41. ムーンライト
《ネタバレ》 2017年アカデミー賞作品賞に輝いた、ゲイの男性の半生を描いた作品。自分がセクシュアルマイノリティではないので、鑑賞後に色んなことを考えたが、たどりついた結論は『対象が異性でないだけで、恋愛の過程は似ている』だった。 恋心の芽生えや、かつての想い人との大人になってからの再会などが妙にリアルだから、余計にそう感じたのかもしれない。 メディア等では映像美や音楽が褒められているが、特にそれらには惹かれず、少年時代に味わった周囲からのゲイ差別や、成長してからの売春婦の母親との和解、といった現実感を見せてくれたところに賞賛したい。 ただ正直、作品賞受賞というスケールの大きさに匹敵する満足度かと言われると微妙。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-12-11 07:50:07) |
42. チキン・リトル
《ネタバレ》 中盤以降にエイリアンが円盤に乗って出現したあたりからはSFチックになり面白さも増す。ん〜〜でも厳しい。開始1分で地雷臭を察知してしまうオープニングとなっていた。さらに、手抜き感が否めないキャラクターたちのビジュアルに目を覆いたくなる。 ディズニーの数々の傑作を知っているからこそ、同じディズニー映画として比較をしてしまい、デザインやストーリーなどの点において明らかに魅力は少ないと言わざるを得ない。 [DVD(吹替)] 4点(2017-12-07 06:34:43) |
43. gifted/ギフテッド
《ネタバレ》 子役含めキャストが良かった。演出はややくどいかな? この映画を見て真っ先に感じたのは、大人は随分と身勝手だなということ。だからこそ、子どもの無垢さに傷心する。 一人の天才少女をめぐって、叔父と祖母が親権争いをするわけですが、うーん、どうしても少女&叔父の描写が多いため、叔父に肩入れしてしまうし、涙腺も緩む。実際、天才少女に欠けていた人間的な要素を補おうとしているのも彼なわけだし。しかし、なにか釈然としない。正直、叔父も祖母も、自分勝手な行動が目立ち、女の子のことを真剣に考えているようには伝わらないのが残念です。だから、個人的にはハッピーエンドと捉えにくい複雑な心境でした。 [映画館(字幕)] 6点(2017-12-05 07:36:04) |
44. ダンボ(1941)
《ネタバレ》 いい話だった。 ゾウを描いているのに、われわれ人間にも伝わるメッセージが作品に隠れているのが十分感じ取れた。耳が大きいだけで腫れ物扱いされるダンボだが、そんな子どもを温かく支える母親。母親って強いな・・・。また、その親子の理解者であるネズミ(ティモシー)の器の大きさがキラリと光る。血が繋がらない相手に、無償の愛を提供できるって大人だなと感心し心暖まる。 マイノリティの立場が弱く描かれているだけに、報われるエンディングに胸を撫で下ろす自分がいた。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-12-03 06:59:43)(良:1票) |
45. ビューティフル・マインド
《ネタバレ》 非常に余韻が残った。 実在した一人の数学者の人生に、これほどまでに感動し、勇気づけられるとは思わず。 統合失調症を患った主人公を支える妻の献身が際立つ。また、彼がそんな自分自身を受け入れる様子からは、物事に打ち勝つ強さを感じた。 静かな物語なのだが、特に中盤以降、真実が明らかになるにつれて味わう「やられた」感も好き。 映画の終盤に近い、式典のシーンで主人公がスピーチを終えた瞬間、どっと感動の涙が溢れてきた。心が洗われる作品だった。 [インターネット(字幕)] 9点(2017-12-02 06:21:46) |
46. ルイスと未来泥棒
《ネタバレ》 失敗を機に前へ進み続けろ、という強烈なブレないメッセージがこの映画から伝わります。形式的ではなく、ちゃんと主人公ルイスを通して。ここが一番素晴らしかった。 展開が予想できず、小出しにされてきた情報が終盤で一気に集結して全体像が把握できるので、伏線回収が優秀。 序盤の現代編はそんなに面白くありませんが、中盤でルイスが未来へ旅立ってからが盛り上がりどころ。未来で遭遇するロビンソン一家のそれぞれの個性の強さが本当に笑えるし、交流が愛にあふれていて心が温まる。 [DVD(吹替)] 7点(2017-11-30 13:40:12) |
47. ライラの冒険/黄金の羅針盤
《ネタバレ》 巷の評価が低いのでハードル下げて見ましたが、普通に楽しめました。 CGの質こそあまり良くないが、ストーリーが面白い。少女の無鉄砲さと、悪の組織の容赦なさが対立しあって緩みがないし、魔女や鎧熊族なども登場する心躍るキャラ付け。 海・港町・雪山などを転々と舞台としてゆくので、ファンタジー好きには冒険心くすぐられる。突っ込みどころは時折あるものの、児童文学の映画化としては十分だと思うし、続編の制作中止が心惜しい。 [DVD(吹替)] 6点(2017-11-29 08:29:01) |
48. モンスター・ハウス
《ネタバレ》 いい感じのホラー要素が含まれていて、手に汗握る展開も。ひとつの家が人格を持ったかのように立ち振る舞う、という目新しさには謎が深まるばかりで良い。のちに伏線回収もしっかりしてくれストーリー性も良かったと感じる。 ただ、主人公&脇役女子のキャラは好きなのだが、もうひとりのチャウダーという男の子のお調子者感が度を過ぎていて、鑑賞の妨げと捉えてしまうほど非常にイライラした。 [DVD(吹替)] 4点(2017-11-25 09:39:35) |
49. マンチェスター・バイ・ザ・シー
《ネタバレ》 曇りの空や雪の降る海がとても似合う映画だった。この映画は限りなく「静」に近く、話はゆっくり進むものの、そのぶん丁寧に進行する。セリフから動作に至るまで群を抜いて自然かつ現実的で、主演のケイシー・アフレックは特にすごい。 一人の男を、これほどまでにかというほど深く掘り下げるので、感情の機微たる変化が手にとってわかり、彼が抱える過去や苦悩がリアルに感じられる。過去&現在といった時系列が交差するのも味わい深くて良かった。 [インターネット(字幕)] 7点(2017-11-23 09:26:06) |
50. レミーのおいしいレストラン
《ネタバレ》 視覚と聴覚だけでもこんなに楽しめたのに、味覚や嗅覚をもってすれば最高だっただろう。異国情緒たっぷりで、愉快で味わい深い映画だった。 天才ねずみと若者のやり取りを見て学べるのは、謙虚さが大事ということ。これが欠けると、いくら相性がいい者同士でも歯車が噛み合わないのだと感じた。 感銘を受けたのは、田舎料理ラタトゥイユを辛口批評家に出した時、彼の少年時代がフラッシュバックするシーン。眠っていた過去の記憶を呼び起こすほどの、「おいしい」だけの言葉では説明できない、料理の持つ強さを感じた。 [インターネット(字幕)] 8点(2017-11-21 18:43:04)(良:1票) |
51. ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ!
《ネタバレ》 さすがはアカデミー賞アニメ賞の作品、と言うべきでしょうか。コメディアニメということもあって、クスクスとくるシーンが豊富だが、しつこさはなく自然に楽しめる。音響も素晴らしかったです。 ストップモーション制作会社の比較でいうと、ライカよりもこちらのほうが見やすい。この作品最大の魅力は、犬のグルミット。台詞は一切発さないものの、何を考えているかが描写で伝わり、なすこと全てが愛くるしい。 畑を荒らし回る「ウサギ男」の正体は早々に気づいてしまうものの、テンポよく話が進んで楽しめました。 [DVD(吹替)] 7点(2017-11-20 05:15:35) |
52. ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島
《ネタバレ》 ナルニア国物語に求めるのは、いかに童話の世界に引きずり込んでくれるか、なのですが今回も夢見心地な内容でした。 舞台が陸から海洋に変わっているのは斬新。次女と次男の二人だけが活躍するのも、かえってマンネリ化せずによいと感じました。 新登場したイトコの男の子も演技力抜群かつキャラが濃く、冒険による内面的成長が作品を通して伝わりgood。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-11-18 20:57:40) |
53. シンデレラ(1950)
《ネタバレ》 冒頭の、ネズミ&性悪猫ルシファーのドタバタ劇が中でも印象に残ります。継母たちだけでなく、猫すらもシンデレラに風当たりが強い。ゆえに、シンデレラの不遇が余計に際立つし、だからこそネズミや小鳥が彼女を支える温かさが際立ちます。 演出やストーリーはさすがに65年後に作られた実写のほうが優れているけれども、内容は実写版と所々違うので、新たな発見でいっぱいで楽しめました。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-11-17 05:59:49) |
54. アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅
《ネタバレ》 気づいたらあっという間に引き込まれていた。 風景や小物といった映像が細部まで洗練されていて綺麗。視覚的に楽しめる要素が多いのは嬉しい。物語も第2作目として無理のない設定。前作で多くは語られなかった赤の女王やハッターの過去が明らかになり、点と点が線になる気持ちよさを味わえる。 また、今回初登場するキャラクター「タイム」が良い。セカンズ、ミニッツ、アワーズといった時計がらみの手下を従えカリスマ性を出しながらも、少し間抜けで笑いどころを提供してくれた。 [インターネット(字幕)] 7点(2017-11-13 15:04:16) |
55. ピーター・パン(1953)
《ネタバレ》 相変わらず、曲と映像のシンクロ性がクオリティ高いです。なぜだろう、ピーターパン&子ども達よりもフック船長一味のほうが魅力がありました。 意外だったのが、ティンカーベルの意地の悪さ。そして、ピーターパンの幼稚さ。フック船長も、無敵の豪傑という感じではなく、臆病な苦労人という感じで人間臭さが出てて好きになりました。 総じて、勝手にイメージしていたピーターパンの世界と違うので、そのギャップは楽しめました。 ファンタジー性は薄く、冒険要素が多かったように思います。愛犬ナナが積み木とじゃれている冒頭が、個人的盛り上がりのピークだったかもしれない。 [インターネット(字幕)] 5点(2017-11-11 14:04:18) |
56. 続・深夜食堂
《ネタバレ》 TVドラマのシーズン1を見てからずっとファン。 前作の映画と比較すれば新鮮味に欠けるが、良い意味では安定の世界観だった。常連客が食堂に求める「より処」感を、見ている者も共有できるのがこの作品の魅力。 泣けるわけでもなくドラマとしても半ナマ状態で突っ込みどころ満載だが、客から語られるエピソードや厨房での香ばしい調理音を求めて、半年に一度は見たくなるような心が温まる作品。 [インターネット(邦画)] 6点(2017-11-07 16:35:05) |
57. ヒックとドラゴン
《ネタバレ》 素晴らしいアニメ映画でした。ドラゴンって、作品のパーツパーツには出てきても、メインで取り上げられなかったので既視感も無く、全てが新しかったです。 したがって、物語の展開を予想できるはずもなく、古代勇者風なBGMも相まってハラハラドキドキを味わえ、純粋に楽しめました。数々の賞を受賞/ノミネートするのも納得の出来です。 ここまで作品にのめり込めたのも、主人公が出会うドラゴン(ナイトフューリー)に鑑賞者自身も愛着を持つことができたためと考えます。個人的にはモンスターハンターの世界が彷彿とし、見たいと潜在的に思っていた世界が見れたという満足度も高いです。 [インターネット(字幕)] 8点(2017-11-04 15:21:16) |
58. KUBO/クボ 二本の弦の秘密
《ネタバレ》 『コララインとボタンの魔女』と同じ制作会社ということだが、コララインよりも良かったです。 勧善懲悪のオーソドックスな物語ではありながらも、コマ撮りが進化していて、より滑らかな上質ストップモーションを味わえ、戦闘シーンに惹かれました。 古き良き日本のノスタルジックな描写も多く、特に、下町の人々に囲まれながらクボが三味線で弾き語りをするシーンが好き。 [映画館(字幕)] 5点(2017-11-02 17:07:03) |
59. SING/シング
《ネタバレ》 感動こそしなかったものの、イルミネーション作品に共通するユーモアはしっかりあった愉快作でした。多数の動物が登場するにもかかわらず、それぞれの個性が埋没しないようキャラ付けされていて、歌唱コンテストに出ようとする動機も面白い。 キャラに魅力を感じたものの、どうもストーリーが平坦で勢いがない。観た後に特に何も残らない、という意味では『怪盗グルー』や『ペット』と比べると失速感があります。 [インターネット(字幕)] 5点(2017-10-30 21:03:38) |
60. ゲット・アウト
《ネタバレ》 自分好みの良作ミステリー映画でした。正式にはホラー映画なんでしょうけど、過剰な演出でビビらせてくる感じではなく、じわりじわりと精神をすり減らすような(真実の闇へ近づくような)手に汗握る展開。 鑑賞中に自分が抱いていた嫌な予感が全て的中する気持ちよさも相まって、十分楽しめました。ストーリーも、「恋愛」と「レイシズム」の融合、というこれもまた斬新なアイデア。 ところどころ音楽が合ってなかったのと、終盤がB級映画寄りの安っぽい演出が続いたので、それらだけマイナス点。 [映画館(字幕)] 7点(2017-10-28 14:07:24) |