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 > Yuki2Invy さん
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プロフィール
コメント数 1648
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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41.  アングスト/不安 《ネタバレ》 
これは、相当に特殊な映画ですね。まず、肝心の主役は完全にサイコですが、いわゆるサイコ・スリラーとかサイコ・ホラーといった映画とは完全に一線を画しており、むしろドキュメンタリにも近いという様なリアルさというモノも醸されています。また、幾つかのエピソード(犯行場面)を通して主役のサイコのキャラクターを描き出してゆく、という様な「よくある」タイプの実録異常犯罪ものとも率直に一線を画しています。つまりそーいう部分の前置きはナレーションで軽く済ませてしまっておいて、肝心の内容はとゆーと、殺人で10年服役した「その男」が出所直後に起こした殺人事件をワンシチュエーションで最初から最後まで淡々と描く、てのがメインな映画になっているのですね。  前述のとおり、所謂ホラーやスリラーの様にショック場面に見応えがあるとか、シンプルな恐怖・スリルを呼び起こすとか、そーいう映画では全くないのです。結局のトコロ本作のメインコンテンツは、描き出される常人には理解不能な狂った思考・行動原理そのものなのですね。そして、これも前述どおりその部分には(実話ベースだから)ある程度のリアリティがある、とゆーのが最大のウリだという映画なのだとも思うのです。「リアリティの在る狂気」とゆーのを垣間見たい人向けという意味では、完全なるマニア向け映画だと言えるでしょう。そして、その部分のクオリティが観たときにその人に運よく「伝わった」としても、そもそもソレに対してどういう感情を抱いたらよいのか、という意味では、結局のトコロこれって非常に評価の難しい映画だろうな…とも言えるかと(個人的には、ままユニークな作品だと思ったのでこの評価、というコトになりますが)。  とは言え、肝心のメイン犯行場面とかもかなりグダグダと長時間のたうち回ってるので、娯楽用とかのシンプルな用途には全く使えない程度の作品なのも間違い無いです(途中でドロップアウトしちゃう人も多そうなレベル)。重ねて、中々高度に「観る人を選ぶ」作品かな~とは感じました。
[DVD(字幕)] 6点(2022-03-20 23:24:09)
42.  ジャン=ポール・ベルモンドの 道化師/ドロボー・ピエロ 《ネタバレ》 
うーん…全体を通しても確実にコメディタッチではあるのですよ。特に冒頭からのシーンは割とコテコテにコメディ風で、ココで出て来たミレッラ・ダンジェロという女優さんも(あんま聞いたコトない人ですが)パッと目を引く美人だったりで、この娘とベルモンドがあっちゃこっちゃで詐欺師稼業を(ごくコミカルに)働いていく…てな話かと思ったら然に非ず。彼女と別れて以降はまるで007のバッタもんかの様なスパイ映画的なお話になってってしまうのですね。一方で前述どおりコミカル風もコミカル風なままで継続してゆくのですが、中で結構バタバタと人は死んでゆく(のであんまし笑えない)し、目まぐるしい展開!とゆーよりは支離滅裂なドタバタ劇!で話は正直頭にスッと入ってこないし、諸々とどーも纏まりがイマイチな…と感じてしまうのですね。他方、アクションは特に終盤は比較的派手で、ソコから見てもやっぱスパイもの系統の映画として製作されたヤツなのは間違いないのでしょーな。確かに、ベルモンドの名物キャラとしてのアクション・シリーズなんて一つくらい有っても好さそうなモン…とも思いますが(まあ、ベルモンド自身がもはや名物キャラなのかも知れませんケドね)。
[DVD(字幕)] 4点(2022-03-19 22:19:47)
43.  千利休 本覺坊遺文 《ネタバレ》 
原作未読。成上りの絶対権力者と、その「意のままに為らぬ者」たる求道者…という、一見そこまで難しくもない様な(難しくもなく反発し合うだろう)秀吉と利休の関係性を描くコトが本義かとも思える作品だが、中で利休自身はごく納得して死を賜った、という様にも見える。全体を通しても描き出されている(と思われる)のは、死地に赴く者への手向けとしての茶、というか、死に通じるモノとしての「茶道」観、というか、だから利休が自身の死によって自分の茶道が(少なくとも何らかの)完成に至る、と考えていた様にも見えるというか、これは確かにその部分についてはまま難解な映画だ、と言えるかと思いますね(分かった風なコトを言っても私多分ほぼ理解できてない)。  利休自身は厳密には武家の出自ではない様ですが、戦国乱世を生き抜き、またそれを制した天下人とも臆することなく渡り合った…というのですから、その精神性は間違いなく「武士」でもあったと言えるのではないでしょうか。その意味では(=前述どおり利休を「死」を纏った存在として描く、という意味でも)利休役に三船敏郎を配したとゆーのは、個人的には実に優れた判断だった…と率直に感じます(凄い迫力・存在感でした)。かなり繊細で奥ゆかしい映画だとは思うですが、中々に味わい深い作品でもありました。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-02-04 01:12:37)
44.  蒲田行進曲 《ネタバレ》 
勢いが命!とゆーか、だからまァ~確かにコテコテにおバカな映画ですよね(そもそも、池田屋にはなんであんなバカみたいな梯子段があんのですかね?)。加えて、実に格好の悪い人たちの映画でもあります(地味に往生際もだいぶん悪かったりで)。人気?俳優の腰巾着で、腹ボテの女を厄介払いに押し付けられても文句のひとつも言えやしない…でも、少し考えると、事情はあれどもその女には実際に惚れてはいるのだから(かつ人間的にはその女性は間違いなく人生を共にする価値のある人なのだから)ソコら辺はグッと飲み込んで受け入れる…てのも、銀ちゃんだって恩人は恩人なのだからソコはバカになって恩返しに一肌脱ぐ…てのも、頭がイイとは言えませんケドも実にとても格好好いコトだとも思うのですよね(=これぞ「漢気」)。ただバカなのはまあ困りますケド、イザって時に「バカに為れる」てのは、人間としては最上位に大事なコトだとも(ずっと前から)心に留めているコトではあります。格好付けてる(orアレコレ損得を考え込んでる)暇があったら、飛び出せ!と言われてる様な気もしますですね(今年はそーいう年にしたいですね)。  今作では松坂慶子だけは、徹底的に美しい・格好好い・善なる存在として描かれている様に思います。ルックスのレベルが(なんか)桁違いに高いコトも相まって、ちょっと神々しい…とすら感じるとゆーか。その意味でもまた、どこかお得感のある映画です。
[インターネット(邦画)] 9点(2022-01-02 00:35:14)
45.  友だちの恋人 《ネタバレ》 
性格は正反対と言える様な女の子2人ですが、友だちとしては別に(ウマいコト凸凹嚙み合って)楽しくやってけそうな感じではあるのですよね。ただ、ココに恋愛事象が絡んできたが故にそーもいかなくなっている…というお話かと。まあ、さほど深刻になり過ぎるコトもなく暢気に終わってゆく話ではあるのですケド。  私なんかは未だ、この恋愛という「男女どっちもどっち」な分野においても、今作のレアとブランシュ側の性格・人間性よりは、男どものチャランポランさの方をより見咎める様にして観ていってしまう…のですが(だから別に女の子2人には特に悪感情も無いのですが)、とは言え彼女らもまだまだ(人としては)少なくとも「発展途上」という様には見えましたかね(=コレは彼女らの年齢だから許されるよーなモノであって、あと10~15年してもこのままだとちょっと笑い話では済まなくなるぜ…的な)。ソコら辺も含めて諸々コメディとしては完成度はまた相当に高かった…とも思いますケドね(流石のロメール)。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-12-29 20:06:30)
46.  ペット・セメタリー(1989) 《ネタバレ》 
『猿の手』という短編を読んだのはおそらく小学校高学年の時分でしたが、間違い無く生涯忘れられない作品の一つでありますね。今思えば、非常にシンプルながら諸々と極めて完成度の高い傑作短編だった…と感じるのです(特に、肝心の「蘇った死者」が作中では結局現れずに終わっていくラストとか結構鳥肌モノだったりで)。「死んだモノは決して蘇らない」コトの残酷さ・哀しさを描く作品としては、どーしたって私は『猿の手』と今作は都度比べながら観てしまう…のですよね(英語版の今作のwikiを見ても、ハッキリとキングも元ネタにしてるとゆーてますですし)。  その意味でゆーと、結論的には今作はやはり『猿の手』と本質的にほぼ同じお話であるにも関わらず、その研ぎ澄まされた完成度を貶めるかの様な無駄なアレコレばかりがゴテゴテと放り込まれてもーてる…とまず感じられるのです。そもそも今作は100分の映画ですが、本質的には精々60分で描ける程度の内容しかない様にも思えて(『猿の手』は極短編なのですし)、だからかなりモタモタと間延びしているよーに感じるのがとりあえず正直なトコロです、し、加えて展開運び自体も無駄が多いうえに単純に非常に稚拙だと思いましたですね。どだい(ゲージはともかく)猫を蘇らせる理由からしてよく分かりませんし、猫を蘇らせたコトが結局さほど問題になってないよーに感じられるのも(ホラー的に)非常にイケてませんし、奥さんは実家と自宅を(意味も無く)行ったり来たり、パスコーやらゼルダやらのコレもよー分からん無駄なキャラ、そして終盤のゲージの大殺戮とてハッキリ言って唐突すぎます。お話全般の完成度はかなり低いなあ、と率直に溜息が出てしまいましたね。  もう一つ、前述どおり『猿の手』は蘇った死者を(見せる寸前で)見せずに終わる、という洒落たラストを用意していたのですが、今作はホラー映画なのでソコはそーはなってない…まあソレは別に好いと思いますケドも、だとしたら逆にもう少し見た目の面でのショック描写の質を頑張らないと映像化した意味が無いのではねーでしょーか。コレも前述どおり、やっぱ復活した猫がまるでフツーの猫なのがそもそもとにかく非常にイケてないですし(見た目的な意味でも+ソレによって展開上の意味を失っているという意味でも)、そしてゾンビ化ゲージの見た目+そっからのショック描写諸々もやはり非常に迫力不足で物足りませんです。更には、おそらくその面の補強としてパスコーやらゼルダやらはまたあーいう感じになったってるのでしょーケドも、だとしたらコレも非常にチープだ!としかもう言い様が無いのですよね(=ただグロいヤツを放り込みゃ好いってモンじゃねーだろ!と)。  原作未読なので(もしかすると)ちょっと掴み切れてないかも知れんのですケド、正直駄作だとしか感じられませんでした。あまり原作読む気も湧いて来ないレベルで。
[インターネット(字幕)] 4点(2021-12-11 19:16:43)
47.  宇宙からのツタンカーメン 《ネタバレ》 
うーん…まずは感じるコトとして、少なくとも80年代の作品なんだからもう少し人並みにゴアとか恐怖シーンに(あとまーエロとかについてもそーなんですが)キレ・迫力・凄みとゆーのは出せないモンなのかな、と。ミイラという地味で安上がりで古臭い主役も相まって率直になんつーか60年代物?みたいな質感にも思えましたわよ。どだい、実際には恐怖の対象なのは(実は)ミイラではなくてどちらかとゆーとカビの方なのですよね。カビがメインのホラー映画って、幾らナンでも地味すぎません?(否、コレはまあ完全にやり方次第だとは思いますケド)  あとは…B級ホラーとしてもワリと短尺にも関わらず展開運びが間延びしてて面白みも希薄、なのに突っ込みドコロだけは正に満載!という凶悪な完成度の低さ。一個だけ、やっぱ思うのはクリスタル集めたら復活してスグサマ帰還できるんだったら、も~3000年前にそーせいよ!という根本部分の疑問ですかね(まあ事情はあったのかも知れんケドさ)。うう~もう一個だけ、クリスタルが5個ってのも多いよ!(=多いのにやってるコトが全部ほぼ同じってのがまたチョイと酷すぎるよ!)  コレでオーラスがこの奇想天外でなかったら、確かにまるで存在価値の無い作品でしたね(だったら価値があるんだな?と訊かれてもソレはソレで困るんですケド)。まずは1シーンだけでも「度肝を抜く」様なモノを、はやっぱB級ホラー映画の鉄則ですかね。
[DVD(字幕)] 4点(2021-11-25 23:45:24)
48.  オテロ 《ネタバレ》 
ゼフィレッリの『トラヴィアータ/椿姫(1982)』が今まで観た『椿姫』の公演映像全体の中でも実は最上位くらいに好きなのですが、ゼフィレッリは翌年にも再びプラシド・ドミンゴとテレサ・ストラータスを起用して『カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師』のオペラ映画を撮影しており、更に1986年に本作をまたもやドミンゴ主演で撮っている、というコトのようです。これはもはや、ドミンゴありきの題材選定というコトなのでしょう。しかし、流石に20世紀最高のオテロ歌いとも称されたドミンゴの出来自体は本作でも正に圧巻で、随所でエゲツない迫力を見せつけています(演技・演唱ともに)。加えて本作、その他キャストの出来も申し分無いですね。デズデーモナを演じるカティア・リッチャレリは歌唱も素晴らしいですが、映画女優にも引けを取らない品の在る美貌もオペラ映画としてのクオリティ向上に大いに貢献していると思いますし、本作でむしろオテロ以上に重要なキャラであるイアーゴを演じるフィスティノ・ディアスも、特にその狡猾で陰険な雰囲気・キャラづくりが実に的確でした。衣装等の美術面は流石のゼフィレッリ・クオリティでその面の出来も上々です。オペラ映画としては間違いの無い高品質かと。
[DVD(字幕)] 8点(2021-10-23 23:55:54)
49.  トラヴィアータ/1985・椿姫 《ネタバレ》 
ことヴィオレッタに関しては、演者は絶対に痩せてる方が好いですよね(そもそも肺病病みなキャラなのだし、あとやっぱデブって無条件で不幸なよーに見えないですからね)。現代の著名なヴィオレッタ歌いでも例えばエルモネラ・ヤオなんかは常時可哀そうなぐらいに痩せ細ってますし、その意味では今作のテレサ・ストラータスはまずその点で最高のヴィオレッタたる資格十分です。また、この役に関して言えば巧「すぎる」のも少し考えモノかと思います。「巧い」とゆーのは「余裕」が在る、つまり例え超絶技巧であっても決してソレを100%ギリギリでやり切っているとゆーのでなくて、あくまで8割の力で流している様に「見せられる」コトかと思いますが、ことヴィオレッタに求められるのは最高レベルに巧みで余裕でありつつも、多少は「無理をしている」感を残していることかとも思うのですよね。正に命を削ってソレを燃やしているかの様な繊細さを含む輝き、コトに寄っては無理をするあまりにふと壊れてしまい兼ねないかの様な儚さ、が欲しいとでも言いますか。その点についても、今作ややテンポが速い箇所も散見されたりで(特に『そは彼の人か~花から花へ』あたり)ソコから来るストラータスの切羽詰まった感が好い様に作用し、そういった儚さ・少しの脆さも十分に醸せている様に思われますね。重ねて、実に素晴らしいヴィオレッタだと思います(雰囲気は前述のとおり、モチロン技巧面も演技面も含めて)。  全体的な演出の話をすると、特に第三幕は大幅にカットされていますが(第二幕第一場も若干か)そこまで違和感・省略した感はないですかね。あと、この演出は昨今は割とポピュラーかと思いますが、第一幕と第三幕をリンクさせて全体をヴィオレッタの回想として見せる方針を採用し、特に第三幕のアルフレードの帰還はヴィオレッタの幻覚であったことを明確とする演出になっており、尚更に結末を悲劇的に色付けしていると言えます。その他、第二幕第二場にはオペラでは難しいレベルの非常に大規模で絢爛豪華なバレエシーンを配置し、また第三幕でもオペラでは音だけで表現されるカーニバルのシーンを映像として挿入しており、これらは臨場感を高めると同時に大きな映像的見ドコロとなっているのも映画ならではのクオリティと言えるでしょう。私の中では今作は『椿姫』の中でも決定版だと思っています。オペラファンなら、是非。
[DVD(字幕)] 9点(2021-09-29 02:02:00)
50.  天使のはらわた 赤い淫画 《ネタバレ》 
シリーズのテーマどおり、これもひとりの「堕ちてゆく」女を描いた作品で、序盤はワリとノンビリした感じなのだけど終盤はそこそこ悲惨であります。ただ、その悲惨さの原因はとゆーと(他にもしょーも無いヤツは幾人か出てくるものの)単純にひとりの勘違い男が主たる原因なのであって、そいつに対する嫌悪感が個人的にどーにも許容範囲を超えているが故にあまり今作面白く観れなかったのですよね。ビニ本のモデルに執着して後を付け回す、てフツーに迷惑極まりないし(てか犯罪だろ)、ハッキリ言うけどその執着心は愛だ恋だといった美しいモノでも更々無くて、もっとごく醜いモノだと私は断言しますですよ(コイツに関しては目付きとかも正直大っ嫌いですね)。虚構と現実の区別も付かない半人前のボンクラのそーいう醜悪な感情をこーも見せつけられても、正直ちょっと困るのですよ。終盤の女学生の強姦シーンもシンプルに不愉快極まりないし、総じて私がロマンポルノに求めているのとは違うモノが大目立ちだった、と感じますね。  濡れ場とかも、妙にオナニーのシーンばっかなのと、ソレも自分でやってるワリには喘ぎ方がやや大袈裟で、ソコに関してはこれも少し微妙だと思いましたね。ただ、炬燵の赤黒い灯りの中で蠢き軋む肉のサマだとか、炬燵の足にもう跨っちゃうシーンとかはコレが中々優れた淫靡な雰囲気だったし、(男が相手でないが故に逆に)ポルノ映像としてもかなり際どくてソコに限ればグッドだったすね(炬燵の足が大写しの尻の割れ目から覗いて、ソコに汗やらナニやらが滴るという構図はメチャクチャにエロかったと言って過言ではないかと)。加えて主演の泉じゅん、顔も体もロマンポルノ女優としては最高レベルの上玉ですね(あまり全裸でプロポーションが映える様なシーンが無いのが残念ではありますが)。そこら辺、見ドコロが無いというワケでは決してねーです。
[インターネット(邦画)] 4点(2021-09-17 22:46:28)
51.  セックスと嘘とビデオテープ 《ネタバレ》 
性欲は3大欲求のひとつでありながら、大概の人が常に満たした状態にある他のふたつとは異なり、必ずしも全ての人が常にこれを満たした状態にあるとは言えない様に思う。そもそも、どういう状態にあることが真に性的に満たされていると言えるのか、ということを考えさせられる様な映画である。  本作に登場する4人は、自覚している・していないに関わらず、4人ともに性的に「不健全」な状態に置かれている。中で、最も一見して端的に病的な状況に在る様に思われるグレアムのアプローチ、物理的に不能な自分に対し、やはり性的に「不健全」であろう女性たちに、カメラを通しての精神的な「解放(裸身を曝すこと)」を要求していくという、これも一見高度に変態的な行為が、むしろセックスの本質のひとつの「正常な」側面を明らかにしている。終盤に描かれるアンとグレアムの精神的な解放・結合(自己の曝け出しと他者の受容)こそが、変則的ではあるがセックスの(形而上的な)あるべき姿だとソダーバーグは言いたいのだろう。  あくまで個人的には、このソダーバーグの結論は、万人がこれを認めるというにはやや高尚すぎる、とも思う(それは、もっと高次元の人間の欲求の話だと)。そして誤解を恐れずに言えば、そんなことを言い出すのであれば、生物学的には性欲の最も重要な論点は正に結果、つまりは家庭・子供を持つということに帰結するべきだ、とも私は考えている(性の在り方が多様化する現在、こんなことを言うと、また袋叩きにあってしまいそうだということは重々承知の上で)。しかし、その意味でも本作が描く価値観は、現代でも通用するある種の先見性を備えていた、と言えるのかも知れない。中々どうして、今なお観る価値の深い映画だ、とも思う。
[DVD(字幕)] 8点(2021-09-12 01:09:07)
52.  ソサエティー 《ネタバレ》 
うーん、大元のアイデア自体は中々奇抜で面白みがある、とも言えますし、ソレが爆発したラストの20分にはそこそこの観る価値があるとも確実に言えるでしょう。ただ、それ以外の部分がかなり雑でメチャクチャなのもまた確かです。家族やコミュニティからの妙な疎外感を抱える主人公に、衝撃の告発がもたらされる…という導入部は、それでもまだフツーに観れる流れではあります。が、そこから1時間はサッパリ訳が分かりません。主人公側も「ソサエティ」側も結局ナニをどーするつもりなのかがイマイチ定かではない、とか、そもそも主人公は最初から完全に「袋の鼠」状態で手も足も出そうにない、とか、脚本にも設定にも大いに甘さが見られるとも言えるでしょうが、個人的な印象としては前述どおりとにかく「雑」です。まあ、ソコも含めて巷によくある(アイデア一発系の)B級ホラーという感じかも知れませんケド(つーか何一つ怖くはないので実際はホラーでもねーですケドね)。
[DVD(字幕)] 4点(2021-08-28 10:36:48)
53.  少女娼婦 けものみち 《ネタバレ》 
神代辰巳作品だし、製作年的なコトからも、名作『赫い髪の女』に自覚的に寄せていった様な、男と女のグズグズなアレコレを生々しくかつどこかニヒルに描き出そう、という作品である様にも思える(しかも今作はソレを若い女のコで撮っちゃうよ!的な)。そして主演の吉村彩子は確かに若いし、そこそこ美形だし、脱ぎっぷりも演技もごく悪くはないのだ(何なら宮下順子よりも私は好み)。  しかし本作は、まず第一にお話(とゆーか人間関係)が少しややっこしいというかシンプルではないのと、第二として個々の描写にもイマイチよく分からないリアリティに欠ける様なものが散見され、結果すんなりと簡単に入ってくるという作品にはちょっとなっていない気がする(私が特に分からなかったのは、カモメに石を投げたら当たっちゃって、そんでもって青姦レッツゴー!の流れとか)。少しだけだが、奇を衒ってスベりかけている、という様にも感じられるのですね。全体的な雰囲気自体はそこまで悪くもないとは思うのですケド、随所に疑問とゆーのが残ってもうてる、つーか。  加えて痛いのが、結局吉村彩子ちゃんとゆーのが若くて青いが故に色気が率直に足りてない、とゆーコトなのですね。ポルノ的な価値とゆーのは『赫い髪の女』には完全に劣るかと思います。とゆーかそもそも主人公は17歳の学生で、実際に若い女優さんが演じてて、そんな彼女のセックスだのオナニーだのに高度に興奮する、つーのも、現代的な感覚からすればかなり「危うい」ラインかとも思いますし。
[インターネット(邦画)] 4点(2021-08-15 00:52:46)
54.  サイコ3/怨霊の囁き 《ネタバレ》 
うーん、全体としては(ある意味待望の)「ノーマンが母を克服する話」なのですよ。だから、その部分だけに絞って筋を追う分には別にそこまで酷くもない様な気もします。パーキンスの演技自体にもかなり力が入っていますし(ラストとか特に)。  しかし、それ以外の部分がちょっと「チープ」過ぎます。まず、モーリーンが自殺しようとする場面で母親に化けたノーマンが聖母に見えた、つーのはギャグですか?あと、メインの筋書きが非常に単純でボリューム不足だからしょーがないのでしょうケド、場繋ぎとしてその他に盛り込まれる殺人がどれもテキトーな上に数が多すぎます。『1』と『2』は同じサイコ・スリラーでも、もう少し風格とゆーのを保っていたと思うのですが、今作はソレを自らB級のモノに堕としてしまっていると感じるのですね。  もう一つ、これは前述のB級スリラーになっちゃってるというコトにも関係しますが、結局ノーマン(パーキンス)はホラーモンスターには為り得ない、というコトだとも思うのですよ。『1』も『2』も(実際には彼は狂ってるのだケド)それがどっちなのかが定かでない、というキャラクターだったからパーキンスでも成立してたというコトであって、彼を主役にB級スリラーを撮ろう、とゆーのがそもそも筋違いな様にも感じます。だから一層、メインの筋に注力した真剣なヒューマンドラマ・サスペンスとして組み立てるべき話だったのだろう、と思いますね(パーキンスの演技力もその方が活きるでしょうし)。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-08-10 01:24:37)
55.  サイコ2 《ネタバレ》 
かなり入り組んだ複雑なシナリオだが、色々と微に入り細を穿って組み立てられており、完成度としては確実に合格点を大きく越えていると言えるだろう。少しだけ無理繰り・取って付け感が在るとしたらラストの「真の母親」の箇所かと思うが、その女をノーマンが即座に手に掛けるオーラスはもはや哀愁すらも感じさせる優れたバッド・エンドだと思う。  一方で、シナリオの当初は正気を保とうと苦悩するノーマンを主人公として描いてゆきながら、徐々にメアリーの方に主人公の役割をシフトしてゆくアイデア(=ノーマンが正気なのかどうかは逆に定かではなくなってゆく)、そしてそれを可能にするメアリーのキャラ設定と実際の展開運びまでが非常に秀逸で的確だったとも感じるのですね。加えて、実際のノーマンとメアリーの演技自体もまずまず以上に好い出来で、結論、名作である『1』の名に恥じぬ優れた続編、と言ってよいかと思われます。アマプラに出て来ていますが、これは『1』のファンなら必見かと。是非。
[DVD(字幕)] 7点(2021-08-10 01:17:05)
56.  新・死霊のはらわた 《ネタバレ》 
まずタイトルがこんななのは、製作総指揮にサム・ライミが入っててブルース・キャンベルも一枚噛んでる、からでしょう。そして、再生してみるとド初っ端からとにかく画質が粗い(40年代のカラーフィルムかなんかを引っ張り出してきて使ってんのケ?とでも言うか)。なので、どっからどー見ても名作五・六番煎じくらいのパクリ低級ホラーにしか見えん、のですが…  が、そーして観始めると、今作は意外にも『死霊のはらわた』系とゆーよりは間違いなく別、ロメロ系統のコテコテ・ゾンビ映画なのですよ。そして特撮・特殊メイクなんかは意外にまずまず水準が高く、危惧されたホドに超チープ、というワケでもありません。そのうえ、まずはゾンビを治療する血清の話、そしてゾンビを信奉するカルト教団なんかも出て来て、お話の中身もそこそこ凝ってる…?とゆー様にも思えてくる。結果、中盤は率直になんか結構面白く観れてましたね。  しかし、終盤にかけては尻が窄んでいく、とゆーかそこまで観ていくと流石に気付くのですケド、これって色々とロメロ三部作(特に三作目『死霊のえじき』)のパクリ放題でしかないですよね。科学者がワラワラ出てくるのとか、意思のあるゾンビとか、ショック描写にしてもゾンビの集団に腹を素手で八つ裂きにされるのとかはまんま『死霊のえじき』で観たヤツですし、そもそも最終的に人間同士の争いで皆滅んでいく、つーのは二作目『ゾンビ』の丸パクリですし。これは要するに『死霊のはらわた』のパクリだと思って観始めたから逆にちょっと意外性があったケド、最初から『ゾンビ』のパクリだと思って観てたらほ~れ、やっぱりな!という作品でしかなかったのではないか、と思うのです(危ねえ危ねえ)。  結論、映画自体の出来は決してそこまで高くもない典型的な名作剽窃B級ホラーだと思います。が重ねて、特撮・特殊メイクなどはそこそこ観れなくもない出来なのと、この深謀遠慮な邦題マジックにある種の敬意を表しまして、1点プラスさせていただきますです。
[DVD(字幕)] 5点(2021-07-31 23:54:09)
57.  悪魔のサンタクロース/惨殺の斧 《ネタバレ》 
クリスマスにサンタの格好をした殺人鬼が大暴れするというあまりに夢の無い顛末が、アメリカでは社会的に許容されず、PTAが大々的に上映反対運動を仕掛けた結果逆にちょっとヒットしたというしょーも無い経歴のある本作、系統としては完全に(この頃腐るほど製作された)スラッシャーホラーである。が、この手のにしては珍しく面白いのは前半という、少しばかり珍品でもある。殺人鬼が如何にしてそう成り果てたのかを丹念に凄惨に描く前半は、かなり強烈な居たたまれなさを伴う見応えが中々に秀逸なのですよね。  しかし、肝心の後半がどーもツマラナイ。結局のトコロ出来の悪さの根源なのが、肝心の殺人サンタ・ビリー君なのだす。とにかく見た目が「真っ当」すぎるのよね(どーも新人俳優のよーなのだけど、けっこう可愛いお兄ちゃんでしかなくって)。殺戮シーンも3か所で7人と若干地味め(+ラストに勘違いで警官が一人射殺して、その後その警官も殺すんで総計9人)。やっぱスラッシャーには狂気迸るホラーモンスターてのが居ないとま~締まらないっすよね。駄作。  ※このシリーズ、1・2だけ昔観てて別に全く面白くなかったのだけど、勘違いで4を観ちゃって「アレ?3観てねーぞ」となって3も観てついでに5も観て、3・4・5だけ本サイトでレビューしてるのがどーにも許せなくって(割と神経質な人なのです)、結局今般1・2をワザワザレンタルして観直すという羽目になった。これだからホラーは嫌なのだ。
[DVD(字幕)] 4点(2021-07-24 13:36:49)
58.  バッド・テイスト 《ネタバレ》 
本筋はシンプルなSFアクション(注意:本作には一部、グロテスクな表現がしこたまドカスカ含まれています)という映画だが、観てみると思ったより全然チャンとしてますですね(いちおう自主制作映画とゆーことらしいのだケド)。ショック描写の特撮も、銃器・火薬をふんだんに使用するアクションも、意外に割かし水準が高いのは然ることながら、撮影・カット割りがエラい細かくて丁寧、かつ相当に凝っていて、ソコにはやっぱ才能をビンビンに感じますよね(サム・ライミの『死霊のはらわた』を観たときと正に同じ感覚を覚えましたですよ)。  だからごく単純な話だけど、アクションを眺めてゆくだけでもそこそこ楽しく観れるのです(ある種、ちょっと拍子抜け)。ただしやっぱり『バッド・テイスト=悪趣味』の名を冠するだけあって、問題はグロ描写にありますです。とは言え、このレベルの流血・人体破壊くらいでは私も最早全く動じないし、頭の上半分吹っ飛んだヤツの脳味噌をスプーンで掬って喰う、つーのも(眉間に皺は寄るけれども)別にどーってことはない。問題はゲロの回し飲みですよ。アレだけはチョイとばかしキツかったすね~色がライトグリーンだからまだイイよーなものの、コレが完全にリアルな質感・色合いだったらちょっと観れなかったかも知れんすね。。(いまレビュー書いててもちょっと気持ち悪くなって来ました…)  なんで欧米人てこんなゲロ好きなんすかね?大抵のホラー映画でも必ず一人は吐いてますし、コメディとかでも結構ゲロゲロ吐きまくりじゃねーですか。何ですかね、乳製品系の発酵食品が身近だからゲロの酸っぱい感じとかがそことリンクしてちょっと美味しそう…とかいう感じなんすかね?(また書いてて少し気持ち悪くなって来ました…)
[DVD(字幕)] 5点(2021-07-18 02:11:05)
59.  夜霧のジョギジョギ 《ネタバレ》 
インドネシアって、地味に世界最大のイスラム教国家で(人口が3億人近くて、かつ国民の9割弱がムスリムつーことで)、最近よく観てるインドネシアのYouTuberも動画なのに必ず「ヒジャブ」をきっちり巻いてるなあ、とか思ったりしてたのですね(それがむしろユニークなチャームポイントになってたり)。  その意味でゆーと、今作の主人公となる家族とゆーのは相当に裕福に見えるケドも、ここのお姉ちゃんは登場時からヒジャブとか全然巻いてないのでその意味でも信仰心が薄いとゆーことの様なのです。で内容としては、亡くなった母親の幽霊が出没しだす→怪しげな家政婦がやってくる→使用人が不可解な死を遂げる→死んだ連中がゾンビと化して暴れ出す→黒幕が正体を現す、とゆーよーな話でありますです。正直、ごくありふれた筋だし、展開運び自体もかなりモッタモタだし、恐ろしすぎる!と噂の恐怖描写も別に普通だったし(拍子抜け)、んで画質は超絶低いし(8mm?)、単純なホラー映画としてのクオリティはまあお世辞にも高いとは言えんですよ。インドネシアならでは、とかゆう地元の風俗の描写とかも殆ど無かったりで、その意味でも面白みは薄かったかなあと。  ただやっぱりとゆーか一箇所、ラストは非常に独特な様相を呈しておるのですね。結局のトコロ本作はイスラム教万歳!映画なのであって、絶体絶命のピンチ!に唐突にイスラム教の信者軍団が現れて「アッラーアクバル!」と2、3回唱えようもんなら、ラスボス(たぶん黒魔術師的な)はギャーと燃えて死んじゃった、という。率直にスゲえな…とは思いますね(色々と)。  ラストは生き残った家族がモスクにいく様子を映してジ・エンド。こん時はお姉ちゃんもちゃんとヒジャブ巻いてましたわ(細やかな演出)。
[DVD(字幕)] 3点(2021-07-17 01:04:24)
60.  ネクロマンティック1【完全版】 《ネタバレ》 
そのずば抜けた猟奇性が今なお他の追随を許さない、20世紀最強のグロ映画。映像的にも内容的にもこの上無いグロテスク加減で、特にその内容面のグログロぶりには、どういう頭の中身をしていたらこんなイカレた話を思いつくのかと、監督の精神の在り方の方により深淵なる恐怖を覚えるホドである。  グロ描写の組立てとして秀逸だと思われたのが、例えば序盤のウサギの解体シーン。ウサギの映像はホンモノなのであるが、それと並行して人間の死体の解剖シーン(こっちは当然ニセモノ)を織り交ぜてゆく。すると次第に、人間の方もなんかホンモノに見えてきて、そしてウサギの方もこれまた大変に痛くて気持ちの悪いものに見えてくる。中々にテクニカルな「綯交ぜ」の妙だと思う。似た様なので言うと、死体とのセックス後、死体を壁に吊るしといて(体液とかダラダラ滴ってて)、他方でデカい肉を焼いて旨そうに2人で食ってみたり、これとかも正直オエっとなりましたよね(これも両方の映像を混ぜこぜにしてるし)。  音楽の使い方も巧い。不協和音主体の如何にも狂ってる感じの音も使うものの、ごく平凡な曲やピアノの結構キレイな曲を、死体をいじくったり死体とセックスしたりというシーンに充ててくる。むしろそのことが、それらの行為に潜む狂気を逆説的に際立たせている様にも感じられる。  ド級に狂気、しかし、巧さも在る。ある種、非常に始末の悪い最低映画かもしれませんね。
[DVD(字幕)] 7点(2021-07-11 02:54:06)
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