601. アドレナリン(2006)
主役がジェイソン・ステイサムだから大体予想はついてたけど、ホンマ無茶苦茶やるヤツやなあ・・・コイツ・・・。病院にいる重体患者やらショッピング・モールにいる買物客、一般ピーピルなんかもうどうなったっていい、とにかく自分が助かって憎っくき相手に復讐さえ出来ればっていう利己主義もここまで来ればアッパレ。設定の面白さだけで押し通そうとする強引さも見上げたもの。病人服で半ケツまでさらしながら大奮闘のジェイソンだけど、やっぱり彼にはクールでストイック、何事にも動じないキャラクターの方がやっぱカッコイイしお似合いですね。今までの路線から変更して、コミカルでお茶目な面もみせたかったんだろうけど。ところで病人服から紺のジャージにはいつどこで着替えたんだろう・・・?観客のアドレナリンも全開!と言えるほどの出来ではないのが残念。 [DVD(字幕)] 5点(2008-02-08 10:48:47) |
602. カウボーイ
《ネタバレ》 先日同じデルマー・デイヴィス監督&主演グレン・フォードコンビ「決断の3時10分」にいたく感銘を受けた自分としては、この作品も観る前から期待度大でした。しかも共演がジャック・レモンとあっては、こりゃもうたまらんでしょう。都会派レモンが西部劇に出た作品なんて他にあったか?あったっけ?まずはオープニングのクレジットタイトル、やけに西部劇にしちゃ洒落てると思ったらソウル・バスのデザイン。ナルホドナルホド。本編開始・・・う~ん、正直あんまり盛り上がらない・・・。内容を端的にいうとこれは「新人牧童ジャック・レモン教育指南編」。ドンパチウエスタンとはそもそもまるでジャンルが違うので要注意です。ベテラン牧童フォードと、駆け出し牧童のレモンがお互いの流儀を認め合いつつ、最後は心を通わすという展開はいいんですが、レモンが途中いきなり傲慢になるのは頂けない。タフでも心根は優しい牧童に成長していく結末の方が、彼のキャラにもよりぴったり合ったのでは?なにもホテルのバスルームでゴキブリがいたからって銃をぶっぱなす事はあるまいに。それを戒める形でラストは締めてもらいたかったなあ・・・。ただ「牛追いカウボーイ」の日常生活と、その実態がなかなか興味深く描かれていたのでこの点数で。無法者も保安官も出て来ない西部劇なんて逆に珍しい。つうか「決断~」があまりに秀作だったので、期待し過ぎた自分も悪いんだと思う。フォードはここでも男臭くカッコイイ。 [DVD(字幕)] 6点(2008-02-04 11:15:13) |
603. 黄金の七人
ああ、この曲この曲!!♪タッタールラ、シャバダシャハダルラ~♪米倉涼子「堅実な人生を・・・」某銀行カード系コマーシャルで流れてるこの曲、このドロボー映画のテーマ曲だったんだあ・・・。知らなかったよ。(←篠原涼子の人材派遣のCMだったかも)大スターの顔をたてようと各人に見せ場を作り過ぎ逆に緊張感と焦点をぼやけさせちゃった、最近の「オーシャンズシリーズ」なんかよりも、こっちのが単純明快でよっぽど楽しかったです。だってこちらはそもそも主役二人以外あくまで「その他大勢」扱いで、キャラクターの描き分けなどするつもりもなかったみたいだし。ヒラヒラスケスケ衣装を身にまとったヒロイン=ロッサナ・ポデスタは、単なるお色気要員かと観客に思わせておいて、実は真の主役は彼女でしたっていう、当時の彼女のダンナ監督の商売上手な算段にも恐れ入る。イタリアのノンビリした風景と、全てが完璧なのに最後のツメだけが甘い「教授」もクールでカッコイイ。「小粋な」という形容がぴったりなオシャレドロボー映画の決定版。これ続編も観てみたい。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-02 17:43:08) |
604. 下町の太陽
「三角巾が似合いしかも主役が張れる」倍賞千恵子という女優さんの、その後のイメージを決定づけるに至った重要な作品という気がする。が、この作品単体で観る限りでは内容はそれほど面白くない。あまりに主役のお二人が翳りもなく清廉潔白すぎ、私のような薄汚れた人間とはまるで別次元の人間みたいで魅力を感じなかったんです。生真面目な山田監督のお人柄は初期のこの作品からも十分伝わってくるんですけどねえ・・・。「キューポラのある街」とどことなく作品の雰囲気似てますよね。初代黄門様=東野英治郎も顔出してるし。実際、私は田舎から東京に上京してからかなり経つけれど、いまだに葛飾や墨田区曳舟とかのあたりって殆ど行った事がないんですよ。だからかもしれないけれど、荒川を隔てたこっち側、向こう側っていう言葉がひんぱんに出てきても、何となくイメージが掴みにくいっていう事もあります。当時この辺りに住んでた方はこの映画を観てどう思ったのかなんて逆に心配になってしまいました。倍賞さんの歌では「さよならはダンスの後に」っていう曲が好きっす!この「下町の太陽」って曲初めて聴きましたけど倍賞さんのイメージそのものですね。 [DVD(邦画)] 5点(2008-02-02 11:20:41)(良:2票) |
605. サヨナラ COLOR
甘ったれで救い難いロマンチスト中年男(←ココロは少年のままと思ってる)向けファンタジー増殖促進キャンペーン以外の何者でもない映画。しかもこのオッサン向けファンタジーの崇拝対象が、いまだに生活感ゼロ透明感溢れる原田知世という事で、彼女自身が持つ稀有なる個性にとってもうってつけの題材。作品のターゲットである、当の甘ったれた片足のみオッサン世代典型である自分としては、思いきって支持に回りたい所だが、オハナシ自体あまり面白くないのでこの点数。これで五作目となる公私混同ロマンチスト竹中直人の演出はなかなかソツがなく手堅い。 [DVD(邦画)] 6点(2008-02-01 13:22:26) |
606. アメノナカノ青空
まだ韓国映画にあんまり免疫がなかった頃に映画館で観たんで、それなりに面白かった記憶が。ただその後、同系列の難病ものを数多くクリアしてしまった今となっては評価はまあこんなもんかなあと・・・。ヒロインの子はその後、ドラマ「・・・ごめん愛してる」や「サッド・ムービー」でブレイク果たしたようで何より。でもこの映画のポスターやDVDジャケットの彼女は映りがあんまり良くないので(↓参照の事)かなり損してると思います。映画を観ると解るけど、実物はもっとカワイイ。彼女が持っていた傘、差すと内側一面に青空が広がってるんです。これがおそらく日本語タイトルの由来だと思うけど、この小道具が良く効いてましたね。あの傘欲しかったなあ・・・。(←何にでも影響されて欲しがるヤツ)相手役のカメラマンの男は坂上忍とか宮川一朗太系の80年代日本のドラマ二枚目風。 [映画館(字幕)] 5点(2008-01-28 14:03:31) |
607. 悪い種子
《ネタバレ》 映画史上三大極悪少女登場!!(ちなみに後の二人はオードリーの「噂の二人」と「いつも2人で」あくまで私見です)なまじっか主役の少女が梅図かずおのマンガに出てくるような、絵に描いたお下げ髪の金髪美少女なのがまた更にタチが悪い。元々は舞台で好評だった芝居の映画化。殆どのキャストがオリジナルそのまま引っ張ってきた方ばかりなので、生の舞台さながらの丁々発止の演技合戦が画面狭しとすさまじく展開されてます。だいぶ抑制はされているとは思われるが、皆さんかなり誇張された舞台的演技に終始。ハリウッドが誇る職人監督、マーヴィン・ルロイの腰の座ったおっとりした演出には好感が持てるが、映画化ならではの、ショッキングなシーンが幾つかあった方がより印象に残ったかもしれません。まあこの無邪気な残忍さを持った極悪少女の存在自体が十分ショッキングだけれど。役者たちの演技で最後まで緊張感が保たれているような感じ。そうかそうか・・・ハゲと殺人鬼の遺伝はやっぱ隔世遺伝なんだあ・・・。ラストの明るいカーテンコールで何とか救われるが、何かいやあな気分が残るのは致し方ない。 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-27 10:47:09) |
608. もしも昨日が選べたら
《ネタバレ》 「もしもドラえもんがいたら」一番最初に出してもらいたい機械、史上ナンバーワンじゃないすか?これって。でも日本語タイトルに大いに異議有り!どう考えてもこれは、「もしも未来が選べたら」OR「もしも明日が選べたら」になってしかるべき内容かと。アダム・サンドラー氏が家具寝具センターのベッドに横たわるシーンの処理が拙いので、最後のオチまで見通せてしまうのが残念。麗しき家族愛夫婦愛万歳!と言いたいトコロだけれど、どこか醒めた視線で彼らを見つめてしまうつむじ曲がりな自分がいました。何で俺って素直にこういうものに感動出来ないんだろ・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2008-01-26 11:26:06) |
609. 牛泥棒
《ネタバレ》 後にヘンリー・フォンダ自らが製作にあたった、「十二人の怒れる男」の前哨戦みたいな社会派西部劇。タイトル「牛泥棒~七人の黙れる男」。アカデミー作品賞候補になるほどの秀作という世評にもかかわらず、何故か未公開だったいう事で食指をそそられた作品。調べてみたらこの年の作品賞受賞作はあの「カサブランカ」。作品の内容そのものよりも、終戦後これが輸入されなかった裏事情の方に自分は興味を惹かれますね。ろくでもない愚作や珍作は幾らでも公開されていたのに。あくまで推理の範囲内ですが、アメリカ人が誇りとしている多数決優先議会制民主主義にも誤りもあるんだって事を、占領下当時の日本人には伏せておきかたかったんじゃないでしょうかねえ・・・?最後まで観た限りではそんな気がしてなりません。ドンバチ勇壮なウエスタンを期待する人には肩透かし。ラスト、首吊り処刑されたダナ・アンドリュースの手紙を読み上げるフォンダの目を帽子のツバで見えなくしてるのは、彼の滲んだ涙を隠す為のウェルマン監督の粋な演出とお見受けしましたが。 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-25 13:57:45)(良:1票) |
610. スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師
《ネタバレ》 「本当は怖いグリム童話」みたいな映画・・・。もとい、暗鬱な霧のロンドンが舞台だから「本当は怖いディケンズの小説」みたいな雰囲気といった方が良いかも。良識派の方はおそらく眉をひそめるであろうブラックな内容だが、自分はダークなバートン流寓話という事で、相変わらずの卓越した映像センスと共に2時間充分堪能させてもらいました。ミュージカル映画って自分の場合だと、なかなか頭の中で映像と音楽とのコンセント同士が「カチッ」と繋がって映画に乗れるケースが非常に少ないんですが、この作品では、最初判事が理髪店に来たシーンのデュエット辺りからもう一気に繋がりましたね。その後は、ミュージカルである事が全く気にならなかったくらい。ヘレナ・ボナム・カーターの歌声(←吹替え?)が大好きなマーニ・ニクソン(「マイ・フェア・レディ」や「王様と私」ヒロインの声)と非常に似た声質だったので、その分印象もよりアップしたのかも。何度か流れる「ジョアンナ」は、「ウエストサイド物語」での「マリア」に比する曲だと思います。海岸でくつろぐ横縞模様の全身水着を着たジョニーの表情にはとにかく爆笑!ただ、あまりにバートン監督に適した内容なだけに、新作を待ちわびたファンにそれ以上のものをつい期待させてしまう衝撃度には欠けるような気が。でもそれはこちらの一方的な思い入れであって決してこの映画の責任じゃないですからね・・・。解ってはいるんですが。 [映画館(字幕)] 7点(2008-01-21 11:46:34) |
611. 白昼堂々
山田洋次作品以外の渥美清&倍賞千恵子コンビの映画を観るのはこれが初めてです。この二人が恋仲になるっていうのは、なんかなあ・・・ちょっと全身むず痒くくすぐったい感じがしないでもない。そう思ってしまうのは俺だけ?まるでこの作品での渥美さんの警察アレルギーのジンマシンみたい。しかもいつのまにやらお互い好き合ってるし。デパートの売り上げ金を白昼堂々強奪するっていう作戦がクライマックスですが、これが手造り感満点の計画でほほえましい事この上ない。今ならばセキュリティシステム解除がどうのこうのとややこしい展開になるところだけど。当時デパートの中で何と呉服売り場が一番繁盛していたっていうのも驚きですね。まあプログラムピクチャー二本立てとして観たら面白かっただろうなあって思うけど、出来としてはごくフツーの喜劇だと思います。もっと大胆不敵なスリの手口とかを伝授してもらいたかったかも・・・。なんてね。 [DVD(邦画)] 6点(2008-01-20 11:21:49) |
612. ウェイトレス おいしい人生のつくりかた
《ネタバレ》 ヒロインの旦那が車で彼女を迎えにくる時に、クラクションをやたらシツコクガンガン鳴らすんです。「ああ、こういう事する男ってやだよな~」って思った。おそらくヒロインが旦那に嫌悪感を持つ理由のいわば象徴にしたかったようなフシがあるけど、ハテ?あの旦那はデリカシーに著しく欠けてはいるが、そんなに悪い奴なんだろうか?という疑問も湧いてくる。考えてた内容と違って、単なるありきたりなダブル不倫物語になってしまっていたので、その点はちょっと失望。あのイケメン産婦人科医は、片田舎での退屈しのぎにたまたま往診に来たそのうち一番美人なヒロインと遊びたかっただけなんじゃないかと思ったりもしたし。双方にもいまひとつ恋愛に真剣さというか一途さが足りないような気がしました。女性からの目線で観ると評価がまた違ってくるのかな?監督、脚本も務めた女優さん亡くなられたんですね・・・。ちょいとファニー・フェイスで抜けている感じが巧く出ていたのでこれからという時に残念です。 [映画館(字幕)] 5点(2008-01-19 10:53:22) |
613. 大アマゾンの半魚人
《ネタバレ》 そかそか、ワイルダー監督「七年目の浮気」でマリリン・モンローが「半魚人さんが可哀相・・・」って言ってたのはこの映画の事だったんだあ・・・。しかも本編鑑賞後に予告編を観たら、これって立体映画だったんですね。出来れば3D版で観たかった。50年代製作の低予算空想ホラーものでは「ボディスナッチャー/恐怖の街」以来の面白さ。出演者が馴染みのない方々ばかりなので、誰が次に襲われるのかワクワクしながら見物しました。それにしてもヒロイン=ジュリー・アダムス嬢って、何だか「ねえ、半魚人さん、アタシはここよぉっ、ここっ!」とでも言いたげな、やたらと彼の劣情を煽り立てるような格好してるんだよなあ・・・。あんな水着やら無防備なお洋服やらでお気楽にアマゾン川クルーズされちゃ、女慣れしてないウブな半魚人さんが思わず欲情してしまうのもむべなるかな。マリリン、あんた良い事言った!これじゃ自分の縄張り荒らされて、散々寸止めさせられた挙句殺された哀しい瞳の半魚人さんがホントに可哀相。 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-18 11:25:27)(良:1票) |
614. 夜の女たち
田中絹代には帰らぬ夫を待ちわびる戦争未亡人という役柄はお似合いかもしれないけど、どう見ても「パンパン=夜の女」っていう柄じゃないですね。妹のダンサー役高杉早苗の方がそれらしく見える。流石に芝居は巧いかもしれないけど、子供が背伸びして悪ぶった大人を演じているような感じにしか見えない。彼女の芸域の範疇の中にはこの役はあてはまらないと思います。当時おそらく社会問題となっていたであろう、売春防止啓蒙映画以外の何者でもない。それでもラストの足抜けリンチ場面は迫力。浦辺粂子の演じる遣り手婆さんの口調が、後年の「赤線地帯」を経て晩年の「さびしんぼう」まで、ほとんど変わっていないのには嬉しいといおうか、凄いといおうか(笑)大阪の西成のあのあたりって自分も行った事あるけど、歩いてるだけで生命の危険をちょっとだけ感じた事があります。 [DVD(邦画)] 5点(2008-01-17 12:57:08) |
615. 忠臣蔵(1958)
このレビューに登録されている日本映画黄金期に製作された忠臣蔵ものでは、この大映作品が一番評価が高かったので期待してましたが、期待通りの真打ち作品でした。忠臣蔵って各会社のカラーが顕著に出ていて、それぞれ見比べるとホントに面白いですね。大映っていう会社の映画は現代劇でもどこかねっとりした湿りっ気があるのが特色だけど、時代劇においてはその湿り気が逆にプラスに働いて、画面にしっとりした貫禄と落ち着きを与えています。しかも女性陣が単なる彩りに過ぎない東映作品とは違い、大映が誇る三人の美姫、山本富士子、若尾文子、京マチ子がそれぞれに演じどころを与えられ、存在感を遺憾なく示しているのも目の保養。主役の長谷川一夫はじめ、出演者の皆さんいかにもご立派な「時代劇顔」をしてるのも嬉しい。岡野金右衛門=鶴田浩二が一番の儲け役。内蔵助の母親が登場してくるのが珍しい。ただ肝心の討ち入りの殺陣の迫力はチャンバラの本家東映作品の方が勝ってたかなあ・・・。やっぱり新解釈とかを加えない、オーソドックスな展開の方が忠臣蔵は楽しめると思います。 [DVD(邦画)] 8点(2008-01-14 10:25:29) |
616. いつか眠りにつく前に
《ネタバレ》 10点満点をつけたティム・バートン監督「ビッグ・フィッシュ」のレビューで、私は「男性に迎合した作品」と書きましたが、これは似たプロットとして女性に迎合した「ビッグ・フィッシュ」。ファンタジー色よりも、より現実に近い形で母娘の愛情と人生の選択を描いた、最近の新作の中では正攻直球勝負の秀作だと思います。ファーストシーンから、自分は早くも心臓の鼓動が高鳴ってました。「ああ・・・これはきっと良い映画なんだろうなあ・・・」っていう予感がひしひしと。予感大的中です。長年撮影監督として数々の作品をモノにしてきたラホス・コルタイ初監督作品という事で、画面が素晴らしく綺麗なのも嬉しい。あちこちに散りばめられた含蓄ある深い台詞も、それを口から発する役者たち、あたかもヴァネッサ・レッドグレイヴやメリル・ストリープご本人の人生経験を踏まえた言葉にも思え、歳を重ねた彼女たちの静謐な佇まいと優れた演技にひたすら魅了されました。次女役のトニ・コレットってここ最近、出演作のチョイスが上手いですね。顔はちょっと猛禽系で怖いけど。女性陣が主体の作品なので、男性キャストの影が薄くなるのはやむを得ないが、若き日のメリルの弟役「バディ」君がもうけ役。非常に複雑なキャラクターのバディ君(←おそらくバイセクシャルと自分は解釈)がクレア・デーンズに恋心を告白するシーン、ホント切なくて自分は目が潤みました。現在若さを謳歌している人よりも、30代以降の女性の方にお薦めの作品っす!!もちろん自分のような甘物好きの男性にも(笑)。 [試写会(字幕)] 8点(2008-01-13 10:58:55) |
617. 何という行き方!
大スターとして名を成した方々の、入魂渾身のバカ演技を観たい方におすすめ!しょっぱな、シャーリーが異様に短い丈の喪服でしおらしく登場してくるシーンからもう頬がゆるみっ放し。他のスターはともかく、御大ポール・ニューマン氏がこれほどリキ入れたアホキャラを演じた事が果たして他の映画であっただろうか?いや、ないはず。他の映画では終始ニヒルにしかめっ面をし、観客をビビりまくらせていたロバート・ミッチャム氏がこともあろうに雌牛に蹴られて、ぴゅ~っと空に・・・(以下省略)。少なくともこれは自分がいままで観たことのないジャンルの大真面目にバカやってる、尚且つお洒落な映画。衣装担当イーデス・ヘッドとシャーリー・マクレーンコンビの、ファッションショー的趣向も華やかで◎。亡き淀川長治さんがこの作品について「カマトト映画の秀作」という批評をされていましたが、ようやく実物を観る事が出来て納得。今回観たのは字幕版でしたが、日本語吹き替え版(シャーリー=小原乃梨子さんがベスト!)で観た方がこれはもしかしたら面白いかも・・・って思いましたね。タイトルは「何という行き方!」つうより「何という死(以下再度省略)」 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-12 10:58:07)(良:1票) |
618. 家族(1970)
《ネタバレ》 僕がこれまで観た映画で、笠智衆さんが演じた人物が映画の中で亡くなるシーンって見た事ないんです。「寅さんシリーズ」でも、最後まで御前様は台詞の中ではお元気という設定だったし。数多く出演された小津映画でも笠さんが亡くなるって映画って確かなかったですよね。(もしあるのならすいません!)この映画の終盤、倍賞さんの「・・・じいちゃん?」って問いかけに対し、無言のまんま安らかな寝顔を映したショットを見て、いきなり笠さんご本人のご臨終に立ち会ったような、厳粛な気持ちにさせられてしまいました。途端に涙がドドドと溢れて・・・(笑)僕の脳内では、笠さんと渥美清さんはのほほんと日本のどこかで生き続けている存在なので、現実を突き付けられたみたいでショックでしたね。ここで一点マイナス。あそこで爺ちゃんを死なせてしまったのは、新しい生命はこうやって受け継がれていくっていう事を言いたかったのかなあ・・・?後年の「遥かなる山の呼び声」はこの映画の続編??1970年当時の日本列島縦断風景、大阪万博の映像資料としても貴重な作品だと思います。倍賞さんは三角巾やエプロン姿がホント良く似合う!ちょっとだけ出てきた次男役、前田吟のホームでの別れの表情にぐっときた。 [DVD(邦画)] 8点(2008-01-11 11:12:57)(良:2票) |
619. 電送人間
「液体人間」「ガス人間」「電送人間」と、当時の東宝ご自慢の「特撮人間スリラーシリーズ三部作」、これで全部制覇!この中では「ガス人間」がズバぬけて面白かったけど、後の二つはイマイチでした、残念ながら。冒頭のスリラーショウ内の殺人事件は、昔読んだ「怪人二十面相」を思い起こさせる設定でワクワクししたけどその後が続かず。「電送人間」のアイデアだけを先に出して、あとでストーリーをこねくり回したっていう印象。まだ渋さよりニヤケ度のが強い若き日の鶴田浩二も、ヒロイン白川由美にもさして人間的魅力があるわけでもない。筋書きに沿ってただ動いてるだけ。そもそも一介の新聞記者がなんで捜査会議に出席してるんだろう・・・?数だけはやたら多いバカ警官たちの、頭の悪さにもいい加減途中からうんざりしてくる。特筆すべきは「人間を電送して犯罪を犯す」という画期的なアイデアのみ。 [DVD(邦画)] 5点(2008-01-07 11:00:30) |
620. 団塊ボーイズ
機内にて鑑賞。昨年「ヘア・スプレー」で思いっきり弾けまくってたトラヴォルタ最新作。しかし、なぜに日本公開タイトルが「団塊ボーイズ」???意図する所は良く解るんで、ま、いいでしょ。何も考えずアタマ空っぽにして観れば、楽しめる作品だと思います。実は自分のベストワン作品、ロードムービーの傑作「ファンダンゴ」のシニア版を密かに期待していたんですが、そこまでの高望みはやっぱり無理でした(笑)それなりに笑わせてはくれます、こっちがぐっとくるペーソスや憂愁漂うシーンは殆どなく終始明るいコメディに徹してるのは潔いけど、ちょっと軽すぎやしないかなあ・・・。歳は喰っても一向に素行の改まる気配のない(←あくまで役柄的にね)レイ・リオッタにはホント頭が下がります。でもそれはそれでカッコイイ! [映画館(字幕)] 6点(2008-01-06 11:13:17) |