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プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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641.  ゴースト・イン・ザ・シェル 《ネタバレ》 
そこはかとない敷居の高さを察知し、原作漫画もアニメ映画も未見です。最近本サイトで作品登録が必要なマイナー映画ばかり観ていたため、たまにはメジャーな映画も観ようと本作を選んだ次第。ド迫力ボディスーツの少佐がデザインされた劇場ポスターは承知しておりましたので、スカヨハの恵体(こんな熟語を書いたらダメだな)を拝めれば御の字くらいのつもりでしたが、なかなかどうして、面白いじゃないですか!未来の世界観の構築は見事ですし、『甲殻機動隊』の代名詞ともいえる『迷彩』表現も素晴らしいです。視覚効果で、ある程度の満足感を得られるのは大作SF映画の強みであります。タイトルでありテーマでもある『ゴースト(魂)とシェル(魂の器)』については、難解な哲学思想(きっとこれが敷居の正体なり)に踏み込まず、主人公のルーツ探で帰結しているため、私のような物知らずでも安心して楽しめる仕様でした。とはいえ、逆に言うなら浅瀬で遊んでいるようなもの。原作世界が持つ奥深さを味わうためには、原作漫画なりアニメ映画の鑑賞が必須なのでしょうが、本作が甲殻ワールドの入り口として機能している作品かどうかは分かりかねます。それにしても北野武は、自身が監督出演する映画以外では全く輝きませんね。魔訶不思議。
[インターネット(吹替)] 7点(2020-08-25 19:48:36)
642.  ババドック ~暗闇の魔物~ 《ネタバレ》 
客観的にはババドックなる化け物は存在しません。これが真実。しかし親子にはババドックの姿が見えていました。これは現実。真実に捕らわれ現実に目を瞑るのは危険な行為。母親はババドックを否定し続けたが故に彼に支配され、子を殺める寸前まで追い詰められました。我が身を守るため、愛する母を攻撃した息子は大したものです。瀕死の状況下で有効なのは、根治療法ではなく対症療法。それは現実の脅威から目を逸らさぬこと。果たして、親子はパパドックを飼いならす事に成功しました。ただし油断は禁物。いつまた奴が牙を剥くか分りません。幸運にも親子にはサポートしてくれる人たちが存在します。対症療法のつぎは、根治を目指すべきでしょう。オカルトの薄皮を被った極めて正当なサイコサスペンス。病んだ母親の表情が絶品でした。育児ノイローゼの恐ろしさを、分り易く表現した作品で、高校の教材にしてもいいくらいです。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-08-20 12:27:58)(良:1票)
643.  記憶にございません! 《ネタバレ》 
政界を扱った三谷幸喜作品と言えば、視聴率が振るわなかったTVドラマ『総理と呼ばないで』が思い出されます。三谷氏にとって鬼門とも言える題材への再挑戦は立派じゃないですか。とはいえ評価は是々非々ですけれども。さて、タイトルの元ネタと言えば、ご存じ『ロッキード事件』。以後、政治家の常套句として定着した言い逃れフレーズであります。また、首相のモデルはおしゃれ帽子がトレードマークのあの人でしょう。一応『架空の国』との注釈付きですが、現実からの引用が多々見られ、本来は風刺映画の体裁です。ところが皮肉批判は鳴りを潜め、総じて毒気は薄く、寓話としての色合いが濃い仕立てでありました。クライマックスは、首相と奥様の復縁話。もう政治と関係ありません。あくまで娯楽作品。過度な刺激は必要ないという事でしょう。ここからネタバレ。首相の記憶はいつ戻っていたのか問題。「あっ、ここで記憶が戻ったな」という演出は施されず、『実は記憶が戻っていた』という首相の告白のみで、漠然と処理されます。いつ記憶が戻ったのか、気になりますよね。でも、ここにメッセージが込められていると考えます。『人生をやり直すのは、何時だって構わない』ということ。偽りの記憶喪失を演じられるクソ度胸があれば、そりゃ何だって出来るでしょうよ。でも普通の人には無理な話。この一点からも、主人公は単なる傀儡ではなく、傑物である事が分ります。でもそれなら、それまでの愚者ぶりの説明が付かないワケで、頭に石が当たった事で『我に返った』と見立てるのが正しい気がします。悪いことをしたら謝る。間違ったらやり直す。子どもの頃教えられてきた常識が、大人の世界では非常識に変わるように、主人公も政界に毒されて本来の自分を失っていたものと考えます。あな恐ろしや。でもこれが一般的に『大人になること』だったりします。キャラクター造形の面白さや会話劇を楽しむ三谷監督お得意の王道喜劇。気楽に観られる大衆娯楽映画として、価値は充分と考えます。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-08-05 19:28:12)(良:4票)
644.  怪怪怪怪物! 《ネタバレ》 
劇中で主人公が言及するように、人喰い姉妹より彼女を監禁した子どもたちの方が余程悪質です。表題の『怪物』は彼らを指すものと考えてよいでしょう。怪の数=主人公を除く4人の監禁犯。実際、彼らの「善悪の判断をしない」様は、空恐ろしく、激しい嫌悪を覚えました。彼らと同類だった女教師も同様です。そういう意味では、良心の呵責を感じていた分、主人公の方が随分と“マシ”に思えます。ところが最後、主人公は4人の蛮行をも遥かに上回る凶行に及びました。情状酌量の余地などない、絶対に許されない行為。首謀者グループが消えてもなお、無くならない自身へのイジメ。殺人を幇助した意味も無くなり「人間」に対して絶望した結果、主人公は身も心も「怪物」に変化したと考えます。タイトルも4人の怪物の意味ではなく、怪が4つもつく超特大の怪物=主人公かもしれません。注目すべきは、主人公のパーソナリティが特別ではなかったこと。自身へのイジメを回避するため、いじめっ子に同調する狡猾さ。ほどほどの良心。彼は何処にでもいる普通の子です。普通の子が怪物に変わるから恐ろしいのだと思います。彼はいつもコンビニのイートインでひとり夕食をとっていました。これが当たり前の景色になる“異常事態”に、事件の本質が隠されている気がします。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-07-30 20:24:53)
645.  アウターマン 《ネタバレ》 
私は監督名を確認せずに映画を観ることがよくあります。本作もそうです。もちろん予想は付きました。どこをどう切っても河崎実印ですから。氏の作品を一度でも観た事がある方なら、その意味がお分かりいただけるでしょう。しかし、それでもなお、エンドクレジットを確認するまで、別監督の可能性を捨てきれずにいました。というのも、“実によく出来ていた”からです。いや失礼。でもこれが本心。チープな映像、不出来な脚本、役者の熱演、そして特撮愛が謎の化学反応を起こしたとしか言いようがない出来栄え。中でも「アウターマン」と「シルビー星人」の造形が絶妙でした。立場が変われば見方が変わる。知識と経験で人は変わる。どちらの異星人も、ちゃんと「いいもの」にも「わるもの」にも見えました(技術論的にはカラーリングの上手さ。そして原則は“能面”と同じ理屈と思われます)。いつもは決して上手とは言えない(実は監督お得意の)社会風刺も、驚くほど鋭く(あらぬ方向に)突き刺さります。群衆の手のひら返しを、あなたは笑えますかと。基本的にパロディ。紛うことないバカ映画。しかし真摯なヒューマンドラマでありました。もしかしたら本作は河崎監督にとって会心の一作では?あるいは私は、監督を見くびっていたのかもしれません。ちゃんと河崎監督作品を観直してみようと思います(暇が出来たら)。なお、公開当時に鑑賞していたら、職人が一個一個丹念に製作するという変身アイテム(25,000円(税別)也!)に手を出していた可能性すらあるのが恐ろしいです。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-07-15 18:54:52)(良:1票)
646.  スノーピアサー 《ネタバレ》 
『US(アス)』と同様で社会風刺がメイン。設定が荒唐無稽なところまで一緒です。もっとも『US』にはミステリーとして『空白』がありました。おかげで、想像力を駆使することで自分なりに納得できる『辻褄合わせ』が出来た気がします。一方、本作の場合世界観が創り込まれている分、言い訳が効きません。いくら比喩による社会風刺が目的だとしても、リアリティ皆無ゆえツッコミは免れない仕様。にも拘わらず『設定については何も言うまい』という気にさせられるのです。これは巨匠監督のネームバリューによる恩恵ではありません。私は監督名を確認せず鑑賞しましたから。あえて言うなら『馬鹿負け』したのだと思います。度肝を抜かれたのは『水槽列車』のシーン。ああ、そこまでやるのかと。レジャーに特化した専用車両も勿論ですが、設定の肝である『燃料問題』は説明する素振りすらありません(アントニオ猪木氏の永久機関でも使っているのかな?)。明らかな嘘でも突き通す意志。不都合な事実に目を瞑る勇気。一般的なコミュニケーションなら褒められた姿勢ではありませんが、コト『SF映画』においては極めて有効な手法でありました。呆れた観客から批判する意欲を削いでしまえば無敵です。『リアリティ』や『整合性』といった足枷の無い、オイシイところだけ拝借した『自由空間』の出来上がり。『CUBE』は“説明を一切しない”という荒業で同じ状況を作り出しましたが、本作では“嘘を突き通す”ことで『自由に物語を創る権利』を獲得したと考えます。良識人の私からすると(どの口が言うかな)、モヤモヤを感じずにはいられませんが、面白いことは事実。これだけ熱量豊富な(極寒の設定なのにね!)映画を見せられては、監督の力量を認めないワケにはいきません。ところで、監督はどなたでしたっけ(ちなみにこの感想は皮肉でも何でもありません。そんな文才は持ち合わせていません)。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-07-15 18:53:55)
647.  恋するトマト 《ネタバレ》 
ネタバレあります。未見の方はご注意ください。  『恋するトマト』『クマインカナバー(ごはん食べましたか?)』。1つの物語にタイトルが2つ。これは『ラブロマンス』と『家族の在り方』、2つのテーマを内包しているためと考えます。まず『ラブロマンス』について。異国の地で結婚詐欺に合いどん底に落ちた主人公は、何とか立ち直り、運命の人と出会えました。彼女の家業を献身的にサポートし、信頼を獲得。弟くんを手懐け、ついには相思相愛の関係を築きます。今までの婚活のようにガツガツせず、しっかり手順を踏んだ事が功を奏したワケです。いわば怪我の功名。人間、挫折を経験するのも悪くありません(死なない程度に)。さて、このままフィリピンで2人が結ばれれば『ラブロマンス』として『妥当なハッピーエンド』でしたが、主人公は帰国を望みました。これには『農家長男の性』が大きく影響しています。本作で語られる『家族』の定義は、『夫婦』あるいは『夫婦とその子』ではなく『夫婦とその親』であります。かつての日本や農家、フィリピンでは当たり前の価値観です。ここから先が『家族の在り方』についての話。彼女の父親は日本へ嫁ぐことを許しません。傷みやすいトマトを輸入する難しさと同じ。美味しいトマトも、一緒に食卓を囲む家族も、生活圏内で確保するのが常道です。それでもなお、障害を乗り越えるのが『愛』でしょう。さて、一見ハッピーエンドにみえる結末ですが、果たして本当にそうでしょうか。2人が抱き合う前に終幕となったことが、どうにも引っ掛かります。ラストシーンは、主人公の願望が見せた幻の可能性も大いにあると推測しました。愛する彼女と同じ年頃の娘さんを日本へ売り飛ばしていた主人公が、報いも受けずに幸せになれますか?(結婚詐欺被害とは相手が違うので相殺不可)それに主人公が望む『家族の幸せ』と、彼女が求める『家族の幸せ』は等価値のはず。どちらかの犠牲で成り立つ『幸せ』をハッピーエンドと呼べるのかという話です。シビアな現実をラブロマンスで包み、口当たりは甘め。しかし噛みしめるほどに苦みを感じてしまいます。(以下余談)結末の解釈については、正直言い掛かりです。私もクリスティナちゃんは日本に来てくれたと思います。ただし実家への『金銭援助』は必須。カワイイ彼女も10年もすれば倍の太さになるでしょう。田植えと稲刈りで年に2回は里帰りするでしょうし、将来的には母国に帰るかも。子育て、借金苦、親の介護に悩まされる人生を、本当に主人公は望んだのでしょうか。いやー震えますな。もっとも、人生の悩みの大半は『お金』で解決します。主人公の場合、農業より別の道で才能を発揮できそうですが、自分自身で気づいているかどうか。やりたいこと、やれること、やらなければならないこと、向いていること。一致しないのが人生の難しいところです。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-07-10 18:54:55)(良:1票)
648.  片桐はいり4倍速〈WEB〉 《ネタバレ》 
女優『片桐はいり』を使って、自由に物語を創ってくださいとの趣向。魅力は何か?どう使うか?監督の腕の見せどころです。では順番に感想を。①『受験生』板尾創路企画。今を時めく太賀(現:仲野太賀)主演。お題となるメイン素材を、あえて添え物に使う発想は“芸人らしいスカシ笑い”と言えましょう。これは偏にはいりさんの『圧倒的存在感』無くしては適わなかった芸当であります。ところで、ヒッチコックのオマージュはありますか?②『スピリチュアル マイ ライフ』辛酸なめ子監督。こちらは先の作品とは打って変わって、正々堂々『片桐はいり』をメインに据えたお話。お顔のインパクトを『説得力』と解釈しました。まあ、普通です。③『ピーコちゃん』ホラー仕立て。しかも一撃必殺。『笑い顔』の怖さは絶品でした。オチの悪ふざけは賛否が別れそうですが、個人的には大笑いしました。④『部長』松尾スズキ監督。シュールコメディに全振り。『バカドリル』(サブカル漫画)から引用だそうですが、はいりさんはサブカル系女優でもある(と思う)ので、当然相性はバッチリです。こちらも正しい『はいり活用法』でした。全体を振り返ってみると、どの作品もはいりさんの個性を上手く活かしており手堅い印象を受けます。特段面白いワケでもない『スピリチュアル~』も、アラカルトの一品として悪くありません。そう、イメージ的には『フルコース』ではなく『前菜盛り合わせ』。ショートオムニバスですから当然ですけど。強烈な個性ゆえアクセント的に起用されがちな女優さんですが、これから円熟味を増すにつれ主要キャストで輝く方だと思っています。樹木希林さんのポジションにすっぽりハマれる逸材では。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-07-10 18:51:02)
649.  映画 深夜食堂 《ネタバレ》 
連載雑誌を行き着けの料理屋で読む程度に、原作漫画は既読。一話完結で、“軽すぎず重すぎない”いい塩梅の人生の機微を描いた人情話が、食事を待つ間の時間つぶしに最適です。映画では、都合3つのお話が提供されますが、徐々に重みを増していく仕立て。最後にホロリと泣かせるのではなく、クスリと笑わせるあたり粋で好みでした。田中裕子さん流石です。抜群に上手いですね。ほぼ原作イメージ通りの実写化。原作既読未読を問わず、手堅く楽しめる映画だと思います。(以下余談)冒頭に書いたお店とは別のお店なのですが、馴染みの『フレンチ』がありまして、オープン当初から通い、かれこれ16年の付き合いになります。料理は本当にどれも美味しく、奥様(マダム)の人柄が素敵なお店。いつでも外食の1番候補でした。そのお店からこの度マダムが離れる事になったそうです。今日2020年7月6日が最終日。この話を聞いた時は、ももクロから『杏果離脱』の一報を聞いた時のようなショックを受けました。お店のダメージは、杏果卒業以上でしょう。センターであり、リーダーであり、『グループの顔』である百田夏菜子が抜けるようなもの。料理の味はシェフ(旦那さん)の腕と、マダムの雰囲気で創り上げたものでした。明日以降、シェフは変わりませんが、やはり別のお店に変わるのだと思います。16年は長いです。私はその間に結婚し、娘が3人産まれました。人生の折々の瞬間に、このお店の美味しい料理がありました。マダムとは先週末お別れをしてきました。言葉が見つからず、ただ一言『お疲れ様でした』と、頭を下げることしか出来ませんでした。家族一同、本当にお世話になりました。心より感謝します。マダムの第2の人生、『次の一歩』に幸多からん事を、心よりお祈りしております。もちろん、お店にはこれからも通い続けます。美味しい食事を楽しめるお店を見つけることは、人生を豊かにするための必須課題。私の馴染みの『フレンチ』も、本作の『めしや』も、そういうお店だと思います。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-07-06 21:00:00)
650.  ファイナル・アワーズ 《ネタバレ》 
いきなりネタバレして恐縮ですが、本作は全人類が“助かる見込みなし”の絶望映画です。理由は『巨大隕石衝突』。個人的には、人類終末を描いたディザスターでもある『アルマゲドン』『コア』『2012』より『100日後に死ぬワニ』の方が感覚的には近い気がします。さて“その時”までのタイムリミットはおよそ12時間。この状況で人々は何をするのでしょうか?①欲望のままに行動、②現実逃避、③静かに死を待つ、④自ら死を選ぶ。本作で描かれる人々の姿は、およそこの4つに分類されます。主人公は当初②でしたが、暴漢に襲われた少女救出をキッカケに理性を取り戻し「今自分が為すべきこと」に気づくという流れです。当然この状況設定なら、『最後まで生き残る為に努力する者』も多数いるはずですが、たぶん意図的に描いていないのでしょう。『諦めない姿勢』はいわば『人としての模範解答』。しかし、本作で求めているのは「正解」ではなく「リアルな解」又は「一番納得できる解」。観客それぞれが、自分の身に置き換えて考えて欲しいというメッセージと考えます。実際問題『諦めない』『最善を尽くす』『努力する』は美しいですが、万能ではありません。『諦める』『受け入れる』が正しい場面もあるでしょう。このシチュエーション、私の場合はどうですかね。基本的には悪足掻きをしたいタイプですが、家族の事を考えると③になるのでしょうね。④も悪くない気がしますが『ミスト』鑑賞済みなので、とてもじゃないけど選べません。やっぱり楽しい思い出を精一杯詰め込んで、安らかに逝きたいなあ。ヤバイ。ホントに泣きそう。私個人の『ファイナルアワーズ』が見えてくるまで、結論は保留にしておきます。無音のエンドクレジットは秀逸でした。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-06-30 19:22:07)(良:1票)
651.  若おかみは小学生! 《ネタバレ》 
萌え系?キャラデザインに敬遠ぎみだったのですが、NHK地上波放送を機に初鑑賞しました。率直な感想は「思っていたのと違う!(良い意味で)」。物語冒頭から主人公を襲う悲劇。さらには幽霊、妖怪の出現。ほのぼのホームドラマを想定していたので、いきなりのトップギア&急カーブに度肝を抜かれました。とはいえ、基本はオーソドックスな少女の成長物語。人との出会い、様々な体験を通じて、主人公は人間性を高めていきます。それにしても、おっこは良い子でした。いや良い子過ぎたかもしれません(全裸監督の口調で)。私の人間観と照らし合わせると、いくら早熟な女子でも、あの物分かりの良さ、聞き分けの良さは出来過ぎと感じました。小学生なら、自己中で、我儘で、怠け者で、甘えん坊で、当たり前。ゲーム機が欲しくて、でんぐりがえるくらいで正常です。失礼。これは私の子ども時代の話。恥を晒してしまいました。一般的なお子さんは、もっとちゃんとしてます。とはいえ、元来子供は未熟なもの。長い年月日をかけて、徐々に心を成型していくものです。一気に大人になった(ならざるを得なかった)子どもは、やはりどこか歪なのではと心配になります。建材だって急いで乾燥させたら、割れたり曲がったりしますから。おっこにとって女将は天職に違いありません。だからこそ、無理せず、少しずつ、立派な女将になって欲しいと願います。そういう意味では、本作で感じた違和感は、主人公の年齢設定に対するものと言えるでしょう。「若女将は女子大生!」せめて「若女将は女子校生!」くらいなら、素直に納得できた気がします。何やら安めのAVタイトルのようですが、予期せず全裸監督の伏線を回収出来たので、個人的に満足した感想文となりました。
[地上波(邦画)] 7点(2020-06-05 18:58:43)(良:3票)
652.  マッド・ナース 《ネタバレ》 
脚本の質、演者の面子、映像表現等々、いわゆるB級カテゴリーで間違いありません。ただ、捨て置けない魅力があるのも事実。その一つは主演女優さんのキャラクター造形にありました。巷ではTVドラマ『M-愛すべき人がいて』の田中みなみ譲の役作りが話題ですが、それに通じるような正確かつ特濃な味付け。悪くて、エロイ。発注どおりの妖艶な悪女ぶりに感心しました。主演女優のお名前は、パス・デ・ラ・ウエルタさん。エキゾチックな顔立ちは、いわゆる正統派の美人顔とはまた異質な印象。それでいてスタイルはプレイメイト級。シリコンではなく天然もの(ですよね)のオッパイが素晴らしい。髪量も多いんだなあ。気になるなあ。杉本彩さんを3日間陽の当たらない蔵に閉じ込め(でもご飯は腹いっぱい食べてもらい)、料理スキルを抜いた感じとでも申しましょうか。ちなみに、本作の撮影中に負った怪我の賠償で66億円を請求したとか。こちらも濃いですなあ。なお、私は日本語吹替え版を鑑賞したのですが、声が大堀恵さん(元AKB48、SDN48)としか思えなくて。いつ『イチャまんグランプリ』(@ゴッドタン)の名台詞「元気ね~」が飛び出すかと勝手に冷や冷やしておりました。※調べたところ、実際の声優はキュア・パッションさんでした。もう一つの長所はクライマックスの傍若無人展開。当初掲げていたはずの信念や理念は何処へやったの?と問い詰めたくなる、やりたい放題です。本来はマイナス査定ですが、突き抜ければむしろ爽快感さえあり。「ご利用は計画的に」とはよく耳にしますが、これは返済する気のある一般人向けの話。そもそも返す気がないなら、限界まで借りて豪遊すりゃあいいんですものねえ(何のこっちゃ)。
[インターネット(吹替)] 7点(2020-05-15 19:54:30)(良:1票)
653.  ドロメ【男子篇】 《ネタバレ》 
次に『男子篇』の感想です。物語のベースとなる『女子篇』を補完するのが男子篇の役目。「あれは一体何だったのだろう?」の種明かしがお楽しみ。さて、そんな男子篇の目玉は、何と言っても幽霊の存在でしょう。霊がいること自体は女子篇でも見当がつきましたが、正体がまさかオ〇ンとは。何なら男子篇のタイトルは『ドロメ』よりも『オ〇ン』の方が相応しい気もします(あれ?関西じゃないから『マ〇ン』かな)。ドロメを悪意の塊と捉えるなら、こちらは善意、いや愛の塊。ただし、過ぎたるは及ばざるが如しで、悪意より厄介かもしれません。霊体なのに物理攻撃が効くばかりか〇〇化までする、映画史上初(?)の快挙も見どころの一つ。おっと、○○化の方は『○ーストバスターズ』という先例がありましたね。女子篇と比べると圧倒的にコメディテイストが強いのは、それだけ男の子の方がアホだという事でしょう。とはいえ、女子風呂の残り湯を頂戴するお約束が見当たらないあたり、相当に育ちが良いか、あるいは俗にいう草食系男子とお見受けしました。カレーもおでんみたいでしたし。注文を付けるとすれば、キャラクターにメリハリが欲しいこと。これは女子篇にも共通しますが、美男美女揃いで特徴がありません。例えば、メガネ、デブ、お金持ち、お風呂好き。まずは見た目で差異を。性格で厚みを与えましょう。キャラクターの魅力はコメディの面白さに直結しますから。あれ、そもそもコメディではありませんか。ただし、本作の楽しさは完全にコメディのそれであります。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-05-10 10:28:11)(良:1票)
654.  映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ 《ネタバレ》 
末娘のクリスマスプレゼントで携帯ゲームをねだられた経緯から『すみっコぐらし』なるコンテンツの存在は知っていましたが、とんかつだの、タピオカだのが、そのままキャラクターだとは本作を観るまで知りませんでした。ふむふむ、なるほど。なかなかカオスな設定と、わびさびの効いた世界観。”すみっこ“の意味を子供達が理解出来ているかどうか不明ですが、おそらく大人には感じるものがあるでしょう。さて、結末について。理屈は解りますが、それでもなお、あの子はみんなの所へ行って欲しかったと思います。そこが望む居場所であるならば。”ガラスの天井”の刷り込みを、子ども向け映画でやられるのは、ちょっとキツイです。真ん中だろうと、端だろうと、すみっこだろうと、誰もが自分の意志と力で自由に居場所を決められる世界になればいいですよね。現実を変える第一歩は、きっと他愛もない空想からだと思うので。・・・と、ここまでがお父さんの感想。一緒に観た末娘(7歳)は面白かったようで、もう一度観たいそう。それなら良かった、良かった。お父さんの採点は6点、娘の採点は8点。間を取って7点でお願いします。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-04-20 18:53:53)
655.  二重生活(2015) 《ネタバレ》 
誰かを尾行することで、他者の人生を疑似体験し、人間の存在理由を考察するとな。確かに、小説や映画で得られるそれとは、比べ物にならない臨場感やリアリティがあるでしょう。実際、主人公が言うように面白そうだとも思います。しかし、魅力的な行動なのに、ほとんどの人は”理由のない尾行“なるものを実行しません。理由は2つ。倫理的にアウトだから。そもそも時間が無いから。そう、主人公が尾行出来たのは、倫理観が未成熟で、かつ暇だったからです。謝れば許してもらえる。尾行がばれても尚、論文を書かせてもらいたい。その甘えた思考法は、まさに子ども。しゃべり方ひとつとっても、ひどく幼い印象を受けます。また、修士論文執筆を暇と言っては失礼ですが、飯を食うために働く必要が無いという意味で暇なのです。果たして、彼女は教授に高く評価される論文を書き上げた訳ですが、読み終えた直後に教授が自ら命を絶った様子から察するに、きっと氏が欲していた人間哲学の核心をつく素晴らしい内容だったのでしょう。あるいは、不倫相手との路地裏姦も辞さず、妻は自殺未遂なんて特濃なラーメン○郎のような男の生き様と、童貞紳士の素うどんみたいな自身の人生を比較して絶望したのでしょうか。いずれにしても彼女は、迷える教授に止めを刺したワケです。彼女は気付いているかな?学位を手にし、恋人を失った人生の収支は、主人公にとって黒字か赤字か。その答えは、彼女のこれからの生き方次第なのだと思います。(以下余談)個人的に哲学とは、面白い遊びだと考えます。人を人たらしめている行為でありつつ、最高の暇潰し。ただ、哲学を修めようとするなら、より良く生きるための手段でなくてはならず、それ自体が目的となったら意味がない気がしますけども。結局、ほどほど忙しく、人は何のために生まれてきたのか?なんて考える暇無く人生を終えるのが一番幸せなんじゃないかと思います。もちろん、大学院まで行って哲学なんて飯の種にもならん勉強をするヤツは馬鹿だなんて、これっぽっちも思っていませんのでお間違いなく。いやマジで。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-04-15 19:23:08)
656.  イット・カムズ・アット・ナイト 《ネタバレ》 
『家族のために』は魔法の言葉。おそらく人類史上、最も汎用性が高く、最も魅力的で、最も強力な行動原理となりうる概念と言えましょう。『惚れた弱み』『お国のため』『神のお告げ』なんて目じゃない最強呪文と考えます。当然ながら、免罪符としての効果は覿面です。例えば、空き巣狙い、万引き、病院立て籠り。“家族を守るため”という枕詞がつくだけで、犯罪行為が感動ドラマに早変わりするではないですか!しかしその一方、完璧な正義や、圧倒的な肯定力は、両刃の剣でありました。使い方を間違えると、とんでもないしっぺ返しを喰らう羽目に。坂道を転がるが如く、一直線に最悪の結末へ進む物語に震えました。それは主人公が思考を停止させ、可能性や選択肢を排除していたからに他なりません。我に正義ありと確信のある時ほど、自身の姿を省みる必要があるのかもしれません。予備知識も無かったため『モンスター映画』か『ゾンビもの』と高を括っていたところ、超シリアス鬱ドラマで、大いにへこみました。鑑賞の価値のありの見応えある作品ですが、緊急事態宣言が発出しているこんなご時世にわざわざ観る映画ではなかったと後悔しております。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-04-10 19:24:18)
657.  Back Street Girls -ゴクドルズ- 《ネタバレ》 
原作はヤンマガ連載のマンガだそうで。極道が全身整形でアイドルに変身するクソバカ悪ふざけ設定もさもありなん。それでも、内容は意外ときちんとしていて、アイデンティティの喪失や獲得といったテーマ性はもとより、アクションも見応えあり。あと忘れてならないのは、アイドルちゃん役の若手女優さんが上手いこと。演技、動き、ルックス、どれも高水準で感心しました。岡本夏美さん、良い顔しますね。そう、作品自体は実際好印象だったのですが、これはEXITの漫才を誉めるのと同じ理屈で、パッケージと中身のギャップに由る部分も大きく、過度に期待して見るような映画ではありませんのでご注意ください。でも、ちょっとした掘り出し物かもしれません。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-04-05 10:19:24)
658.  ポエトリーエンジェル 《ネタバレ》 
体験や人との出会いを通じて成長する物語は、青春映画定番のフォーマット。本作の場合『詩のボクシング』がモチーフです。文化系競技の場合、“努力の過程”や“優劣の付け方”が体育会系に比べ分かり難く、画的な派手さもない為『感動作』という感じはありませんが、地味ながらも爽やかな余韻を残す物語となっていました。さて、タイトルは『ポエトリーエンジェル』。これは、対戦相手高校「詩のボクシング部」女子チームの愛称であると同時に、主人公が通う市民講座に途中参加した女子高生を指す呼称でもあります。当然タイトルは後者を指すものであり、岡山天音(梅農家の息子)と武田玲奈(無口JK)のダブル主演であることを示唆しています。特に目を惹いたのは武田玲奈の方。美少女の華やかさを封印し、影を持つ女子高生を上手く体現しました。圧巻だったのはやはりクライマックス。必死に言葉を絞りだし、思いを伝えようとする様は感動的であり(あ、前述と矛盾している!でも美少女の涙に男は弱いのだ!!)『詩のボクシング』参戦は彼女の人生にとって大きな転機となったのは間違いありません。一方岡山君の方も、腹を括れた模様。その選択が必ずしも正解だとは個人的には思いませんが、武田玲奈ちゃんと添い遂げる未来がワンチャンでもあるなら賭けてみる価値はあるかと。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-02-25 19:25:23)(良:1票)
659.  アルカディア 《ネタバレ》 
いきなりネタバレしています。ご注意下さい。  本作で採用されているSFギミックは、限定空間における時間のループ。特徴的なのは、集団(場所)によってループの間隔が異なること。数日(特定できませんが3日以上?)から、最短数秒(!)と幅広いです。恐らく死がループの終点としてセーブされる仕組みなのでしょう。脱出を試みて失敗した分だけ、ループ間隔が狭まる危険性あり。となると、下手に抗わずループ間隔を確保する方が、快適な生活を送れるワケです。ものは考えよう。衣食住足りて、病気の心配もなく、永遠の若さを保てると捉えるならば、そこは理想郷(=アルカディア)なのかもしれません。ですから囚われの身になろうとも、弟が村に残りたいと希望したのも無理からぬ話。それほどまでに、兄弟の現実は辛く厳しいということ。しかし、自由なく、成長なく、未来に対する希望のない場所に、幸せはあるのでしょうか。少なくとも“生きる”とは、自由や成長を欲し、未来に希望を持つこと。この場所を統べているのが神なのか宇宙人なのか分かりませんし、天国か地獄かも判然としませんが、いずれにせよ生きている人が居てよい場所ではないでしょう。ループ空間から脱出直後の兄弟のやり取りが秀逸です。たとえガス欠でも走り続けよう。今までだってそうだった。でも意外と走れるものなのよ。クソみたいな現実を生きていく為に必要なのはバイタリティ。そして生き方を自分で決める主体性。己が人生と向き合う覚悟ができた兄弟は、しぶとく現実を生き抜いてくれるはずです。もちろん彼らの置かれた状況は、以前と何ら変わりません。進む道の傍らには、あの杭が無数に見てとれます。そう、ループに入るのは簡単なこと。私たちは何時だって、死と隣り合わせに日々を生きているのですから。
[インターネット(吹替)] 7点(2020-01-20 19:26:48)
660.  ペット 檻の中の乙女 《ネタバレ》 
いわゆる“監禁もの”ではありますが、胸糞指数は低めです。一般的なサスペンスとしてお楽しみいただけるかと思います。以下ネタバレ含みます。  本作は被害者の立場で恐怖を味わうケースでもなければ、サイコキラーが主役でもありません。いや、どっちものパターン。途中で視点が切り替わるばかりか、加害者と被害者の立場も入れ替わるトリッキーな仕立て。なかなか凝ったつくりで見応えがありました。そんな中、特筆すべきはキャラクター造形の素晴らしさ。リアリティー抜群で腹立たしいくらい。そう、主人公の馬鹿っぷりがリアルなんです。皆さんの周りにも居ませんか?この手の困ったちゃんが(私の周りでは、『ちょっとちょっと』と言います。ザ・たっちか)。ごく最近まで同タイプの同僚に頭を悩まされました。仕事が出来ないのに、当人はその事実に気付いていません。高い自己評価もミステリー。ある意味本物なワケです。本作の主人公もまさにそう。監禁する場所も確保出来ていないのに、一体何をしてくれているのでしょうか。最悪なのは相手の方が一枚も二枚も格上だったこと。時給9ドルに甘んじているボンクラに、シリアルキラーの監禁洗脳なんて大仕事が手に負えるはず無いんですよ。それが解らないから馬鹿なのですが。迷惑するのは巻き込まれる周りの方々。同僚のおデブさんは、本当にお気の毒なことでした。これ以上書いても、元同僚に対する愚痴で埋まりそうなので、この辺りで切り上げておきます。話は変わりますが、彼女はノーメイクの方が美人ですね。
[インターネット(字幕)] 7点(2019-12-25 19:26:29)
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