661. 黒水仙(2001)
朝鮮戦争の歴史にイマイチ馴染みが持てないが、引き裂かれた2人の再会の場面は伝わってくるものがあった。アン・ソンギは本当に渋くてカッコいい。ただストーリーはラストの方でオチが読めてしまったので少し残念だった。ドロドロした大作映画を期待していたが、むしろ人間ドラマとして捉えると結構楽しめた。イ・ジョンジェが「イルマーレ」とはまた違う硬派な刑事役として好演していたのが光った。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-01-01 13:52:23) |
662. ピース・フォース
《ネタバレ》 トム・ハンクスが奥さん(リタ・ウィルソン)と知り合った映画ですね。ただ「スプラッシュ」でも共演したジョン・キャンディの良さがあまり出ていないような・・・。トム・ハンクス演じる主人公がギャンブルの借金取りから逃れるために仲間と替わって平和部隊の一員となってタイに行って橋を架けるのですが、あまりにてんやわんやで途中からこの映画の目的が何だったのか分からなくなります(苦笑)数々の映画のパロディシーンも出てくるのですがイマイチ・・・。最後の橋爆破のシーンにお金をかけてますが、今のトムでは絶対に出演しないようなB級テイストがたまりません。でもDVDを買う程ではないかな? [ビデオ(字幕)] 4点(2006-01-01 13:41:29) |
663. ザ・リング2
酷評だったのでどれだけひどいのかと思ってたのですが、少なくとも「日本版リング2」よりはるかにストーリーがまとまってて個人的には面白かったです。子供役の子の顔がシリアスで(笑)ホラーの雰囲気が出てて良かったです。子供が霊にとりつかれるというと「エクソシスト」を思い出しますが、母親自らが子供を助けるという意味では2番煎じを免れています。ナオミ・ワッツはさすがに存在感があり、また日本版と違うオリジナルの話なので、どこでどういう怖さがあるかが分からなくて良かったです。また続編特有の謎解きの説明調になるつまらなさではなく、解明と同時に恐怖の演出もあり、井戸に突き落とされたサマラが水が苦手で、それが息子を助けるキーワードになったり、子供を助けるために母親自らがサマラに挑戦したり。「水」+「母親が子を助ける」だとむしろ同じ中田監督の「ほの暗い水の底から」を思い出させましたがそれとも違う終わり方ですし満足でした。落っこちた井戸を登る際に追いかけてくるサマラの動きが倍速で・・・。あれを子供時代に観たら夢に出てきそうですね(苦笑) [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-01-01 13:09:59) |
664. ランド・オブ・ザ・デッド
ロメロ監督の新作という事で「一番残酷なのは人間なんだ」というメッセージ性が随所から感じられた。他のゾンビモノだとどうしても残酷描写に重点が置かれがちだが、ロメロ監督の作品は社会警鐘とかを常にはらんでいて、20年ぶりに作られたこの作品にもそれが感じられる。亜流のゾンビ映画とはそこが違うので許されてしまう部分も多いと思う。相変わらず物語のテンポもゆっくりだが、監督を支えるスタッフの愛情が随所より伝わる。「ゾンビ」のプロデューサーであるダリオ・アルジェントの愛娘がヒロインというのもロメロらしい。ホッパーが自ら出演に名乗りをあげたのも嬉しい。とにかく「ロメロがゾンビの祖」と思っている私としては97分がとにかくエキサイトだった。トム・サビーニが提案したゾンビの頭をスコップでザックリも20年ぶりにカムバックでなにより(笑) [DVD(字幕)] 6点(2005-12-27 10:59:37) |
665. ダンサー・イン・ザ・ダーク
《ネタバレ》 独特のカメラの振り方とかは辛いけど、話的には結構ついていけた。セルマがとにかく息子を遺伝的失明から救いたくて、その一心で懸命に働いてお金を貯めていたのだから、それが盗まれたら、究極的には相手を死をもって制裁し、自らも命を絶つみたいな独自のものがあったのかもしれない。挿入される空想のミュージカルだけ固定カメラだったのが変な感じがした。しかし「この世には神も仏もありゃしない」と言わんばかりの切ない映画ですね。唄いながら絞首刑が執行されたセルマの唄は、決して物悲しい終演の曲ではなかったのでしょう。役にとり憑かれたようなビヨークの演技が凄かった。カトリーヌドヌーブは歳をとっても上品で目が強いですね。ドッグヴィルより狙ってなくて、直球のフォントリアーという感じがしたのでよかった。7点献上。 [DVD(吹替)] 7点(2005-12-19 17:07:50) |
666. マネー・ピット
これ本当に傑作ですね!トム・ハンクスの体を張った名演技もさる事ながら、一癖ある脇役勢も本当に楽しいです。家が崩れていく様子は本当に昔見たドリフのコントそのものという感じですし、床にはまって泣き笑いのトムや、バスタブが抜け落ちた後のやるせないバカ笑いのトム、庭で虫にたかられて追い払う滑稽なトムや、骨組みをまるでピンボールのように白ペンキをかぶりながら滑り落ちてゆくシーンで、最後は小便小僧にオシッコひっかけられていたり(笑)首を外に出した瞬間、上からもの落ちてきてぶつかったり。その全てがコメディアン、トム・ハンクスの見せ場です。最近はちょっとしか見せない彼のこういった笑える部分が顕著に表れた快作だと思います。「パンチライン」のような話術の妙も魅力ですが、こういうのが出来ちゃうのも彼の魅力だと思うのです。 [DVD(字幕)] 8点(2005-12-12 15:25:33) |
667. スパイダーマン2
個人的にはヒーローとしての立場と1人の等身大の人間との間で揺れる部分を描いたこの続編は大変面白いと思いました。葛藤から糸が出なくなったりとか。MJに素直になれなかったり、ああいう恋模様をはさむのは定番だけど必要不可欠ですね!でもまだまだ続けるシリーズだと思ってたので、正体がばれていって「あれ?もう?」とか思ってしまいましたが…。CGもさすがに総製作費220億円って感じで楽しめました。アクションシーンも、列車止めるシーンも迫力満点!あとグリーンゴブリンことデフォーがラストにチロっと出てきたのはうれしかったなぁ~。「3」製作のシナリオは、いよいよ親友君がパパの仇を討つって展開なのかな…? [CS・衛星(吹替)] 6点(2005-12-04 18:50:26) |
668. ポーラー・エクスプレス
《ネタバレ》 大人になると色々現実的になってしまって鈴の音も聞こえなくなっちゃうけど、何だか純粋だった子供の頃に回帰できるような心温まるファンタジーでした。CG技術もついにここまできたかって位リアルで大迫力!北極号から飛んでいってしまったヒーローガールの切符をネタにあそこまでハラハラさせるとは!もちろんそこだけではなく、線路を離れた北極号の驀進するサマを観る側も体感できる視点で描かれていたし、北極点のプレゼントの製造・配達工場に紛れ込みながら最後は1番にサンタからプレゼントをもらったヒーローボーイのたった一夜の大冒険。芸達者トム・ハンクスの5役の快演も、ゼメキスとの3度目のコラボからくる安心感からか余裕綽々という感じでとても楽しいです。北極点に向かうまでのドキドキハラハラの大冒険として着目すると、このシナリオはシンプルながら実によくまとまっていると感じました。でもホットココアは一気に飲まないといけないのね、猫舌の俺には厳しいかも…。 [DVD(字幕)] 8点(2005-12-04 18:41:58) |
669. 陽はまた昇る(2002)
ツタヤで中古ビデオが100円で売られていた時「時代はDVDにうつっているんだなあ」と思ったが、同時にこの映画の事を思い出しました。VHSビデオが誕生するまでの実話ですが、勿論脚色もされていると思います。それでも技術者のビデオデッキ製作にかける情熱みたいなものがひしひしと伝わってきて感動しました。西田敏行、渡辺謙をはじめとしたキャスティングも皆見事だったと思います。企業に入るといかに上の堅い考え方を曲げるのが大変な事かが分かりました。改めて敬意を評したい。佐々部監督の作品はヒューマン物が多いが、これが1番好きです。カシオのデジカメ誕生秘話の映画も観てみたい! [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-30 14:31:53)(良:1票) |
670. 仄暗い水の底から
《ネタバレ》 怖いというより切ない。製作者側はわざとそれを狙ったのかなと思った。古い団地という設定も雰囲気があるし嫌いじゃないが、20年前のホラーという感じで目新しさはない。「リング」の中田秀夫&鈴木光司コンビだが「自分の身に起きるかも」的な感情移入が出来ない分だけ恐怖が少ないのかなと思った。ただし終盤、部屋のドアから出てくるのが娘で、母親が娘と思って抱えていたのが霊だったシーンの引っ張り方とか音楽の使い方はさすがに上手い。特段怖くは無いが、ジャパニーズホラーの王道を行く演出も見られる佳作だと思う。 [ビデオ(字幕)] 5点(2005-11-30 10:51:54) |
671. 奪還 DAKKAN アルカトラズ
《ネタバレ》 セガール太ったけどこの人の映画がいい意味でも変わらないから好き。全然ピンチらしいピンチもないし。多分セガールは血のりとか塗るのも「落とすのが面倒くさいから」とか言って断りそうだ・・・。最後の敵ボスのヘリ爆発とか、インパクトの強い部分もあってよく出来ていたと思う。「暴走特急」以来のヒットだった。 [地上波(吹替)] 5点(2005-11-28 15:43:08) |
672. ストーカー(2002)
この役、別にストーカーじゃないですよね。温かい家庭に憧れる孤独な初老。余計なお世話的に浮気した夫を裁こうとするのがちょっと問題ですが、もっと変態っぽいのかと思ってたのでロビン好きとしては安心しました。映像も綺麗だったし、あの目から血みたいのがドバっと出てくる無意味さを除けば結構楽しめる映画だったと思います。ただこれ観ちゃうと、写真出す時も近所の現像屋にずっと出し続けるってのが怖くなるかも・・・。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-11-24 17:06:38) |
673. 死霊のはらわた(1981)
そのままやったらただの悪趣味で嫌悪感漂うだけのホラーになりそうなところを、コメディのエッセンスをまぶして観客を「愉快な気分で怖がらせる」という作品に仕上げたのはさすがサム・ライミと思うし、デビュー作のこの作品への製作の情熱みたいなものが作品全体から感じられて凄いと思う。メイクとかがチャチでもそれを覆い尽くすバワーがみなぎってて、ブルース・キャンベルの怪演も見事だと思う。コメディ・ホラーというジャンルを開拓したサム・ライミやトビー・フーパー、ピーター・ジャクソンはやっぱり凄いですね。名作だと思います。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-24 16:54:46) |
674. ハリー・ポッターと秘密の部屋
2作目の難しさ、原作があまりにも有名な事への比較のされ方を考えると、個人的にはもう少し評価してあげたいかなと思います。これだけ世界観がしっかりしていると、2時間半強の作品の中では細かな登場人物の背景までは描けなくても仕方ないと思います。1作目よりダークで少し複雑な話にはなっていますが、先が気になる引っ張り方はさすがだし、主役3人を、まるで子供を観るような親の目線で応援したくなる作品には変わりはありません。あと原作は原作、映画は映画。小説とシナリオ。カッコ書きの文字の台詞と、役者が感情を込めて話す台詞に違いがあって当然だと思うし「映画になったらこうなったんだ」位の、同名の別作品を観る位の感覚の方が単純にこの映画の世界を楽しめるのではないかと思っています。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-24 16:47:30)(良:1票) |
675. ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
前2作と比べると映画のトーンも画も抑えられていて地味な印象ですが、ハリーの両親を殺した人物が分かるという重要な部分に変わりはなく、ほぼそこに焦点を置かれて展開されたので中だるみせず、集中して楽しめました。シリウス・ブラックを演じたゲイリー・オールドマンは、ほぼ中盤までは指名手配のポスター位しか出てないのに凄く存在感があってさすがだなあと思いました(笑)逆転時計の辺りからは、前2作のような冒険活劇のハラハラも楽しめたし、終わり方は多少中途半端な気もしましたが、個人的に私はこのシリーズをすんなり受け入れられるようで満足でした。物語のタッチも変わり、クリス・コロンバスから監督交代したのは正しい選択だったなあと思いました。4作目以降も実に楽しみです。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-24 16:35:36) |
676. ハリー・ポッターと賢者の石
きっとこういう映画のためにCG技術とか発展したんだよなあと思える位、適材適所に活かされていて、大人から子供まで楽しめる映画だと思います。ファンタジーでありながら笑いもあるし、私のように原作を読んでいない人間には先の読めないワクワク感があり、ドップリこの世界に浸る事ができました。これを書いている段階で「アズカバンの囚人」まで観ていますが、この1作目はホグワーツに入る前の時点から描かれていて、まるで観ている自分まで一緒に入学するような気分になれるので余計に楽しかったです。ロンがチェスの場面で大活躍する事も、オシャマなハーマイオニーが2人を翻弄する所も実に興味深く、擦れていない感じのハリーも実に愛らしく描かれています。ジョン・ウィリアムスの音楽も不思議な冒険の世界の盛り上げに一役買っているし、脇役も皆素晴らしい役作りをしていて、ポッタリアンならずとも多くの映画ファンが楽しめる作品だと思いました。原作を知らないおかげで映画の世界に違和感無く入れたのは幸運だったのかなとも思いました。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-24 16:23:32)(良:1票) |
677. A.I.
「シックスセンス」の後で日本中がハーレイ君人気真っ只中の公開だったので、ヒットしたと言っても過言ではないと思う。ちなみに最もこの映画がヒットしたのは日本だったとの事です。映画的にはシナリオも最後の方は特に試行錯誤の結果生まれた展開みたく思えるし、感動は出来なかった方も多いと思う。ただ、敬愛するスタンリーキューブリックの意志を受け継ぎ、この映画を完成させオマージュを捧げたスピルバーグの姿勢を評価しています。出演者も皆頑張っていたし、何度も観返したい映画ではないが、悪い映画でもないと思う。 [映画館(字幕)] 5点(2005-11-17 18:57:04) |
678. らせん
「CUBE2」や「ブレアウィッチ2」「2010年」のような続編モノの失敗と同じ理由でつまらない。つまり「リング」の理屈無く怖い「呪いの感染」で死んでゆく理解不能だけど恐怖に圧倒される設定の解明を、観客は求めているのかというとそうでもない。「怖さ」に理屈や理由はいらない。だから怖さを解明するという原作の「らせん」の存在はともかく、この映画化は失敗だったと思う。監督や出演者云々の前に題材の選択ミス。 [ビデオ(字幕)] 2点(2005-11-17 18:26:02) |
679. 悪魔のいけにえ
やたら乾燥しているような、それでいて油っぽいような独特な不快な映像は本当に気分の悪さを助長している。殺人鬼モノは沢山あるが、どんな奴が来るか分からない内に、気づけば自然と変態家族の手中におさまっていってしまう一連の展開は、今の時代を考えても実在するのではないかというリアリティがあって恐怖が増す。もう1つ評価したいのはこの映画は、残虐なスプラッター映像はほとんど無い。電ノコの爆音、逃げる女の悲鳴、そして変質者家族の気持ち悪い笑顔。殺られていく部分をあれだけ見せずにこれだけ怖い映画はかなり凄い作品だと思う(リメイクはCG使って足を切り落としたりしてたけど、そういうのが無いオリジナルの方が逆に怖い)。しかも観てて息苦しいし・・・。トビー・フーパー奇跡且つ会心の1作だと思う。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-17 14:43:29)(良:1票) |
680. エイリアン4
「1」から20年近く経ち、ますます強さに磨きのかかるリプリーですが、水中エイリアンのシーンはさすがに観てて息苦しかったです・・・。47歳で泳いだシガニー・ウィーバーには敬意を表したいですが。 最初の3作品とはまるで別個の作品として観ないといけませんね。これはこれで面白いですが、クローンとかとなると何でもアリなんだなとも思ってしまいました、死ぬというより止まるというか。ウィノナ・ライダーもクローンな部分は、やっぱりね感すごかったです(笑) 「2」の最後を否定した「3」の衝撃的なラストのシーンも「クローン」という言葉1つで簡単に否定される。もうジェイソンのように「それでも終わらない戦い」みたいな感じでシリーズ化を続けてほしいですが、リドリー・スコットは前日譚を作りましたね。そちらも観ます。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2005-11-17 14:34:20)(笑:2票) |