41. シカゴ(2002)
禁酒法時代のシカゴってよく映画なんかの舞台にされるけど、マフィアをはじめとする犯罪者の集まるところに金も人も多く集まり、結局はこういうショービジネスの中心地となっていくんだね。マスコミをはじめとした人々の耳目を集めることが、ダンサーにとっても被告人にとっても勝敗を分けるっていうのがいかにもアメリカンでおもしろい。ヴェルマ以外の囚人たちとの関わりがもう少し丁寧に描いてあると、そのうちの一人が処刑された時の動揺がよく感じられて良いと思うのだが。好み35/50、演出12/15、脚本9/15、演技8/10、技術10/10、合計74/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2017-04-26 23:37:52) |
42. 秒速5センチメートル(2007)
描写の緻密さ、背景の美しさの影響もあろうが、若い頃しか体験することのできない種類の切なさや焦燥感がダイレクトに心を揺さぶる。あらすじを文字にしてしまえばなんてことない連作短編だが、それだけでは決して語れないものがこの映画にはある。映画を見ずして作品を語ることの愚かしさはこの映画にこそいえるのだろう。明里が雪の多い場所に転校と聞いたときは東北かと思ってたら栃木だった。映画でも大雪で電車が止まるほどだったが栃木ってそんなに雪国なの?好み50/50、演出14/15、脚本10/15、演技5/10、技術10/10、合計89/100→9/10点 [DVD(邦画)] 9点(2017-04-26 23:37:00) |
43. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
《ネタバレ》 痛快なエンターテイメントとして一流の作品だった。あれだけの大胆な詐欺を行ったのが20歳になるかならないかの若者だという事実は、肝の大きさを感じさせる。これが実話を元にしているというのだから驚き。弁護士資格を取得した方法も何らかのトリックを用いたのかと思わせておいて、実はほんの短期間の勉強で正当に取得してしまえるなんて、天才詐欺師は本当に天才だったと言うことか!好み45/50、演出13/15、脚本11/15、演技8/10、技術8/10、合計85/100→9/10点 [DVD(字幕)] 9点(2017-04-26 23:35:39) |
44. 普通の人々
アメリカが夢想する中流家庭が、たった一つの瑕瑾により崩壊の危険性を内包している様が淡々と描かれている。主人公だけでなく家族それぞれが内側に暗い思いを抱えており、家庭がギクシャクしているのだが、映画を見ている我々にはそれが理解できるだけに余計切ない。映画のジャンルとしてあまり好きではないが、映像の美しさ、登場人物の描写の丁寧さなど、この映画の評価の高さは十分伝わってくる。好み20/50、演出13/15、脚本12/15、演技9/10、技術8/10、合計62/100→6/10点 [DVD(字幕)] 6点(2017-04-26 23:34:47) |
45. 3人の逃亡者 銀行ギャングは天使を連れて
脚本上、ルーカスが足を撃たれる必要があったのかなと思ってたが、元気なままだったらこの奇妙な逃亡劇は確かに発生しないね。随所に笑える場面があってとても楽しく見ることができたが、ルーカスとペグの交流がもっとしっかりと描かれてると良かったかな。ラストの別れのシーンで銀行に行ったときは、何が起こるかすぐわかったよ。好み40/50、演出10/15、脚本8/15、演技7/10、技術6/10、合計71/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2017-04-26 23:33:47) |
46. ノーマ・レイ
社会派ドラマは嫌いだが、それなりに見所のある作品だった。UNIONのプラカードをかかげ工場内で机の上に飛び乗るシーンは圧巻だ。工員たちが次々と機械を止め、静寂が訪れる様は対比が効いていてすばらしい。平凡なシングルマザーだったノーマが組合活動に目覚めていくきっかけを、もう少し説得力のある描き方をしてほしい。好み20/50、演出10/15、脚本10/15、演技8/10、技術6/10、合計54/100→5/10点 [DVD(字幕)] 5点(2017-03-15 23:22:42) |
47. デイライト
パニックからの脱出ものということで既視感は多分にあったが、映画の作りは好感が持てた。冒頭で主要な人物が、みんな様々な目的のもとにトンネルに向かっている場面は、爆発が起こるんだと分かっていながらもワクワクしてしまう。また、ペットの犬だったり怪我したトンネル管理員だったりを見捨てざるを得なかった場面があったのは、悲しくも実際にはこうしたこともあるだろうなと思わせた。好み30/50、演出9/15、脚本10/15、演技5/10、技術8/10、合計62/100→6/10点 [DVD(字幕)] 6点(2017-03-15 23:21:05) |
48. ノーカントリー
《ネタバレ》 前半の緊張感が強烈だっただけに後半の尻切れトンボ感が納得いかない。ルウェリンの最後も唐突だったし、カーラは結局最後どうなったのかも描かれていない。そもそもこの物語に主役とは言いながら保安官は必要だったのか。細かいことから大きなことまで疑問の残る映画だった。アントンシガーの悪人ぶり(超人ぶり?)はトラウマになるほどの恐ろしさだ。最後の骨が突き出たシーンで平然としている様は吐き気さえ催すほどだった。好み25/50、演出10/15、脚本12/15、演技8/10、技術6/10、合計61/100→6/10点 [DVD(字幕)] 6点(2017-03-15 23:20:12) |
49. トト・ザ・ヒーロー
向かいの子どもと取り替えられた子だというのは結局トマの妄想だったのだろうか?トマもアルフレッドも結局アリスの幻影から逃れられていなかったのが悲しい。ストーリーは切なく映像も印象的だが、場面や時間がちょくちょく移るので観ていて疲れた。好み30/50、演出8/15、脚本8/15、演技8/10、技術4/10、合計62/100→6/10点 [DVD(字幕)] 6点(2017-03-15 23:16:56) |
50. トゥルー・クライム(1999)
イーストウッドが好きだから許せてしまうのだが、さすがにあの歳(当時70歳弱くらい?)で4歳ほどの娘がいる役はきついんじゃない??とおもったらあれは実子だって?!さすが艶福家ですなあ。それにしても彼はどの作品でも、一般的には社会からのはみ出し者を演じるのがうまいね。悪く言えば人間のクズだが、なぜか愛すべきクズなんだよね。好み40/50、演出10/15、脚本11/15、演技8/10、技術5/10、合計74/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2017-03-15 23:15:52) |
51. ガントレット
すっかり忘れていたが、昔土曜だったか日曜だったかの映画番組で見覚えのある映画だった。印象的なラストシーンが当時の子供心にも深く刻まれていたようで、懐かしさがこみ上げてきて仕方なかった。映画自体はありきたりのものといえるが、例のラストシーンにより誰の記憶にも残る作品となってるのではないかな。好み35/50、演出12/15、脚本9/15、演技6/10、技術6/10、合計68/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2017-03-15 23:14:11) |
52. アメリカン・スナイパー
《ネタバレ》 スナイパーという役割が英雄や伝説となるべき役割かどうかは分からない。陰から味方を助ける縁の下の力持ちという見方もあろうし、見えないところから敵を狙う卑怯者という見方もあるだろう。それ以前に戦争というものにいろいろな見方があるはずで、素直に主人公に感情移入していいものかどうか戸惑いが大きかった。しかしながら、心を病むまでに傷ついた主人公に対して、ラストシーンで多くの市民が感謝を示しているシーンは素直に涙が出た。最後の最後で演出にやられた感じ。好み40/50、演出13/15、脚本10/15、演技8/10、技術7/10、合計78/100→8/10点 [DVD(字幕)] 8点(2017-03-15 23:13:29) |
53. きっと、うまくいく
基本コメディーなのだが、恋愛や笑いの合間にふとシリアスな話題が入る。教育問題だったり友人の自殺だったり…その落差がメリハリになってとても良い。また、ランチョーの元にたどり着いたと思ったらランチョーの出自について新たな謎が出現したりして意外性のあるストーリー展開が、尺の長さの割には飽きさせない作りになっている。さすが映画大国インドで多くの記録を塗り替えた映画だけある。ランチョーがピアを夢想するときに、死にかけた爺さんを間に挟んでバイクに乗ってたシーンが出てきたときには笑った。好み45/50、演出15/15、脚本14/15、演技6/10、技術9/10、合計89/100→9/10点 [DVD(字幕)] 9点(2017-03-15 23:11:20) |
54. ランボー
トラウトマン大佐が保安官や州警察に向かって言う台詞が大好き!「ランボーを助けに来たのではない。あなた方を助けに来たのだ。」ランボーのすごさを端的に表すいい台詞だ。安っぽいアクションものになりがちな展開をスタローンの代表作たらしめたのは、当時のアメリカが抱えるベトナムのトラウマだろう。戦争に勝てなかったという事実はもとより反戦的な風潮がベトナム帰還兵に冷たい視線を向けていた。その悲しみがこの映画のストーリーに深みと悲しみを与えている。好み50/50、演出12/15、脚本10/15、演技8/10、技術7/10、合計87/100→9/10点 [DVD(字幕)] 9点(2017-03-15 23:10:09)(良:1票) |
55. ジャージー・ボーイズ
ボブが加入するときの即興での音合わせ。音楽好きにはぞくぞくするような瞬間だよね。いろんなメンバーがそれぞれの場面でそれぞれの視点で思いを語っていくという手法は面白かったが最初は誰が語ってるのかよく分からなかった。これは元になっているミュージカルの演出そのままなんだね。ストーリーとしてはよくある成功とすれ違い、解散の物語で意外性のないものだったが、よく知っている曲やハーモニーの美しさでいい映画に仕上がっている。好み40/50、演出9/15、脚本8/15、演技9/10、技術6/10、合計72/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2017-03-15 23:08:52) |
56. 乱れる
《ネタバレ》 加山雄三は若くてもやっぱり加山雄三だった!(いや若いからこそ加山雄三なのか)育ちの良さそうな底抜けに明るくゴーイングマイウェイを地で行く演技が印象的なだけにラストは意外性があってかなりショックだった。けんか別れしたあとの朝、温泉宿の2階から外を眺める場面で、「まさか」という展開が予感されドキドキしたが、考えてみれば成瀬巳喜男監督といえば女性映画、メロドラマで有名なんだからあり得べき展開といえば展開なんだよね。高峰秀子の未亡人が、過剰な表現を押し殺した抑制のきいた好演を見せており、現代とは少し違う美意識が垣間見られたような気がする。好み35/50、演出13/15、脚本13/15、演技9/10、技術7/10、合計77/100→8/10点 [DVD(邦画)] 8点(2017-03-15 23:08:08) |
57. パッチ・アダムス
「そんな歳で医者を目指すのか」と言われているが年齢設定がイマイチ分からない。wikiで本物を調べてみたら医学部進学課程が19歳、医科大学が22歳で特別遅いとも思われない。ロビン・ウィリアムス47歳時点での映画となればそういう設定に変更されてるのかも。ただ、映画を作るとなると確かに彼以外にキャスティングできる俳優は見当たらない。まさにはまり役だ。カリンの扱いやラストの審問会など、脚本のあざとい作りが見られるもののわかりやすく感動できる映画だった。明確な悪役キャラがいるのも良かった。好み45/50、演出11/15、脚本14/15、演技9/10、技術6/10、合計85/100→9/10点 [DVD(字幕)] 9点(2017-03-15 23:06:26) |
58. フィールド・オブ・ドリームス
野球に夢見がちな日米双方でヒットした同作だが、はっきり言って野球にとりつかれたキ○ガイの話だよね。たまたまアタマの中で鳴っている言葉のとおりにことが進んだだけで家族としてはたまらないよね。すべてが最終的にはいい方に転がっていき、ご都合主義な感じは否めない。好み30/50、演出12/15、脚本7/15、演技6/10、技術6/10、合計61/100→6/10点 [DVD(字幕)] 6点(2017-03-15 23:05:36) |
59. いまを生きる
Dr.House好きの僕にとっては、ニールの顔が出てくるたびに気が散って仕方が無かった。ニールを演じるロバート・ショーン・レナードはDr.Houseで主人公の親友を演じる重要な役回りでとても印象的なのだ。知らずに観たのだが若き日のレナードはやはりレナードですぐに分かったし、Dr.Houseと同じように知的でまじめな役を好演している。最終的には悲劇となってしまうし、生徒たちは机の上に立って励ましてくれるが、もっと校長たちをぎゃふんと言わせたかった。机の上に立ったのが全員ではなくソサエティの面々だけだったというのもちょっとショック。好み30/50、演出10/15、脚本13/15、演技5/10、技術6/10、合計64/100→6/10点 [DVD(字幕)] 6点(2017-03-15 23:04:51) |
60. フォーカス(2015)
《ネタバレ》 ありがちなストーリーといってしまえばそれまでだが、エンターテイメントとしてとても楽しめた。あまりにも仕掛けた詐欺がぴたりとはまっていくので、ストーリーが進んでもどこまでが想定外なのか、どこまでが仕組んだことなのか常に疑いながら観ちゃうね。オチについてはニッキーが撃たれた瞬間に「ああそういうことか」とすべて分かる。ここでニッキーの身の上話が生きてくるんだね。好み40/50、演出10/15、脚本8/15、演技8/10、技術6/10、合計72/100→7/10点 [映画館(字幕)] 7点(2017-03-15 23:03:12) |