41. チャンス(1979)
ムシャクシャたり人間を信じられなくなったり殺伐な気分になったとき、暴力的な映画を観るのもカタルシスになるけど、コレとか「ストレイト・ストーリー」なんかを観るのも一法であろう。チョンシー・ガーディナー氏を見たら、ランド氏やイヴならずとも他人を疑う気持なんかなくなってしまう。ピーター・セラーズ代表的名演技のひとつ。メルヴィン・ダグラスやシャーリー・マクレーンもいいねぇ。 8点(2002-12-24 00:25:08) |
42. 2300年未来への旅
SFにハマっていた小さい頃に観ました。紛らわしい題名で評判の悪い映画ですが、関所みたいなところにいる氷の彫刻みたいな女アンドロイドとか、SFマインドとセンスの効いた、けっこう面白い映画でした。 7点(2002-12-24 00:11:16) |
43. アリスの恋
主役二人も良かったが、アリスのひ弱な息子のアルフレッド・ルター少年と「weird」を連発する(自身weirdな)少女ジョディ・フォスターの風変わりな友情も面白かった。 8点(2002-12-23 23:20:04) |
44. 裏窓(1954)
後半のグレイス・ケリーが隣家に忍び込んでいくところでは、「オイ、何をしてるんだ・・・ちょっと待て、待てったら・・・コラ、行くんじゃない・・・やめろ、やめろ、行くとマズいって・・・理性を持て・・・行くんじゃないって!・・・やめなさいって!!・・・ア~ッ!!!・・・」と心の中でわめいていた。 9点(2002-12-20 00:49:59) |
45. アパートの鍵貸します
観た後とてもほのぼのした、ハッピーな気分になれました。この頃のシャーリー・マクレーンは可愛かった。いつからあんな神懸かりなずうずうしいオバハンになってしまったのだ。 9点(2002-12-19 22:51:46) |
46. オズの魔法使
まさに〝夢の工場で作られた〟というフレーズがぴったりくる映画。最初に「子供の心を大切にしている人達に捧ぐ」という意味の字幕が出てくるが、そうでない人(オレだけど)にも楽しめたのは、お伽の世界を完全に作って現実の匂いをさせないセットと音楽、そしてかかし、ブリキ、ライオンの三人と魔女に扮したヒトの芸達者なパントマイム的な動きのせいだろう。良い魔女になったヒトはいかにもそういう感じ。ヴィクター・フレミングはこれと「風と共に去りぬ」を作っただけでも名監督に列していいと思う。 9点(2002-12-19 02:30:13)(良:1票) |
47. ソドムの市(1975)
スプラッターとかで残酷シーンは見慣れているつもりだったが、この映画には3度目をそらしたシーンがあった。ファシズムの醜悪さと快楽。正視に耐えぬとはこのことだろう。残酷な処刑を見て投身自殺する女が唯一の救いだった。だが、観た後には画面の醜悪さを越えた、美しいという言葉では表現し得ない美しいなにかが残った。一般の基準では律しきれない作品だろう。 5点(2002-12-19 01:56:48) |
48. イナゴの日
たしか「真夜中のカーボーイ」の成功にのったシュレシンジャーがビッグバジェットで大ハリウッド批判を行なった末、大コケにコケて、その後ロクな仕事を貰えなくなった大野心作だったはず。「サンセット大通り」と同じくハリウッドに蠢く敗残者の群れというネガティヴな一面を描いた映画だが、アチラのような苦痛と同情をもって見つめた映画ではなく、ひたすらに憎しみをぶつけたのが悪かったのか。個人的には、ハリウッド批判のしかたが平凡なうえ、主人公のウィリアム・アサートンが何を考えてるのかわからない人だったのが残念だが、クライマックスの集団リンチシーンの凄惨さは、幻影に踊らされる群集の恐ろしさを描いてすさまじい。確かに後味の悪い映画ではあるが、役者はいい芝居してるし、他のハリウッド映画には見られない異様でスペクタキュラーなシーンはたくさんあるし、このまま忘れ去られてしまうには惜しい映画だと思う。 7点(2002-12-19 01:29:51) |
49. グリーンマイル
ダラボン監督が、ぬれ雑巾を絞るようなというか、むちゃくちゃオーヴァーな演出をするので「もっとフツーにやってくれないかなぁ」と思って観ていました。 6点(2002-12-18 15:44:01) |
50. シンドラーのリスト
どうにもこうにもダメだった。「カネはもう十分たまった、あとは名誉が欲しい」と言うスピルバーグの声が聞こえてくるような映画だった。初心に戻ってほしい。 3点(2002-12-18 02:31:07) |
51. アタック・オブ・ザ・キラートマト
アホ映画の古典ですね。観ていて作っていた連中のタワケぶりが伝わってくる。好きです。だがバカすぎる。 4点(2002-12-18 01:16:20) |
52. オルカ
シャチが泳ぐ海洋画面とモリコーネの音楽が哀切で美しかった。観た後で原作を読んだら結末が違っていた。オルカが氷片を傾けてノランをずり落とすところまでは同じだが、その後クルリと踵を返しノランを殺さずに大海原へと去って行く。この終わりかたの方が絶対感動的だったと思うのだが、なんで変えてしまったのだろう。映画のリチャード・ハリスの方がよほど同情に値するノランを演じきっていたというのに。 7点(2002-12-17 23:09:19)(良:1票) |
53. テオレマ
植草甚一氏がかつて「人間の心の中は砂漠だ、とパゾリーニは言っている」とかいうタイトルで文章を書いていた。僕がこの映画を観て思ったのも、やはりこの一センテンスだった。ジュゼッペ・ルッツォリーニの静かだが激情的で張りつめるような美しい画面、そこに虚しいようなけだるいようなエンニオ・モリコーネの音楽がかぶさってくると、現代人の孤独とか終末みたいなものを感じてボーッとなってしまう。 10点(2002-12-17 22:37:12) |
54. ワン・フロム・ザ・ハート
「これは『地獄の黙示録』の自分の否定だ」とコッポラは言ったそうだ。少し気取った「黙示録」より、こういう通俗的で甘ったるい映画の方が本来の自分だと言いたかったのだろうか。コッポラの映画愛がいとおしく、そしてその根性を尊敬する。ナスキンとラウル・ジュリアがいい。 7点(2002-12-17 22:23:45) |
55. ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生
本編もコワかったけど、予告編の「ナイト・・・オブ・ザ・リビング・デーッド」のあの言い方が怖いッ! と、ツレの間で大流行りした。 7点(2002-12-17 21:59:27)(笑:1票) |
56. コンボイ
中学校の時、ツレ3人で観に行って、終わったあと「良かったなぁ」と言いあった。ボーグナインが実にいい。バート・ヤングの最後のニヤリがいい。後で観返すにつれ演出の緩みが気になったが、クリストファーソン、マックグロー、シーモア・カッセルと、ペキンパー好みのいい顔を集めている。〝未亡人〟マッジ・シンクレアが特にいい味。ラストシーンは爽快だった。脚本のもとになったC・W・マッコールの歌もいい。アメリカ大陸の広さを感じさせるのもいい。だが、いくら仲間を救けるためとはいえ、留置所にトラックごと突っ込むのはひどすぎる。人が死ななかったのは奇跡だろう。 7点(2002-12-17 21:52:54) |
57. ザ・キープ
古典怪奇劇的な設定と神秘的な雰囲気は好きだったが、スコット・グレンがいったい何者で、どういう因縁があって怪物が出てくるのを阻止したがるのかがサッパリわからなかった。 5点(2002-12-17 16:47:53) |
58. 輪舞(1964)
前のやつも観ましたが、リメイク版の方が知ってる俳優が多かったので楽しめた。ある意味オールスター向けのお話。「だからどうした!?」と言われればそれまでの趣向だけど、こういう大人っぽい洒落っ気と色香のある話は殺伐とした時代には作られないだろう。その意味でも貴重。 7点(2002-12-17 16:25:15) |
59. どん底(1957)
映画を観たというよりは芝居を観たという気分になった。そのせいでどん底にひしめく人間達の人生のようなものは感じられなかった。舞台で見たらいい芝居ということになったのかも知れないが、もっと映画らしい黒澤映画を観たい(もう死んだけど)。それにしても千秋実はモト上流階級の人間とはとても見えない。 6点(2002-12-17 16:14:12) |
60. ロンゲスト・ヤード(1974)
バート・レイノルズの魅力が全開したアメフト映画の最高傑作。刑務所の看守チームと囚人チームが試合をし、兇暴な連中同士が反則スレスレの荒技で攻防するのが笑わせる。試合のシーンの臨場感と迫力は実際に参加している気分になった。最後にレイノルズを撃てと命じられて撃てなかった看守長エド・ローターに、雌雄を決した男たちの憎いぐらいのすがすがしさが感じられた。アメリカの匂いがプンプンするような快作。 8点(2002-12-17 16:12:05) |