41. アイの歌声を聴かせて
《ネタバレ》 良かったです。 AIものロボットものの最新の研究成果を超絶前向きな青春エンタメに昇華した作品と言っていいかと思います。そして、土屋太鳳さんの歌の表現が声がのびやかでとてつもなく素晴らしい。声の表現も、ネット上でネタバレがちょっとされてましたが、人工声帯による発音がされてるということで、AI・ロボットなのに、歌うために呼吸の動作をするのが、こだわりすぎにもほどがある。 あと、この手の話でよくあるAI/ロボットには人間的な"意思"を持ち得るのか、という問いに対して、 「そんなのどうでもいい」 観る人の受け止め方によってそのようにも見えるし、まったくそうでないようにも見える表現にしてるのが非常に新しくて、この手の問いに対しては逆説的に、 「そもそも、人間が、自由な意思とか心のようなものが存在してると思ってるのはただの錯覚ではないか」 という話もあって、その辺も踏まえてて良かったです。 AIの深層学習については、ちょっと前にネット上のニュースやSNSの記事の情報などを大量に食わせまくったら、ものすごい毒舌を吐く邪悪な? AI(モデル)ができてしまったのでリセットされたみたいな話が流れてましたが、本作では「前向きで肯定的な指示」によって、こんな素敵なAI・ロボットができるのではないか、という夢物語をエンタメとして非常に肯定的に前向きに提示してるのが、いっそ潔く、気持ち良かったです。 というわけで、最後のオチをわかった上でまた頭から見直すとグッとくる作品でもあるということで、もう1回くらい観たい印象なのですが、地元の上映館ではロングランしてるものの早朝上映しかしてないので時間的に合わなくて観られなくて悲しい思いをしており、マイナー作品の扱いでよくある状況ではあるのですが、こういうロングランしたマイナーな良作を、一般の人が観やすい時間帯に上映できる上映枠を各映画館が設置して欲しいなあと、切望する感じです。 そんなところで。 [映画館(邦画)] 9点(2021-12-04 08:08:11) |
42. 最後の決闘裁判
《ネタバレ》 マット・デイモン、ジョディ・カマー、アダム・ドライバー、ベン・アフレックという中堅どころが中世のフランス(14世紀)で、決闘する物語をやるという、事実に基づいた話ということなので割と地味に展開されるかと思ったら、意外にエンターテインメントしていて、中世の風俗(服装とか建物とか楽器とか食事とかあれやこれや)がわりと本格的にしっかり描かれるのに加えて、決闘裁判の騎士同士の騎馬戦がやけに迫力満点にしっかり相手にとどめを刺すまで描かれ、騎士槍強え! とか鎧で固めてると刃とか通らないので斧とか良いなとか、最後はやっぱり鎧通しが殺意高くて素晴らしいとか、決闘だけでなく騎士が仕事として遠征して森の中で集団戦をするとかそういうところの描写が逐一凝っていて、非常に興味深くワクワク観られた感じでした。個人的には当時まだバイオリンは発明されてなかったはずなので、あのバイオリンぽい弦楽器は何だろう? とか気になって仕方ないみたいな(バイオリンの先祖になるような楽器はいろいろあったようなのでそれかなあ、とか)。従騎士と、正式な騎士と、騎士にも種類が色々あります、従騎士には「サー」は付けませんとかいう描写は設定的に熱い所だ。 ……というようなところが、この作品の見せようとしたところの主旨なのかどうかよくわからないですが、話の構成の、登場人物3人の視点でそれぞれの展開を描く部分は、あまりシビアにサプライズさせようとかそういう感じはなくて、単に主役たちの見せ場をそれぞれ役者の好きな人のために配分しましたよってだけな感じはしたりして、話的に面白いと思ったのは、『真実』を明らかにするには命を懸けないといけない(当時の偏見まみれの状況だと)という所です。当時の価値観という点で言うと、強姦は、主人の所有物を棄損したことになるので、法律上器物破損扱いになるというのが、なるほどと思ったりはしました(完全に奴隷と同じ扱いだなあと)。 で、マルグリットの視点からすると、真実をめぐって男たちが戦うのは茶番でしかない、というのはちょっと面白かったんですけど、だったらマルグリット自身が戦えよ、と、いたく思ってしまって、しかし設定的に無理か、というのが作品の限界だったように思われました。あの結末で、結局あの後どんな気持ちになれたのだろうか、何も変わらなかったのだろうか。 そんなところでした。 [映画館(字幕)] 7点(2021-10-30 14:54:18) |
43. 映画大好きポンポさん
《ネタバレ》 もともと原作が好きで、しかも本作の制作が「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」のスタッフということで楽しみに行きました(原作の内容は大分前だったので結構忘れてて、映画視聴後読み直しました)。 基本的に原作に準拠していて、90分ピッタリで終わるところまで原作へのリスペクトがある映画で、非常に良かったのですが、原作を読み直してみると実は原作の話は映画の中の前半部でほぼ終わっていて、後半がオリジナル展開という、サプライズというか原作より一歩踏み込んだ内容の作品になっており、 ・あの原作がどう映像化されるだろう?(ジーン監督の15秒CM編集の実物は、スピード感といい素晴らしかった) ・本映画で付け加えられた原作のさらにその先は? という1本で2倍お得みたいな、楽しみの得られる作品となっておりました。 個人的には、 「これは、僕の物語だ!!!」 とジーン監督が言うところがすごい好きで、これは原作にはなくて、監督の孤独な「編集」作業をより深くえぐっていった結果、エンターテインメントとして人に刺さる独自性のある普遍的表現って何? といったところで、結局作り手のエゴに帰ってくるっていう、映画を観る前に「ブルーピリオド」という漫画の最新刊を読んだんですが、あれで、ごく私的な視点なり感慨でも公の場に作品として表現されると、ごく私的な視点だからこそ広く共感されるというか、そういう作品表現もアリだ、という話をしていて、この映画の編集でも無数のカットの組み合わせの迷宮の中で、どんなエンタメ表現の道筋を見出せるかというところで、ジーン監督のごく私的な「これは、僕の物語だ!!!」にたどり着くのが、良いなあと思った次第です。 この映画では、一般人の、主人公の昔の同級生の友人がオリジナルキャラクターとして登場して、最終的に撮影資金の援助をしてくれて、一昔前のハリウッド映画的な問題の展開(個人の問題→身近な人の間の問題→社会的な問題)をしていって、原作には希薄だった広く社会的な視点を付け加えたのが、わりとうまくできてて良かったし、編集みたいな、結局創作って一人でやるしかない、孤独で大変な作業であるところに、出来上がってくる作品を楽しみに待ってる応援してくれる人たちがいる、という視点を付け加えてくれたのが、とても優しくて良い作品だと思いました。 そんなところです。 あと、原作は、毎巻毎巻「これが最終巻です」宣言しつつ続編が出てるんですけど、今3巻まで行っていて、またスピンオフも出ていてどれも面白いので、映画を気に入った方はぜひ読んでみられるとよろしいかと思われます(おすすめ)。映画の内容は、監督氏が2巻以降の内容を知ってたかどうかわかりませんが、結果的に2巻の内容と同じような境地に踏み込んでいるなあと思ったりなんかしました。 あと、本作って、結局苦労した結果、どんな作品ができたの? を漫画だと1枚絵でバーンと見せるところを、動く映像でどう見せるか? がオチになると思うんですが、途中で断片的に見せてはくれるもののオチの絵は出てこない(強いて言うなら原作準拠の真ん中ですべて出てしまった)ので、そこがちょっと物足りなく感じられんくもないとは思いました。 [映画館(邦画)] 8点(2021-08-12 18:16:11)(良:1票) |
44. 宮本から君へ
《ネタバレ》 原作をリアルタイムで読んでました。 個人的に、自分の読んだ漫画の中の最高傑作のひとつと思ってたので、生半可な役者の生半可な演出ではというてい納得できないだろうと、ファンとして、とりあえずなんか映画化されたので記念で観ておこうというくらい(あきらめ)の心持ちで視聴した感じでした。 池松壮亮演じる宮本は、バカで明るいだけが取り柄の陽キャなので、池松壮亮氏のしょぼくれた外見でいや全然キャラ違うし、まあ最近人気の役者さんを起用しただけでまあ実写化されるとイメージ違う役者になっちゃってキャラが違うなんてよくあるので、まあしょうがないかなあと思ってました。 靖子さんなんて、当時の女傑なので、一瞬たりとも一言たりとも女々しい言葉とか振る舞いを見せたら、ああもうこれは原作の靖子さんじゃない。だいたいヒロインらしい女性ばかり演じてきた蒼井優氏がまともに靖子さんを演じられるのだろうか、全く期待できんなあ、と思いながら視聴しました。 観ました。 宮本は確かに宮本だった。 靖子さんは確かに靖子さんだった。 原作は1990年~1994年に講談社『モーニング』誌で連載された作品です。男女雇用機会均等法が改正され、採用・昇進・教育訓練等での差別が禁止規定になったのが、ようやく1997年。まだ当時の仕事現場では女性差別されるのはごく当たり前の状況で、まだまだ女性が家庭にいるのが普通と思われており、物語の世界の中でさえ、女性がひどい目にあわされ、それを守って救う男性像は素晴らしいヒロイックな男性像だ、と思われてた頃です。 そんなさなかに、女性を助ける男性が素晴らしいとかいう世界などクソくらえだ、勝手に助けた気になっていい気になってる男はしね、と、当時の価値観にNOを叩きつけたのが、靖子さんというキャラクターで、蒼井優氏が女性らしい女性なんてものを演じたら、まったく許せんだろうと思ってたのですが、そうではなかった。ちゃんと靖子さんは靖子さんだった。 宮本も、宮本というのはどこまでもバカで、バカ過ぎて必死過ぎるからこそ、この悲惨な物語が、ギャグとして昇華される。池松壮亮演じる宮本のバカさ加減に、私は観てて爆笑してしまったのですが、こんな話がギャグに見えるのは、当時のあの主要キャラから見ると地獄のように見える、あの絶望的な世界の中にありながら、それでもすべてのしがらみを吹き飛ばし、何とかうまく生き抜いてやっていけるだろうと、キャラクター達を信じられて最後はハッピーエンドになるだろうと信じられるから、ギャグとして笑えるというか、とにかく最高に笑わせてもらえて、とてもよかったです。 で、とにかく主演二人の演技がすさまじくて、当年の日本アカデミーにぜひ推されるべき作品と思ってたのですが、ピエール瀧氏の不祥事で公開自粛されたのと、某アカデミーで、選考作は1日2回以上上映されないと候補作として選出すらされないとかいう謎ルールのせいで、まったく選ばれることはなかったという不遇の作品ですが、原作が好きだった人には、たしかにこの映画は、あの原作の作品と自信持って言える作品だ、と、自信を持って言える映画と思います。 そんなところです。 あと、エンディング曲も超絶暑苦しくて、まさに作品世界を体現した名曲なので、エンディング曲までしっかり聴いていただけると幸いです。 そんなところです。 [映画館(邦画)] 10点(2021-06-11 00:16:02) |
45. JUNK HEAD
《ネタバレ》 すごい! ストップモーションアニメというと、海外ではすごいのが出てて、日本はあまりなく、最近やっと「PUI PUIモルカー」で総時間33分くらいのものが出て、日本でも少ないけどあるんだなあと思ったところに、この壮大な、遠大な世界の作品が出てきて、全俺がどよめいた! みたいな感じでした。 とにかく背景のセットが混沌として奥深く果てが見えないくらいのスケール感があって、これは元々監督の方が芸大の創作でそういうのを作られてたのが生かされたということで、終盤には宗教的な深みまで垣間見えるようになって、とにかく素晴らしかった。 キャラクターも、どれもこれもグロテスクで、血も飛び散ったりしておぞましいものばかりですが、それぞれが息づいていて、ユーモラスな部分もあって終わりごろには愛着がわいてきさえする、最後に対決する敵すら「貴様、あの傷! あの時のあいつか!!!」という、人格的なものがあるものに対する敬意みたいなものが生まれて、すごかった。あと、いちおう人間は新しいテクノロジーで永遠に近い寿命が得られるようになったということで、そういう話もちらっと出てくるのも面白かったです。 パンフレットでは、最初のクラウドファンディングは失敗してしまった、ということらしくて、今後は、これが評価されて、終わってないので(全3部作らしい?)、潤沢な資金支援を得て、ぜひとも最後まで完結して欲しい。また、クラウドファンディングなどで支援の募集などあれば、ぜひぜひよろこんで支援したい! と思いました。 あとまあ、以下は盛大ネタバレですが、個人的には、本作は銃夢リスペクトがすごいと思って、ストップモーションアニメ版:銃夢じゃん! と思って、あの遠大な鉄骨やらなんやらのゴミゴミごちゃごちゃ入り混じった汚い世界は、まさに俺たちのクズ鉄町だし、天から人間である主人公が頭部だけで落ちてくるのはまさに銃夢の冒頭だし、異形の化け物の描写もまさに銃夢(というよりはギーガー的か)だし、最後の山場の、あの機械の身体だからこそできるあのアクションは、まさに銃夢だし、あの銃夢的な未来のSF的世界を描く魅惑的作品として、ずっと続きを待ちたい所存です。 そんなところです。 [映画館(字幕)] 9点(2021-05-22 20:09:38)(良:2票) |
46. モンスターハンター
《ネタバレ》 2D字幕版を視聴。ゲームの方は、かなりバリバリやってた口です。 ストーリーは正直メリハリが付いてるようなついてないような、話も途中だし、びみょーなんですが、この映画の見どころとしてはあのゲームの中の世界がいかに実写(+CG)映画化されるのか!? というところで、そこは結構頑張ってたかなあと。 モンスターは、原作にあるものを大体ほぼ忠実に描いてて6種類くらいですか、いや、そのマニアックな中二くさいのをわざわざ出しますか、とちょっと笑ったりしました。 武器種が結構頑張ってて、弓・大剣・片手剣・双剣・驚きのチャージアックス(笑)、操虫棍、スラッシュアックスまで出してて全14種の中の7種半分わざわざ出してわざわざちゃんと演出付けてるのはマニアックにもほどがあるだろうと。 あと、焼肉等調理シーンはゲームの場面を忠実に再現しててかなり笑ってしまいました。そこまでやるのは期待してなかった。 それから、モンスターと人が戦ったらどう見ても人が死ぬだろう? というのがゲーム中ではレーティングの問題で全然亡骸が出てくる場面が全くないのですが、映画では容赦なくゴロゴロ人が死んでくのが結構イカしてると思いました(笑)。 原作にないものとしては、モンハンの世界のモンスターが、現代兵器(と言っても銃とバズーカと手りゅう弾とヘリくらい)と戦ったらどんな感じか? というのも多少観れて、なるほど! と面白かった感じです。 まあ、いいんじゃない? [映画館(字幕)] 6点(2021-03-31 00:39:14) |
47. ラヂオの時間
《ネタバレ》 脚本というものが、出演者や関係者によって、いかにこねくり回され換骨奪胎させられていくかという顛末を描いた作品はいろいろありますが、面白おかしく戯画化して、コメディとして非常によくできてたと思います。最終的に「作品がとにかく面白ければよい」でハッピーエンドに決着するのもロマンがあって良かったです。 個人的には、脚本家が、よくあのめちゃめちゃな書き換え要求に対応して何度も何度も書き換えるの、すごいなー! ってところに驚嘆した感じです。実際、本作のような無茶で極端な要求ではないにせよ、書き換えが発生してそれに対応するのがプロの脚本家の仕事という話を伝え聞いており、こういったこねくり返しをやった結果、作品が全員で作り上げた作品みたいになるのは、こんな感じか、としみじみ思ったりなんかもしました。 あと、メンバーが「王様のレストラン」と重なる部分が多々あって、あの頃の映画か、懐かしい、と思ったりなんかしました。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2021-03-20 14:59:52) |
48. Fukushima 50
《ネタバレ》 事実といろいろ違い、意図的な? 歪曲もある、という評判を知った上で視聴。 現場の頑張りで救われたという、命がけの頑張りの話としてはよくできてて、首相来訪の対応が、現場からするととてつもなく無駄かつ莫大な労力に見える、という辺りは、他業種の火の車の現場でもあるあるな感じで、そこは割と現場側の感情としては共感した感じでした。 ただ、こういう、 「現場の頑張りでなんとかした=マネジメント層はろくな仕事を前々から全然してなかった、給料貰ってるのも恥ずかしい手抜きマネジメント」 という、日本的組織の普遍的悪癖を、どういうわけか感動的な話にして、問題の本質をごまかす実にあくどいやり方(映画等エンタメ表現の手法を悪用した卑劣なやり口)、が、こう厳然としてエンタメっぽい作品として残ってるのをまざまざと見ると、いやもう、こういう話を感動話なんかにして称えるのは止めましょうぜ、としみじみ思った感じでした。 それはさておき、当時現場で、生命の危機がありつつも頑張ってた方々がいた、ということに対しては敬意を払いたいと思いました。 [地上波(邦画)] 5点(2021-03-17 18:50:04) |
49. シン・エヴァンゲリオン劇場版:||
《ネタバレ》 IMAXで視聴。 映像は、相変わらずのクオリティで、アクション・見せ場もあり、話のオチもきちんとケリが付いて、まあ順当なところに落ち着いて(コミックス版に近いか)、良かったかなという感じでした。それぞれのキャラの見せ場が個々にちゃんと描かれて、終わりも割とそれぞれ納得できる形に落ち着いたのは、最終話として良かったかと。 最後がアクションでなく観念オチ(心情吐露の辺)なのは、まあ、元々そういう話だし、オチはそんなに目新しさはなくて、それ系の話としてはごく普通のオチと思うんですけど、その普通のオチ(しかし、ちゃんとした)を、技巧や演出でうやむやにごまかさず、シンプルに吐露するのに、これだけの年月がかかったかー、そうかー、お疲れさまー、という感じでした。よかったよかった。 個人的には、元々のTV版が、エンタメ的に期待を抱きそうになるたび叩きつけられるように心を折られるのが、それを観た当時の自身の心境にシンクロして、すごい刺さって、そんな絶望的な状況に叩き落されても、それを乗り越えてやってくるものすごい希望的決着にたどりつくか!? と思ったら、力尽きて、叩き落されたまま終わってしまったので、それが長年の時を経てやっとまっとうな希望を抱かせる結末にたどり着けるまでに人間性を回復できたか、て感じですか。 あとまあ、いろいろ価値観的にかなり古めかしいところが多々あるなあとは思ったのですが(自分は好きではあるけど)、あの、3本の槍の話が、ヒロインの関係の話と同期してると考えると、前世紀的価値観的にかなりゲスい話だなあと、しみじみ思ってしまったのですが、ちょっと考えすぎかもしれません。 そんなところです。 [映画館(邦画)] 7点(2021-03-17 02:36:13) |
50. 音楽(2019)
《ネタバレ》 劇場で視聴。原作(漫画)を事前に読んでました。 この作品の漫画は非常に難しくて、実に漫画らしい漫画というか、抽象的なキャラの絵に、絶妙の「間」で、おかしみを出す話なので、映像的には、映像が何も動かない絶妙の間がおかしい、というのを映像作品で一体どう描くのか? というのが最大の懸念と思ってました。 この映画アニメ版では、そのおかしみを見事に実現しており、何も動かない主人公・研二の顔をボーっと数秒見せられるシュールな場面だけで、思わず吹き出させられてしまうっていう、アニメなのに動かないのが楽しいという異次元のユーモアを感じさせてくれたと言いましょうか(もちろん、別の場面では「間」がなく即座に反応することで、この「間」というのが主人公研二の思考時間であることがわかるんですけど)。 ただ、この辺は、原作とか、原作者(大橋裕之)の諸作の雰囲気を知らないとわからないであろうと思い、私自身も2回目以降の視聴で「ああ、ここがめちゃ笑える!」と、その感覚にやっと気づいて、ゲラゲラ笑いながら観られたんですけど。わかりにくくてすみません(誰得 映画オリジナルのエピソードとしては、音楽部分もかなり膨らませられてますけれども、なんといっても、古美術の「森田」が、最高に良かったです! 特にフェスの宣伝で覚醒するところの演奏が死ぬほどカッコよくて、その時の演奏がアルバム「古美術」にも載ってないので、ぜひどっかで公開していただきたく! 映画は、そこの演奏場面ばかりリピートして観ています。 あと、ブルーレイ等購入された方は、オーディオ・コメンタリーが死ぬほど暑苦しくて最高なので、是非1度はオーディオ・コメンタリーONで視聴してください(願。 以上です。 [映画館(邦画)] 10点(2021-03-15 14:59:21)(良:1票) |
51. ハッピー・デス・デイ 2U
《ネタバレ》 「ハッピー・デス・デイ」の続編ですが(なので、観てない方は一刻も早く前作から観ましょう!)、この手の巧みなプロットで一発当てた作品で、ウケたので続編を作ろうとすると、だいたい品質が落ちるのですが、本作は前作よりさらにスケールアップした設定に、人間関係についてもより深く掘り下げられ、主人公の人生の岐路の一大感動巨編と言ってもいいくらいの作品になっており、とても楽しめました。 前作と合わせて、2つで1つの作品と言っても過言でない出来と思ったんですが、元々そういうつもりで作られたわけでもないらしく、構成力の高さに感嘆としたしだいです。 なんか、タイムトラベルSF系の王道ですよな(コメディータッチではあるものの)。 で、エンドでまた話が続きそうなフリが入ってきてて、続編が出そうなので楽しみに待ちたいと思います。 [インターネット(吹替)] 8点(2021-02-28 21:11:56) |
52. ハッピー・デス・デイ
《ネタバレ》 とても楽しい映画で、主人公(女性)が最初はどうしようもないダメな奴だったのがだんだん改心して最終的にはカッコよく見えさえする場面もあり、先が読めはするものの終わってみれば気持ちのいい良い話で、非常に良かったです。 いちおうホラー映画のくくりになっており、多少ホラーっぽい演出もありますが、ほとんど怖くなく、その手の映画を観ようとするといつも覚悟を決めていかないと中々観られない(グロい場面は直視できない)、というような私でも安心して観られる作品でした。とりあえず、犯人に主人公が襲われたときにいきなり反撃でぶん殴り返して1回は撃退するところでゲラゲラ笑ってしまった。これがいまどきのホラーの女性ヒロイン像か、なるほどーって。 あと、この手のループ物はいろいろありますが、私は「ラン・ローラ・ラン」を思い浮かべた口ですが、あの、当初の目的は無事達成できたのに、気に入った結末を得るためにあえて***する~、という場面が、ループ物でもちょっと新しいかなと思いつつ、主人公カッコええ!!! と感じ入ったところです。 そんなところで、続編の「ハッピー・デス・デイ 2U」も、すぐ続きの話で、そちらも非常によくできた良作なので、気に入られた方はぜひぜひ、すぐにでも観ましょう! ってところです。はい。 [インターネット(吹替)] 8点(2021-02-28 21:00:39) |
53. 風をつかまえた少年
《ネタバレ》 以前、劇場で視聴。 とにかく、干ばつと飢えと貧困の描写がすさまじくて、アフリカだととにかくカラカラに乾きってどうしようもない情景が描かれて、「水」というのが全ての命の源であり、「水」さえあれば、そこから作物が取れ、人が活動できるようになり、すべてのものが作り出せるようになる……という生きる上での根源を呼び覚まされるような映画でした。 問題の解決方法は、ごく誰でも知ってる理論に基づいた話で新しい先鋭的発見というわけでもないのですけど、インド映画の「パッドマン」(インドでナプキンを作る話)でもそうだったんですけど、 「理論上可能で金さえあれば実現可能だが、貧富格差の大きな国の極貧の中で、それを実行するにはどうすればいいか?」 というところに新しい発想なり発見が求められてるのが非常に現代的かなあと、私たちの生活の中では取るに足りないようなことでも、現地では実に命に関わる重大事である、というのがまざまざと知らされて、なるほどなあと思った次第です。 [映画館(字幕)] 6点(2021-02-08 13:56:49)(良:1票) |
54. きみと、波にのれたら
《ネタバレ》 映像は、とにかくポップでみずみずしくグリグリ360度動きまくって、とてつもなく良かったです! 今となってはむしろ珍しくなった? べたべた甘々な恋愛もので、王道なのでベタで良い、という感じなので全般的に意外性などはあまりなく(予告編でネタバレしまくってたし)、ちょっと意外な過去が明らかになる辺は多少ひねりがあるものの、亡くなった後にわかってもなあ(それも定番のひねりではあるんですが)、いい話ではあるものの。 主人公がわりと前向きに、やや、自立してくのは良いんですけど、彼氏が女性側から非常に都合のいいキャラになってて女性向けなんかなあというのと、あんまり都合が良すぎるとそれは主人公の妄想に過ぎなくて、すべての一連の事態を起こしたのは主人公自身ではなかったのか? とかいう疑念がもたげてしまうところもありました(そんな深読みするほどのものでもないと思いますが)。 あと、最後の事件の解決が、新聞記事だけで済まされるのは、そこを書くとドロドロするので避けられたのかもしれませんが、結局主人公はあんまり何もしてないじゃん、という感じに拍車がかかったりはしました。 彼氏のしゃべりが抑揚がなく棒読みっぽい点については、以前の作品でも声優の起用の関係とか指摘されることがありましたけど、個人的にはあのくらいの年齢の頃って、まさにああいうしゃべり方をするよねーと、リアルに感じるのでそれほど気にはなりませんでした(やや聞き取りづらいのはあるにせよ)。 そんなところで。 [インターネット(邦画)] 7点(2021-02-01 19:00:29) |
55. 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン
《ネタバレ》 TVアニメ版未視聴(断片的にちらっと観たことがある程度)、外伝映画版視聴済み、原作未読です。 端的な感想としては「少佐が想像以上にヘタレだった(笑)」というところに尽きたかなあという感じでした。 いちおう外伝映画版で主人公が少佐に逢いたがっているので、どんなすごい人なんだろうと期待を持たされてたわけですが。そもそも少女であった主人公を引き取って、愛してるとか言ってる時点で予想できたことではありました。 加えて、主人公のヴァイオレット・エヴァ―ガーデン自身も少女から大人に成長しきってないので、この作品で描かれる恋愛模様ってガキんちょ同士の恋愛かなあって、途中のグダグダ寄り道したりとどまったりするところも、お互い精神的に子供だからしょうがないかなあという、最終的にハッピーエンドになるのは良いんですけど。 映像はとにかく美麗で、間に挟まる各エピソードもベタだが泣けるいい話で、それは外伝映画版同様非常に良かったですが、ちょっと上映時間が長すぎるのが微妙でした。 なんか、ハリウッド映画で話の構成のテンポを定番の心地よいものにするために、ネタも何もないのに無理やりイベントを盛り込んでオペラっぽく歌うだけでごまかすみたいな演出が近年時々あって「ああ、間を持たせる良いネタを思いつけなかったんだな」と思うんですけど、この映画も、主要人気キャラの見せ場をそれぞれ準備するために無理やり間を持たせて無理やり謎の苦境を作ってる感じで、いやまあ人気キャラ? のために無理やり見せ場を作ったでしょう? というような演出が多々見られたかなあと、まあ、良いんですけど。 そんなところで、映像は非常に美麗で広いので、大きな画面で観られるのがよろしいかな、とは思いました。 [映画館(邦画)] 6点(2021-01-23 16:47:05) |
56. 燃ゆる女の肖像
《ネタバレ》 この話は、とてつもなく狂おしい永遠の愛の物語と思い、非常に心を揺さぶられました。 とにかく美しく、静謐な映画でした。 映像は一つ一つの場面がそのまま絵画にして飾られてもまったく遜色ないくらいで、主人公2人とその周りの人たちがそれぞれ個性的で美しい顔立ちで、着てる衣装も18世紀のそれぞれ美麗な衣装で、描かれる場面も独特の形の岩を背にした海岸だったり、屋敷も貴族の家の、派手派手ではないけど、美しい調度や楽器や椅子や食器や、主人公の一人が絵描きなので絵を描く道具などが並べられて、それらをじっくり見てるだけで眼福という感じ。 静謐の方は、とにかく「音楽」が作中ほとんど流れる場面がないので、大半が自然音ばかりなのですが、登場人物の声と、息づかいと、足音と、衣擦れの音と、海辺の波の音と、風の音と、道具や食器の音くらい。声や人の動きによって出る音も、終始感情のない淡々とした言葉や音ばかりで、ほとんど全部の箇所がずっと静かなまま淡々と進んでいく(親しくなるにつれてだんだんお互い感情を出すようになってきますが)。 ただ、その静けさというのは、登場人物が心穏やかなので大きな音を立てないというのではなくて、本当は熱い情念を内に秘めてるけれども、それの心をじっと殺して、そんな感情などあることなど忘れ去ってしまうくらいに殺し続けて、保たれてる静寂であって、だから、静かだけど、ものすごい緊張感が最初から最後までピンと糸が張ったように持続し続けています。 それが、打ち破られるのが、4か所音楽が鳴るところで、それまで音声的にはまるで白黒映画を観てるような、乾ききった音しかなかったものが、音楽が鳴る場面だけ、極彩色のカラーの映画を観てるような、音的に華々しい躍動感あふれる場面に変貌して、その劇的変化に痺れました。 作中で、主人公二人が「どこで初めてキスしたいと思ったのか」と問いかける場面があります。女画家の方は焚火の場面でそうだったと答えるのですが、貴族の娘の方は、いろいろあって答えられずに、その問いの謎が「永遠の謎」として残ります。永遠の愛をテーマにした物語ではそういう「永遠の謎」が残って、そのまま相手が死んでしまうので、答えがわからないまま残された人が途方に暮れるというのが定番の展開と思うのですけど。本作では、相手は死ぬわけではないけど、社会的に許されないので、死ぬまで秘密にし続けなければならない、ということによって「永遠の謎」が「永遠の謎」になるという構成が、愛の物語として、すごい画期的だなあと感じました。 当時は女性はまともに人権が認められず、結婚相手も親に勝手に決められる状況で自由はなく、なおかつ宗教的(もしかすると法律的にも)同性愛は認められない時代でしたので。 この辺は、18世紀の話だけど、現代でも、ある意味、あまり変わってないのではなかろうか、というのも思いました。LGBTQの件なんかも法律的には許されてるけど(国によっては許されてないところもまだありますが)、信頼できる人などに「カミングアウト」した時しかそのような志向であることをなかなか明らかにできない、という現状があったりしますし。 ……というようなことを考えあわせた結果、貴族の娘が「どこで初めてキスしたいと思ったのか」の場面は、あそこかなあと思った次第で、話の構成自体は割とシンプルかつシステマチックだなあと感じました。 [映画館(字幕)] 8点(2021-01-01 05:22:14)(良:1票) |
57. ジョゼと虎と魚たち(2020/日本)
《ネタバレ》 原作、実写版はまったく知らない状態で観ました。 すごい良かったです! 序盤~前半の、雰囲気の作り方とキャラクターを生き生きと描くのが、ものすごくうまく行っており、この魅力的なキャラクターで、様々な手順を踏んで積み上げた良い雰囲気で、この先どう話を転がしてくれるのだろう? と、ハラハラドキドキ観て、最後まで走り切って、良かったー!!! という満足感がある、とても元気をもらえた作品でした。 個人的には「ジョゼが『人魚姫』を朗読する」というだけで、心拍数が上がるというか、この話のこのキャラクターのこの設定で『人魚姫』の話を乗っけてきますか!? と煽られて、それが終盤の心震わされる展開に繋がっていき、実に素晴らしい! と思いました。良い。 で、この話のテーマとしては「夢をかなえる」が、メインになっていて、その話としては非常に良かったと思います。感動しました。 一方、恋愛話としてみると(もともと恋愛ものが主題だったんですかね?)、正直、蛇足に感じられて、なくても良いかなとも感じました。 そもそも健常者と身障者が恋愛関係で一緒にやってくというのが、すごいハードルがあると思われるし、しかも恒夫がメキシコに行って遠距離恋愛でうまくやってけるかってーと、かなり難しそうで、それを乗り越えるほどのものがあったかというと、そっち方面の演出が薄かったせいで、そこまで行かんじゃないかな? フィクションだしなあ、というような印象でした(「愛は静けさの中に」とかのイメージで観てしまって)。 いちおう、その辺の演出ができる場面はあって、原作や実写版では恋愛方面の演出が濃いめになってるのかも知らんですけど、恒夫が一時的に車椅子生活になったときにジョゼがそういう生活でどれだけ大変だったかを身をもって知るとか、舞に「ただの同情ですから」と言われたところで恒夫が本当は自分はジョゼのことをどう思ってるのか深く掘り下げるとか、そういう場面があったら恋愛関係になってもありかなあと感じられたと思うんですけど、本作では、挫折から、夢をあきらめない展開を主題にしたせいで、その辺が端折られてたかなあと。 そんなところです。 [映画館(邦画)] 8点(2021-01-01 04:27:34) |
58. 私をくいとめて
《ネタバレ》 最近注目している、のんさん(元:能年玲奈さん)の主演作品で、個人的には「この世界の片隅に」の、あのキャラクターが乗り移ったかのような迫真の演技(声)に、今度は肉体を伴って演じられるのか! と楽しみに観ました。 「あまちゃん」は、時間帯的に朝ドラが観られない生活をしてるので断片的にしか知らず、思い入れもなくて、世間で流行ってたなーというくらいの感じでした。 エンディングテロップで「日活」と出てきて、まさに昔の日活テイストというか、昔の邦画的というか、ハリウッド的なわかりやすい構成とかかなぐり捨てて、とにかく主演ののんさんの魅力を始めから終わりまで余すことなくとことん詰め込み、過剰な暑苦しい表現もありつつ……というのがとにかくぐちゃぐちゃに詰め込まれ、暑苦しくなり過ぎなのをAしに心和まされ、終わってみればのんさん演じるみつ子さんが、いとおしく感じられるようなそんな素敵な映画だったです! みつ子さんというキャラクターについては、個人的にまさにこれくらいの年代でこんな感じの人実際にいますよね! という感覚で、とてもリアルで共感できるように感じられました。 気になったところとしては、「おひとりさま」という言い方で、そもそも結婚すること自体貴重になりつつある今のご時世で一人でいることを取り立てて強調して「おひとりさま」というのは古めかしく、いかがなものか、という点があります。原作の出た年代(2017年)からすると、まだその当時はそんなものだったかもしらんですけど。 あと、今だと一人で生きていたとしても、ペットを飼ってるなり、リモートやSNS等でネット上に知り合いがいっぱいいたり、ネット上で何らかの表現活動なりしてたりしますよねー、という辺りが、すっぱり抜け落ちてるのが、ちょっと古いかなと思ってしまったところだったりはしました(37セカンズだと、もっと大変な境遇で、ネット上で漫画家してたりしますし)。 そんなところです。 [映画館(邦画)] 7点(2020-12-28 01:20:00) |
59. ワンダーウーマン 1984
《ネタバレ》 観ました。 こういうのは結構好きで、今の時世にも合ってて非常に良かったと思います。 ワンダー・ウーマンって、正直強すぎる問題があって(DCワールドに組み込まれたパワーバランス的に)、仕方なく、よくわからない謎の過去の名も忘れられた神様が何となく出てきて、何となく強くなって、何となく倒すという展開が多く、アクションが派手でもいまいちカタルシスがない、というのがずっと不満でした。 本作では、魔法という別軸を作り出して、元の強さと関係なく願いによって強弱が組み替えられるルールを作り、さらにワンダー・ウーマン自身の意思で、その強すぎる力を捨て、また、世界を救うという使命感(真実)のために、願いを捨てる展開が仕掛けとしてうまく効いてて、理論的にはいろいろゆるいけど、ドラマとしてうまく構成されてたかなと。 ヴィランも、前の、なんだかよくわからんけど神なので強い敵、じゃなくて、ごく身近な人がその願望から悪になる、今まさに現実で起こってることを彷彿させる展開で、身につまされる感じがしたし、それでも元は普通の人なので、なんだか憎めないのが非常に自分好みでした。 最後も、だから、単純に力で勝ったらあかんわけで、それではどうしたら良いか? で、見事な回答をしてたかなと。 いろいろ論理的に見ると甘っちょろい脇の甘い話ではあるんですけど、エンターテインメントでは、甘っちょろいと言われようが何だろうが、あるべき理想と正義と愛と真実を描くべきと、私は考えていて、そういう点では本作は完璧だった(ちょうど時勢に合ったというめぐりあわせもありますが)と、思った次第です。 良かったです。 [映画館(字幕)] 8点(2020-12-27 22:36:24)(良:2票) |
60. 魔女見習いをさがして
《ネタバレ》 おじゃ魔女はそんなにしっかり見てないので、そんなに思い入れはなかったのですが、元おじゃ魔女ファンの3人女性がひょんなことで知り合って、いろいろあって、友情を深めて、それそれの生きる道を見定める展開は昔のおじゃ魔女テイストがよみがえってくる感じで、それなりに良かったかと思います。 ただ、主人公たちがもうすでに大人なせいで、序盤で降りかかってくる苦境がわりと現代的にシャレになってなくて、たとえば吉月ミレのパワハラ案件なんかは、今の、大手企業のコンプライアンスとして一発アウトなので、労働基準局等に訴え出れば即指導が入るレベルなんですけど、なんかうやむやに処理されるし(退職願を経由せずにいきなり退職届(辞表)を出すのは今風と思いました。法律では2週間前までに退職届(文書なしでもOK)を出すことが認められており、最近はもう出社すらせず退職代行をエージェントに頼むだけで即退職できるご時世ですし)、川谷レイカの件もストーカー/DV関連ですよね。長瀬ソラが発達障害の子にたまたま当たった? の件は、けっこう今風で良いと思うんですけど、ただ対処としてあれで良かったのかは微妙な難しいところだなあと思ったりなんかはしました。 個人的には吉月ミレの件が一番身近で気になって、あの、映画業界とかアニメ業界って結構相当に就業状況がブラックなので、仕事環境がどれくらい悪いのが、違法行為か・あるいは現場の意地悪レベルで許されるのか、という境界線が、けっこう世間知らずでアウトなまま作品に出されてしまう事案が非常に多いと思ってるんですけど、本作もそうだったなあと思いました。サービス残業はそれだけで一発アウトですよ、というくらいの認識は欲しい。 で、メイン3人の友情の話は良い感じでしたけど、それ以外が総じてゆるくて、子供キャラなら許されるけど、大人の環境だとリアリティとしてちょっとアウト気味だよなあというのがあり、結局この作品の対象視聴者はどういう人を想定してるんだろうというのが中途半端でよくわからないまま終わってしまった印象です。 友情を強調するために、枝葉のエピソードは大体あまりうまく行かない(吉月ミレが想定外にうまく転んだくらい?)演出にしたのかもしれませんが、うまく行ったかというと微妙だなあという感じでした。 そんなところです。 [映画館(邦画)] 6点(2020-11-21 16:58:41) |