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プロフィール
コメント数 2089
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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41.  ディファイアンス 《ネタバレ》 
大戦中に森で生き延びたユダヤ人が1200人もいたとは初めて聞くお話でした。 文明生活をしてきた人間が森の中でゼロから暮らすなど、想像を超える大変さであったろうと思います。人が大勢になると意見も割れるし、食糧をめぐる諍いは相当に厄介な問題であったことでしょう。 困難な状況下で皆をまとめるD・クレイグは筋力も思慮もあるリーダーとして説得力のあるキャスティング。命の危険と隣り合わせの生活の中であっても、若い男女の結婚式は淡い雪の降る中にロマンチックに撮られていて素敵な演出でした。 リアルな潜伏生活を掘り下げたドキュメントタッチであっても十分に見ごたえのあるドラマになり得たと思う。後半の銃撃戦などは映画的盛り上げの意図が丸見えで作為的なことに逆に興を削がれてしまいました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-10-21 23:45:39)
42.  THE FORGER 天才贋作画家 最後のミッション 《ネタバレ》 
三世代にわたる男だけの家族物語。犯罪が絡むパートは緩いし、ファミリーストーリーとしてはやや定番のお涙モノともいえるんだけど、まんまと泣かされてしまった。 男優三人が良い雰囲気なんですよ。滋味あふれるC・プラマーはさすがだし、若手タイ・シェリダンも繊細な表現をうまいことモノにしているし。トラボルタが絵描きには全然見えんけど笑、「難病を抱えた息子を持つ父親」という難役を見事にこなしています。トラボルタといえば昔は「踊れる顔の大きい一発屋」という世評だったけど、時間をかけて不評を覆し息の長い俳優になっていることに感慨を覚えますねえ。 息子の願い三つのうち、好きなのはオカンのエピソード。長らく会ってない母親と再会するお話は何のひねりもなく淡々としているけど、ジャンキーであることをその日だけは一生懸命隠そうとする母と、内心ハラハラの父親と全部わかってる息子。ささやかでか弱い幸福がそこにあって、刺さりました。泣けたなあ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-10-20 17:27:58)
43.  いちご白書 《ネタバレ》 
当時のド・ゴール大統領をして「裏で糸を操っている者がいるはず」とビビらせた世界規模で勃発した学生運動。映画はアメリカの大学だけど、なんかこう思想が一途で理想に燃える若者ってどの国も同じ顔つきしてるもんだなあと思った。若いって純度が高くて愚かで尊い。 今で言う推し活的情熱を社会問題に向けていたあの当時。ネットワークはラジオやテレビといったアナログだし、主人公は保守派の牙城たるボート部とかけもちしたりと、なかなかユルイ。彼の「主張とかより、とりあえず彼女ほしい」という姿勢が若者っぽく健全でリアル。彼らの大半はそんな感じじゃなかったのかしら。 自己実現とか自我の何たるかの手応えを流行の運動に変換してるだけなんだけど、熱狂しちゃってるからどんどん進んでしまうのね。最終的には公権力で強引に撤去させられるのも洋の東西同じ。 モチーフになった学園紛争から時間を空けずに制作されているからか、ファッションや音楽からも当時のリアルな息吹を感じることができます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-10-16 23:44:10)
44.  ハウス・オブ・グッチ 《ネタバレ》 
ハイブランドのお家事情だわリドリー・スコットだわで画ヅラがとにかくゴージャス。役者も一流揃いだし、見た目の風格にうっかりパワー負けしそうになるけど、でも話はいかんせんゴシップ誌のネタレベル。品は相当に低い。 お金がありすぎるってのは骨肉の争いとセットなんですなあ知らんけど。 三十余年もの話を2時間強にぎゅうぎゅう押し込んだ割にはちゃんと要領を得てる脚本だとは思います。 感心しちゃうのは演者が実在の人物とすごく似てる、ということ。レディ・ガガなんてパトリツィアそっくりだもん。リドリー作品に呼ばれて光栄なこととばかりに、不名誉な女の役を嬉々として(?)怪演してみせたガガ。そうそうたる役者陣のなかでも怖じ気ず天晴れな仕事してます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-10-08 23:24:01)
45.  プッシャー(1997) 《ネタバレ》 
粗暴で下品なチンピラ二人のだらしない会話が延々続いて、しかも手ブレ気味の画に辟易した序盤。中盤以降はバイオレンス描写も加わり、さらにげんなりしたまま終幕は突然やってきた。 映画作品て題材が暗かったり暴力環境であったりしても、なにかしらのロマンなりけれんみなりな魅力があってこそなんじゃないのかな。この作品、誰ーれにも同情できないし、主人公は自業自得の結果どん詰まりの煮凝り人生へと落ちてゆく。なぜそんな頭の良くない行動を取るのかしら。砂糖をドラッグと偽ったところで数秒後に張り倒されるだけじゃんか。 哀れと思うには乱暴者すぎるし、あー嫌なもの観たなあという気持ちにしかなんない。 観客としてはマッツ・ミケルセンを観に来てるので、早めの退場にもがっかり。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-10-04 11:41:30)
46.  侍タイムスリッパー 《ネタバレ》 
脚本の出来が良いです。面白い!定番の「タイムスリップで生じる時代ずれが引き起こす笑い」も上手いんだけど、コメディにとどまらず幕末に侍として生きた男たちの生きざまをも見据える胸アツかつ骨太な物語です。 上手い役者と、すごく観易いカメラと、流れるような殺陣。 本作の殺陣のシーンは白眉と言っていい。ここ数年に観たアクションもの全般の中でも飛び抜けて迫力があって美しかった。「あの夜の続き」である決戦は手汗がにじむほどの、どえらい緊張感がありました。劇中スタッフが「本物の侍がいる」と言ったけど、山口馬木也も冨永ノリマサもほんとに140年前の日本人に見える。彼らの放つ凛とした武家人の気概に酔っ払いそうになりました。 館内の皆と一緒に笑い、息をつめて見守ってそして(少なくともわたしは)泣いた。 ラストのオチも思いがけなくて洒落てて(?)、もうひと笑い。うまいなあ! 低予算でも映画への情熱が連鎖してこんなに素敵な作品が作れる。他国の豪勢な作品と比べてどうこう言う必要全く無いよな、とここ数年邦画に誇りと喜びを再び見出すことができてとても嬉しい。(でも予算はあるに越したことはない)
[映画館(邦画)] 9点(2024-09-28 23:40:28)
47.  ライリー・ノース 《ネタバレ》 
安定ど真ん中の復讐モノ。ヒロイン強い強い。バンバンと敵をぶっとばしてくれて「観る者をスカッとさせる」というこの手の映画の目的をみごとに果たしてくれます。 なんたって敵であるギャングが極悪。それに加担する判事や汚職警官も現れる。ライリーに非は全くないので彼女が復讐鬼になるという説得力がはんぱなくごもっとも。客としてはひたすらライリー頑張れ!です。 ジェニファー・ガーナー、良かったです。アクションも演技力もなかなか。ライリー・ノースその人の造形も良くて、行きがかりに出会ったアル中父親に暴力的に説教をかますシーンには喝采しました。 それと、冒頭の意地悪ママのことをなおざりにしない脚本には瞠目しました笑。もはや戦闘力のレベルが違うってのに、きっちり仕返しするのね。良いと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-09-24 22:55:12)
48.  ダニー・ザ・ドッグ 《ネタバレ》 
まったくリアリティゼロな劇画調の話なので、そこらへんの世界観を受け入れられるか否かが楽しめるかどうかのポイント。 あまりにも強すぎるジェット・リー。首輪ひとつでスイッチ入るので、始めのうちはアンドロイドなのかと思った。だから劣悪な環境下でも強さを維持できてるんだろうと。しかし彼は人間でした・・リアリティゼロ。 さらに驚いちゃうのはボスであるボブ・ホスキンスの不死身っぷり。ここまでくると笑っちゃうくらい死なないの。 可もなく不可もない善人サイドを演じるは突然の大物M・フリーマン父娘。良い人たちすぎてこれまたリアリティゼロ。 典型的な悪役と、良き人たちにより人間性を取り戻す主人公といった構図がベタすぎる。もう完全にマンガです。リーのアクションは見事ですが。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-09-21 22:48:59)
49.  リンカーン弁護士 《ネタバレ》 
法廷モノの娯楽サスペンスとして良く出来ていると思います。 人物が多めで細かく絡んでくるわりに観易かった。脚本が上手く整理されているからでしょう。 M・マコノヒーの「叩き上げだけどダンディ」な魅力が本作に適役ですし、戦術がぴたぴたとハマっていく快感は法廷モノならでは。 面白く観られたし、脇役も手堅い。ライアン・フィリップを除いては。ライアンはもう少しがんばれ。役柄を咀嚼しきれていない感じ。究極のクセ者役は難しすぎたか。サイコがかったシリアルキラーという感じ、全然しないもん。ただのライアン・フィリップなのでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-09-17 21:53:23)
50.  お早よう 《ネタバレ》 
ちょっと前の日本と日本人を知るのに小津映画ってうってつけで。カラーで撮られていることもあって、ほかの小津作品に漂う「しみじみ感」は薄くて断然陽気。 昭和三十年代の東京(の郊外)ってあんなふうだったんだねえ。近隣との距離が近い近い(笑) 「ちょっと○○さーん」と呼びつつ戸を開けて現れる。インターホン(むしろ呼び鈴)、だーれも(押し売りさえも)鳴らさないの。この人間同士の近さって失われて久しい。煩わしいけどちょっと懐かしくもあります。 高度経済成長期へ差しかかろうという時期の息吹も感じます。家屋の中に物が多いし、子どもへの教育熱心さがどの家庭からも伺える。 皆文句を言いながらも元気いっぱいで明るい。テレビ買って!とだんまりストライキを子どもができるのも、暮らしに余裕があることを子供心にも肌感としてあったからでしょう。社会全体が右肩上がりだった活気が伝わるなあ。 それに、この時代の人物らは戦争を経験して生き抜いた世代なのですね。ご近所の詮索をして噂話をするのも解放されたのびのびした空気の中でこそ。 そしてさすがとしか言いようのない杉村春子。キッツいなあ相変わらず。息子かわいそうパンツくらい出してやれよ笑。「そーんなに厳しくしなくてもいーんじゃないかあ」とわたしの感想も心なしか笠さん風のんびり棒読み台詞になりました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-09-16 13:08:57)
51.  アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 《ネタバレ》 
いやあ・・恐ろしい。観ている間中ドキドキびくびくして、物語が終了した後もしばらく重たい気分が残る。 近代の戦争は戦地で決着がつくものではとっくになくなっていて、テクノロジーの進化が戦術にも大きく影響しててそれはもう一介の凡人の想像を超えてくるレベル。ロンドンとニューヨークからソマリアの一軒家を爆撃するって??家の中まで偵察できる小型昆虫カメラなんてちょっと前の007に出てきそうなアイテムじゃないですか。 技術がこんなにも進んでそれで人間がタスクを遂行するのにラクになったかといったら全然で。本作のような課題はITだろうがAIだろうが解決不可でありましょう。 あなたならどうするか。誰の立場でこの映画を観るか。観客に突き付けられるこの問いにわたしはおろおろと結論を出せずじまい。 任務として遂行せねばならない劇中の軍人やら政府役人らが数字でつじつま合わせたり、更に上の人間の了承を得ようと躍起になる様は日常レベルでも見かける図で妙に腑に落ちる。 女の子一人の犠牲やむなし、の立場のA・リックマンもまた私人としては孫におもちゃを探して回る一人の祖父であるという背景。人間の限界を感じさせて絶望感まで呼び起こす伏線でした。打ちのめされました。 これが21世紀なのか。誰にもどうにもできないのか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-09-12 23:25:35)
52.  マッチ工場の少女 《ネタバレ》 
労働者三部作のラストはシリーズ中最も虐げられてる弱者が主人公。びっくりしたことに、今作で監督怒りでキレてる。いつもの鷹揚さはどこへやら、こういう発露の仕方もするんだなあカウリスマキは。 イリスの日々、しんどそうだもんなあ。若い女の子とは思えないほどに彼女から”はつらつさ”を感じない。カウリスマキキャラそのものの彼女は口数少なく、地味で感情は時折り流れる流行曲の歌詞で代弁されている。 給料はもちろん安い。それすら母と継父に取り上げられ自分の自由にならない。イリスの周囲の人間は彼女のお金も労働力も愛情すら搾取しておいて彼女に敬意を払わない。 いいように使われてぞんざいにあしらわれてきた者は暗い怒りを凝縮させて、ついには逆襲に出る。わたしは正直スカッとしましたよ。 弱者をなめんな。敬意を払え。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-09-09 22:37:35)
53.  デリシュ! 《ネタバレ》 
美術やセットの時代考証が行き届いている(ような気がする)、フランスの時代劇。 18世紀後半のフランスの風景、特に人々の生活の様子が垣間見られて興味深かったです。厨房での火の扱い方や、庶民の履いている革製の履物。時計がすでにマンスロンの厨房にあることにも驚いたり。やはり一流の料理人は調理にかかる時間を正確に知る必要があったのでしょうね。高価な物だったろうから、召し抱えられていた領主から特別に賜ったものかな、とか想像がふくらみました。 そして大事なのが当時の貴族と庶民が抱いていた互いへの見方。貴族らの下々への蔑視がこうもあからさまに酷いもんだったとは。 教科書を読むだけでは見えてこない実相、革命前夜の社会に流れるピリついた空気感も伝わってきます。勉強になりました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-09-05 23:13:02)
54.  シング・ア・ソング! 笑顔を咲かす歌声 《ネタバレ》 
留守宅を守る軍人の奥方らの親睦会の様子が、人間関係含め面倒くさくて厄介で洋の東西問わず普遍的なんだなあと思いました。楽しい人らだけが楽しい、というほとんど我が国のPTAやら町内会と一緒なのに変に共感しましたね。 「軍人の家族」というくくりで一つにされてもそこは年齢も考えも違う人たちの集まりなわけで、その辺の対比を若手リーダーのリサとベテランかつ夫が高位のケイトに凝縮させているのが巧くて、ちょっとひりひりしました。 やっぱりリサの方が若い感性で支持を集めるわけですよ。ケイトも年代のギャップを受け入れようと懐の深さを見せ続けるのだけど、ベテランとて心が病まないわけはなくクローゼットには未使用の通販グッズの山。 そして終盤にはついに暴発してしまう。やー、この場面あまりの言葉のとげとげしさにリサとの関係修復など不可能ではと思ってしまった。仲直りしてたけど。時々思うけど英語圏って言葉が荒くて攻撃的。そしてわりと水に流すイメージ。不思議。日本人(というか、わたし)が根に持つタイプということなんかな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-09-02 23:55:02)
55.  ブレット・トレイン 《ネタバレ》 
ハリウッド映画を観た時の、外国人から見た日本ってこんなんなのかあという驚きが21世紀版にアップデートされた感覚でした。 いやー、参ったな。一々手を合わせる仕草とか邪悪なゆるキャラが車内にいるとかはまだしも、時々差し挟まる日本語のフォントが嫌だな。 それはともかく中盤まではクセ者だらけの暗殺者らがすれ違い、邂逅したりするプロットは伊坂作品ぽくてちょっとわくわくしました。 終盤に向かうにつれガチャガチャした凡庸なアクションムービーになっちゃったのは残念。 ヤクザに日本刀、血しぶきを盛大に上げての活劇はタランティーノに大いに影響を受けていることは想像に難くない。だけど制作センスが決定的に違っていると思う。走行中の新幹線の窓をぶち破って車内に侵入するなどといったあまりに荒唐無稽な筋はタラならやらないはずです。リアリズムと虚構のギリギリの線をつく、その塩梅はやはり感性がモノをいうのでしょう。 選曲も残念だ。真田の殺陣のBGMにHEROって。そうじゃない感が強すぎる。タラなら梶芽衣子だもん。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-08-31 22:41:34)
56.  すべてが変わった日 《ネタバレ》 
これはいろんなポイントで驚いた映画でした。まず主演の二人、初老の夫婦を演じるコスナーとD・レイン。30年前、スターの絶頂期に輝いていた二人がいい感じで年齢を重ねている姿にちょっと感動を覚えました。佇まいからして抜群の安定感と演技力。彼らと共に時代を生きてきたわたしなんかの世代はこの夫婦にぐっと興味と共感を覚えるのでした。 このご夫婦、“婦唱夫随”なスタンスで年月を過ごしてきたみたいで。妻の意見が強くて夫が彼女の意を汲んで(しぶしぶ)従う、とよく見る夫婦の形態笑。 傍から見たら妻の「孫を取り戻したい」願望はちょっと暴走気味。手に負えないや、という困り顔のコスナーになんとなく肩入れしつつ、まあ結局のところは奥さんも現実と折り合ってあきらめざるを得ないのだろうな、人生の後半に喪失を経験した夫婦の心の整理を描いた物語なのだろう・・とアタリをつけて鑑賞してましたら驚きその2。 まさかまさかのタランティーノばりのバイオレンスムービーに展開するとはねえ!演出と言い、緩急をつけたカット割りといい、本当に恐ろしくて肝を冷やしました。 米国の田舎の排他的な陰気さ。ヨソ者が来たことがすぐに噂になる不気味さ。ラスボスに暴力女帝登場と、気が抜けない中盤以降の怒涛の展開。予想だにしなかった結末。 残念な邦題が足を引っ張ってるけど、”2時間サスペンス”として書き上げた脚本にしてはかなりの熱量が注がれている作品です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-08-30 23:11:31)
57.  オールド 《ネタバレ》 
シャマランらしい不可思議アイデア一点突破モノ。謎は十分魅力的だけど、そこからの広がりや深みがやや足りなくて映画作品というよりはテレビのドラマ感が強い。 だけども観ている間はずっと怖かった。「人は死について考えることを棚上げして日々生きている」と言った作家がいた。このビーチでは突如として老いと死に向き合わなくてはならなくて、その恐ろしさといったらもう。 だから、人生のいろんなもやもやにきちんと落とし前をつけることができた夫婦の穏やかな表情には救われた思いがしました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-08-29 23:10:47)
58.  コレクター 暴かれたナチスの真実 《ネタバレ》 
山ほどあるナチスの戦争犯罪モノはどれも気が塞ぐ。人間が人間に対してこんなことができるなんて、のオンパレード。本作もピーター・メンテンの犯した村民虐殺の酷さに、その場面だけが印象に残ってしまいそう。 のらりくらりと戦後罪から逃れてきたメンテンを再度法廷に引っ張り出して罪を確定させたい。 主人公のジャーナリストが地道に証拠を集めるストーリーは実話ならではの実直な運びだけれど、欲を言うともうちょっと山場演出が欲しかった気もします。主演の俳優もあまり引きの強いタイプじゃないですし。 ところで調べてもよく分からなかったんだけど、“ナチ親衛隊と親しかった一(いち)オランダ人”が何故親衛隊の制服を着て銃を携えた部下共を引き連れることができたのかしら。戦後ナチス追及機関のリストにも載ってなかったそうですし。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-08-22 22:22:33)
59.  ザ・フォッグ(1980) 《ネタバレ》 
舞台がカーペンターらしからぬリアルな海沿いの街なんですね。小さくてちょっと田舎で皆顔を見知っていたり、教会が地域の拠点だったり。住民挙げての〇周年イベント規模の絶妙な「中くらい感」が、街の印象を決定付けます。 ちょっと寂しめの地方の街。そこに変な霧が漂ってきて怖いことが起こる。街も人も平凡な佇まいなだけに、白い霧が確実に迫ってくるという気持ち悪さはなかなかの臨場感でした。 人々に連絡する手段が地方のミニFMというのも、もどかしくて良いです。 80年代にありがちな「血にまみれた死体」を映さずにいるのも好感します。見えない方が怖い、ということを分かっているカーペンターさすがです。もっとも霧の中に鉤爪人型が現れるのにはちょっとがっくり来ちゃったりもするのですが。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-08-19 23:57:47)
60.  さまよう魂たち 《ネタバレ》 
脚本のこなれた上手さとマイケルの醸すとっつき易さ。観てて楽しい。 出てくる人物が幽霊含めてアクが強めでにぎにぎしくコミカルパートを盛り上げ、話の核心たる過去の殺人事件ではその真相で客を驚かせる。 シリアスな中にまぶすユーモアも絶妙。妻が死んだ夫に問うて曰く「私のお金をどこにやったの」には笑った。 並みの脚本なら持て余しそうなキテレツFBI捜査官をもそれなりに話の中に収めたのには感心すらしてしまった。 設定も構成もよく練られたハリウッドらしい脚本能力を感じる一本であります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-08-15 22:32:04)
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