581. 張込み(1958)
《ネタバレ》 時代がついた雰囲気は好きでした。石井とさだ子の逢瀬のシーン。二人の会話の内容があるようなないようなだらだら感やなぜかパラソルを回すシーンとか、これから全部捨てる大人の女性の本当な感じかもしれんと思っています。ただ、リアルさを追求したがための単調であれば、なおさら一瞬”ハッ”とするシーンがなければ、と思います。後半、なんか刑事による説明っぽさが気になりました。 [DVD(字幕)] 5点(2015-09-19 08:55:24) |
582. 幕末太陽傳
あんまり誰もいわないみたいなので言いますが、この名作のために、落語「居残り佐平次」だけはどうしても予習として押さえほしいんだ。面白さ40%増し。ぜひYoutubeでどうぞ。ワタシは、志ん朝押しです。フランキー堺の神がかり演技。誰にもまねできない。だからリメイクはあり得ないと思いますが、もしやるなら佐平次は山崎弘也(ザキヤマ)で見てみたい。 [DVD(邦画)] 10点(2015-09-12 08:22:32) |
583. 6才のボクが、大人になるまで。
《ネタバレ》 理科番組で播いた種がドンドン大きくなって花を咲かせる早廻しビデオがありますよね。その力強さに思わず見ほれる例のアレです。アレを人間でやったワケですね。子供が大人に成長していくのって、なんてスゴいことなんだろう。ヒトの親であるような観客は、おそらく我が子とメイソンJrを重ねたはず。彼を演じたエラー・コルトレーンには、本当の父母がいるはず。実の親はこの映画観て身をよじらんばかりに嫉妬したと思いますよ。これはいいです。 [DVD(字幕)] 9点(2015-09-10 19:32:50) |
584. KANO 1931海の向こうの甲子園
《ネタバレ》 1度も勝ったことのない高校野球チームに潜む伸びやかなエネルギーに共感し、監督就任を決める近藤の慧眼。斉藤や大江の未練を切って捨てる冷酷さ。切れ者監督のブレのない情熱に満点かもしれんと思ってた前半。でも、後半、嘉義農林の選手が成長しどんどん上手くなるにつれて、落ち着いて見守るヒトになってしまう。あの監督なら、呉投手の怪我には誰よりも早く気づいていただろうし、指の状態を確認してから続投を決断するだろう。「泣いてはいかん」の監督だからこそ、(怒号ではない)感情を爆発させるシーンがあってもよかったのでは。つまり、監督の成長も観たかったですね。 余計なこと言いましたけど、これは面白いですよ。3時間超え、長くなかったです。 [DVD(字幕)] 8点(2015-08-30 16:45:07) |
585. 映画 深夜食堂
《ネタバレ》 映画化の話を聞いたのは、テレビシリーズの3rdシーズンが開始した頃。「なぜ、深夜食堂を劇場で?」というのが、率直な気持ちでした。でも、大好きな小林薫のマスターにまた会えるのだから、ちょっと得だなとも思いました。レンタルDVDで観ることにしよう、と。 3つのエピソードのうち、最初の「ナポリタン」、次の「ととろご飯」。なるほど、マスターの私生活というほほえましい特別サービスを挟みつつも、テレビシリーズと同じ力加減で進むのだな、むしろその方が好ましいんだもんね、と飲酒しつつみていました。 しかし、その後の「カレーライス」。問題作。とてもじゃないが観るに堪えない筒井道隆演じる大石(筒井道隆がひどいという意味ではない)。こんなデリカシーのない人物設定でいいの。返す刀は菊池亜希子演じるあけみにも及ぶ。「ただのボランティアと被災者の間でよかったのに」。「自分が立ち直るために、利用してまた逃げた」。 現在進行中の災厄。それをこのような扱い方をしてよいのかと思いつつ。そこには当然のそこの人間関係があり、物語の作り手としてそれをなかったことにできなかったのだと、屈託抱えつつ解釈しています。 そして。そんなワタシの複雑な気持ちも一緒にすべてをもってをいってしまう田中裕子。怪作です。 [DVD(邦画)] 6点(2015-08-23 15:25:18) |
586. ストーカー(1979)
《ネタバレ》 詩的な映画だったような気もしますし、人生のある局面の暗示のような映画だったと思います。なので、響く人には面白い映画なのだろうなと思いました。しかし、いい年こいたハゲのオッサン3人の何も起こらない冒険行に何の感情も起きませんでした。 [DVD(字幕)] 2点(2015-08-22 10:03:02) |
587. ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
《ネタバレ》 冒頭から見せてくれるイーサン・ハント走り。運動会みたいなんだけど、昔の漫画みたいなんだけどかっこいい。あのフォームが好きなんです。飛行機からガス兵器とともにパラシュートで降下しようとするときの困り笑い。かっこいいトム・クルーズを堪能するには十分な本作ですが、お話自体は何か大味。一国の首相をこういう裏稼業のお話にコマのように出演させると、むしろ安い作りになってしまいます。それができるのなら、何でもアリというわけですので。だからアクションはいいけど、全体の印象は「相棒」の劇場版みたいだと思いました。 [映画館(吹替)] 7点(2015-08-14 18:47:52) |
588. 滝を見にいく
《ネタバレ》 おばちゃんたちが山で遭難するコメディってことなので、なんかもっと意地悪な期待を持って鑑賞したモノです。もめたり、叫んだり、みっともないことになるんだろうと。しかし。これは想像していたのとは全く違いましたが、いいですね。長めの迷子、道草を堪能している体(テイ)。全員近所にいそうなオーラを発しているおばさん達による十五少年(少女?)漂流記の味わい。この7人の年齢差が、最大35であることに驚く。40歳過ぎたらみんなおんなじ。確かにそうだ。ラストシーン。あんな乗り物今時の農村にはないぞとツッコミつつも、きっと、彼女たちこれからきっといいことばっかりだよと思わせてくれる。優しい監督、沖田監督のかわいい良作。 [DVD(邦画)] 8点(2015-08-12 10:40:20)(良:1票) |
589. ヒックとドラゴン2
《ネタバレ》 お話自体は王道的というか、古典的というか、むしろ伝統芸能的といってもいいくらいクラシックなお話。ただ、ドラゴンに乗っているがごとくダイナミックで躍動感のある映像が魅力。だから、これを日本では劇場未公開というのは、どんなチカラ関係があるのか知りませんが、もったいないことです。 [DVD(字幕)] 5点(2015-07-26 16:17:19) |
590. アメリカン・スナイパー
《ネタバレ》 期待したほどではなかった、という率直な感想です。イラク戦争を描いた作品は数あるワケです。「ハート・ロッカー」、「リダクテッド 真実の価値」、「華氏911」は観ましたし、他のレビュワーさんが指摘しているものを含め、Wikipediaによれば24本はあるとのこと。その上に新しい色を重ねているとすれば、百発百中のスナイパーが登場したこと。人のいいおじさんのふりして、精密機械のようだ。見所はそこだけですね、なんて観終わった直後は、思っていましたけどね。 しかしなぁ。これを書きながら、ワタシはいったい何を見ようとしていたんだろうと思うと、暗い気持ちになりますね。イラク戦争映画に麻痺しているんじゃないか。何を期待してたんだろう、オレ。 [DVD(字幕)] 4点(2015-07-20 19:16:06) |
591. 琥珀色のキラキラ
これは、いいです。DVD「チチを撮りに」のおまけにしておくにはもったいない。いろいろ書きたいこともありますが、今回はネタバレなしでアップします。「ぁぁ~」と思って欲しいので。 【追記】「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」はものすごくいい活動だったのだと思いますね。 [DVD(邦画)] 8点(2015-07-13 20:17:47) |
592. 百円の恋
《ネタバレ》 かく言うワタクシメも「好きじゃねえんだよなあ、一生懸命なヤツ見んの」っていうゲス野郎です。だから、前半の方のつげ義春的というか、業田良家的な世界の方が好きだったな、後半カッコよくなってからよりもさ、とかね。あ、この控え室からリングまでの間をじっくり見せるシーンはいいな、一子にとっては試合に出られたことがピークだからね、むしろ試合シーン全カットでもいいかもとかね。後ろ向きなことを考えながら見ていましたが。しかし。い~い試合じゃないですか。「負けてしかるべき展開であるが、しかしそれはともかく勝て!」と力が入りましたもん。これは、いいぞ。 [DVD(邦画)] 9点(2015-07-11 22:01:35)(良:1票) |
593. 奇跡の人(1962)
《ネタバレ》 有名なこのお話の続編が何故ないのか。企画がなかったワケではないのだと思う。毀誉褒貶を織り交ぜながら、「この後の人生」を映画化したら注目作になってたはず。それが成立しなかった理由はいろいろあるのだろうけれど、本作でのパティ・デュークを超えるヘレンケラー像が想像できないということもあったのではないか。視線を動かさない演技。とてつもない困難が想像できる。そういう意味では、演技指導をしたアーサー・ペンも「Miracle Worker」だったのではないか…、って大げさっすか。 [DVD(字幕)] 7点(2015-07-04 20:22:20) |
594. 燃えよドラゴン
《ネタバレ》 うーん。本作は、ホントは一部の好事家の間でカルト作品としてもてはやされるべきものだったのではないでしょうか。敵役のハン一味のびっくりするくらいの弱さと華のなさの不思議。毎日鍛錬しているようなのに、拉致された酒場の酔っぱらい達に負けるなよ。でも、そのあたりのチープな感じが妙に味わい深いような、物好きが好みそうな気もしますので。小学生のころ見たかった、あのシーンやあの台詞を聞けたことに、少し感激したので3点です。あのころ、なんでもドラゴンでヌンチャクだったよなあ。なんでだったんだろう。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-06-22 20:05:41) |
595. チチを撮りに
《ネタバレ》 冒頭、おコメを研ぐシーン。渡辺真起子さんの背中はすごい説得力だ。この家でゆるぎない時間が積み重ねられてきたことが伝わってくる。そして見終わった後は、毎日をもっと丁寧に暮らしたくなる。つまり、元気になる。中野量太監督、是枝裕和を7、内田けんじを3の割合でブレンドしたような方とみた。注目株。金鉱発掘。この監督のは、全部見たい。 [DVD(邦画)] 8点(2015-06-22 11:00:57) |
596. かしこい狗は、吠えずに笑う
すごい。正直、日本のホラーなんて小便くさいと思って一本も見たことはないワタシですが、本作の価値はわかる。本作を映画館で見なくてホントによかった。それは、大画面で見るととっても怖くて耐えられないなどという理由ではもちろんなくて、小さい画面で覗き見るようにしてからこそ、身にまとわりつくような気持ち悪い感じがわかると思うから。見終わった後、胃薬が飲みたくなる。なんか、10点やりたくない。でも10点。 [DVD(邦画)] 10点(2015-06-13 00:04:20)(良:1票) |
597. イコライザー
《ネタバレ》 ウォー、新しいヒーロー誕生じゃないですか。今までのヒーローと比べると、一枚も二枚も上手(うわて)の主人公のやることなすこと、うまい敵役と相まってすべてかっこいいじゃないですか。「償いをしろ」のシーンが特に好き。駆けずり回るでもなく、グチをこぼすでも、雄叫びをあげるでもないお茶と読書が好きなヒーロー。ワタシ、これは、なんというか「ジョン・マクレーン(1作目)の逆」というふうにとらえました。惜しむらくは、いかにも「2」がありそうなエンディングだったこと。もう1回、これやっちゃうと「おいおい、それじゃデューク東郷みたいだろ」ってことになりますから。 [DVD(字幕)] 8点(2015-06-06 23:43:14) |
598. デス・レース2000年
《ネタバレ》 今となってはどうってことないルール(といってしまおう)、レース中にたくさん殺人を犯した方が勝つデスレース。また、今となってはどうってことないグロシーン。当時としては、相当倫理的にマズかったのでしょう。そのことをエクスキューズするかのごとく、政権交代が起き、エンドクレジットで人類の殺戮の歴史などを語りますが、今時の身もふたもない映画に期待できないバンソーコー貼り。おためごかし。でもワタシはそこのところ、なんか時代がついた感じでよかったと思っています。カーシーンは結構、チカラ入ってました。初めからはしゃぎまくってた、この映画では生き残るはずがないキャラクターの彼は、オチ要員だったのですね。 [DVD(字幕)] 6点(2015-06-06 18:22:18) |
599. めぐり逢えたら
《ネタバレ》 あのラジオ放送に2000人の女性を惹きつける魅力があったか、というとどうだったかなあ。周りの協力を得つつも、徐々に近づいていく二人。なんちゅう甘っちょろい展開なんだと考えながら、ずっと観てましたけどね。でも見終わった今、うまくいった恋愛ってすべからく「MFEO」なんじゃないかとジワジワ思っています。トラックのクラクションをきっかけに見つめ合い、あいさつをしてしまう二人のシーンが好きでした。あのクラクションこそ、天の啓示だ。 [DVD(字幕)] 8点(2015-05-31 10:01:21) |
600. アポロ13
《ネタバレ》 んー、もうかっこいいよねぇ。発射シーンが好き。ものすごい重い質量の物体がとてつもない力で飛び立っていくというのがよく分かる。ワタシの中で歴代1位の発射シーン。コックピットの中のメカメカした操作パネルが好きだ。受け口な感じで笑うトム・ハンクスがチャーミング。いるだけできっと何かしてくれる気がするゲイリー・シニーズ。いや、もうかっこいいとしか言いようがないよねぇ。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2015-05-23 17:24:03) |