621. シベールの日曜日
《ネタバレ》 インドシナ戦争で現地の少女を殺してしまったかもしれないピエールと父親に捨てられたシベールが出会い、それぞれ失ってしまったものを補おうとするかのように親密になっていく様は仲の良い本当の親子のようで微笑ましくもありましたが、当然ながら世間の目はそこにある純粋さなど気付くことなどないんですよね・・・。非常に切ない物語なのですが、この破滅的な美しさには不思議と惹かれていきますね。パトリシア・ゴッジの演技の素晴らしさも印象的でした。 [ビデオ(字幕)] 8点(2009-06-26 00:29:58) |
622. 下落合焼とりムービー
《ネタバレ》 所ジョージやアルフィーの坂崎幸之助、タモリといった芸能界の大御所たちの若かりし時代の姿を記録した貴重なフィルムではあります。 しかしながら、映画全編で繰り広げられるナンセンスな世界がどうも気持ち悪くて好きになれませんでした。なんなんだろう、下品なんだけどどこか上から目線なところがどうも合わないんですよね。 [DVD(邦画)] 2点(2009-06-23 18:41:46) |
623. マッドマックス
《ネタバレ》 妙にリアルで生々しくて、爽快感というよりは不快感を感じてしまいました。何でこんなチープな作品がヒットしたのか、正直私には良くわかりません。 [ビデオ(字幕)] 3点(2009-06-19 19:00:44) |
624. 僕らのミライへ逆回転
《ネタバレ》 本当に映画って素晴らしいと思わせてくれる映画愛に満ち溢れた人情喜劇でした。映画好きならちょっと懐かしさを感じてしまう映画のパロディ(リメイク?)の数々に惹かれてしまうことは間違いないでしょう。 何というか、この作品とウディ・アレンの「カイロの紫のバラ」は映画ファンとしては心の中に大切にしまっておきたいです。双方に出てますけど、ミア・ファローの魅力は年を重ねても代わる事は無いですね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-06-17 19:11:07) |
625. Mr.ディーズ
《ネタバレ》 「オペラハット」のリメイクとしては全然駄目ですが、「オペラハット」の設定を使ったアダム・サンドラーのコメディ映画として見ればまあまあ楽しめる作品でした。 [地上波(吹替)] 6点(2009-06-16 19:31:59) |
626. OSS 117 私を愛したカフェオーレ
《ネタバレ》 ジャン・デュジャルダンのアホ丸出しの笑顔が非常に印象的なスパイコメディでした。正直、スパイ映画が好きでないと退屈かもしれないですね。まあ、くだらなさを楽しむ類の映画ですので、東京国際映画祭グランプリ受賞(笑)のことは頭から消して観たほうが良いでしょう。 消さずに観ると、何か腹立たしくなってくるので・・・・。 [DVD(吹替)] 5点(2009-06-13 19:04:12) |
627. まなざしの長さをはかって
《ネタバレ》 何というか、恋愛・移民問題・サスペンス等いろいろな要素が詰まっている割には、非常にあっさりした作りになっていて観易いんですけど後に残る物は少なかったですね。ちょっと散漫な印象を受けました。 ただ、のどかなイタリアの田舎町の生活風景なんかは見ていて面白かったです。 [DVD(字幕)] 6点(2009-06-11 18:40:11) |
628. エターナル・サンシャイン
《ネタバレ》 見終わった後、人間関係のあり方や人生について考えさせられる映画でしたね。 どんなに捨てたい思い出であっても、今の自分を形作っている必要不可欠な要素の一つなんですよね(たとえ捨てることが出来たとしてもその部分を補う要素は無いのですから、欠落したまま人生を生きていかなければならない)。 それと、人間関係に於いて他人はどこまで行っても他人でしかない事を受け入れること、そして「水に流す」ことの大切さを改めて教えられた気がします。 人間の記憶という、時間も状況も自由自在に描く事ができる設定を上手く生かした演出も良かったと思います。ただ、もう少しシンプルに出来たかも・・・・・ [DVD(吹替)] 7点(2009-06-10 19:07:20) |
629. ペッピーノの百歩
《ネタバレ》 地域社会に深く根付いてしまっているマフィア組織に立ち向かっていくことでさえ非常に勇気がいるものなのに、そのマフィアの身内のような家庭に育ちながらもその存在に疑問を持ち反マフィア運動へ足を踏み入れたペッピーノの正義感には感服しました。そして、みんな誰かが声を上げることを待っているなかで、その「誰か」になろうとする意思の強さは見習いたいものです。(まあ、世話になった義理は大事にしなければならないとは思いますけれども)。 一方で、「殉教者」が出てはじめて人々が動き出すシーンからは、マフィア問題の根深さが見て取れましたね。 [DVD(字幕)] 8点(2009-06-07 22:03:19) |
630. TOKYO!
《ネタバレ》 まあ、東京というのは世界から見て良くも悪くも個性が無くて逆に不思議な都市なんだろうなというのが見てとれましたね。そのためか、3作品とも非常にシュールな作品に仕上がっています(まあ、そういう狙いで監督を選考したんでしょうけど)。 1本目は、日本の低予算自主制作映画みたいなノリに違和感を感じましたけど、終盤のシュールな展開はなかなか面白かったですね。この監督の作品は見たことないんですけど、ちょっとDVDを借りてみようと思いました。 2本目のカラックスの作品ですが、まあタイトル通りの内容で、なかなか挑発的でパンクな作品でしたね。しかし、いきなり五反田の街が映し出されてすごい看板のビルが出てきて笑ってしまいました(怪人は五反田から銀座までどうやって移動したんですかね?)。ただ、3作品の中で一番東京らしい風景を映し出している作品ではありました。 3本目については、「蒼井優の目力」これに尽きます。 すごい傑作というわけでは無いですが、まあそれなりに楽しめる作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2009-06-06 18:13:35) |
631. ポンヌフの恋人
《ネタバレ》 絶望と疎外感の中で生きている男女のラブストーリーが、レオス・カラックスの独創的で素晴らしい映像感覚で表現されていて見応えのある作品でした。 あの花火と水上スキーのシーンは、幻想的で華やかな美しさが奇跡的に映像として結実していて、まさに映画史に残る名シーンであると断言できますね。 [ビデオ(字幕)] 8点(2009-06-06 16:53:17) |
632. ママ男
《ネタバレ》 全てにおいて「微妙」な映画。でも、それが妙に心地良いんですよね。 出てくる人物がみんな「微妙」ですし、設定やストーリー展開も「微妙」ですし、使われている音楽もジャムにモリッシーと個人的には大好きですけどなんとも「微妙」ですし、オチも「微妙」と本当に「微妙」だらけです。でも、本当に楽しい時間を過ごす事が出来ました。そんな映画です。 [DVD(字幕)] 7点(2009-06-04 08:58:14)(笑:1票) |
633. ミスター・ベースボール
《ネタバレ》 まあ、コメディ映画に誇張は付き物なんで日本の野球や社会の描写についてはツッコミを入れながら楽しむのがこの映画の正しい観方ではないでしょうか。高倉健の人情味のある鉄拳監督役も中々よかったです。 何といっても、この映画はプロ野球が国民的娯楽の王様であった時代の思い出を甦らせてくれる作品でもあります。ゴールデンタイムには当たり前のようにプロ野球中継が流れ、視聴率もとっていた時代。当然メジャーに行く日本人などおらず、プロ野球こそがまさに国内の最高峰の選手たちが集う舞台であった時代。この映画で映されるナゴヤ球場の熱気は作り物ではありますが、今の球場に漂う空気とは異なる「熱狂」をリアルに作り出しています。当時、各地の野球場に通ってた野球マニアであった者としては非常に懐かしく感じます(まあ、パリーグに関しては今の方が全然いいですけど)。 当時は隔絶していた日米野球界もかなり交流が深まり、すっかり日本野球もメジャーに取り込まれてしまいましたね。そういう意味では、この映画は現在の野球界の流れを読んでいたということになりますね。その代わり、日本プロ野球はメジャーのマイナーリーグ化しつつありますが・・・・・。 [地上波(字幕)] 8点(2009-05-30 22:23:34) |
634. 動くな、死ね、甦れ!
《ネタバレ》 第2次世界大戦直後のスターリン独裁政権下、日本にも近い極東シベリアの町の出来事をまるでロベルト・ロッセリーニのネオリアリズモ映画を思い起こさせるような手法で描いていて、何というか、1989年の映画ではありますが、当時の映像そのものを見ているような錯覚に陥りましたね(良く言えばリアル、悪く言えば古臭いです)。ただ、音の使い方については非常に巧さを感じました。 日本人捕虜の姿や、よさこい節や炭鉱節も出てくるのも非常に興味深かったです。 [ビデオ(字幕)] 8点(2009-05-28 16:29:19) |
635. BOY A
《ネタバレ》 非常に難しい問題を描いた作品ですね。日本でも未成年者の凶悪犯罪の取り扱いは大きな問題になっているので興味深く観ることができました。 観終わった後、いろいろ考えましたが未だに結論は出せずにいます。この映画だけを見れば、主人公に赦しを与え新しい人生を送れるよう周囲も協力すべきだとは思います。ただし、もう被害者は戻ってくる事は無く、その関係者そして社会に与えたダメージの大きさを考えれば、今後同様の事件の発生を防止するためにも、見せしめとして犯した罪を生涯背負わせていくことも必要なことなのかもしれないとも思います。本当に難しい・・・・・。中々「罪を憎んでその人を憎まず」なんて言えないものですね。 [DVD(字幕)] 8点(2009-05-27 17:10:38) |
636. アバウト・ア・“サッカー”・ボーイ
《ネタバレ》 これは、フットボールフリークであれば共感できるけれども、それ以外の人たちには到底理解されることの無いおとぎ話のような映画ですね。まあ、はっきり言って主人公の行動は最低ですからw 現実にこんなことしたら裁判沙汰になってしまいます。 試合自体の映像は全く出てきませんが、欧州選手権の熱い雰囲気は凄く伝わって来ました。フットボール文化の魅力に取り付かれている方には是非お勧めしたい作品です(それ以外の方にはちょっと・・・・・)。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-26 18:58:15) |
637. 風の痛み
《ネタバレ》 非常に詩的で美しい雰囲気に包まれてはいますが、内容は中上健次の「路地」の物語を東欧移民社会に置き換えたようなドロドロとしたものになっています。 主人公は、厭世的でストーカー気質で鬱屈した感情を溜め込んでいるちょっと近寄りがたい人間ですし、展開も正直心底ハッピーなものでは無いのですが、映像の美しさとストーリーの面白さに不思議と惹かれる映画でした。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-25 19:43:51) |
638. 戦場でワルツを
《ネタバレ》 非常に衝撃的な作品でした。アニメーションが内容のショッキングな部分をやわらげてくれはするものの、現実に登場人物たちが体験したことであるという事実にはやはり恐怖を感じてしまいました。 当事者の目から戦争というものの姿をありのままに描いたこの作品は本当に多くの人に見てもらいたいですね。 音楽(OMD「Enola Gay」やPIL「This Is Not a Love Song 」そしてバッハ等)の使い方もよかったです。 [映画館(字幕)] 9点(2009-05-24 00:36:14) |
639. 東京兄妹
《ネタバレ》 20世紀末期の生活空間としての東京のリアルな姿がこの作品には残されています。東京出身者としては、華やかなオフィス街や繁華街ではない等身大の東京の映像を見ていると本当に落ち着きます(まあ、美しい音楽と映像で美化されている部分もあるとは思いますが)。 ストーリーも、その美しい東京の姿を引き出すような落ち着いた展開で悪くなかったです。ちょっと緒形直人が若年寄すぎるような気がしますが。 [ビデオ(邦画)] 7点(2009-05-20 17:02:41) |
640. 東京夜曲
《ネタバレ》 市川準が監督を務めたサントリーウィスキーCMのコピーに「恋は遠い日の花火ではない」というのはありましたが、まさにこの映画はその雰囲気を漂わせていますね(長塚京三も出てますし)。 とにかく、キャスティング良し、映像良し、音楽良しの見事な「市川準ワールド」が繰り広げられていて、心地よい時間を過ごすことができました。しかし、本当に街の風景や空気を撮るのが巧い監督ですね。 ただ、まだこの作品のストーリーを噛みしめるにはもう少し人生経験が必要かなと個人的には感じました。 [ビデオ(邦画)] 7点(2009-05-20 08:47:07) |