621. バッドランズ(1973)
《ネタバレ》 少年少女版の「俺たちに明日はない」といったところでしょうか。マーティン・シーンが25歳の役でシシー・スぺイセクは15歳の役。男は清掃作業員。女は学校では誰にも相手にされない。そんな明るい未来を見いだせない二人が人を殺しながら食いぶちをつないで旅をするロード・ムーヴィー。ロード・ムーヴィーというのは何かしら成長があるものですが、この二人には全くそれがないんですね。そこが退屈になっていくんです。女の子のモノローグが続くのですが、彼女の目線で、その退屈になっていく過程が上手く表現されていると思います。女の子は現実を何も知らない。オトコを知ったのも彼で殺人もなんとなく受け入れてしまうんです。なんとなくですから、なんとなく退屈になり、なんとなく、この男にも嫌気がさしてくるんです。しか~し!そんな映画見させられても全然面白くありませんでした。シシーの顔いっぱいのソバカスが妙に気になっただけの作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-05-31 03:10:15) |
622. アラバマ物語
今観賞しても「子供目線」から描いたというのは、とても斬新だと思います。 トム・ソーヤの冒険みたいなストーリー展開の中に上手く黒人差別をテーマにしたものを織り交ぜてあって、観客に痛感させます。 スカートが嫌いなボーイッシュな女の子、スカウトがとても可愛いですね。彼女の正直な部分が大人たちに痛いところをつつかせています。 後味悪くなる展開でしたが、救いも描いたのは成功につながった理由の一つではないでしょうか? 邦題のセンスが悪すぎます。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2013-05-28 12:26:05) |
623. ベルフラワー
なんだか「マッドマックス」の車を宣伝に使った失恋映画のようですが、車や火炎放射器などは本筋とは全く関係がなく、失恋にしても、幻想なのか、夢なのか、理解できないシーンが多く、感情移入できませんでした。期待していただけに観賞後の幻滅も大きいです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-05-28 07:42:13) |
624. シュガーマン 奇跡に愛された男
《ネタバレ》 2013年のアカデミー・長編ドキュメンタリー映画・受賞作品。冒頭の荒廃したデトロイトの街で流されるロドリゲスの歌は尖ったボブ・ディランって感じで凄く渋いんです。 「シュガーマン」の意味は麻薬密売人のことで、流される曲の内容は70年代の不況のデトロイトで仕事のない苦しみを切に歌ったものが多かったのが印象的でした。 どうして彼のアルバムが南アフリカの人たちに広まったのは全く分からない状態で、政府からは、ラジオでは放送禁止される中、口コミだけで広がったというのが驚きです。 ジャケットは長髪でサングラスの男があぐらをかいた姿だけなので、ミステリアスな雰囲気が漂い、、皆が歌詞の内容もわからず、想像だけで英雄視していたのは興味深かったです。 ネットが普及していなければ、彼の消息は突き止めることは出来なかったでしょう。 それでも、彼の存在はなかなか見つけられませんでした。 そしてついに、彼は、あのジャケットと同じ容姿で登場します! ドキュメントだけができる感動です! 見てやってください。ロドリゲスの姿を、声を。 彼は南アフリカの人たちの描いていた英雄そのもので登場した、その感動を是非味わってください。 彼の人柄が私たちの涙腺を崩壊してくれることでしょう。 彼が南アフリカへ行き、コンサートを開くシーンは必見です。 [映画館(字幕)] 10点(2013-05-25 20:08:50) |
625. イージー・ライダー
《ネタバレ》 アメリカンニューシネマの代表作。ぶっちゃけ他の映画と何が違うかっていうと、主人公が最後死んじゃうっていう、当時としては、異色だったものがブームになったということ。マネしちゃいけません。でも若いうちに一度は憧れる、こんな人生。「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」に代表される様々な楽曲は今でも古さを感じさせないパンチがある。初めて観たときのピーター・フォンダの恰好よさは今見ても変わらない。デニス・ホッパーは私の見た限り、唯一の長髪だったせいか、あまり印象に残らなかった。ラストシーンはヒッピー時代の終わりを表しているのだろうか?映画史に残る名シーンだと思います。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-05-25 19:40:24) |
626. 熊座の淡き星影
《ネタバレ》 如何にもヴィスコンティが取り上げたくなるようなテーマなんですが、シンプルな材料をじっくりと作り上げています。 個人的にはモノクロよりカラーで観たかったです。 クラウディア・カルディナーレはカラーで観たほうが絶対美しく映ります。 姉と弟の禁断の愛、それを受け入れてまで妻を待つ夫の心境。私はどうも感情移入できませんでした。 ラストシーン、弟の死を知らなくてもヒロインが涙を流していたのは、もう察知していたからなんでしょうね。 自分が言語で理解できればと思うほど、字幕スーパー、すなわち会話劇が長かったです。 きっと字幕だけでは理解できない部分が多かったのではないかと思います。 本のタイトルに関してもあれでは唐突すぎますからね。 でも面白い作品でした。 ヴィスコンティの中でも上位に入るかと思います。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-05-20 10:43:18) |
627. アンネの追憶
《ネタバレ》 原作はアンネの親友だったハネリの「もう一つのアンネの日記」からで、護送されたアンネと父とハネリのその後ということだが、内容は全体像としてドイツ人に迫害されたユダヤ人の人々の話で、アンネとハネリは収容所で再開するのですが、二人のメインストーリーはそれだけです。エンディングロールで「これは歴史的事実に基づいて想像されたもの」というだけあって、感動も希薄で、あまり残るものはありませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-05-20 07:38:38) |
628. ブロンソン
このモデル、イギリスで今も服役中とのことですが、正直主人公に何の魅力も感じないため、全く入り込むことができませんでした。 彼は何を目指していたのでしょう。何を望んでいたのでしょう。私にはさっぱりわかりません。 精神病棟で手のひらに脱糞するシーンで、私は口に入れていたものを吐いてしまいました。 のんびりした描写が多く、90分がとても長く感じました。 一体、30年刑務所にいて、何を食べていれば、あれだけの体を維持できるのでしょう。 ホリエモンも押尾学も激ヤセしてるみたいだし…。 もし、日本で一番有名な服役犯をモデルにした映画を作ったら誰が観るんだろうと首をかしげたくなりました。 観賞して、何も得たものはありません。 それから、大のチャールズ・ブロンソンファンの私は敢えて言いたい! 「お前、今すぐ、その名前、変えろ!」 [CS・衛星(字幕)] 2点(2013-05-16 00:32:08) |
629. トランジット
《ネタバレ》 頭を空っぽにして観てください。 強盗が検問を潜るために盗んだ現金を他の人の車に乗せて、乗せられた車の家族が巻き込まれるというシンプルなアクション映画です。 巻き込まれた家族の父親も仮釈放中というシチュエーションで二転三転、家族、犯人の立ち位置が変わるのが面白いです。 早トチリママとトンチンカン保安官にイラッと来ましたが、90分間十分娯楽させていただきました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-15 20:21:42) |
630. 殺しの烙印
中学生が書いた作文をシナリオにして高校生が手作りで仕上げたような映画。 役者は全員ダイコン。 これと比べるとロジャー・コーマンの映画がハリウッドに見える。 何も得るものはナシ。 監督がクビになった理由がわかる。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2013-05-15 20:07:52) |
631. 新・刑事コロンボ/かみさんよ、安らかに<TVM>
《ネタバレ》 新・刑事コロンボは本当にネタが尽きているようで観賞している方も飽き飽きしています。 何か斬新なアイデアを狙ったのはいいのですが、かつてコロンボが逮捕した犯人の奥さんが復讐のためにコロンボのかみさんを殺そうとする。 ただ、それだけのシーン、5分程度のために1時間35分のシナリオを無理やり作ったところに本作のボロが見えてしまっています。 正直、私にとって一番つまらないエピソードになってしまいました。 [CS・衛星(吹替)] 3点(2013-05-14 04:15:59) |
632. 汚れた心
《ネタバレ》 この映画では「国賊」という言葉が頻繁に登場してきますが、主人公は国賊と呼ばれる者、国賊と呼んでいた者、両方殺してしまいます。 汚れた心とはどんな心なんでしょう。主人公の葛藤は自分が日本国民であることを主張すればするほど膨れ上がってきます。 国賊であろうとなかろうと人を殺せば、心は汚れるものです。服を着替えて、体を洗っても落ちない汚れはあることを映画が物語ってくれています。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2013-05-11 06:32:23) |
633. 新・刑事コロンボ/恋におちたコロンボ<TVM>
《ネタバレ》 邦題の理由は当時ヒットした「恋におちたシェイクスピア」から来たと、私の所持している本に書かれてありました。 本作のシナリオはフォーク自身が書かれていて、マンネリ化した「新・刑事コロンボ」を脱し、昔のコロンボのオマージュがいくつか含まれています。 本作のゲスト、フェイ・ダナウェイはエミー賞を取ったそうです。 でも、声優さんがパッとしないせいか、言われてみないと誰かわからないのが残念です。 コロンボが恋に落ちたか別として、犯人の女性がコロンボに魅力を感じたことは本当で事件の解決の行方よりストーリーが膨らんでいます。 ちょっと意外な点は「コロンボ」というドラマは最初に人間関係の全てがわかってしまう点にあるのに、今回は、最後に共犯者について、エッ!ってわからせる点にあります。これは本作のハイライトだと思います。 ちょっとわからないのが、なぜコロンボが犯人の目星を掴んだ点です。ファースト・インプレッションです。 誰かわかる方、教えてください。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2013-05-09 06:49:00) |
634. トゥルー・グリット
《ネタバレ》 トゥルー・グリット=本物の勇者。いいタイトルですね。 久々に面白い本物の西部劇を堪能できました。 14歳の少女が魅力的ですね。 三つ編みで勇敢な姿が「大草原の小さな家」のローラみたいに思えました。 この少女が殺された父の敵を討ちに、飲んだくれの保安官とテキサスのローンレンジャーの凸凹コンビと旅をするわけですが、途中、ぷっと笑わせてくれるところや、残虐なシーンもあって、どんどん惹きこまれていくわけです。 お互いウマが合わない3人が一つになる過程は、それぞれが相手を大切に想う気持ちから近づいてきているのではないかと思います。 最後、蛇に噛まれた少女を必死になって医者の元へ運ぶ主人公は、まるで父親のようでした。 14歳で経験したことが、腕を失くすという一生消えない傷になってしまいましたが、25年経っても、二人の男に会いたいという願い、痛いほど伝わってきました。 エンディング・ロールで初めて、主演がジェフ・ブリッジスとマット・デイモンだと知りました。彼らは本物の役者ですね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-05-08 05:09:35)(良:1票) |
635. チョイス!
《ネタバレ》 下の方のレビューどおり、2008年にブッシュさんからオバマさんに大統領が変わっています。 観賞時、それを知らなかったから、たった1票が2人の候補者の運命を変えるアイデアだけが先行した映画だなと思いました。 まずはケヴィン・コスナー。つい先日「ボディ・ガード」を観たものだから、あの中年太りにはゲンナリでしたが、いい父親を演じていました。 子役もよかったです。 候補の一人になっていたデニス・ホッパーには合掌。 そこそこ笑えるシーンはありました。 酔っぱらった父親を車で運転して家に帰る10歳の娘。 日本の映画でも、あれくらいのシーン作ったっていいのに…。 しか~し!私は、はっきりネタバレします。 この映画は、最後の1票で、どちらが大統領になるのか、それがわからないところでエンディング・ロールが流れます。 完全不完全燃焼です。 だから観る必要なし! 観るな-! あ、言い忘れたことがあるんですけど「スタートレック・ディープスペースナイン」でキラ少佐を演じた美女、ナナ・ヴィジターさんが、デニス・ホッパーの奥さんというチョイ役で出演していました。懐かしかったです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-05-07 08:19:05)(笑:1票) |
636. 恐怖ノ黒電話
《ネタバレ》 ホラー映画については私は結構辛口レビューになってしまいますが、いやいや、邦題がダサいわりには面白かったですよ。 この監督は人は何を恐怖するのか、よくホラー映画を勉強していると思います。 私はホラー映画を観て怖いと思ったことはあまりないのですが、本作は恐怖というツボをよく押さえていると思います。 私自身、この映画を観て考えさせられました。 今、「死霊のはらわた」のリメイクが不評を買っているようですが、本当に怖いものって、ゾンビとか幽霊とかスプラッターではないと思うんです。 まず、ホラー映画は90分が限度。 本当の恐怖は現実にあって、怖いのは現実に存在する人間。(本作ではストーカー) 現実的な恐怖と非現実的な恐怖をシンクロさせると観ているほうは惹きこまれていく。 主人公は美人であること。 本作では、生足脚線美のキュートな女性でした。(例、エイリアンのシガニー・ウィーバー) 犯人は最後まで姿を見せないこと。 私なりに書き出してみたのですが、確かに突っ込みどころはあります。 でもホラー映画ですよ。このへんでいいじゃないですか? 面白い! [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-05-07 08:02:19)(良:2票) |
637. 新・刑事コロンボ/完全犯罪の誤算<TVM>
《ネタバレ》 「新・刑事コロンボ」の中では久々に退屈しないエピソードだったと思います。 パトリック・マクグーハンは二度目の犯人役ですね。 2か月前に1回目の放送があったので記憶に残っています。 完全犯罪というからには、ちゃんとしたものをやってくれるかと期待しましたが、拳銃の薬莢を分解するシーンなど、細かいところが多く、まさか犯行時に口にしたチーズと、なんだかワザとらしく噛んでいた犯人のチューインガムの歯型が決め手というのも、「だったら何だってアリじゃん?!」って思いました。 ピーター・フォークとマクグーハンが二人揃ってエミー賞を取ったらしいですが、確かに中盤までコロンボを屁とも思わない犯人の素早い行動は面白かったです。 でも、いつもの「ようござんすか?」というセリフ、3回も聞かされるとウンザリします。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2013-05-04 20:34:58) |
638. レッド・ステイト
何なんだ、これ?って感じ。 確かに先がわからない展開だが、私的には映画というものは、ある程度、シナリオにルールというものがあって、それに従わないとゴダールやウォーホールみたいになってしまうと思う。 ホラー映画かとばかり思っていたら、銃撃戦のほうがメインになって、もう主人公が誰がかわからない状態である。 こんなシナリオなら私だって2、3本作れるよ! 正直そんな映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-05-04 13:37:29) |
639. 11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち
《ネタバレ》 滅茶苦茶低予算と思えるシーンが多かったですが、まずキャスティングがいい。シナリオがいい。エンディングロールに流された膨大な量の参考資料。 当時の映像を交えながら、役者たちの熱意が映画を生き生きとさせる。 三島由紀夫を語る上で若い人にも理解できるように丁寧に仕上げた監督の力量に脱帽。 でも最後の5年後は必要だったか? それに加えて、エンディングロールで突然流れたダサい歌。あれにはガッカリ…。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2013-05-01 03:27:29) |
640. 映画 けいおん!
漫画もTVアニメも見ていませんが、WОWОWでレビューがよかったので観賞しました。 正直、私には何が面白いのか理解できませんでした。 キャラクターの顔は皆同じ顔に見えるし、声優も全てタラちゃん。 私は何かしら葛藤があって、それを乗り越えるような映画しか高く評価できないことがわかりました。 私のように80年代のアニメしか好まない人間にも面白いと言わせる作品を、誰か紹介してくださいな。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-05-01 00:33:46) |