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 > Yuki2Invy さん
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プロフィール
コメント数 1648
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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601.  ヒッチャー(1985) 《ネタバレ》 
一見は「在りがちな(無くはない)」サイコ・スリラー系にも見えるのですが、中々どーしてある種の複雑さ・奇想天外を孕むとゆーか、とにかくルトガー・ハウアーが神出鬼没すぎる+状況が主人公側に不条理に展開しすぎる、という2つの「ご都合主義」の所為で結局よくあるスリラーには決してなっていないと感じられるのですね。とは言え全体的には、スリラー・アクション・そして「ホラー」の要素をコンパクトながらバランス好く兼ね備えた良質な娯楽作だとは思えます。特に、思ったよりも派手なアクション、そしてそれ以上に(前述どおり)ご都合主義的に超越的なハウアー演じるサイコが(ハウアー自身のやや常人離れした系統のルックスも相まって)醸し出す「もはや人外」な雰囲気てェのが少なからずも~「ホラー」として立派に結実している部分とゆーのは、この手のジャンル作品としてもかなりユニークな見ドコロだと言って好いかと思うのですね。  しかし、個人的にはどーにも…ご都合主義も「敵が強すぎる」とゆーのはまだ許せるのですが、却って「味方がバカすぎる」とゆーのはド~にもコ~にもやり切れないとゆーか(私がホラーとして不可欠なモノだと思ってる)主人公への感情移入を阻んでしまう様に感じられるのですよね。今作でも、見る限り主人公がのっけから悉く対応を間違えてドツボにハマってゆくの自体は(ソレで苦しむのが自分自身である内は)二百歩譲って好しとしましょーよ。でも、ナッシュの件だけは正直ワタシ許せないのです。大した意味も無く彼女を連れ回した挙句、ハウアーが明らかに彼らを狙っている状況は不変なのにま~た致命的な油断をし、結果…とゆーね。正直オーラスとかだって、お前なんか恰好付けてる隙にハウアーにブチ殺されてしまえ!と思ってたのに、その期待すら叶わず……つくづく、終始不愉快極まりない「極上の」ホラーだったな…とココまで来ると「感心」すらしますですよ。  以上、個人的な事情も非常に大きいのですが、全編まるでカタルシスを感じられなかったコトを加味して評点は低めに倒しておきます。無念。。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-04-23 02:44:39)
602.  フィラデルフィア 《ネタバレ》 
時期的にも、該当する社会問題に対する意識の向上に大いに貢献した、という(社会的意義の方の大きい)作品かと思う。その面の描き方はごく真摯で抑制的で、多くの人が受け容れ易い・共感し易いだろう(ごく穏当で)適切なものだったとも感じられる。  物語としては多くの場面を法廷シーンが占めているのだが、そこでの遣り取りにしても多分に前述の側面に関わる啓蒙的な「効果」の方を重視している…とも感じられる。ただし、その意味からすると一点、他方で少し映画としての抑揚は欠いている…というきらいも無くはないのですよね。特に、現在の視点からすればこの裁判はも~勝つのが当たり前(否、当時としても映画としてこの流れで敗訴!は在り得ないか)であって、ソコも含めて諸々とただ淡々と為る様に為ってゆく…というお話にも見える、その点においては、純粋に趣味・興味としての目的に供する映画としては多少物足りなさも残る…のかも知れない。もう一つだけ、敵方となる法律事務所側の裁判の進め方にも少なからず疑問が残るとゆーか、彼らが為すべきはひたすらに「解雇理由がアンディの能力に在ったコトの証明」であって、彼がゲイでソレを隠していた→だから信用ならない人物だ、という一種の人格否定は、そんなん負けて当然じゃね?とも思うのですね(どー考えても悪手だろ、と)。流石に、その部分の法的判断基準は当時だろうが現在だろうが変わらないと思っても居るのだケド(陪審制だとそーでもない…のでしょーかね?)  重ねて、映画としての社会的価値の部分について1点加点して、この評価といたします。トム・ハンクスとデンゼル・ワシントンも手堅い仕事でしたし、静のハンクスと(やや)動のワシントン、という補完性もグッドでした。
[DVD(字幕)] 7点(2022-04-23 02:12:01)(良:1票)
603.  砕け散るところを見せてあげる 《ネタバレ》 
いや~中々に風変わりとゆーか、諸々と一見は個々の要素の取り合わせが整合性を欠きまくっている…とでも言いますでしょーか。お話の方も(オープニングから本編開始!辺りからしてそーですが)言うなればかなり「分かり難い」とゆーか非常に唐突にも思える展開が最後まで続いてゆきますし、とりあえず(そーは言っても)お話的にはごく極めてシリアスなヤツ…ぽい一方で、登場人物のキャラや言動・言葉遣いには多分に滑稽さや可笑しみ(=やや「厨二」的な質感)が感じられたり、それに主役2人は年頃の男のコ女のコで如何にも青春!て感じに(最初から)見えてはいるのですケド、彼らの互いに対する感情の正体だってコレも最終盤までまるでハッキリしない儘進んでゆくのですし…私自身も、そーいった諸々がようやく(自分の中で)繋がり始めたのは相当に後半深くになってからでしたし、率直なトコロ、コレが繋がらないまま終わってしまった…てな人も少なからず居るだろう、と思うのですね。  ただ、先ほど少し「厨二」な…と書きましたが、確かに格好好いモノを格好好く・あるいは美しい愛を美しく「分かり易く」描くという映画ではないにしろ、描きたいソレ自体は実はごく非常に恰好の好い・美しい・そしてオーソドックスで共感の容易なモノである…とは確実にそー思われたのですよ。ソレを非常に独特でやや「破天荒」とも言える手法で描こうとした、というチャレンジングな作品にも見えましたし、個人的には前述どおりソコら辺とて(最後まで観れば)十分に腹落ちはしたのですよね。ユニークさも含めて、私は非常に好きな映画です。とは言え、序盤~中盤の居心地の悪さと、その後終盤までのワケの分からなさは、重ねて「人を選ぶ」だろう作品だ、とも思われますが。   ※ちょっと原作を読んでからレビュー書いた方が好いヤツだな…とも思ったのですが、それだといつになるか分からないのでとりあえず書きました。そのうち、書き直すことになると思います。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-04-23 01:39:37)
604.  Ribbon 《ネタバレ》 
予告編の感じは結構重そう?な映画だったし、ド初っ端もワリかしシリアスな雰囲気…なのですケド、そこから1時間弱はコロナの自粛で暇してる美大生のんちゃんのぐーたら日常コメディが続いてゆく、そのコト自体にはやや意表を突かれたと言っても好いかなあ、と。あと、このコメディ時間帯ってのはコメディの中でもちょっと相当におバカ系寄りとゆーか、特に主人公とその家族(とりわけ父・母)はかなりエキセントリックなキャラ揃いで、結論的には後半がやっぱしかなりシリアスでマジメな展開になってゆく作品としては少しだけ雰囲気はアンマッチかも…とも思いましたかね。もう一つ、コレも少しだけですが脚本が稚拙な部分も在るっちゃあ在る…とゆーか、例えば特に母親の振舞い(いくらナンでもあーゆーのを捨てねーだろ)とか、中盤の内定取消しの唐突な電話(コレもあんなのはもう流石に非常識だろ)とか、率直にチョイ不自然かな…と思う箇所も無くはなかったのですよね。  でも、個人的には今作、正直メチャクチャ気に入りました。やはり描きたいモノがしっかり在るって映画はイイですね!(だから前述のとおりに垣間見える若さ・拙さとかだってむしろ逆に好い様に作用してる…とすら思えましたよ)コロナ禍で人々が受けた傷と、そこからの再生…確かに、それは誰しもに(基本的には)平等に訪れたモノかとも思いますが、そこにも多少の濃淡とゆーか、やはり年齢で言えば若い学生のかた・職業で言えばアートやエンターテインメント業界のかたの方がより困難に直面されたものかとも思います。ある種、誰しもが感情移入できるだろうテーマなのも確かでしょうし、中でその主人公に仮託された思いとゆーのはソレこそ「皆辛いんだ…と思うが故に言えなかった叫び」なのだとゆーのもまた痛いホドに理解できるのですよね。中盤以降はとても共感度の高い映画だったと思いましたし、それをごく明るく爽やか・かつアートでオシャレなラストで締めくくったのも(それこそまだまだ"ままならない"状況が続く中では)ごく適切で嬉しい終い方だったと思います。初監督で主演・脚本も務め上げ、こんな素晴らしい作品を完成させたのんちゃん(+スタッフの方々)には最大の賛辞を!(→1点プラスしておきます)   ※追記:本作は「初・劇場長編作品」で、初監督は『おちをつけなんせ(2019)』なのですね(配信もの)。勘違いしました→そのうち観ます。
[映画館(邦画)] 8点(2022-04-19 22:16:38)
605.  女子高生に殺されたい 《ネタバレ》 
能動的な「殺したい」はまだともかく、やはり受動的に「殺されたい」てのは多分おそらく「愛されたい」すらより極めて高度に困難ですよね(その行為がまるで「一般的」なモノでない以上は)。しかも、今作の「オートアサシノフィリア」とかゆう御仁てのは、それこそ「誰」に殺されたいだとか殺す「方法」だとかにも選り好みがあって、かつその殺人行為自体も「完全犯罪」でなければならんのじゃ!てな具合に注文がエラく多いので、尚更こりゃ~無理っぽいな…とも(最初は)思ってたのですよ。ところが、多少は無茶や無理筋(+ファンタジックや偶然の要素)も含まれるものの、こーいうごく突拍子も無いエキセントリックな企てとしては思いのほか「筋道」はチャンとしてるのでして、結果まずまず上手くいきそうな感じに(かつ実際にもごく着実に)下拵えを済ませてゆくのですよね。一見はふざけたタイトルからシュールコメディかなんかだと思って観に行ったのですが、中々どーして精密に組み立てられたまま上質なサスペンスでした。映画としての展開運びも、前半がその「標的が誰なのか」と「どうやって殺させるのか」というトリック部分のタネ明かし、そして後半が本番当日の顛末、とゆーことでどちらもかなり面白くワクワクと観てゆくコトが出来ました。率直に、意外なホドに面白かったです(+大衆的でありながら実に奇抜なアイデアの有る非常にユニークな作品だ、ともやはり思いますし)。   ※以下、シンプルに思いっ切りネタバレしてますのでご注意ください。   なので映画全体としては全然フツーに楽しかったよ…というコトなのですが、一点だけ、コレだけ綿密に事を運んでいながら、肝心なメインのミッションはまたエラ~くアッサリと失敗したな…とゆーのが正直なトコロでもあるのですよね。クライマックスの展開自体は特に河合優実ちゃんの頑張りが素晴らしくて(てか優実ちゃんはルックス・演技もろもろ今作では非常に好かったと思いますね)そこからの全体的な締め方を含めても決して嫌いな方ではないのですが、重ねて肝心の部分がちょっと呆気無い…という感じでもあって。  とは言え、観終わっての感じも前述どおり確実に好かった方の作品だったとは思ってます。実はコレ、映画版の方が原作よりも少しボリューミーでキャラも追加されてるらしいのですが、それら追加キャラの効果もキチっと出せてるし無駄やダブつきも無かったですし、そして個々の演技も総じてどれも悪くなかったと思いますし(お蔭でカワイイ女の子が沢山出て来るのでその意味でも楽しいですし、言うまでも無く主演・田中圭の「密やかな変態性」という部分のクオリティもそこそこ悪くなかったと思いますし)。たぶん、原作も読むと思います(実は、既に買っちゃいました)。
[映画館(邦画)] 7点(2022-04-19 22:12:16)(良:1票)
606.  女子高生ゾンビ 《ネタバレ》 
高部あいって、結構可愛かったよな~と思って観てみたのですが…  高部あいはゾンビハンター、狂言回しとしてのフツーの女子高生を梶原麻莉子、そして緒沢あかりが敵方のキーキャラ(実質ラスボス)を演じており、この3人は女子高生ルックで登場する+ゾンビ化した女子高生てのもチョコチョコ登場する(→一部は体操服ブルマで)。作中の敵は前述どおり確かにゾンビだが中でホストと呼ばれるボス的なヤツが居り(緒沢あかりがコレで、実は高部あいも…という)雑魚のゾンビを使役しているという意味ではややヴァンパイア系ぽい話でもある。総じて、極端にレベルの低い超・C級というワケでもなく、主演の女子高生3人はそこそこ可愛くもあるし、アクションも(チャチだが)全く全然観るに堪えないっちゅうモンでもない。3人以外では小沢和義が頼れる味方のオッサンを演じており、彼の演技もそんなに悪くはなかったと思う(兄貴も出てたらしいが、気付かなかった…)。  ただ、かと言って好かった(=ココは!という好い点が在った)とかいうワケでもなく、まず高部あいは正直思ったよりは可愛くなかったし(好みの問題だが、それでも今作のクール系な役ってのが、彼女の場合ただ仏頂面に見えてしまう…という程度の演技力だったのも確かかと)女子高生のゾンビてのもやっぱまるで可愛げが無いし(血みどろで目ェ剝いて「ヴオオオオオオォォォォオ!!」て来られりゃそりゃあ…)何よりこの手合いでまるでエロシーンが無えってのも…(格闘中とかにパンチラチャンスくらいは幾らでも在っただろ!と)もう一点だけ、他はまだともかく音楽・録音が今作は妙に稚拙ですね(各所で声・音・SEの重ね方がスゴく適当でまるで雰囲気が出ないし、録音では単純にセリフ拾い切れてないシーンも散見されたりして)。ゆーてまあ、駄作・凡作なのは確実かと(事情が在るならイザ知らず、カネ出してまで観るモンでもないかな…と)。
[DVD(邦画)] 3点(2022-04-19 19:02:16)
607.  人妻集団暴行致死事件 《ネタバレ》 
同監督の『女教師』からまずは古尾谷雅人、他にもチョコチョコと引き続きの出演者も居り、内容的にもかなり近いモノがあるとゆーか(だから)一種の続編と言っても好いかと思う。前半、だいぶ尺を取ってその若者たちの不毛な生き様を丹念に描いてゆくことで、彼らが(確かにチンピラに近い様な不良ではあれ)別にそこまで「悪人」て人物ではないコトを印象付け、ソレと後半の「凶行」を対比させることである種の社会的なやるせなさ・やり切れなさ(不条理)を描き出すコトが主眼という、まま高度な社会性を擁するロマンポルノだとは感じるのだね。  とは言え、コレは少なからず現在と当時との意識の差とゆーか、彼らは確かに悪人とまでは言えないかも知れないけれど、特にその「女性観」とゆーのには個人的にはも~許容できない様な自分勝手さ・ぞんざいさ(=コレはも~今時なら女性蔑視と言って好い様な)もまた見て取れるのだね。その意味では、あくまで私は(最後まで観ても)残念ながら彼らには共感・感情移入は出来なかったし、だから(室田日出男が非業の死を遂げる中ですら)どこか暢気に終わってゆくラストにはかなり高度に違和感すらが在ったのですよ。結論的には、私は今作はあまりポジティブな感情を持って観終わることは出来なかったですね。  一点、肝心の人妻(室田日出男の嫁さん)役の黒沢のり子という女優さんは、室田日出男と同レベルで今作には非常にハマっていましたね。少し蒙昧でおどおどとして、かつ別に高度に美人というワケでもないのだけどどこか妙に色気が在るとゆーか、色々と非常にとにかく「生々しい」のですよ。その意味では、彼女の濡れ場なんかだって(ポルノ的にも)ある意味「オツな」クオリティを備えていた、とも感じますですね。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-04-19 02:20:48)
608.  若草の頃 《ネタバレ》 
マーヴィン・ルロイ版『若草物語』は1949年製作ですが、同年末には日本でも公開されたとのコトなのです。翻って本作、製作こそ先立つことの1944年ですが日本公開は1951年になってからで、なのでタイトルがこの感じなのはそれ故に…とゆーコトなのでしょう。確かに、ミュージカルと一般映画という大きな違いこそあれ、両作は登場人物の構成などもかなり似通っていますし、何よりも作品が描こうとするモノにこそ大いに共通する部分が見て取れます。すなわち、両作はどちらも「家族の愛」や「人と人との繋がりに生じる喜び」といったごく普遍的な価値観を温かくノスタルジックに描いてゆこう…という作品だとは確実に言えるかと思うのですね。  本作は『若草物語』に比べれば(ミュージカルらしく)ドラマ部分はごくハートフルで然程シリアスに振れるコトはありません、が、ただ明るくコミカル…というワケでは決してなくてシットリやホッコリ、或いはジーンとするシーンも在って、ごく楽しい作品であると同時により深い見応えとゆーのも決して『若草物語』に勝るとも劣らないモノかと思います。その本作の中で、ジュディ・ガーランドは正に彼女の生涯ベストアクトと言っても好いレベルの(諸々の)パフォーマンスを披露していますが、その内で演技にもごくバリエーションが豊富で、彼女の様々な人間性の側面を感じ取れるという意味ではまず非常にお得感とゆーのもありますね。他の役者も、実に可愛らしい末の妹も然ることながら家族の面々も総じて優れた出来で(ダンスパーティのダンディな爺ちゃんなんて最高でしたすね)、重ねてドラマ的なクオリティも十分な作品だと思われるのです。  その上で、本作はミュージカル映画としても立派に名作と言って好いクオリティを有しています。ダンスは(ホントの)ダンスパーティシーンが主ですが実に華やかで素敵ですし、そんなコトよりも何より歌(曲)がも~ド級の名曲揃いです。中盤の『The Trolley Song』も完全に名曲!というヤツで大いに好みだったのですが、更にラストの『Have Yourself a Merry Little Christmas』もコレはも~20世紀屈指の名曲!てな感じで、この曲のシーンだけの為にでも本作を観る価値が在ったと率直に感じましたね。重ね重ね、最高(全盛期)と言って好いガーランドの出来も含めて非常に完成度の高いファミリー・ミュージカル・ドラマ映画でありました。必見かと思いますね。
[インターネット(字幕)] 9点(2022-04-19 02:18:48)
609.  明け方の若者たち 《ネタバレ》 
二人とも大学(大学院)卒業してスグに就職したばっかですし、生活も健康的、かつ結構「意識高い」系な感じでもあるのですよね(でも意識「だけ」高い…て風に見えなくもない)。ただ、例えばソコでの二人での遊び方なんかはエラく無邪気であどけないとゆーか、諸々含めてもとにかくなんか「若いな~」つーか、もはや私も多少のジェネレーションギャップとゆーか(少なくとも恋愛映画としては)もう同じ目線では観れないかな…というごく残念なナニモノか、もワリと結構最初からしっかり感じ取れてはいたのですね(てか結局、単に私が老いたダケ)。  ところが本作、その上に実は軽い「叙述トリック」の類でして、この部分は率直に嫌いな人は嫌い~大嫌い(とゆーか「許せない」)というヤツだと思いますので、結論、率直に評価はバラつく方の作品だ、とは思われます。あとは諸々の要素(役者への好悪、音楽性、少しずつでも若者が成長してゆく…という物語性、他)の好み次第…てな感じとしか言えねーですかね。あくまで個人的には、やや好みからは外れたヤツでしたが。  ※とは言ったものの、ね~~~「少しは、好きで居てくれた?」「ごめんね」「本当に、ちゃんと好きだったよ」…て、そーいうコト訊いてんじゃねーよ!つーかさ。正直なハナシ、ワリと結構とんでもねータマだったな…とは思わざるを得なかった、てな感じすね。。。 ※あと、若者の恋愛映画だからソレ自体は別に全然悪くないのですケド、全体のごくライトな感じに比しても性描写が意外なまでにワリと結構しっかり在る…とゆーか、特に中盤の旅行夜のシーンとかはそのカメラ構図とかもなんか相当に生々しいモノだったりして、ソコら辺(個人的には)全体の雰囲気とはやや不整合かとも思いましたね(殊に主演の二人の元来の雰囲気とも合ってなかったかなぁ、と)。 ※もう一つ、コレも北村くんはそーいうお芝居が本領だとは思うのですケド、やっぱワリと結構「ドライ」ぽくも見えるとゆーか、だから終盤でふと打ち明けるホドに実は彼女に入れ込んでいた…とゆーのが序盤・中盤の様子からはあまり伝わって来なかったのですね。ソコはもう少し分かり易くして欲しかったかな…てのも思ってしまうトコロではあります。  ひとつ、随所で挿入されるポップ音楽の感じは確かに好かったと思います。キリンジの『エイリアンズ』は実は初めて聴きましたが素直に好い曲だと思いましたし、その場面にも(その時点の見かけとしても、そして歌詞を深く読み解くと最終的には更に)好く合っていたと思いますね。結局、世界と二人との間に在るのと同じ様に、二人の間にも「越えられぬ壁」が在った…という孤独さを描いたお話かと思いますので。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-04-19 02:11:36)
610.  英雄の証明(2021) 《ネタバレ》 
監督作は『別離』と『誰もがそれを知っている』の二作しか観ていないと思いますが、ごくごく陰鬱でシリアスなお話をカタルシスも無いまま最後まで運び切る…という従前からの作風として今作もまたその通りだと言えますし、それがまた中東社会の中に描かれるという一種のエキゾチックさ(+でありながらのお話としての普遍性)といったトコロもまた仍て件の如し、という感じでもあります。この監督大好きなのよ!という人ならば、も~必見だよ!という感じでもありますかね。  やはり、特に宣伝文句にもある様に今般のSNS化社会の在り方を問う…といった部分が(全世界普遍的な社会的テーマなコトもあって)かなり面白く観れましたですね。メディアやSNSで「バズった」結果、チヤホヤと持て囃されたり小金稼ぎになったり…とゆーのは昨今、テクノロジー or プラットフォームのお蔭もあって本当にごく簡単なコトになった…てのはソラそーだ!と思うのですが、誤解を恐れずに敢えて言えば、多くのソレは只の「人間性の切り売り」になってもーてねーか?と思うコトがあるのですよ。言い換えると、ソレってスキル・芸や実績・経験値といった確たる裏付けの無いナニかを商品化しているという意味ではある種の「虚業」だとすら思いますし、特に表現者と言われる範疇の方々にとってはソレは非常に「危うい」コトだ、とも思うのですね。そして、どちらかとゆーと私にとっては、それこそSNS化でそーいう「商品化」の方が容易にもなった一方で、その商品が「偽物か否かの判別」とゆーのもある種、我々一般市民にとっては容易になったのではないか…とも思われるのです。なので、それこそ私自身は今作においても決して主人公側に強く感情移入して観ていたワケでもなくて(そもそも、彼が踏み倒してた1.5億トマンてイラン界隈では相当な大金だとも思いますし)ワリと結構冷めた眼で観ていた…と言っても好いのですよね(結論的には、私には今のSNS社会はその悪しき面と同じくらいに、良き面の方だって当然にまた見えている…様な気もしている、と)。  重ねての個人的結論、もし人間性を売って食ってきたいなら、とりあえずまずは「ホンモノ」を売りなさいね、というコトですかね。今どき、ソコの誤魔化しはも~ほぼ効かないぜ…というコトかな、と。
[映画館(字幕)] 7点(2022-04-19 01:34:40)
611.  検察側の罪人 《ネタバレ》 
うーん…仕事において「優先順位」って、結構ナニよりも大事だったりしますよね……  そこかしこまで行き届いてシャレオツな画づくりだとか、役者の演技にしても(主演2人も含めて)決して悪くはなかったとも思うのです。ただ如何せん、本筋のサスペンスとしてのお話の内容がまずは薄っぺら過ぎます。特に、中盤以降で最上が犯した2件の殺人はあまりに短絡的とゆーか、少なくとも「してやられた!」とか「鮮やか!」とかいうサスペンス的な醍醐味には全く為り得ないバカっぽさでしたよね。正直、これは起承転結でいったら「転」のエピソードですよ(=つまり、この感情移入が難しいホドに馬鹿げた犯行を主人公が見事に暴く結末こそを我々鑑賞者は希うのであって、ソレに答えるのがサスペンス映画の務めではないか、と)。  そしてこの通り後半は内容の酷さも然ることながら、また駆け足&テキトー&無駄っぷりもとにかくま~酷いのですよね(=正直、残り30分くらいまでにはもう2点は付けても好いかと思ってたのですが)。取りも直さずソレは、まず前半でキムタクが如何にカッコ好いかを描くことに注力し過ぎて結果「起承」まで話が進むのに1時間以上掛かっているコト、そしてコレもとにかく登場人物が(本当に無駄に)多すぎるというコト。ラスト付近は「寄り道」のエピソードもマジで要らないモンばっかでしたね~キムタクの「誕生日」の話とか、ニノと吉高由里子のセックスだとか、あと議員の葬式あたりは完全にブラック・コメディですし…(重ねて、他にやるべきコトが幾らでも在っただろと)…こんなコトは言いたくないのですケド、所謂「ダメな(大作)邦画」の見本の様な作品にも思えましたかね(見てくれがちょっと「ゴージャス」なダケ、という)。  今一度言わせて貰うなら、主演2人についても演技自体は別に悪くなかったと思います。キムタクは単独でも大いに客を呼べる役者なのですから、ゆーて彼のカッコ好さをメインディッシュに映画を撮るってのはコンセプトとしては決して間違いではない…とも思ったりね。でも、それにしたって後半は(前述どおり)彼とてカッコ悪過ぎ・アホ過ぎで、逆によくこんなダサい男をキムタクが演り切ってくれたな…とすら思うレベルでして。二宮クンは、中盤で一発ブチ切れる(+前述どおり吉高由里子とセックスする)以外は、実は特にナニもやってなかった…とも思いましたが、まァ~やっぱ(ダブル主演の片割れの)彼すらもそーいう「ぞんざいな」扱いだってのが、本作のバランスの悪さの証左…とも思えますですね。。  正直、近年の邦画では(個人的には)コレもワーストクラスですね。
[インターネット(邦画)] 3点(2022-04-16 23:26:58)
612.  世の中にたえて桜のなかりせば 《ネタバレ》 
確かに、桜を眺めると年月の移り変わりを実感するとゆーか、人生における時の流れを再認識しますよね。それはソレが、春という「はじまり」の訪れを告げるモノであるが故か、或いはその儚さ故か、いずれにせよコレも確かに、来年もまた変わらずにこの桜を見れるだろうか…と自らの人生を振り返るきっかけになる、とゆーのはまま有るコトか、とも。  テーマは「終活」。とゆーか今作は、必ずしも人生の晩期に差し掛かった人のみならず、人がふとその人生の「振り返り」をしてみる、という幾つかのエピソードで構成された作品であります。映画自体やシナリオの質感・或いはそのコンパクトさも含めて、どちらかとゆーと(映画より)TVドラマに近い様なごく親しみ易い・分かり易いという作品だったかとも思いますが、それはおそらく本作がメインターゲットとするだろうかなり熟年の視聴者を意識するのならばまま適切なコトだとも思えるし、一方でシンプルな内容・演出はそーではない比較的若い視聴者にとっても、きっと物事の本質的な部分のクオリティとして伝わるだろうモノであったかとも思うのですね。率直に、真摯でとても好い・善い映画だと感じました。  主演の岩本蓮加ちゃんは非常に整ったルックスの美人さんですし、演技自体は発展途上という感じでしたがとても堂々としていて今後が大いに期待されます(ただ、同じ乃木坂の白石麻衣さんに結構瓜二つレベルでソックリだとも思いましたケド)。宝田明さんは、もはや「素」といった感じでこの映画に自分の思いを込められていた…かの様に私には見えました。でも今作でも背筋もシャン!とされていて全くご壮健に見えていたので、重ね重ね残念です。映画を追っかけていると色々と人の噂も耳に入るものですが、どこに行っても好い評判しか聞かない人でした(正に紳士だと)。そう考えると、この映画は宝田氏の人生や人間性のひとつの結実だったのではないか、とは確実に思われるトコロであるのですね。
[映画館(邦画)] 7点(2022-04-16 23:02:14)
613.  悲しみは空の彼方に 《ネタバレ》 
うーん、ドラマですね~確かに、主要キャラにしても実にオーソドックスな為人とゆーか、かつソレだって段々と描き出されてゆくとゆーよりはいきなりバン!と出揃ってお話が始まってく…という感じですし、そこからの展開運びもその中での実際の各々の演技も実に「古風」なヤツではあるのですね。ま~流石にキョウビ流行らねーだろーな…という内容ではありますですね。  しかし、古典的とゆーのはある種普遍的だと言っても好いモノか、ともね。かつ、今作では各俳優の演技の質もそれぞれ中々に十分、となると尚更そーいう「時代を超える」価値を見出せる部分も在るものかと思います。かくいう私も、何箇所かまんまと泣かされてしまいました。偶に観る分には全然面白く観れてしまうごくベタベタなヤツ、かと思います。甘めのこの評価で。  メロドラマですから主題歌はワリかし重要かとも思いますが、コレも実に古風ですが『Imitation of Life』はけっこう好い曲でした。『偽り』の人生…否、一見はそう見える人生において、ひとつ確かな真実を描き出した映画なのかな、とも思います。それを胸に抱いて生きてゆこう…というごく実直な邦題なのか、とも(実はまま適切な、優れたタイトリングかとも思いました)。
[DVD(字幕)] 7点(2022-04-16 01:10:24)
614.  アス 《ネタバレ》 
社会風刺的な側面も容易に汲み取れるものの、お話としては正直大したモンではないと思うし(全体的に整合性もやや微妙)何よりちょっと「古臭い」のだよね(昔の『世にも奇妙な』とかで如何にもやってそーなお話…とゆーか)。だとすると、このテンポの重さ+尺の長さはちょっと「無駄に」という感じがまずはしてしまうのですよ。それに、ジェイソンが自身のドッペルゲンガーと対峙するシーンとあとオーラスには多少は仕掛け(トリック)が在ったかとも思うのだけど、シナリオの他の部分は相当にシンプルなスリラー的展開に留まってもいる…とも思ってしまうのですね。結論的には選択肢は2つ、もう少しだけお話にアイデア(=ヒネり)を効かせるか、それが無理なら出来の悪くないショック描写を活かしてよりシンプルに90分で駆け抜けた方が好かった…のではないかと思いましたね。  ただ一点、肝心のドッペルゲンガー達は中々高度に異常性を醸していてその雰囲気自体、つまりはソレを表現する役者の演技は全然悪くなかった(むしろ見応えが大いに在った)とも思うのですよ。特に女性陣、ルピタ・ニョンゴとエリザベス・モスはどちらも非常に好かったと思いますね。ソコに1点加点して、この評価とさせて頂きますです。
[DVD(字幕)] 6点(2022-04-12 22:53:14)
615.  TITANE/チタン 《ネタバレ》 
非常に評価の難しい映画です。少なくとも、私が本サイトでお世話になり始めてから観たものの中では一番評点を迷った作品というコトになりますですね。逆に、皆さんにも是非観ていただきたい映画…かも知れませんです。   「事故で頭にチタンプレート埋め込まれた所為でパッパラパーに為り果てた女(上級)サイコパスの話」+「車とセックスしてメタリックなベイビーを産み落とす話」+「行方不明の息子に成り済まして病んだ父親と歪んだ愛を紡ぐ話」と、それぞれがソレだけで立派に一本ホラー映画撮れるであろう&(この時点で)も~ごくグロテスクだっていうテーマをなんと3つ!も放り込み、更に近年のフレンチ・ホラー一流のエロ・グロ・ヴァイオレンスもコレでもか!と流し込んでグツグツ煮込んだ(煮詰めた)本作は、もはや完全なるカオスそのものというデンジャラス闇鍋状態と化しています。始末の悪いコトに、物語上でもこれらの要素は特に整合性や辻褄を合わせるという工夫をも~放棄したかの様にコレまたごった混ぜ状態のまま話が進んでゆくので、本質的にストーリーとゆーのがまるで必然性を持って繋がってゆかないのですよね。率直に、ココまでやりたい放題で、かつ「取り繕う」「媚びる」ってコトをしないという作品はあまり今までに観たコトがねーのですわ(まあ、こーいうのが寛容に許されるとゆーのがフランス映画の懐の深さだとも思うのですケド)。ソコにはまずとにかく「ユニークさ」とゆーのは確実に見て取れるかと。  でも一方で、そーいう尖りまくった各要素を諸々と整えずに尖ったまま見せつけてくる…とゆーコトの連続がまずは特大の衝撃度と、そしてバランスを一切無視したコトに依る極限的・逆説的な一種の「調和」をもたらしている…という様にも(強いて言うなら)見えなくはないと思われるのです。映画全体の隅々までが行き届いてそーだった…とは言い切れないとも思いますが、概ね全体としては(意外なまでに)好く「融合」していたのではないか…とも(個人的には)感じるのですよ。細かいコトを抜きにして映画にただ「浸る」という見方をするなら全然悪くない作品だとも思いますね。それにまた、ショック描写のクオリティ自体もごく手堅くハイレベルでかつスタイリッシュであったとは言えますですし。  しかしながら、悩みに悩み果てた末に評点は低めに付けました。理由はまず、結局その「衝撃度」が一番高かったのはドコかと言えば、女サイコパスが狂気の衝動を全開に大殺戮をはたらく序盤がそーなのであって、それ以降は若干お話としては落ち着いてしまったという少し尻窄みな構成を擁するコト。また同様に、コレは監督の前作『RAW』も似た様なモノだったと思いますが、今作もそのクライマックス(オーラス)とゆーのが(ココとてまだまだ大いにグロテスク、かつこの部分の演出自体も決して悪くもないものの)「この流れだったらまぁそーなるよな…」というちょっと平凡にも見えるオチであるコト。そしてもう一つ、作中における「人間の在り方」という点に着目すれば、ヒトの有様として目立っているのはも~突出して(ヴァンサン・ランドンがその渾身の演技でもって描き出す)「哀れな父親の報われぬ愛の切なさ」なのであって、それ自体はコレもやはりごく在り来りなモノではあるし、そしてコレだけが目立っているという意味ではココはハッキリとバランスが「悪い」という事実(=結局、女サイコの方の人間性に関してナニ?ナゼ?とかが総じてまるで分からない・描かれない…というコトでもあるのですよね)。  結論、そこら辺にやはり少し「内容的な弱さ」を感じたコトを重視して、この評価と致しましたのです。まあ、ジャンルは所詮ホラーなのですからもしかすると少しアンフェアな評価…というコトになるのかも知れないですケドね。ただ重ねて、私には本作は決して単なるホラー映画には最初から見えていなかった(=そーだと言い張るには洒落込み過ぎている)てコトだとも思うのですよ。ホラ、意識が高「すぎる」ラーメン屋とかに間違って入っちゃった……みたいなコトか、と。
[映画館(字幕)] 5点(2022-04-11 01:56:56)
616.  アンチャーテッド 《ネタバレ》 
ゲーム原作とのコトですがソッチはやったこと無いです。映画としては、あまりお話に中身があるタイプのアクションでもなくて基本的にはアクションシーンをただ眺めてゆくというシンプルな娯楽作ですかね。んでアクションの中身としては、序盤~中盤は謎解き系でややチマチマした感じですが、終盤はそこそこ派手(とゆーか如何にもゲーム的な…という感じのチョイ荒唐無稽な質感)でユニークさ・面白みはある程度備わっているかと。全体としてその分量も悪くはないので、まずまず手堅い方の作品かと思いました。  他に好かったと思われる点は、まずはシンプルに役者のクオリティ。トムホ君は相変わらず爽やかでしたし、何よりやっぱアクションに「精一杯頑張ってる」感が出てくるのが好いですね(ごく素直に応援してゆけるとゆーか)。彼もまたナチュラルにコミカルな雰囲気を纏っている俳優さんかなあ~とも感じるのですが、相方のマーク・ウォールバーグも今作では常にどこか素っ惚けているとゆーか、彼ら2人のおかげで作品全体がごく微笑ましい(可笑しみの在る)悪くない雰囲気に仕上がっていたとも思われます。悪役では、まずアントニオ・バンデラスは個人的には今作でも好みの雰囲気だったのですが(ネタバレすると)チョイ無駄遣いでソコは少しだけ無念です。でも一方で、ラスボスのタティ・ガブリエルさんは(初見でしたが)ごくユニークなルックス+存在感も中々で率直に素晴らしかったと思いますね(今後に期待ですかね)。
[映画館(字幕)] 7点(2022-04-11 01:45:13)
617.  キネマの神様 《ネタバレ》 
うーん…全くピンと来ない………いずれ再見するかも知れませんが、自分でもこれはちょっと残念です。。  やはりジェネレーションギャップとしか言えないのかも知れませんが、正直ジュリーという人に対する確固たるイメージが私の中には無いのですよ(『太陽を盗んだ男』とか、他は歌の方の『勝手にしやがれ』くらいしか知らんモンで)。そーすると、ついこないだの例の騒動のコトもありますし、今作でも見た目なんかもワリと険のある感じで…とか、あとは何より作中でも終始一貫してほぼ完全なダメ人間(もはや「クズ」の域)だし…となると、どーにも主役に好感が持てなくて結果お話にもまるで入ってゆけなかったのですよね。確かに、コレがもっと大いに茶目っ気のある志村さんだったらだいぶ違ってただろうなァ…とは(個人的には)も~思わざるを得ないトコロでありましたし…でもゆーて、年回りや知名度(或いはタレントとしての「格」)はともかく、やっぱりそもそも随分とキャラが違うという2人に(私には)思われたのですよね(だからそもそもコレは「ミスキャスト」なのではないか、と)。まあ、2人にはプライベートな親交もあったとのコトらしいですし、その上で志村さんの代役を引き受けるという勇敢な人もおそらく他に居なかった…という事情があってのコトなのでしょーケドも。  でも重ねて、シナリオだってな~んか好く分からんですよコレ。どーもボヤっとしてるとゆーか、そもそも過去のパートでゴウが映画監督を諦める理由からしてよー分かりませんし、作品世界にコロナ禍の状況を持ち込む理由もソレこそ「何となく」にしか見えませんし、んでゴウが最後に脚本の賞を取ったコトにだって一体どーいう意味があったのですか?(このコトで彼は人生に少しでも「本質的に」前向きになれたのでしょーか?=名誉だの100万円だのを得るコトなんかよりソッチの方がもはや彼の人生においては余程重要なコトなのではないのでしょーか?)。そして私が絶対的に手落ちだと思うのが、彼の奥さん(淑子さん)のお話には全く何のカタも付いてない…というコトですね(正直、ココだけはも~ちょっとワタシ的には許容範囲の外ですね)。  ひとつだけ、コレは好かったと思うのは実は北川景子です。映画全盛期の「往年の大女優」の若い頃を演じさせるのなら、確かに彼女が今の日本で一番ハマるのではないか…とすら思えましたですね。どだい「普遍的」てナンだろう?とも思ったりしますが、その昔の女優さんの美人な感じってのは今よりも諸々と「普遍的」なモノだったなあ…とは、私も確実にそー思うトコロではあるのでして…
[ブルーレイ(邦画)] 4点(2022-04-09 12:57:42)(良:2票)
618.  ハンナだけど、生きていく! 《ネタバレ》 
マンブルコア作品の中でも重要作に位置づけられる本作、とゆーのも、この作品には所謂マンブルコアの特徴とゆーのが凡そ全部(かつごく分かり易く)入っている…という様にも思います。ソレこそ即興的で口語的な台詞回し、ほぼ動きを伴わない座り込んでの会話による構成、手ブレ全開のハンディカム(+加えて接写の多用)、そして内容が在るんだか無いんだか分からない様な取り留めの無い展開運び…他にも、例えばグレタ・ガーウィグに着目すればメイクとかだってもう通常の映画では見られない様なお手軽さだし、そもそも如何にもカネ持ってなさそーな感じとかも含めた彼女のキャラ自体だって高度に映画的ではない自然さ・リアルさを大いに纏っている…と確実に感じられます。コレも多分、知らずにいきなり観たらドキュメンタリだと思ったりだってするでしょう。  ただ、ソレってやっぱ根本的にはどーなのかな?と思わなくもないのですよね。劇映画で、脚本も(通常とは違うモノだろうとは言え)用意されている以上、どんなに「つくりもの」感を排除したトコロで結局はつくりものである(=つくりものであるのは確実に見透かされる)コトからは免れない…のであって。今作の様なレベルでそーいうコトをやるのであれば、そもそもどーにかしてドキュメンタリを撮ればイイんじゃね?とだって(少しだけ)思ったりもするのです。  そーするとやはり(また話にも内容があんまり無い以上)見ドコロは俳優のユニークで即興的・瞬間的な演技の仕事、というコトになってくるのかも…とは思いましたかね(ソレは必ずしも話の内容とも深くは関連していなくて…つーか)。その意味では、今作でもグレタ・ガーウィグ自体は十分に魅力(とゆーよりは観て損は無い…というレベルの奥ゆかしいモノ)を醸し出せていたかとは思うのです。決して全く見映えがしないという女優さんでもないかとは思いますが、前述どおりにごく自然な(=不必要にキラキラした感じを消し去った)キャラとして人物像をつくり込みつつ、垣間見せる「人間ぽさ」にもまた十二分に面白みがあったとも思うのですね。如何にインディーズとは言え、ある程度はそーいったクオリティを備える演技が出来て、かつその自然体なキャラを元々備えた俳優さんを起用できないと、中々好い「マンブルコア」にもならないな~というよーな気はしましたです(重ねて、だから尚更に本作にはグレタ由来の確かな価値があるのではないかな、と)。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-04-09 03:02:29)
619.  ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 《ネタバレ》 
なんつーか、少しだけ『ナバロンの要塞』ぽい話だな~と思いつつ観ていましたが、かの名作とは違って今作の作戦チームとゆーのは完全に「寄せ集め」で、否、作戦遂行に必要なスキルの分析→ソレに対応する適材の配置、という工程をすっ飛ばして正に今居る「有り合わせ」のメンバーで構成した…という感じなのですよね。私が身を置く業界では、コレはまさしく失敗プロジェクトの典型的事例に他なりませんですよ。ソコにはも~少なからず胃が痛くなるモノを覚えましたね(まあ、だからこそ「スーサイド」スクワッドなのでしょーケドも)。  しかし、その雑さはそのまま投入した主力部隊の力量に対する自信の表れなのでしょう。結局のトコロ、とにかくポルカドットマン&ラットキャッチャーはちょっと強すぎますて(『ダイの大冒険』のメドローア持ち&ジョジョ4部のハーヴェスト、てな感じでドッチも作中ほぼ最強ですし)。ココに基礎能力が高くて技が多彩でかつ手綱をガチっと握れているブラッドスポート、あとは物理的なタイマンならまず負けそうにないナナウエでも添えておくのなら、まあ確かに大抵のコトはどーにでもなりそうですよね。ただしその意味では(映画として)まずハーレイ・クインは(結果的には要所要所で美味しく目立っては居るものの)当初は捨て駒の囮部隊に配置されていたコトからも分かる様に今作では決して「主役級」でもなかったと思います。もう一つ、一番のコンセプトである「悪いヒーロー」映画という観点からも、今作の連中とゆーのは悪人とゆーよりは単におバカ(ないしは多少、生い立ちや性格や精神面に「問題」を抱えている)という方に近くて、結局はより悪辣な奴らに利用されてるだけ…という風にも見えたのですね。個人的にはソコに少しの違和感も在りました(=普通のヒーロー映画と大差無くないか?と)。  とは言え、そーいうキャラ設定もまたラストの爽やかな展開には上手く繋がってゆくモノに思えましたし、お話には大して内容が無いながらもアクションやお得意のグロシーンは質・量ともに十二分で、重ねてソレでいて終い方もごく爽やかなのは娯楽作としては大成功だったのではないかと思います。監督としては鑑賞者の好みが割れる方の人かと思いますが、今作は私も(今までの作品以上に)大いに楽しめました。一つだけ、コレを2時間に押さえ込めてたらもう1点高くしたな…とは思いますが、とりあえず良作だと言って全然好いでしょう。単なる暇潰しにはも~最高かと。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-04-08 01:50:24)(良:2票)
620.  猫は逃げた 《ネタバレ》 
今作でも、繊細なキャラ設定+展開運びのもたらす妙味は際立ってました。共同脚本とのコトですが、特に肝心な箇所のアイデアについてドッチがドコなのかは少し気になってるトコロですね。「物分りの好い大人な(大人ぶった)女」という本妻と、「自分を慕ってくれる少し年下な(年下感を出してくる)女」という職場の後輩、てのは中々に好対照ではありますし、正に一長一短在るものでしょうがソコは少し青く見える隣の芝…なのかもなあ、と。また、この2人の間でフラつき続ける肝心の男の方てのも、主体性とかプライドとかそれこそ「愛」とかゆーのが在るのか無いのか諸々ハッキリしなくて実に頼りない…てのがまま絶妙だったと思います。シンプルな様で、流石…と言いたくなるごくクオリティの高い仕事だと思いましたね。  個々のシーン(台詞)でも、も~唸らされたモノが幾つか。気持ちが「冷めた」その瞬間に口に含んだコーヒーの方が「温かった」とか、オーラスの痴話喧嘩バトルロイヤルでの「泥棒猫の猫泥棒」とか。もう一つ、中盤の食卓でのシーン、奥さんの方が少しだけ口を滑らせて、旦那も敏く感じ取って、次の瞬間から会話の間合いが(本当にホンの少しだけ)乱れてゆく様子の絶妙さ、とか。監督お得意の恋愛会話劇(+コレも多分にコメディ入り)ではありますが、中でもかなり高度なモノが色々と今作でも見て取れた…かなあ、と。十二分に良作すね。
[映画館(邦画)] 7点(2022-04-07 23:21:41)
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