661. フライト
《ネタバレ》 冒頭からなにやら問題を抱えていそうな人物として描かれる機長。副操縦士との会話にも人間性を疑わせられるような雰囲気が。しかし、悪天候をものともしない卓越した飛行技術が明かされ、更には事故発生後の神がかり的な操縦によってヒーローとしての姿が観るものに焼き付けられる。しかし、その後明らかとなる彼の真の姿。アル中、ヤク中、人格の崩壊… これら一連の描写が実に無駄なく印象的に纏められています。流石のゼメキス監督。どうしようもない男をふてぶてしく演じるデンゼル・ワシントンも流石としか言いようがありません。ラストの纏め方も素晴らしい。本来であれば、航空会社、飛行機メーカー、関係者一人ひとりの喜怒哀楽…さまざまな要素をたっぷりと描きたくなるところではないかと思われますが、シンプルに一人の人間のドラマとして仕上げた脚本にも拍手。9点献上です。 [DVD(字幕)] 9点(2014-01-03 02:15:03) |
662. タワーリング・インフェルノ
実に40年ぶりに鑑賞しました。当時映画館で観て大変な衝撃を受けたことを覚えてますが、今、改めて観てもその迫力は変わらないですね。 台詞回しや演出、リアリティなど、細部は時代を否めませんけれど、当時連続して制作されたパニックムービーの大作、「ポセイドンアドベンチャー」や「大地震」と並べて一歩も引くことのない傑作だと言うことを再確認しました。 [地上波(吹替)] 8点(2014-01-03 01:38:29) |
663. ダイ・ハード/ラスト・デイ
点をつけるのにモノすごく迷う作品ですね。 皆さんが既に書きまくってるように、「ダイハード」として観ると極めて残念。登場人物の名前と職業が同じだけの作品。全てが違う。別物。 先入観も何もなしで初見であれば、そこそこ楽しめるノンストップアクション巨編。でも、あまりに浪費しすぎの芸風は受け入れ難いものがあります。予算のかけ方が間違ってる。 道徳観も倫理観もかなぐり捨ててビジュアル的に楽しむ分には7点、という意味の採点です。 それにしても、不死身すぎて都合良すぎて、もはやこりゃ漫画ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2013-12-28 20:05:03) |
664. エレベーター(2011)
《ネタバレ》 過去にもありましたね、このシチュエーション。かぶってしまうとオリジナリティを演出するのが極めて難しいと思われるソリッド・シチュエーションもの。この作品は微妙にリアリティを持ち込むことで個性を打ち出してます。 密室に予期せず閉じ込められることで当然心配される尿意。いくら独りじゃないにしても閉所恐怖症の人間にとっては地獄。耐久力に問題がある妊婦や病人。差別主義者と差別対象との対立。たったひとり修羅場に立ち会ってしまった小生意気な子ども…。更に、物語が進むうちにグロシーンも登場。ただし、それだってもしこの状況になったら起こりかねないと思ってしまう妙に説得力を伴うもの。 最後の最後に一番まともじゃないかと思われる登場人物が悲劇に遭い、でも、それもリアリティが伴ったりしてるのでやりきれない。 最初引いていたけれど、観終わってみれば結構納得してしまったので7点献上。 [DVD(字幕)] 7点(2013-12-01 20:05:38)(良:1票) |
665. フライペーパー!史上最低の銀行強盗
《ネタバレ》 予告編では期待したんですけどね。思った程じゃなかった。残念。 ただ、設定と展開は面白いと思いますよ。強盗の鉢合わせ。しかも狙いが違うから競合しない。更には銀行内部にも裏があり、更に更に出し抜こうとする人物がいる。あっさり主要な登場人物が死んじゃったりするところもシュール感があっていいです。 でも、何か物足りない。集中できない作品でした。設定が生かされてないんだな。シリアスなのかコメディなのか作り手も決めかねてる感じ。 アシュレイさんの変わらぬ美貌に1点追加の6点献上です。あ、邦題の副題は全く要らないと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2013-12-01 19:37:16) |
666. グレイスカイ
《ネタバレ》 冒頭で自爆行為炸裂。始めっからネタばれしてどうすんのよ!って感じ。 もうそこからあとはグダグダの展開。無理やりの人間模様が哀愁を誘います。例によって感情移入不能のメンバーの行動。B級ホラーらしいお約束の連続です。そこにエロティックなシーンもサービスで盛ってます。なんか映画サークルが頑張って作りましたって感じの作品に仕上がってますね。エイリアンもチープ。エイリアンが使う医療機器(?)もチープ。そう言えば、UFOは落ちたんじゃなくて着陸したんですね。今気付きました。 久々にがっかりした作品でした。 [DVD(字幕)] 1点(2013-12-01 19:30:57) |
667. 逃走車
《ネタバレ》 主演のポール・ウォーカーさんの事故死のその日に偶然観ました。「ワイルドスピード」シリーズの新作を撮影中だったということで、自動車事故死は皮肉です。しかもハンドル握ってなかったみたいですし、さぞかし無念でしょう。まずは合掌。 作品的には、カメラが終始車内に据え置きになっていて、基本的には主人公も車内に居るというのは、最近流行の言い方からすると「シチュエーション・アクション」とでも言うんでしょうか?低予算目当てと思われそうですけど、新たな演出へのチャレンジ感が感じられます。 ただ、折角のチャレンジが今ひとつ生きてないかな?冒頭シーンで主人公は事件に関わらないでも済む訳で、違法に出国した身なんだから、ここはさっさと逃げるべきだったと思うんです。そうすれば奥さんにも逢えたし、強制送還されちゃうにしても何とか夫婦関係をやり直せたかも知れない。つまりは感情移入出来ないんです。他の作品に倣えば、車外に出たら撃たれるとか爆発するとか人質の命が危ないとか、いろんなパターンがあると思うんですよね。それなのに主人公本人の選択でわざわざその車に乗り続けてる。そこんところが納得出来ない。一番重要なポイントなのにね。 と言う訳で、尺も適当だし、そこそこサスペンスしてるし、決して退屈することはないんだけれど、6点献上が限界かな? [DVD(字幕)] 6点(2013-12-01 19:01:32) |
668. 清須会議
《ネタバレ》 過去の作品のテイストを維持しつつ、歴史モノにチャレンジした三谷監督に大いに期待しましたが、概ね外れることなく楽しめました。 オープニングの絵巻物アレンジの雰囲気はどことなくタランティーノ風(超個人的な印象かも知れませんけど)で、その後の展開、てか演出に大いに期待させられましたけど、そこから後は思いのほか地味に淡々と(三谷テイストはちりばめられてますけど)物語が進み、見せ場の清須会議へと突入します。そのあたりの演出が観る人によっては不満と言うか消化不良なのかも知れませんね。 でも、ワタシ的には満足。具体的にどこがというと役者さんたちの演技合戦的なところになってしまい、純粋に作品に満足と言うのと違うのかも知れませんけど、138分の長尺を全く感じさせられなかったところは惹きこまれていた証拠。フジテレビが関わってるから1年後には地上波初放映かも知れませんが、ここは7点献上とさせていただきます。 [映画館(邦画)] 7点(2013-12-01 18:38:48) |
669. アルゴ
遅れ馳せながらの鑑賞です。もう皆さんに言い尽くされてる感がありますので一言だけ。 少なからずエンターテインメント的脚色は鼻につきますけれど、さりとて実話。ディテールよりも、これだけの史実があったということを後世に残すと言う意味において価値のある作品と思います。当時の事件はリアルタイムで承知はしていたけれども、子どもには本当の意味は理解できるはずもなく、今この作品を通じ、脚色部分を削ぎ落とした真実を少なからず知り得たと言う意味で、事件当時は理解できなかった者として価値のある作品。もちろん、奇想天外な作戦の存在を知ったことも収穫。 ちなみに、どの作品でも口呼吸が気になる俳優としてのベン・アフレックだけれど、この作品の髭面・無表情はリアルで好感。 [DVD(字幕)] 7点(2013-11-17 11:11:24) |
670. SAFE/セイフ
《ネタバレ》 あいかわらずカッコいいの一言に尽きるジェイソン君。落ちぶれて場末のファイターとしてこき使われていたって全然カッコ悪くない。自殺企図で地下鉄の駅に突っ立ってたって、飛ぶ込むなんて思えないぐらいに生命力が溢れ出てる。 そこに現れる天才中国人少女。始めのうちは全然カワイク思えないけれど、徐々に輝きを増してくる。地味ながらなかなかの存在感を放つ子役です。 なんとなく「レオン」っぽく戦い抜く男と少女。ワンパターンになりそうなジェイソン・アクションですけれど、今回もカッコいい! [DVD(字幕)] 8点(2013-11-09 19:05:55)(良:1票) |
671. ソルト
《ネタバレ》 良くも悪くもアンジー万歳作品。スパイ映画としてのストーリー仕立てや連続するどんでん返しは、適度に緊張感を伴って目が離せません。少なからず強引ではあるけれど、そこはそれ娯楽作品と割り切ってしまえば及第点。ただし、アクションにはちょっと無理があったかな?全力疾走するシーンが複数出て来るけれど、アンジーいまいち走りに切れがなく、銃を構える上半身は絞り込み過ぎていて迫力不足の感は否めず。 ま、尺の長さも程よく、シッカリと娯楽作品を楽しむのなら十分過ぎるぐらい濃密な作品であることは間違いないので、迷った挙句に7点献上。 [地上波(吹替)] 7点(2013-11-04 23:01:10) |
672. ATM
《ネタバレ》 不条理系ソリッドシチュエーションスリラーというジャンルでは、犯人若しくは首謀者の目的や犯行理由は「明かされない」または「無い」ということがある意味許されてしまうのかもしれませんが、本作のような中途半端な不条理具合ではそうはいかないのではないでしょうか? あまりに目立ちすぎる現場。視覚的に目立つだけではなく防犯システムや監視システムが十分に配備された空間。360度に近いぐらいに脱出可能なオープンスペース。そんな場所に複数の人間を監禁できる訳もなく、暴れまわってATM殴りつけてアラーム発報しない訳もなく、どっから持って来たか判らないけれど大量に注水したって水が貯まる訳もなく、その上、次回犯行の計画の図面引かれたってねぇ… まぁ何とも冗談としか受け取れないシチュエーションでして、こりゃダメです。 ただ、流れは悪くなく、映像的には小奇麗に作り上げられてますし、不要なスプラッター要素なんかもないので、約90分の暇つぶしにはなります。「んなわけね~だろ!」とか文句言いながら楽しむのはありかも。 [DVD(字幕)] 4点(2013-11-04 01:43:54) |
673. LOOPER/ルーパー
《ネタバレ》 タイムパラドックスを扱った作品は多々あれど、この作品はかなり緻密にタイムトラベルについて表現出来ていると思います。 既に皆さんが指摘している数々の場面も、きちんと説明出来ているのではないでしょうか。例えば、近未来のスラム街の荒廃ぶりやクルマや武器のアンバランスは、何らかの負の出来事があった後日談として捉えれば寧ろ当然のあり方とも思えますし、主人公の友人の受けるリンチの凄まじさは、マフィア的集団ならではの「見せしめ」あるいは「思い知らせ」の手段であり、未来の人物を殺害するより残虐性が前面に出るからこその凶行だと思えます。 ラストシーンも単純には受け取れませんね。母子の愛情が未来を救うのか、運命は変えられず、結局別ルートでレインメーカーは登場することになるのか。観終わった後にも考えさせられる余韻があります。 観る前は、予告編だけの印象から「ターミネーター」シリーズのアレンジ版かと思ってましたがだいぶ違いますね。独創性と良く練りこまれた作品に8点献上します。 追加:改めて考察してみたのですが、レインメーカーが「ループを閉じる」理由が理解出来ないです。(以下、限りなく独り言です。) 現在の自分が未来の自分を殺す。 ひとつには、30年後の自分の運命を知ってしまうのだから、予測して回避可能となり、自分が自分を殺すという未来が到来しないかもしれない。そして、そのことが社会全体にもたらす影響は予測不能。 また、もうひとつには、未来の自分を殺したことによる精神的なダメージは多大であるものの、現在の自分の肉体には何ら影響が出る訳もなく、時間の流れが一人ひとりの1本の糸だと考えれば、残り30年で回転し続けるだけ。個人への影響であって社会全体には何も影響がない。 そう考えるとレインメーカーは何故「ループを閉じる」のか?もしかしたら、悪の勢力ではなくタイムマシンを全廃し歴史の健全性を確保しようとしている人物なのか?だとすれば、シドを助けたことで彼の運命が変わり、必ずしも「ループを閉じる」行動に走らず、結果、30年後の悪の繁栄を助長しかねないかも知れない。そもそも、過去に送り込んでルーパーに処刑させる行い自体が本当に悪なのか? こうやっていろいろ考察して楽しめるってことは、やっぱり良作なのかな? [DVD(字幕)] 8点(2013-11-02 23:13:27) |
674. デンジャラス・ラン
緊張感があって展開はスピーディ、実に面白かったです。ただ、退屈する暇などないぐらい楽しめるのにも関わらず、あまり後に残るものがない感じ。安定感抜群のデンゼル・ワシントンの熱演が光るだけに、一抹の寂しさを感じてしまいます。娯楽作品として割り切るしかないのかな?複雑な心境の7点献上。 [DVD(字幕)] 7点(2013-10-27 23:42:42) |
675. プロメテウス
《ネタバレ》 遅れ馳せながらの投稿なので既に書き尽くされてしまってますね。それでも言いたいのは予告編のあり方。予告編以外の予備知識なしで観る者にとって、この展開は騙された感が否めない。人類の起源の謎、大いなる存在による創造、時空を超えたロマン等々、ダイナミックなスペースオペラを期待させる予告編。しかしながら、実際の作品内容は「エイリアン・ライジング」に他ならない。 いいんです、否定はしません。だけど、予告編で敢えてミスリードするのはやめて欲しかった。最初からエイリアン・シリーズと判っていた方が素直に楽しめたと思う。 登場人物のアホさ加減。およそ科学者とは思えない発想と行動。他にも納得できない点は多々あるけれど、流石の卓越した映像表現、計算されたエンターテインメント性等々、一見の価値ありです。観る人を選んじゃいますけどね。 [DVD(字幕)] 6点(2013-10-27 22:52:55) |
676. 宇宙人王(ワン)さんとの遭遇
《ネタバレ》 制作費の殆どがイカじゃないかと思われるほどのチープな作品なのに、見事に惹き込まれました。 おそらくは正統派の社会派ヒューマンドラマなのではないかと信じ、真面目にコメントさせていただくのなら、「言語や文化や外見が異なっても心は通じ合える」ことへの警鐘を鳴らすふりをして、その実、やはり「愛」を唱えた作品と言いたいところですが、やはり信じてはいけないようで、そのまんまストレートに、風刺をたっぷり詰め込んだ某国批判誹謗中傷作品なのかなぁ… 政府関係者の興奮ぶりや拷問シーンなどから、「王さん」の言葉を信じないことへの確証があるやに思え、どうせ純粋な美人通訳が最後に裏切られると、若干斜に構えて観ていたら、案の定その通り。されど、意外性はイマイチなのに思いの外エンディングにがっくりさせられたのは、懸命な美人通訳にまんまと感情移入させられてしまった証。インディーズ作品とのことながら、各国の映画関係者等の注目を集めた作品だけのことはありますね。個人的にかなりハマったので1点おまけの8点献上です。 それにしても、エビ型宇宙人やらイカ型宇宙人やら、異星人に異形を求めたがる風潮は昔から変わりませんね。この流れを創り出した古のSF作家の皆さんの想像力に敬服。ま、人間型だとむやみやたらに攻撃しにくいってのもあるんでしょうけれどね。人間同士だと平気で攻撃し合ってるくせにね。 [DVD(字幕)] 8点(2013-10-27 01:54:59)(良:1票) |
677. THE GREY 凍える太陽
《ネタバレ》 長過ぎます。それだけは間違いないと思う。 絶望的な状況の中、おそらくはベストの選択ではない雪中行軍の道を選ぶ男たち。平静を装っていても明らかにパニック状態にある彼らは、ことごとく無茶で危険な選択を繰り返し、一人また一人と絶命していく。ところどころに散見されるエンターテインメントならではの非現実的な演出に目をつむっている限り、この作品に流れる緊張感や絶望感は極めて現実的と思われます。ラストシーンの主人公の選択も、ある意味現実味があるのではないでしょうか?(例のカットは不要です。) と言う訳で高評価したいけれど、やっぱり長い。長過ぎます。 ちなみに、最近ありがちな「やっぱり事故で死んでました。天国に行くための最後の試練がこれです。」みたいに受け止める方もいるのではないでしょうか?だからこその神との対話?私は現実モノとして受け止めましたが…。 [DVD(字幕)] 7点(2013-10-20 12:26:14)(良:1票) |
678. キック・オーバー
《ネタバレ》 メル・ギブソンの復活を感じさせる良作。実に様々なエッセンスが詰め込まれていて、コメディかなと思いきや、かなりブラックな描写もあり(だからR15+?)、それらが渾然一体となって絶妙な味わいに繋がっています。 殆ど世紀末モノの荒廃した未来社会みたいな環境設定だけれど、10年以上前にニュース映像で見た極悪刑務所ってこんな感じだったのか…とてもじゃないけど自分だったら半日も生き延びられないなぁ。世の中には恐ろしい現実があるもんですね。妙に明るく表現されてるけど、相当な地獄だったんじゃないかと…。 ちなみに、個人的には手榴弾をポイする場面が痛快でした。考えてみりゃヒドイ話ですけどね。やっぱこの主人公も極悪人だ。 それと、邦題はどういう意味でしょうか?「払いやがれ!」かな??原題の副題が一番合ってるような… [DVD(字幕)] 7点(2013-10-20 11:27:25) |
679. ドリームハウス
《ネタバレ》 実質1時間20分余りの作品の中に、2度のどんでん返しとホラー性とヒューマンドラマ性を盛り込んだ充実した作品。 正直、冒頭から何やら伏線を感じさせる演出に気付いたのですが、なかなか確信に至れない。非常に考え尽くされた演出です。怪しいんだけれど断言出来ない。この手の「設定」はすっかり「ありがち」になっちゃいましたけれど、これは久々の秀作です。1度目のどんでん返しがあまりにあっさり早い段階で起きるから、この後どうやって描いていくのかと不安を感じましたけどそんな心配は無用でした。 それと、監督の力量もさることながら、ここはキャスティングの妙もかなりのウェイトを占めていますね。ダニエル・クレイグとレイチェル・ワイズ、そしてナオミ・ワッツ(正直、彼女が出ていたからレンタル屋でこの作品をチョイス)。それぞれの役柄を演じ切っていて素晴らしい。もし、無名の俳優さんでキャスティングしていたら、随分と印象は変わっていて、凡庸なB級ホラーになっていたかもしれません。 ホラーかヒューマンドラマか?これは文句なし、家族愛を描いたヒューマンドラマですね。観終わった後、「ドリームハウス」というタイトルが涙を誘います。 ちなみに蛇足ですが、ラスト近くで唯一レイチェルが起こす物理的現象。これは「あり」でしょうね。 (追記) 約10年ぶりにアマプラで再見。当初はナオミ・ワッツ観たさにレンタルして来たものの、観始めたら完璧に作品世界に取り込まれてしまった本作。今回改めて観ても矢張り良い!脚本もキャスティングも文句なし!解りやすいミステリー、程良いホラーテイスト、そしてオチを知っていても尚且つ得られる感動。当初はナオミ・ワッツ様への敬意を表して8点献上という大盤振る舞いのつもりでしたが、改めて良作との印象を深めたので1点加算させていただきます。 [DVD(字幕)] 9点(2013-10-20 06:59:28)(良:2票) |
680. 388
《ネタバレ》 実験的作品のようでいて実に良く作りこまれた作品であり、状況設定もデジタルカメラの録画を駆使した演出も秀逸と言って過言ではないと思うのだけれど、どうにも感情移入出来ない。それはひとえに登場人物の行動や思考があまりに浅いから。現実的な不条理感を醸し出せずに、寧ろダラダラ感が観客を退屈にさせてしまう。そう、極めて恐ろしい作品テーマなのに、結局他人事で終わってしまう。世の中にはこんなイカレタやつがいるかも知れないけど、自分は大丈夫。こんなに簡単にひっかかるほど馬鹿じゃないから。みたいに感じるだけでしょう。エンディングを観る者が不安と恐怖で2・3日眠れなくなるぐらいの徹底的な現実感を盛り込んで欲しかった。惜しい。 [DVD(字幕)] 6点(2013-10-20 06:28:56) |