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 > 目隠シスト さん
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プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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601.  私はいったい、何と闘っているのか 《ネタバレ》 
つぶやきシロー流哀愁と自虐のヒューマンコメディ。主人公のメンタリティに共感し、真摯に仕事や家族と向き合う姿に好感を覚えました。ただ、春男を単なる「不器用で不遇な弱者」と捉えるのは間違っていると考えます。それは彼が失脚するに至った「内引き事件」を見れば分かります。彼は同僚の不正を見逃しました。これは仲間を守りたいという信念による判断。もちろん擁護などできません。万引き犯は警察行きか、最低限商品を買い取らせるのが当たり前。「仲間だから見逃す」は筋が通りません。しかし懲罰を受けてもなお、春男は自分の行為を悔いていません。彼は「自分の正義」を持っているということ。しかも彼自身の中で、社会一般のルールより上位なのです。腰の低さに惑わされてはいけません。春男は「強い人」です。また部下の言うように「優しい人」でもあるのでしょう。この気質は夫婦の馴れ初めからも窺い知れます。ただ、この傾向が過ぎると政治犯とかテロリストに行き着くため褒める気はありませんし、彼の優しさは結果的に同僚を救っていません。今回の選択は関係者全員が損をした悪手でした。もっとも、人生において最善手のみを指し続けることなど出来ません。間違って当たり前。でもどうせ間違うなら、正しいと信じて選択したいもの。そういう意味で「自分の正義」を持つのは悪いことではないと思うのです。あくまで自己責任の範囲で、という注釈が付きますけども。春男はきっと自分の事が大好きだと思います。本人に聞いたら絶対否定するでしょうが。というわけでタイトルの問いかけに対するアンサーは「みんなの正義と私の正義」であると考えます。
[DVD(邦画)] 7点(2022-08-18 20:52:33)
602.  福福荘の福ちゃん 《ネタバレ》 
本作を評する上で避けて通れない、というより本作の価値を決める最重要要素と言っていいのが「森三中大島の是非」であると考えます。芸人が俳優をする時点でトリッキーなのに、女が男役とはこれ如何に。例えば性転換した元女性役とかなら分かりますが違いますよね。となると何で大島さんなのかと。これって企画段階で出される「こんなん面白いんじゃね」的なネタをノリで実行したのではないかと勘ぐりました。しかし観終えて、何となくキャスティングの意図が分かった気がします。それは「リアリティの排除」。これは劇中の人間凧エピソードや、これでもかと云わんばかりの棒演技からも伝わってきます。中年童貞の生々しさ(えぐ味)を取り去る事でハートウォーミングかつファンタジーなラブコメを成立させたのではないでしょうか。実際福ちゃんがTKO木下とかクロちゃんだったら、ハッピーエンドを手放しで祝えなかったでしょう。性欲の匂いがゼロだからスッキリ、サッパリな風味になったと考えます。反面コクや旨味には欠けるのでドラマとしては物足りないかもしれません。この辺は好みの問題もありましょうが、私はこんなアプローチもありだと思いました。なおコメディとしても悪くありません。思いの外シュールで沢山笑いました。それにしても荒川良々の奥さんが黒川芽以で、大島がモテモテとか、この地域はデブ坊主にとっての楽園ですか。すぐに引っ越すので場所を教えてくださいな。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-08-14 01:27:08)
603.  ヒルコ 妖怪ハンター 《ネタバレ》 
「何が起きているか」「何故そうなったのか」「どうしたらよいのか」「そもそもヒルコって何?」正直あまり分かりません。『古事記』に由来するそうですが、イザナギ、イザナミ、アマテラス、スサノオあたりのメジャーどころならまだしも、ヒルコと言われても学の無い私のような者にはちんぷんかんぷん。もう少し噛み砕いた説明が欲しいと感じます。ただし「丁寧なら良し」でもないのが映画の面白いところ。テンポが悪くなったり、くどかったりすると逆効果だったりします。本作の魅力は「妙な勢い」と「ハイテンション」であるのは間違いなく、荒削りな脚本とマッチしており、これはこれで正解例のひとつという気がします。ずっとギャーギャー喚いているだけとも言えますが、凄まじい熱量だけは伝わってきましたから。アナログな特撮にはCGでは出せない味わいあり。ジュリーや工藤夕貴弟さんの好演もあり、不思議と満足感のある作品でした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-07-21 22:57:37)
604.  女子高生に殺されたい 《ネタバレ》 
殺したい(わからんけどわかる)死にたい(まあわかる)自分で死ぬのは怖いから殺されたい(なんとなくわかる)。殺されることに悦びを感じる(きゅうにまったくわからない)。 殺される快楽?相当ハイブローな性癖ですが、オートアサシノフィリアなる呼び名があるそうで。勿論普通はイメージするだけでしょうが、本作の主人公はリアルに女子高生に殺されようと計画しました。しかもJKなら誰でも良かった訳ではなく、お目当ての少女が育つのをじっと待ち、JKになった彼女に近づく為に教員免許まで取得し、希望ポストの前任教師を失脚させ、その娘の担任に納まるという大掛かりな下準備を成し遂げます。足掛け9年の壮大な企み。その熱量と実行力たるや変態を通り越して感動さえ覚えるロマンシング・サガでありました。設定こそアブノーマルかつトリッキーなれど、サスペンス趣向は本格的で、ケイ田中の計画の全体像や背景が判明していくにつれ、戦慄しました。伏線やミスリードも上々でミステリーとしても見応えがありました。最後こそグダグダでしたが、そこに至る過程の用意周到ぶりは見事なもので、先生はリアルに優秀な人なのだと思います。あるいは、性癖の為になら頑張れる人だったのかな。『哀愁しんでれら』といい本作といい、もはやサイコパス役の第一人者と言っていい田中圭さん。ただのイケメン俳優ではなく、良いポジションを得たものです。圭さん以外の役者さんでは、生徒役の若手女優の皆さんが充実。見事に美女揃い。中でも柔道少女の茅島みずきさんの存在感が抜群でした。やっぱり長身美女はいいですな。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-07-08 00:55:54)
605.  ラン・ハイド・ファイト 《ネタバレ》 
フォーマットは傑作サスペンスアクション『ダイ・ハード』と同じ。学校を占拠したテロリストに女子高生が立ち向かいます。兎に角要素が盛り沢山でした。サバイバルアクションの中に精神疾患と家族愛。胸糞&鬱な犯罪動機に容赦ないバイオレンス。許される反撃の範囲は何処までか?これら全てを「エンタメ」という大きな枠に無理矢理押し込めた感じ。不快と爽快が入り交じる形容し難い感情に困惑しました。混乱している時は、わかり易い要素から整理するのが得策かと。個人的に親子愛に滅法弱い体質なので、娘の窮地を救った父の活躍に痺れました。かなりご都合主義ではあるのですが、娘のピンチに行動しない父親なんてこの世に存在しないでしょう。木の上に立って黙って見ているだけなんて出来ません。それにあのお父さんは『ミスト』のお父さんですよね。転生後に前世での無念を晴らしたように見えなくもなく。お父さん、グッジョブでした。 武装集団のリーダーは同情の余地が無いただのクズでしたが、仲間の方は少し違いました。主人公に捕まった男は、所謂陰キャ。日頃の恨みを晴らすために加担した模様です。ゾーイに説教されて後悔するあたり、性根は腐っていません。未熟な故に道を踏み外してしまったことが窺えます。刑に服して反省すれば更生が期待できるでしょうが、そんなキャラに限って無惨に殺されるのがお約束。殺人犯なので、因果応報的には妥当ではあるのですが遣りきれません。学校内での銃乱射事件は現実に起きている事件であり、結末のやり過ぎ感も含めて、エンタメだからいいじゃんで纏めるには少し重い題材でした。
[インターネット(吹替)] 7点(2022-06-23 19:24:55)
606.  ライトハウス 《ネタバレ》 
孤島の灯台守として赴任した熟年男性2人。肉体的にも精神的にもハードな仕事であるのは間違いありませんが、期間は4週間のみ。悪天候のためすぐに交代が叶わなかったとしても、精神を病み発狂するほどの状況とは思えません。ウィンズローが狂ったのは、深刻なトラウマを抱えていたからでした。外界と遮断された中で強いられる肉体労働。夜中止むことなく鳴り響くサイレン。上役の理不尽な仕打ち。ストレスフルな状況下においてアルコール摂取量が増えるに連れて、自身が犯した罪と向き合う時間も長くなったことでしょう。辛く苦しいとき人が選ぶのは「現実逃避」と相場が決まっています。セイレーンやオクトパス(クラーケンかな?)が出現し、灯台の灯りに神秘的な力を感じたとしても何ら不思議ではありません。結局は自身が犯した罪の重さに押し潰されて自滅した結末と解します。もちろん劇中2人が口走ったように「そもそもウィンズローは灯台にさえ来ていない」あるいは「トーマス・ウェイクは人形を使って呪いをかけていた」との解釈を採用するのも可能であり、そんな懐の深さが本作の魅力と言えましょう。 今や独自のホラージャンルを築いたA24。本作もブランドの信頼を裏切らぬハイクオリティ&ハイセンスな作品でしたが、一筋縄ではいかぬアク強めな作風で大衆向け映画とは言えなさそうです。人魚の生殖器とかなかなかにグロテスク。初めて見ました。
[インターネット(吹替)] 7点(2022-05-31 22:20:52)
607.  空白 《ネタバレ》 
被害者、加害者、双方ともに非が無い訳ではありません。しかし犯した罪に対する罰が余りに重過ぎました。全くバランスが取れていません。この世は因果応報ではなかったのでしょうか。その理不尽な仕打ちがやり切れなさ、やるせなさの原因と感じます。もしこの世の罪と罰の総量が同じならば、不当に罰を免れている罪人がいるとしか思えません。例えば、この事件を見世物として消費した人々。いやそんな社会の仕組みこそが罪なのかもしれません。一人ひとりの罪は微微たるものだとしても、全部集めたら途方も無い量でしょう。どんなに買っても宝くじは当ててくれないくせに、こんな厳罰だけは容赦なく課してくるなんて。あまりに酷い話。しかしこれがこの世のルールなら、私たちは従うより外に道はありません。 『一寸先は闇』は真実です。どんなに注意深く生きようとも、落とし穴を完全に回避する方法などありません。私たちに出来るのは、平時のうちから「いざ」という時の為に備えることだけ。自然災害の対処法と何ら変わりません。唐突にやって来る「絶望」と対峙した時、私たちは一体どうしたらよいのでしょうか。本件をみると、躱す術や分散させる手立て、盾を装備していた者と、真正面から受け止めた者で明暗を分けたように思えます。誰もが他人事と思わず、自分事として災に備えることを強くお勧めします。「程よく無責任であれ」「なるべく多く楽しみ(生きる意味)を用意しておこう」。これが私の非常用持ち出し袋の中身です。皆さんも是非オリジナルの非常用持ち出し袋をこしらえてください。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-05-25 00:45:32)
608.  100日間生きたワニ 《ネタバレ》 
原作漫画『100日後に死ぬワニ』のことは、伊集院光氏のラジオ経由で情報を入手しました。伊集院氏も指摘するようにこの漫画がウケたのは偏に「100日後に死ぬ」という枕詞が秀逸な発明であったからと考えます。何気ない台詞や行動のひとつ一つに自動的に深みが与えられました。タイムリミットの設定が絶妙だったのでしょう。先過ぎず、近過ぎず。普段は忘れていられる。でも意識から消えることはない。私たちが漠然と抱いている「死」の姿を100日後というゴールを明確にすることで浮き彫りにしました。映画ではタイトルが『100日間生きたワニ』に変更されています。『100日後に死ぬ』と『100日間生きた』では日本語的に意味が異なりますが、『死』という言葉が殊更センシティブに捉えられていたコロナ時世を考慮した苦肉の策だったと思われます。 前置きが長くなりました。感想に入ります。まず驚いたのは原作(実はあまり読んでいませんが)に映画オリジナルパートが多く追加されていたこと。その分量実に半分!物語後半は完全オリジナル「ワニ君が死んでから100日後」のエピソードでした。原作のある映画は余計な手直しを嫌うものですが、本作については改変部分に価値があったと考えます。というより、映画オリジナルエピソードは原作の続編であり、この映画のメインパートでした。ワニ君が居なくなっても、世界は続いていく。残された者に焦点を当てた主役不在のドラマには、喪失感を乗り越えることの大切さが描かれていました。タイトルは、死んでなお皆の心の中で『100日間生きたワニ』という意味だったのかもしれません。故人のことはきちんと忘れて今を大切に生きよう。少し寂しい気もしますが、ずっと立ち止まってもいられません。ふとした時に思い出せば、それで充分な供養。またいつの日かワニ君には会えるのですから。 原作終了直後から始まった商業路線が世間から批判を浴び、本作品も興行的に振るわなかったとお聞きしました。しかし原作の『100日後に死ぬワニ』を愛していた方ならば、この映画で描かれた後日談の中に希望を見いだせる気がします。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-05-19 19:42:21)
609.  佐々木、イン、マイマイン
タイトルは『思うに佐々木って奴は』。極めて個人的な感想です。この機微を他人が量るのは至難の業と考えます。精一杯共感したつもりでも「お前に何が分かる」と言われそうで。だから私はこの映画の感想をあまり語りたくありません。佐々木を語る事ができるのは、佐々木に関わった者だけに許された特権であります。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-05-12 19:47:45)
610.  CUBE 一度入ったら、最後 《ネタバレ》 
本作は、大流行したソリッドシチュエーションスリラーのパイオニア『CUBE』の日本版リメイク。『12人の怒れる男』に対する『12人の優しい日本人』と同じ日本人的価値観を持ち込んだ『和訳リメイク』と言えましょう。説明不足を補い、物語にテーマを与え、商業映画としての大衆性を担保しました。オリジナルが危険度MAXの投げっぱなしジャーマンならば、本作はきちんとクラッチが効いたジャーマンスープレックスホールド。映画として美しいのは本作の方だと思います。ただし、サスペンスの正義は『緊張感』にあり。粗削りで刺激強めのオリジナルと比較して物足りなさを感じるのも道理ですし、オリジナルという正解例がある以上、どんなリメイクも不正解に思えるのも当たり前です。しかし本作単独で評価するなら決して捨てたものではなく、きちんとオリジナルとは違うアプローチを試みたリメイクの姿勢は評価されるものと考えます。超激辛ラーメンは人目を引きますが、実際美味いのはちょい辛ラーメンの方だったりします。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2022-04-08 00:48:23)(良:2票)
611.  鳩の撃退法 《ネタバレ》 
物語の基本様式は、ジョン・ランディス監督の某傑作コメディやスタートレックパロディの快作『〇〇クエスト』に同じと考えます。一見困惑しますが難しく考える必要はなく、手品のタネは単純であります。本作には神様が存在したということ。筋書きは自由自在の無敵仕様。偶然や奇跡に使用制限はありません。問題は観客がこの禁じ手を受け入れられるかどうか。おそらく神様が用意した結末と観客が望む結末が食い違うと総スカンを食らうのでしょうが、一般的にバッドエンドよりハッピーエンドが好まれるはずなので、多くの観客が本作の結末を喜んて受け入れるのではないでしょうか。劇中描かれてはいませんが、きっと津田は印税で3000万円を手にしたことでしょう。それにしても鳩とは隠語だったのですね。新沼謙治さんが激怒するような話じゃなくて良かったです。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-03-26 07:52:47)
612.  ザ・ファブル 殺さない殺し屋 《ネタバレ》 
前作も『まるでカリオストロの城のようだ』と思いましたが、本作のアクションは更にスケールアップしており、初期宮崎駿アニメと同様の爽快感を得ることが出来ました。リアリティという縛りが無くなると、こんなにも心地良いものなのですね。実写で、しかも邦画で、こんなにワクワクするアクションに出会えるなんて幸せなこと。かつて隆盛を誇ったワイヤーアクションや、現在主流のアメコミ系CGアクションとはまた違った味わい。現実と非現実の狭間をゆく正に寓話世界の活劇でした。これぞ“金がとれる”アクションです。ただ、これだけエンタメに特化した非現実系アクションがウリの作品ですから、物語のテイストもそれに併せてはどうでしょう。もちろん『殺し屋』が主人公なので、殺伐とした部分があっても、グロテスクな描写があっても問題ないと思いますが、胸糞はいけません。胸糞は苦みではなくアク。物語の旨味に繋がらないと思います。原作を蔑ろにしろとは言いませんが、大衆映画として胸糞要素をオブラートに包む“工夫”はあっても良い気がします。アクション大好きな私が8点を付けるのを躊躇う理由はこの点にあります。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-02-24 18:25:15)(良:1票)
613.  ロスト・ボディ(2012) 《ネタバレ》 
デヴィッド・フィンチャー監督の某作品(現時点で本サイトの登録作品上から3番目のやつ)と併せて観ると約1.2倍楽しめます。
[インターネット(吹替)] 7点(2022-02-22 18:40:49)
614.  テロ,ライブ 《ネタバレ》 
典型的なソリッドシチュエーションスリラーの様式ですが、主人公は事件現場には居ません。デンマーク映画『ギルティ』(2018年)と同様のスタイルです。まさに踊るの青島の名台詞『事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!』状態です。ところが、物語が進むに連れて様相は一変します。此処が事件現場に変わる。どんなにハラハラしても我が身(主人公)の安全だけは確保されていると思っていたのに。この大転換は、サスペンスギミックとして優秀であります。ただ、形式的にはご指摘のレビュワー様もおられるように『ドリフのコントのオチ』以外の何者でもありません。一定年齢以上の日本人観客の脳内には『♪チャチャラチャンチャラチャンチャンチャンチャラチャンチャンチャンチャンチャン・チャチャラチャンチャラチャンチャンチャンチャラチャンチャンチャンチャンチャン・テーテテテテー♪』の曲が響き渡った事でしょう。ドリフって偉大ですな。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-02-16 19:00:02)
615.  すくってごらん 《ネタバレ》 
元エリート銀行員が田舎に左遷された事に端を発する物語を、カルチャーギャップやイデオロギー相違、そして淡いラブストーリーを軸にハーフミュージカル(歌うけど踊らない)&ハーフファンタジー(まるで『千と千尋』のような異世界感)で綴ります。タイトル『すくってごらん』=『救ってごらん』は、傷心の主人公に掛かる言葉だと予想しておりましたが、むしろ彼は救う側でした。主人公は『黒船』であり、鎖国中だった女性の心をこじ開け、再び本国に戻っていったという結末です。もちろん異文化交流は双方に刺激を与えるものですから、少なからず主人公の内面にも変化があった訳で、「数字は裏切らない」が口癖の彼から「数字にこだわっていたら誰も救われない」という言葉が引き出されています。矛盾する概念ではありませんし、多角的な視点を持つ事は有益に違いなく、今後銀行員として一皮剥けることが期待されます。人間的にも成長したことでしょう。多分。 ミュージカルとファンタジーの親和性の良さは『オズの魔法使い』で証明されているとおりであり、唐突な歌唱パートに違和感は無いものの、主人公の内面語りがセットとなっている部分が少々鬱陶しいかもしれません。というより、主人公のキャラクターが『都会から来たいけ好かない奴』から終始変化が無いため『感動』や『感慨』に繋がりません。素材となるドラマの薄さを、ミュージカル調で濃く味付けしたという印象を受けます。 (ここから先は赤寄りのモノノフとしての感想です)最後に百田夏菜子さんについて。週末ヒロインから映画単独ヒロインへ。黒髪の乙女の着物姿を拝見できただけでファンとしては得しかなく、さらに映画を通じてピアノスキル習得の機会をいただき、生駒吉乃としてソロ曲まで頂戴し、大変実りの多いお仕事でありました。心より感謝申し上げます。アイドルとは、歌って踊ってバラエティも演技もできるトータルファイター。本隊にはあと3人逸材がおりますので、どうぞ引き続きご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
[DVD(邦画)] 7点(2021-11-03 21:52:25)
616.  約束のネバーランド 《ネタバレ》 
原作未読。TVアニメシリーズ鑑賞済み。浜辺美波さんがエマ役とお聞きした時点で『駄作決定』感がありました。キャスティングの都合で要となる子どもたちの年齢を変えるなんて(11歳→15歳)、原作を尊重していない証拠ですから。更にメインキャスト3人の見た目にも違和感あり。エマやノーマンに対してレイが明らかに幼いのです。せめて配役のバランスくらいとりましょうよ。鑑賞前の期待値はかなり低いものでした。それが功を奏した(?)のか、思ったよりも悪くなくて。いや、クライマックスに至ってはアニメ以上の感動がありました。 本作で描かれるアニメ第1シリーズは、所謂『脱獄もの』です。監視の目を盗み、如何にして孤児院から脱出するか。年端もいかぬ子どもたちが、勇気と知恵を振り絞り決死の脱出を試みます。ところが子どもたちの年齢を4歳も上げたことで、相対的にミッションの難易度が下がりました。サスペンスとして年齢変更は百害あって一利なしです。しかし主役を『少年少女』から『青年』に替えた事で、物語に別の視点が生まれました。『脱獄』から『巣立ち』へ。クライマックスでイザベラとエマの間で交わされた会話。崖を飛ぶというシチュエーション。これら全てが『親元からの旅立ち』を意味しました。親の願い、子の気持ち。両者の想いが相容れぬのは、2人が人間だからです。この時、イザベラとエマは『飼育監と食幼児』ではなく『母と娘』であったと考えます。 『巣立ち』要素は、原作(アニメ)でも存在したのかもしれませんが、年齢変更によりクローズアップされたのは間違いないでしょう。だから年齢変更を良しとする気はありませんが、サスペンス上の失点を逆手にとって、青春ドラマに活かした手腕はお見事だったと思います。冒頭に述べたキャスティングバランスの不具合についても、3人の中でレイが一番精神的に幼かった事を示すためとすれば納得です(これは好意的解釈が過ぎるかもしれません)。いずれにしても、漫画アニメの実写化で求められるのは『原作の再現度』ではありません。コスプレ大会など御免ですし、そもそも漫画やアニメのファンで実写化を望む人なんて居ないのですから。それでも実写化するのであれば、実写にする『価値』や『意味』が欲しいところ。そこで重要なのは原作に対する『理解力』であります。その観点から『脱獄』を『巣立ち』と解釈した判断はアリだと思います。「本当はここ(崖)を超えていける子を育てたかったんじゃないの?」「違うわよ」「ママも世界を変えたいんでしょう」「違う」「本当はママも大人になった私たちを見たいんでしょう」「違う!」イザベラとエマの心情は生身の人間が演じるからこそ伝わってくるものでした。本作は実写化の『成功例』ではないまでも『正解例』の一つとして良い気がします。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-10-26 18:48:52)
617.  バッド・バディ!私とカレの暗殺デート 《ネタバレ》 
土台となる物語の様式は「身分違いの恋愛」です。『ローマの休日』や『ノッティングヒルの恋人』に同じ。好き同士。されど相手は別世界の人。このラブストーリーの結末は「諦めて別れる」か「どちらかが住む世界を変えて結ばれる」の二択。現実世界では前者が多い気がしますが、映画ではハッピーエンドが好まれるので後者のパターンを結構見かけます。本作もその一例。今回のケースは、殺し屋がカタギになるか、カタギが殺し屋になるか。一見カタギになる方が好ましいように思えますが、実はそちらの方が厄介です。殺し屋は殺しが仕事。しかし足を洗った瞬間から「仕事」は「罪」に変わります。勿論効力は遡り。贖罪は不可能なので、人生の門出に重い十字架を背負う羽目になるでしょう。しかし、カタギが殺し屋になる場合は違います。主人公はぶっ飛んでおり、躊躇なく人を殺せました。オマケに殺しの才能まである。まさにお似合いのカップルです。当人が良ければ問題ありません(ただし身内なら死んでも止めますけど)。これは観客の心情にも沿うもので、『ルパン三世の泥棒を咎める者はいない』理論が、殺し屋にも適用されると考えます。このあたりの気配りはさらに丁寧で、男は金さえもらえれば誰でも殺す非情な男ではなく、殺しを止めたいと思っている善人設定でした(だから依頼人は殺してもいいという理屈は謎ですが苦笑)。主役2人とも好感度が高く、ブラックラブコメとして優秀な一作だと思います。
[インターネット(吹替)] 7点(2021-10-05 21:16:33)
618.  引っ越し大名! 《ネタバレ》 
史実に照らして「エピソードの妥当性」を検証する知識は持ち合わせていませんし、娯楽時代劇にそんな野暮は不要でしょう。ですから、時代劇の体裁を借りた「現代サラリーマン人情話」と捉えて感想を述べます。 今回の「本社移転計画」の本質は、「人員整理」&「コストカット」でした。会社を存続させるには避けて通れぬ重要課題。そんな一大プロジェクトを任されたのが主人公です。彼の役職は「資料室長」で、本来ならこんな重責を任される立場ではありません。彼の役目は「スケープゴート(生贄の羊)」でありました。不平不満・恨み辛みの引き受け先。責任をとって腹を切ってくれれば、その後の作業がやり易くなる目論見です。酷い話ですが、手柄を立てるより、ミスをしないのがサラリーマンの処世術。貧乏くじを引かされるのはいつも弱い立場の人間です。ただ、幸いな事に彼には協力者がいました。「引っ越し虎の巻」の提供、金策の下準備、そして精神的サポート。実に多くの人々の助力により、大事業は成し遂げられました。それは、彼の善良な人間性が生んだ奇跡であったと考えます。同僚が一時解雇を受け入れてくれたのも、商人が大金を融通してくれたのも、主人公の頼みだったからこそ。事務遂行や指揮命令力だけが「仕事の力」にあらず。「あの人の頼みなら聞いてやるか」も立派な技能の一つであり、往々にして「努力して獲得する」のではなく「最初から身についているもの」だったりします。 当初、主体性や積極性に欠けるように見えた主人公ですが、次第に見事なリーダーシップを発揮しました。これは「ポジション(役職)が人を創る」典型的なパターンかと。ただし今回は極めて稀なケースと知るべきでしょう。少し背伸びが必要な仕事を与えるのが、人を育てるコツ。背伸びどころか、ジャンプしても届かないような大仕事を与えても、普通は潰れるのがオチです。幹部もそれが分っていたから主人公を「スケープゴート」扱いした訳です。彼の基礎能力の高さ(とりわけ人柄の良さ)と、豊富な社内人材の活躍により「瓢箪から駒」が生まれました。実際「マツダイラナオノリ株式会社」(ドラッグストアみたい!)社員の団結力は目を見張るものがありました。これも社長の人徳のうちでしょう。社長の失策により会社は傾きかけましたが、会社を持ち直させたのも社長の力と考えます。 前述したように、本作は時代劇の体裁を借りた現代サラリーマン話。終盤の「チャンバラ」は特典です。ただ、このオマケが悪くない仕上がりでした。毎度おなじみ大名行列に付き物の大槍が、実戦で活用されるシーンを拝めて得した気分。オマケって、こうじゃなくちゃね。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-09-24 18:54:29)(良:1票)
619.  とんかつDJアゲ太郎 《ネタバレ》 
立志→小成功→挫折→葛藤→特訓→勝利。これは青春スポコン映画の黄金パターン。本作のような非スポーツ系にもこの絶対無敵の方程式があてはまります。ただし、特訓が派手で分かりやすいスポーツ競技に対し、文化系の訓練は見た目に地味です。さらに芸術系となると、技能向上をどう表現したらよいのやら。では、クラブDJの場合はどうでしょう。私の認識では、ツマミをいじって、レコードをキュキュキュキュやって、フロアを盛り上げるのがDJの仕事(本当は何をしているのか知りません)。もちろん楽曲知識や操作テクは必要でしょうが、一般的な技能習得法など見当もつきません。主人公が弟子入り志願をしたオイリーさんは、当初「そんなもん独学だ」と一蹴し、子弟関係を結んだ後も「フロアの客を具体的にイメージしろ」程度のアドバイスのみ。結局は「経験」と「センス」がモノを言う世界と思われます。これを前述した方程式の「特訓」に落とし込むと、「指たて伏せをする」「洋楽を24時間聴きまくる」「小箱100件武者修行」のような表現になるかと。分り易い。でも汗臭い。そして重苦しい。クラブDJのイメージとはかけ離れてしまいます。そこで本作では、「とんかつ屋」の下積みをそのままDJ修行に置き換え、軽やかに仕上げました。とんかつを揚げるのも、フロアの客をアゲるのも同じという理屈。もちろん詭弁です。しかし的外れでもありません。両者に共通するのは「お客さんの笑顔がみたい」。果たしてとんかつDJは、とんかつ屋修行で身に付けたスキルを武器に、フロアの観客に最高のグルーヴを巻き起こしました(調子乗って使ったけど、グルーヴってなんだ?)。オチもまた良し。アゲ太郎よ、DJである前にとんかつ屋たれ。まずは本業で一人前になること。そのとんかつ道はDJにも続いているに違いありません。 最初に『とんかつDJアゲ太郎』なるパワーフレーズを耳にしたのは、伊集院光の深夜ラジオだったと記憶しています。氏のフェイバリットフレーズ『岡村孝子のうどんの歌』と同じ悪ふざけかと思いきや、本当に漫画が存在するとは。さらに映画化と聞いて驚いたものです。しかも実際観てみるとキワモノではなく、正統派の青春映画で2度びっくり。タイトルで先入観をもってはいけませんね。それにしても、とんかつ美味しそうでした。本作鑑賞後、馴染みのとんかつ屋に走ったのは言うまでもありません。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-09-16 22:20:23)
620.  人狼ゲーム デスゲームの運営人 《ネタバレ》 
本作は、桜庭みなみ、土屋太鳳ら新進気鋭の若手俳優の熱演と、巧みな脚本で人気の劇場作品『人狼ゲーム』シリーズ最新作。今回は初めて男性が主役であり、プレイヤーではなく運営側にスポットを当てた異色作です。偶然プレイヤーの中にかつての教え子を見つけた主人公が、彼女を助けようと奔走するお話。当初は運営なんだから難なく助けられるのでは?と考えましたが、そう単純でもないようで。ゲームはWEB配信されており衆人環視。仮にそんなのお構いなしに救出しても、口封じされては意味が無いと。なるほど。逆に言えば、ゲームを規定通りクリアさえすれば、約束どおり報酬が支払われ開放されるということ。正直眉唾ですが、少なくとも運営末端レベルの認識はそうなのでしょう。で、彼女を生き残らせるための作戦が、本ゲームの裏で極秘に進行します。他のプレイヤーからしてみれば『とんでもない話』ですが、何となく流せてしまうのは、この程度の『出来レース』や『依怙贔屓』は現実社会で日常茶飯事だからです。残念ながら。また、主人公が見返りなく破滅のリスクを背負った点も、彼を許せる要因となっています。2人は血縁でもなければ、恋人友人でもありません。一時の家庭教師と生徒など、他人と変わりません。赤の他人の為に彼は命を懸けました。だから嘘臭いとか偽善だとは思いません。中村倫也主演の『人数の町』、昨今のコロナ感染予防に対する姿勢、あるいは某メンタリストの発言にしてもそうですが、人は顔が見えないとただの数字に変わります。いくらでも鈍感になれるもの。でも本当は一人ひとりに人生があり、決して軽んじられものではないはずです。顔見知り程度だとしても、主人公の中で眠らせていた『想像力』と『倫理観』を呼び起こすのに十分な刺激だったのだと思います。 さて、物語は意外な結末を迎えますが、ヒント・伏線の類はきちんと提示されており、注意深く観察していれば主人公より早く『真相』に辿り着く事も可能だったと思われます。サスペンスとして上質な証。ただし、冷静になればなるほど、プレイヤーの人選や事前準備等に疑問が湧くのも事実。そんな設定上の粗を有耶無耶にしてしまうのが『早仕舞い』でした。真相を明かしてから終幕まであっという間。整合性をとるだけでなく、観客を煙に巻くのもテクニックのうち。今回も脚本は良い仕事をしていたと思います。 深夜ラジオのネタコーナーなど、レギュレーションを守らないぶっ飛んだネタのウケは良いですが、同時にコーナー終焉が近いことも意味します。今回の変則仕立ては、その事を強く意識させるものでした。
[DVD(邦画)] 7点(2021-08-31 19:35:11)(良:2票)
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