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 > 蛇蟇斎狐狸窟 さん
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プロフィール
コメント数 96
性別 男性
自己紹介 「じゃまくさいこりくつ」と読みます。
映画は映画館で見る派。平均だいたい年12~14本くらいのペースで行きます。
◆画面内で非常に邪魔。背景白いと読みにくい
◆人間の神経は絵よりも字に向きやすいので集中力が削がれる
◆見ている場面よりも先の台詞が表示されてネタバレになる
◆音声に較べ情報量が格段に少なくなり機微が伝わらない
◆日本の声優の技量は高く安心して委ねられる
など様々な理由から、大の字幕嫌いで断然吹替派。私にとっては字幕映画鑑賞というのは「映画を見に行く」のではなく「2時間、字幕を読みに行く」だけにしか感じません。
ところが、なぜか最近は洋画の吹替上映が少ないため、結果的に邦画を見る機会の方が多くなっています。

そこそこ好きなジャンル…時代劇、アニメ、ミステリー、サスペンス、群像劇
ほぼ興味のないジャンル…恋愛、ハートウォーミング系、アクション、ホラー
2014.12.07 SPACEBATTLESHIPヤマトの自レビューを手違いで消してしまいました…('A`)

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41.  僕は友達が少ない 《ネタバレ》 
原作のライトノベルは未読。アニメ版は一応2期とも見ていました。とりあえず各キャスト・舞台設定等、原作の雰囲気をなるべく忠実に伝えようという意志は伝わりました(そうは言っても、やはり相当無理がありましたが…)。話としては、まあ2時間で無理矢理まとめようとしたら、こういう話にせざるを得ないだろうなぁ、という想定の範囲内。いろいろ「頑張った」感はありましたが、全体としては…まあ、あまり面白くはなかったというか。オリジナルキャラの栗原類が、若干熱血展開となったのは意外。石原良純は…何じゃありゃ(笑)。アニメ版第1期の頃の話を映像化しているので、「主人公」たる小鷹の一人称「俺」のまま物語は進行し、「やっぱり俺は友達が少ない」というセリフで終幕。タイトルに隠された「僕」の使い手に関しては触れられないままでしたので、原作・アニメ知らない人は、ちょっと訳が分からないかも(まあ2時間じゃ仕方ない…)。
[映画館(邦画)] 5点(2014-02-08 00:40:16)
42.  永遠の0 《ネタバレ》 
世間的にも評判がいいので観に行きました。ただ、こういう現代的でクールな軍人は、当時の雰囲気を考えると違和感がかなりあります(まあそれゆえに「海軍一の臆病者」と呼ばれたのでしょうが)。すでに他の方も触れられていますが、説明セリフが多すぎるのと、やたら音楽がもったいついた感じはしますね。泣きどころが強制されているようで、あまり愉快ではありませんでした。全くの余談ですが今回、上映時間の都合で耳の不自由な方向けの、日本語音声+日本語字幕という特殊な環境で鑑賞しましたが、私の年来の持論である「字幕は映画の邪魔以外の何でもない」というのを改めて痛感しました。洋画も吹替上映を増やしてほしい…
[映画館(邦画)] 6点(2014-02-08 00:28:30)
43.  ジャッジ! 《ネタバレ》 
世界的CMグランプリで不正審査を要求された広告代理店のダメ社員が巻き込まれるドタバタ劇。妻夫木聡の間抜け役は、『ザ・マジックアワー』『清須会議』など三谷作品では見ていましたが、それよりもさらに間が抜けていて、堂に入った感じ。対する優秀なヒロインに北川景子。謎の先輩リリー・フランキー、いい加減を絵に描いたような業界人豊川悦司、ライバル会社のやり手社員鈴木京香、うさんくさい日系ブラジル人荒川良々。豪華キャスティングは、それぞれ役に合っていて非常に良かった。…ただ、それだけなんですよねえ。話としては、ご都合主義すぎる展開に、全体的にギャグが滑り気味で、笑える所もあるにはあるんですが、パンチが足りない感じ。CMグランプリに入る前の、ダメCM制作の話の方が面白かったかも…
[映画館(邦画)] 5点(2014-02-07 00:22:51)
44.  武士の献立 《ネタバレ》 
『武士の家計簿』に続く加賀藩もの第2弾。淡々と役人家族の生活をたどるのみでストーリーがほとんど無かった前作に比べれば、山あり谷ありで話としては面白かったです。とはいえ、全体としては普通の出来かな…。若い俳優高良健吾や上戸彩の所作が時代劇としては若干板についてない感はあるものの、まあまあこぎれいにまとまった感の作品でした。藩の派閥争い(加賀藩は大藩なので、江戸時代を通じて常に権力争いがありましたが)も、前作の絡め方よりは、しっくり来ています。「加賀八家」なんて用語も何の解説もなく出てきましたけども。西田敏行・緒形直人・鹿賀丈史の組み合わせは、往年の大河ドラマ『翔ぶが如く』をちょっと思い出しました。唯一の苦言はエンディング曲。時代劇で、あの内容でCharaは無いのでは…。彼女の歌自体は悪くありませんし、興行的な理由はあるのでしょうが、全くマッチしていませんでした。
[映画館(邦画)] 6点(2013-12-14 18:35:21)(良:1票)
45.  ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE 《ネタバレ》 
ルパン・コナンともに長年、毎年楽しみにしているファンにとって、両者のコラボ競演というのはもう、それだけで興奮してしまいます。そういう意味で見る前から期待感が高すぎてしまったかもしれません。話の盛り上がりとしてはごく普通で、毎年のコナン映画・ルパンのテレビSPの水準から大きく上回る訳でもなく、相乗効果を期待していた身としては、やや肩すかしといったところ。まあ、つまらなくは無いんですけどね。話が散漫になりがちだったのは、ルパン一味もコナン君たちもゲストキャラも、全く別々に行動しているためかもしれません。常に一緒なのは少年探偵団と阿笠博士、蘭と園子だけで、コナン、灰原、ルパン、エミリオ、次元、五ェ門、不二子、銭形、警視庁捜査一課がそれぞれの思惑でバラバラに行動するため、話の筋を追いづらく、最後にはFBIまで加わって…大勢見に来ていた子供には、かなり分かりにくい映画だったような気がします。あと、単発の話と思いきや、前作(テレビSP)の設定が生きていて、しかも肝心のオチに絡んでるのもちょっと…ルパンの良さは、毎回設定がリセットされるところでもあるので、前作を知らないと筋が繋がらないというのは、ちょっとマイナスです(私自身は見てましたが、だいぶ設定を忘れていました)。とはいえ、両作品のコラボは双方のファンとしては大歓迎なので、今後も数年に一度やって欲しいなあ。ゲストキャラの声の演技は思ったよりは浮いていなくて良かったです。むしろベテランの小林清志(次元)や家弓家正(ブラック)に声の衰えが感じられ、少し心配になりました。
[映画館(邦画)] 6点(2013-12-10 07:38:46)
46.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 
正直、高畑作品は今までピンとこない作品が多かったんですが、これは非常に良かった。日本人なら誰もが筋を知っている竹取物語。凡百の監督ならその題材に気負い込んで、独自の解釈をこれでもかと詰め込んで、別物の話に変えてしまうところですが、この作品は原作の筋をあくまで尊重し、王道的な手法で現代的なストーリーに昇華させています。その勇気にまず拍手。そして監督の解釈による、姫が最も感じたかったこと=生命の躍動感は、独特の絵柄と、ジブリならではの繊細な動きを通じて表現され、十二分に味わえました。心配だった役者の声も、プレスコ録りだったので、画に合っており、そこまで違和感はありませんでした(とはいえ背後に役者の顔は浮かびましたが…)。故地井武男さんの声も良かった。姫のキャラクターも素晴らしい。「ジブリ史上最高の"絶世の美女"」のコピーは伊達ではありません。久石譲の音楽もまた、ずるい。最も悲しい/切ないシーンに、あえて最も楽しげでワクワクする音楽を持ってくるとは。これで涙腺が決潰しました。子供の頃から筋を知り尽くしている昔話で、まさか泣かされることになるとは。結果的に「風立ちぬ」との同日公開を断念し、最後まで作り込んだのは、正解でしたね。今年見た映画で一番です。地井さん・氏家さんも泉下で喜んでいるでしょう。海外でも間違いなく受けると思います。
[映画館(邦画)] 9点(2013-11-23 21:29:47)
47.  人類資金 《ネタバレ》 
原作未読。福井晴敏原作の映画(「ローレライ」「亡国のイージス」「戦国自衛隊1549」等)って、大体の作品で設定はすごく面白そうなのに、実際見てみると「うーん」という出来が多いのですが、本作もその例に漏れず、といったところで… 表題の一部にもなっている「M資金」については早々にテーマから離れ、貧民にPDAを配布して発展途上国を救うという、ひたすら青臭い正義感で貫かれた陳腐なストーリーに変化します。前半のロシアを舞台にした詐欺なんかは、そこそこ面白かったんですが(ちょっと安易だったけど)。佐藤浩市の詐欺師は合ってました(阪本監督と佐藤浩市の組み合わせというと真っ先に「KT」が思い出されますが)。アジア系の顔を持つ森山未來を東南アジアの孤児役にしたのも面白い着眼点。ただストーリー的には…ちょっと物足りない作品でした。
[映画館(邦画)] 5点(2013-11-10 23:13:24)
48.  清須会議 《ネタバレ》 
原作既読。三谷監督がパンフレットで「笑いの量は少ないが、僕の映画で一番面白い」と述べている通り、笑いは抑えつつも(そうは言っても他の映画よりは笑えます)、なかなか出来の良い歴史エンターテインメントになっていると思います。少なくとも「ステキな金縛り」「THE有頂天ホテル」などよりは、よほど楽しめました。歴史ドラマとしても割合正統派の作りを踏まえていて「旗取り大会」なるハチャメチャや滝川一益が単独で駆けているなど一部を除けば、それなりに説得力のある内容になっています。松姫を三法師の母とするなど、かなり無理のある説を採用してるのが気になる(これは原作小説からですが)のと、跡目相続オンリーで小説にはあった遺領分配の話が尺の都合か割愛されてしまったのが残念。役者的にも「三谷組」勢揃いで、どの俳優も生き生き演じています。人数が多すぎて天海祐希・近藤芳正等、かなりもったいない使われ方の人もいましたが…
[映画館(邦画)] 7点(2013-11-09 20:34:11)
49.  ルームメイト(2013) 《ネタバレ》 
原作未読。連載中の漫画を多少読んでいたので、多重人格もののミステリーということは踏まえて見に行きました(結局、映画のストーリーは別物のようですね。登場人物の名前は同じでしたが)。結果的にはある程度前情報を仕入れてから見て正解だったかも? 何も知らないで見ると若干混乱するかもしれません。別人だと思っていた人物が、実は主人公の別人格だった…という展開は、どこかで見たような既視感も。困惑や怖がる顔がぴったりはまる北川景子と、多彩な顔を瞬時に変化させても違和感の無い深田恭子という2人の女優が、うまく物語の緊迫感を盛り上げていたような気がします。
[映画館(邦画)] 6点(2013-11-09 20:31:40)
50.  地獄でなぜ悪い 《ネタバレ》 
ここでの点数が高かったので見に行ってみましたが、私には合いませんでした。よりチープ感を強調した『キル・ビル』のパクリといった体で、「B級でなぜ悪い」と開き直った作品。この監督の作品をストーリー云々で評価すべきではないとは思いますが、物語の大枠は予告篇から想像しうる枠内にあり、そのくせ筋が散漫に過ぎ、どの話が本線なのか分からないまま別々のストーリーが並行して進み、結局オチまで放棄した、非常に不満の残る内容でした。やくざ武藤家の話と、映画バカグループの話が交わらないまま別々に語られ、その上必要が感じられない公次が話に割り込んできて強制的に混ざり合う、絶妙な心地悪さ。作品の中でも語られていた「金儲けのためでなく、生涯に一本の映画を作りたい」という美言を免罪符に、やりたいことをやった映画という感じですかね。俳優の方は面白かった。堤真一や國村隼のズッコケ演技は他でも見ますが、饒舌でハイテンションな長谷川博己は新鮮でしたし、何と言っても二階堂ふみがこれほどエロティック&セクシーだったとは(園監督は本当にこの女優が好きなんですね)。端役にまで有名人を使ってるのも意外でした。作品全体のB級感と、散りばめられたなオマージュネタが好きな人なら、楽しめると思います。が、ストーリー重視の私としては、大甘で…5点かな。
[映画館(邦画)] 5点(2013-10-12 07:56:55)(良:1票)
51.  凶悪 《ネタバレ》 
知っている俳優も少なく、低予算らしい作りの映画で、大して期待しないで見に行ったところ、意外に見応えがありました。ピエール瀧/リリー・フランキーという本職の俳優でない二人が、見事に悪人を演じきっており(特にリリーの方は、上映前の『そして父になる』の予告でのいい人と好対照で面白かった)、暴力がエスカレートしていく様をうまく表現していました。実在の事件を元にしているものの、あまりの残虐性にかえってリアリティのない話でしたが、記者の取材から実際の事件を浮かび上がらせる倒叙法は、それなりに説得力を持たせる構成でした。しかしある意味で、二人の殺人鬼を差し置き、この物語で最も凶悪に描かれたのは「ジャーナリストによる暴力」でしょう。山田孝之演ずる記者は、「人を殺した人間が、脳天気に生を愉しむのは許せない」という青臭い正義感のためだけに、認知症の母も妻に押しつけ、ペンの力を大義名分に、殺人犯や頭脳犯を追い詰め、目前で参考人をも死に追いやってしまう。物理的な暴力こそ用いないものの、ジャーナリストはそうした力を持ってしまっている。その意味で、冒頭の被害者の父によるメディアスクラムへの不満も、伏線になっていました。余談ですが山田・池脇の夫婦役は、一昨年の『指輪をはめたい』を少し思い出しました。
[映画館(邦画)] 7点(2013-09-30 08:24:25)
52.  劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日 《ネタバレ》 
元になっているNHKの番組は見たことがありません。いわゆる有名人や歴史的大事件ではなく、各時代の庶民の生活を取材するタイムスクープ社第二調査部の記者が、本能寺の変直後に焼失した安土城の謎を調べに行くという内容。途中で茶器楢柴肩衝を巡って1980年代および第二次大戦中にも寄り道します。有名人は楢柴肩衝の持ち主島井宗叱(上島竜兵)のみで、残りの時任三郎や嶋田久作らは名もない武士。人身売買や野盗の残忍さなど戦国時代の暗い部分も織り交ぜながら、ハイテク取材機器を駆使して安土城に迫ります。肝心のオチは…なんだかはぐらかされてしまったような感じで拍子抜けですが、ドラマとしてはそこそこといったところ(取り立てて面白いという程でもないが、つまらなくはない)。あの時点での安土城が、本当にあんなに無人・無警戒だったのかは若干疑問ですが。あと未来への報告で旧暦が換算されていないのにも、やや違和感を持ちました。
[映画館(邦画)] 5点(2013-09-16 20:04:07)
53.  終戦のエンペラー 《ネタバレ》 
この映画のキーは「本音と建て前は違う」という当時の日本人にとっての常識が、全く理解できない米国人(あるいは本音と建て前が混在化してきた現在の日本人観客)に、いかにそれを理解させるかということに尽きると思います。「天皇は権能上、最高意志決定者である」という建前。「しかし実際には、天皇個人の意志は国策にほぼ反映されない」という事実。東条も木戸も近衛も、この時代の多くの日本人も疑問に思わなかったこのギャップをフェラーズ准将が、いかにマッカーサーら米軍側に理解させられるかのヒントを探す過程が描かれていました。ただこの映画を見ても、それが理解してもらえるのか…はちょっと分かりません。アヤとの数々のシーンはフェラーズの心情を理解する上で必要だったのでしょうが、彼が個人的感情を優先させるような小さな人間のようにも見えてしまい、かなり邪魔に感じてしまいました。
[映画館(字幕)] 5点(2013-09-14 20:17:55)(良:1票)
54.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
「紅の豚」と同じく、宮崎監督が作りたくて作った映画というのは分かりました。ただ、堀越二郎に堀辰雄のストーリーを無理矢理重ねたためか、話もかみ合っていないし、主人公が魅力的でもありません。筋も、淡々と飛行機設計を続けるだけで、病気の妻も完全なる脇役。やたらと喫煙シーンばかり(実際、昔の喫煙者はあんなものだと思いますが、あれだけ強調されると何か意味があるのかと思いきや、何の意味もありませんでした)。何より、主人公以下多くの人物の、声の演技が下手すぎて聞いていられません。宮崎監督の作品は長年見てきましたが、正直こんな作品が引退作になってしまうのは残念ですね(今までも何度も引退表明してきましたが、今度は本当なんでしょうか?)。鈴木プロデューサーが一緒に引退する訳ではなさそうなので、今後もジブリは話題先行のキャスティングを続けるのでしょうか…11月の高畑監督「かぐや姫の物語」もどうなることやら?
[映画館(邦画)] 5点(2013-09-14 20:08:42)
55.  許されざる者(2013) 《ネタバレ》 
とりあえず原作をDVDで復習してから見に行きましたが、びっくりするほどそのまんまという感じでした。かなり忠実に原作を日本にトレースしていますが、その意味で明治10年代の北海道というのは、ベストな選択だと思います(廃刀令に全く触れられてないのは気になりましたが)。手塚治虫好きにとっては同時代・同舞台の「シュマリ」という怪作も思い出しますね(あの作品にも「人斬り十兵衛」というキャラが出ていました)。さて私の場合、そもそもイーストウッドの原作をそんなに名作とは思っていない人間でして、忠実な再現であるがゆえに、ストーリーに関する違和感も、そのまま移植されている気がします。そもそも最初に傷ついた女郎は復讐を望んでいたのか、北大路は何のために出てきたのか…柳楽君の役を半アイヌという設定にしたのは、ちょっと面白いと思いました。ただ全体としては渡辺謙・佐藤浩市・柄本明という役者の実力で引っ張った作品で、話的には「どこまで忠実に再現してるのか」に気が行ってしまいがちなのが、むしろ残念。
[映画館(邦画)] 6点(2013-09-14 20:00:13)(良:2票)
56.  俺はまだ本気出してないだけ 《ネタバレ》 
原作はちらっと試し読みした程度で、ほとんど未読。どうしようもなく情けない四十男・シズオとその娘、および父親を中心とした物語ではあるが、彼ら家族は見かけ上の主人公に過ぎない。シズオ家族にとって、最初から最後まで状況は何一つ変わっておらず、ストーリーは動いているようで全く動いていない。漫画家になりたいと努力はしてみるが、すぐに怠けてしまい、努力が報われずに終わるも、それを決して自分のせいだと認めようとしないシズオと、それに呆れる家族の繰り返しである。しかしこの作品において、シズオはむしろ狂言回しに過ぎず、彼の情けない姿を見せつけられることで、周囲の人間が変わっていくという物語の構造になっている。失敗すれば自分のせいでなく他人のせい、運が無いせいと現実から逃げ続けるシズオのような心性は、決して珍しいタイプではなく、誰でも心の一部に持っている要素でもある。それゆえに、失敗を運のせいにし、何度でも挑戦を続けるシズオの自由な生き方に、誰もが軽蔑しつつも憧れる。友人の宮田も、後輩の市野沢も、編集者の村上も、どうしようもないシズオの生き方に憧れて、自分を変えようと動き出す。しかし同時に誰もが「そうは言っても、シズオのようなダメ人間になってはいけない」と心に誓う。宮田の息子がつぶやいたように「シズオみたいになっちゃ嫌」なのである。だから、シズオの影響で自分の人生を変えようと動いた人たちは、誰一人シズオにそれを感謝することもない。シズオは相変わらず自分探しを続け、失敗を重ね、父と娘から呆れられる。そんな"変わらない"シズオが、自分の知らない間に周囲の人間を変えていく物語。「だから何なんだ」という感想もアリだけど、こういう映画もあっていいかも。堤真一・橋本愛・石橋蓮司の役柄は、結果的にはぴったりはまっていた。いい人過ぎる生瀬勝久、何考えているか分からない山田孝之も、結果的には好キャスティングでした。
[映画館(邦画)] 6点(2013-06-16 15:41:56)(良:2票)
57.  藁の楯 《ネタバレ》 
賞金がかかった殺人犯をSPが守る、という設定を聞いただけでも面白そうな話で、その期待には概ね応えていると言えるでしょう。全体的にはそこそこ楽しめるストーリーなのですが、正直、予想の範囲内を超えなかった感もあります。結局のところ、白岩(松嶋)からも奥村(岸谷)からも蜷川(山崎)からも、何度も問われた「この犯人を守る価値があるのか?」「殺してしまった方が良いのではないか?」という問いに、主人公の銘苅(大沢)が正面から答えないまま、最後まで話が進んでしまうことが、すっきりしない要因でしょう。ただ、これに関しては監督・脚本ともに答えを出そうという気は端から無く、見る側の判断に委ねているのでしょう。それを見た私自身も、答を求められても結論は出ませんが…(それだけに、あえて答えを見せて欲しかった感はあります)。常に困った顔をしながら、その実何を考えているのか分からない大沢たかおにはぴったりの役かもしれません。キャスティング的には岸谷五朗もよかった。藤原竜也もこういう役は得意ですね。山崎努も適役でしょう。杖を突きながら必死に歩く姿は、往年の「マルサの女」をちょっと思い出しましたが。
[映画館(邦画)] 6点(2013-04-30 21:59:41)
58.  名探偵コナン 絶海の探偵 《ネタバレ》 
ストーリー自体はここ数年のコナン劇場版の中ではかなり楽しめる方でした。ただ、筋が複雑すぎるのと、次々出てくる警察・海自・海保の肩書きを覚えづらいので、まあ子供向け作品ではないかなぁ… そしてイージス艦という国家最高機密の塊の中を子供と探偵に活躍させるために脚本にかなり無理があったのも確か。東京にいた警視庁の面々が一瞬にして舞鶴に着いたり、衛星以外の近距離通信は警戒されなかったり…。毎年恒例の博士のダジャレクイズと、一般小学生声優の声は浮きまくりで、そろそろやめてもいいのでは? 若干心配していたゲストの柴咲コウの声は、それほど違和感なかったので一安心。光彦の腕時計がラストに効いてくるんだろうなぁと思わせておいて、どうでも良さそうなおっちゃんの名刺が伏線になっていたのは意表を突かれました。気になったのは、和葉の扱い。ビートル内で捜査する博士・哀・平次が、普通に(コナンではなく)「工藤新一」相手に通話していたことをどう思ってるんでしょう。彼女が蘭をお見舞いに行って「なぁ、工藤君もイージス艦で一緒やったんやろ?」とか突っ込みそう…その辺のフォローが欲しかった(というか蘭を病院送りにしたまま終了って…) おまけですが…恒例の来年作品の予告は想像の範囲内でしたが、まさかもう一本映画を作るとは…しかもあの国民的アニメとのコラボ第二弾。非常に楽しみです。
[映画館(邦画)] 6点(2013-04-20 12:03:25)
59.  劇場版 とある魔術の禁書目録-エンデュミオンの奇蹟- 《ネタバレ》 
とりあえず原作(ノベル・アニメ・マンガ等)を知らない人はお断り、といった感じで、人物紹介も世界観説明もなく、いきなり当麻とインデックスの日常シーンから始まり、怒濤のように事件が展開していきます(この辺、毎年のように申し訳程度の説明を入れる名探偵コナンとは対極にあるというか…コナンのあれは要らないなぁ)。話自体は劇場版独自のエピソード。みんな夏服を着て、白井黒子が車椅子に乗ってることから、大覇星祭前後の時期設定なのでしょうか。絵のクォリティはTVアニメの時から高かったのですが、劇場版でも健在。筋については多彩なキャラクターにそれぞれ活躍場所を与えるためもあってか、話の展開は若干強引だったかもしれません。宇宙エレベータのターミナル内で携帯電話がタイムラグなしでつながるとか、今回のヒロイン鳴護アリサ(風斬氷華と似たような存在)に当麻の右手が作動しないとか若干ご都合的と受け取れる箇所もありますが、全体としては大きな破綻もなく、まあまあ面白かったかな、と。標題にもなっている「奇蹟」がキーワードとなり、ゲスト・レギュラーそれぞれが活躍する、ファンサービスに富んだ作品になっています。禁書目録初登場?の佐天さんや青髪ピアスなどのチョイキャラ、ローラやアレイスターのような黒幕までチラチラ登場させながら、なぜか常連の舞夏が出ていなかったような…?
[映画館(邦画)] 6点(2013-03-23 07:32:08)
60.  テッド 《ネタバレ》 
まあ、とにかく下品な映画でした。そこそこ面白いとは思いますが、邦画だったら、ただのB級で話題にあまりならないかもしれないなぁ。下ネタはとにかく、マリファナが堂々と扱われてたり、開始数分でユダヤ人いじめとかエグい表現が出てきたタブーのなさには、ある意味驚きました。全体の話の筋自体はまあ想定の範囲内な感じですが、この映画はセリフとパロディのディテールを楽しむ映画ですからね。洋画に詳しくない私には元ネタが分からないものも結構ありましたが、テンポの良いお下品トークの連続には、確かに吹き出す場面も少なくありませんでした。吹替で見ましたが(星一徹やくまモン等の訳語は字幕と同様です)、有吉の声は正直うまいとはいえずシリアスなシーンはちょっと違和感があるものの(シュレックの浜田雅功には及んでいませんね)、下品なトークとは合っていて、途中から何となく馴染んでいました。ボストンが舞台の話で、クライマックスがフェンウェイ・パークのグリーンモンスターだったのは、MLBファンにはちょっと嬉しい展開ですね。打撃の神様「テッド」ウィリアムズを想起させる演出?
[映画館(吹替)] 5点(2013-02-05 21:05:59)
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