロークの顔になったミッキー・ロークが演技とはいえ、自分の顔に感動して涙するシーンは流石にズッコケました。 しかし、今現在、リアルのミッキー・ロークはボクシングによる顔面崩壊と整形手術の失敗を繰り返し、全く笑えない状況になっていて皮肉にも程があります・・・まさにミラード・センセーション。 [地上波(吹替)] 2点(2021-02-26 23:48:36) |
49. 南極物語(1983)
《ネタバレ》 フィクション込みの実話の映画化ですが、映画としては冗長で全く面白くありません。 人間側のエピソードも犬側のエピソードもぶつ切りのものを繋ぎ合わせて、そこに補足のナレーションが入って状況の説明をしている感じで、長尺の割に非常に薄いんですよね・・・ ラストシーンは感動的に撮られていると思うんですけど、全体的に淡々としているので、ラストシーンまでにこちらの気持ちが醸成されません。 タロとジロの生還物語は周期的にTVのドキュメンタリーで扱われますが、事実を知るだけならばそれで十分感慨はあるわけで。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2021-02-23 21:39:42) |
50. スペース・トラッカー
《ネタバレ》 このコミックをそのまま実写化したみたいなノリは悪くないと思うんですけど、宇宙の無重力下での描写がマグネット・シューズで足場を固定して歩くなど徹底しているようでいて、同じ無重力下なのに隠していたビールの箱を重そうに出してきたり、それを重力下みたいに普通に飲んだりとか統一感がなくていろいろと雑です。SFでもコメディでもそこの辺りはきちんと作り込んで欲しかったです。 [DVD(字幕)] 3点(2021-02-23 00:17:58) |
51. ゾンビ/ディレクターズカット完全版
ゴブリンのファンなのでダリオ・アルジェント監修版が好きなのですが、意外やBSプレミアムでの放送があったので20年以上見ていないディレクターズカット版を観賞しました。 以前見たときはモールでのドラマ部分で少しダレたように記憶していましたが、改めて見ると退屈することなく一気に最後まで楽しめました。やはりこの終末感とか、70年代の空気とか堪らないですね。 公開から40年以上も経てば粗を探せばいくらでもあるのは当然なんですけど、永遠に愛すべき一本です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-02-01 22:25:15) |
52. デジャヴ(2006)
《ネタバレ》 過去改変モノのお約束は守られているので、まずまず面白く見られたのですが、現代劇なのに過去に介入できる技術が普通に出てくると、面食らってしまいます。むしろもっとSF色が強ければまた印象が違ったかもしれません。 まあ、改変後の世界はデンゼルが無茶した所為で現在が影響を受けて、過去に介入する技術がない世界、つまり我々が生きているリアルと同じ世界になった、という解釈も出来なくもないですけど。バタフライ・エフェクト、あるいは風が吹けば桶屋が儲かる的な。 ヴァル・キルマーがもっとストーリーに絡んでくるのかと思いましたが、只の普通にイイ人で、「居なくてもいいじゃん」と思いました。何か太ってるし。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2021-01-19 10:34:18) |
53. バトルフロント
スタローンの脚本は爽快感にかける女々しいオハナシが多いですね・・・ それと何より、原題が「HOMEFRONT」なのに、「バトルフロント」って邦題は意味不明過ぎます。日本語的なカッコよさだけでテキトーなタイトル付けるのは辞めましょう。 [CS・衛星(吹替)] 3点(2021-01-16 11:18:16) |
54. パラサイト 半地下の家族
《ネタバレ》 韓国の映画はあまり好きではないのですが、アカデミー賞受賞ということで半分義務感で挑みました。 それほど驚きに満ちた内容でもなかったですが、ブラックコメディとしては佳作だと思います。但し、爽快感は欠片もありません。 結局は貧乏人同士が潰し合わなければならない運命が何とも皮肉ですね・・・ 中盤、貧乏人の"臭い"についての話題が出てきたので、直観的に物語の重要なキーワードになりそうだな~と思いましたが、そう来ましたか・・・ 韓国の他の映画やドラマでも貧乏人の"臭い"云々の話題は割と出てくるように思いますが、あちらでは一般的な表現なのでしょうか? [地上波(吹替)] 5点(2021-01-10 20:43:48) |
55. 人生の特等席
面白いんですけど、ちょっと出来過ぎなんですよね・・・ 見る人が見るとボロクソに貶しそうな危うさがありますが、尺もそんなに長くないし、ちょっといい話を見たいときに丁度いい作品だと思います。回想シーンの若い時のイーストウッド(CGで処理???)がダーティ・ハリーみたいでした。当たり前か(笑) [CS・衛星(字幕)] 5点(2021-01-05 22:57:23) |
56. ワイルド・ワイルド・ウエスト
《ネタバレ》 今まで見られるチャンスが山とあったのに、今になってやっと見ることが出来ました。公開当時はそれなりに話題になっていたかと思いますが、尺が短めにも関わらず何度も寝落ちしそうになってしまいました。1999年というと「マトリックス」が公開された年で、まだまだVFXによる映像だけで集客が出来た頃ですが、なんというか全てが想定の範囲内というか、見る側の想像力を超えてないといった印象を受けました。クライマックスもチョイ出の機関師との殴り合いとか盛り上がらなすぎです。それと、ポスターやDVDのジャケットにも不自然にフィーチャーされているクモ型ロボットが主役の二人よりも扱いが大きくて、いい加減クドいです。作り手が余程気に入ったのでしょうけど、何もラストシーンまでそれで締めなくてもいいのに・・・ [CS・衛星(字幕)] 3点(2020-12-29 23:35:53) |
57. スカイスクレイパー
う~ん。自分も歳とってきて、アクション映画をあまり楽しめなくなったのもあるのかもしれませんが、全く面白くありませんでした。 これは中国が"おそらく"憧れていた90年代のハリウッドのアクション映画を今になって自分たちの手で再現したみたいなものですね。表面的にはSFかと見まがうばかりのハイテクに彩られていますが、映画全体のセンスが古すぎます。これなら「ダイ・ハード」や「エアフォース・ワン」(舞台は全然違いますがノリがソックリだったもので)でも見てた方がいいと思います。それにしても、ネーブ・キャンベルもすっかりオバちゃんになりましたね・・・ [地上波(吹替)] 3点(2020-12-22 22:47:05) |
58. 万引き家族
《ネタバレ》 是枝監督の作品はこれと「誰も知らない」しか見ていないので、偉そうなことは言えませんが、何だか全く同じような感じでした。 こういう都会の下町のダークな人間模様は監督が一貫して描きたいテーマなんでしょうね。 登場人物がライトサイドの人間もダークサイドの人間もどいつもこいつも自分勝手な屑ばかりで、古びた下町のザラついた映像も相まって、嫌~な気分になります。 この是枝監督の「それでも人間」みたいな突き放した描き方とか、同じような作品を撮り続けているところとか、昔のジョン・カーペンターみたいだな~とかちょっと思いました。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2020-12-14 23:47:30) |
59. 運び屋
《ネタバレ》 展開といいメッセージといいちょっとベタな気もしましたが、普通に面白いと思いました。 クライムサスペンスにしてはドギツイシーンもなく、ほのぼのしていて老若男女誰でも楽しめる良作ではないでしょうか? アンディ・ガルシアがアル・パチーノかデニーロの偽物みたいなイメージで、出てきたとき噴き出してしまいました。 しかし、ストーリー上にスマホやネットが批判の対象としてちょくちょく出てくる一方、ギャングが運び屋のイーストウッドにスマホまで持たせておきながらやたらと見失うのはちょっと?でした。GPS・・・ [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-11-24 22:17:55) |
60. 恐怖の報酬【オリジナル完全版】
《ネタバレ》 この映画を一言で表現するなら、「生」です。南米のギラギラというかヌラヌラした町のムード、不快指数MAXのジャングル、そして問答無用の緊張感が漂う吊り橋のシーン。全てが非加熱処理で迫ってきます。 CGが多用された現代の映画とは全てが真逆の質感で、とにかく何か凄いモノを見たという気分に浸れます。 個人的に好きなシーンはトラックのカスタマイズのシーンと、カスタマイズ完了後に逆光で暗闇にトラックのシルエットが浮かぶところ。今やベタな演出ですが、この映画あたりがルーツじゃないですかね? 人間関係についても、元々悪党ばかりのパーティというのもありますけど、どこまでも薄情なところとか、リアルだと実際こんな感じじゃないですかね?そういう意味でも「生」っぽいと思います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-11-17 00:41:15)(良:1票) |