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プロフィール
コメント数 2305
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 53歳
自己紹介 お世話になっております。
今年もよろしくお願いします。


※映画とは関係ない個人メモ
2025年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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681.  HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス 《ネタバレ》 
インスパイア?オマージュ?パロディ?いえいえ、そんな小洒落た言い方は正しくありません。ただの“パクリ”です。スパイダーマンを筆頭に、モテキ、トイストーリー、ベストキッド、タイムボカン…よくもまあ恥ずかしくもなく、人気作からエッセンスをつまみ食いしたものだと感心します。でも不思議と厭らしくありません。格好悪いとも、ズルいとも思いません。むしろ清々しい。それは偏に「真面目」だからです。奇しくもママンがプラトニック狂介に言い放った台詞と同じ。堂々たる演技。真摯な演出。おいなりさんにフィットさせてイチイチYES(夏色のナンシーかッ)。木根尚登やHIKAKINといった完全な悪ふざけから、カンヌ俳優・柳楽優弥まで、高低差が激しいクレイジーなキャスティングに納得してしまうのも、誠実だから。馬鹿馬鹿しい事をひたむきに。おフザけだって全力で。そんな素敵なサムシングが本シリーズには在るのです。たぶん、誰からも評価されようなんて思っていないでしょう(これで好意的な評価を期待しているのなら、どうかしています)。ごく一部の好事家(変態ともいう)に向けて送られた渾身のラブレター。嬉しいかな、悲しいかな、私の心にはドストライクでありました。「ツマラナイ」「見る価値なし」貶し言葉が全てホメ言葉に転化してしまうのですから、変態映画ってのは、ある意味“最強”なのかもしれません。(以下余談)前作の感想で、変態仮面に高得点を付けけることを娘に知られたくないと思った私ですが、まだまだ覚悟が足りないようです。そもそもお父さんが本作を観ている事自体、(父の威厳的な観点から)子供に知られるワケにはいかないのです。「何?これ新作?」とレンタルDVDケースを長女が手に取った瞬間の絶望感たるや筆舌に尽くせません。(アプリ登録で1枚何でも無料キャンペーンと“シールが貼ってあるDVDはレンタル厳禁”の家訓が仇となりました。幸いにもタイトルを確認される前に、玄関のチャイムが鳴り難を逃れましたが…回覧板よ有難う!)続編が制作された暁には、必ず劇場鑑賞することを(危機管理的見地から)ここに誓います。
[DVD(邦画)] 8点(2016-09-30 00:28:24)(笑:1票)
682.  ロマンス(2015) 《ネタバレ》 
ラブホにて。「オッサン、絶ッ対に何もしないでね」と女。語感、表情ともに、本当にダメなヤツです。一応コインでイケるかどうか占った男ですが、手を出すつもりはなかったでしょう(そんな度胸はありません)。ところが、ところがです。風呂上りの女は明らかに様子が変わりました。弱音を吐き、さめざめと泣き、抱き寄せる腕を拒みません。この瞬間、男の脳裏に再生されたのは、豆絞りを被った小太り中年の四つん這い姿だったはず。熱湯風呂を前にして「ゼッタイに、押 す な よ」の図と同義なり(もはや大島というより、上島。よく見て、顔もソックリよ!)。一方、押し倒された女の心境は如何に。ラブホだしなあ、どうでもいいか、だいぶ金使わせたし仕方がないわ、やっぱ男だなMIX。実に冷静なものです。ところが、ここで男は行為をストッピング!!NOではないが、決してYESでもない女の様子を敏感に察知します。この時の男の気持ち、同世代として激しく理解します。男は女に“情”を寄せていたから。同情、友情、愛情、多分いろいろ。少なくとも一時のノリと欲情で“この関係を清算してよい”行きずりの相手ではありませんでした(一時の快楽より、一生モノの思い出を選択したとも言えます)。それにここで抱いたら本物の最低になってしまうから。やせ我慢して格好つけたいくらい、男にとって女は大事な人に変わっていたのでしょう。多分それは女にしても同じ。自身を蔑む男の背中に、そっと寄り添う気遣いからの“寝たふり”炸裂。このまま男の話を聞こうものなら、本気で抱かれる展開以外ありません。でもそれは御免。そこまで心は許していないし、そもそも万引き野郎だし、でもこの関係は嫌じゃない。「狸寝入り」の術にて現状維持成功。お見事でした。イイ男風キスへのお仕置きも、大人の女の嗜みでしょうね。さて、1泊2日の『ロマンス』は、2人の心境にどのような変化をもたらしたでしょうか。男の方。警官に手をひかれる老婆のように、公権力に頼った更生の道を選ぶのでしょうか。あるいは、まだ困難から逃げ続けるのかも。少なくともコインの表と裏は正しく理解したはず。正しい、いや後悔しない選択をして欲しいものです。女の方は、心のエナジー充電完了。実は上司や同僚に恵まれていた事にも気づけました。実母との“直接対決”にちゃんと営業スマイルが出来ればもう大丈夫。本当に“要るもの”と“要らないもの”を見極めて、自分の人生を歩んで行けるでしょう。今回もタナダ的“強い”ヒロイン像健在の物語を堪能させていただきました。昨今大流行のイケメン&美少女を主役に配したラノベor少女マンガ原作のふんわりマカロン邦画(勝手に命名&完全に偏見)に辟易していた私としましては、アンチテーゼのようなブサメン&アラサーコンビによる定番リアル寓話に大変満足した次第です。中年男の疲れた心と体には、このくらいしっかり甘くて、ちゃんと心に沁みる映画がぴったり。名付けるなら最中映画。苦い現実とよく合います。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2016-09-20 19:28:19)(良:1票)
683.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 
ついに話題作を劇場鑑賞いたしました!なるほど、なるほど、こりゃヒットするワケです。下品な言葉使いで失礼しますが「クソ面白い!」が私の心情にピッタリ。キャッチコピーが的確かつ秀逸です。「現実VS虚構」。嘘っぱちをモチーフにした大真面目なリアルシミュレーション。『空想科学読本』の社会科編といったところでしょうか。こんな大人のお遊び大好きです。大御所&実力派&クセモノ揃いのキャストがこれまた抜群でした。オジサン俳優は漏れなくイイ味出しまくりですし、豪華脇役陣もきっちりスパイスを効かせた良いお仕事ぶり。巷で話題の尾頭さんも素晴らしいですが、個人的にツボに入ったのは高橋一生。あの演技はクセになります(佐藤二朗、荒川良々クラスの怪演技!)。作品のクオリティを下げる役者が一人も見当たらない奇跡の配役は、お見事の一言に尽きます。勿論、これも含めて監督のお手柄かと。庵野節炸裂、いやゴジラ版エヴァンゲリオン。監督の作家性が強烈に打ち出されているところも高評価いたします。はてさて、続編はあるのでしょうか。これだけの金脈を映画業界が放っておくとは思えませんが、続編で本作を超えるのは至難の業でしょう。それくらい満足度の高い作品でした。
[映画館(邦画)] 9点(2016-09-10 19:28:04)(良:1票)
684.  寄生獣 完結編 《ネタバレ》 
田宮良子の最期と、無敵の寄生獣『後藤』との最終決戦は、完結編というより全編通じてのクライマックス。田宮のシーンは、深津絵里圧巻の演技もあり原作の感動を高いレベルで再現できていたと思います。お見事でした。対して、後藤の方は残念な仕上がりです。何故合理主義のパラサイトが、特定の相手を執拗に狙う必要があるのでしょう。広川コミュニティが崩壊した今、後藤がシンイチを抹殺しなければならない道理などありません。『やりかけの仕事』『戦いこそが我が生きる道』後藤の行動原理たる2つの動機をきちんと説明しなかったのはお粗末でした。『戦は兵力よりも勝機だよ。シンイチ』の名台詞が出る幕のないシチュエーションでの対決、ミギーの体組織が腕に残っているから「後藤に見つかってしまう」と狼狽えるシンイチなど、正直見たくなかったです。以上、原作ファンのコダワリに所以する不満でした。もっともこれらは、原作未読であれば大した問題ではありません。この映画をキッカケに原作を手に取る観客が一人でもいれば、映画化の価値は充分にあったと考えます(フィギアコレクターとして付け加えるなら、立体ミギーが沢山商品化されたのは嬉しい効果。客観的にはコレクションの棚が気持ち悪いことになっていますが笑)。かつて実写劇場版『カイジ』に対して原作の方が『2000倍面白い』と憤った私ですが、本作の場合は『3倍面白い』で閉めさせていただきます。みなさん原作を読んでネ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2016-08-30 20:21:13)(良:1票)
685.  寄生獣
“バランス感覚優先で一般向け商業映画に仕上げました”な映画。ホームランではなく、きっちりシングルヒット狙いが功を奏していると感じます。これはこれで正しい映画化のかたち。ただ、原作ファンからしてみれば特大のホームランを狙って欲しかったなあと。それだけの価値がある原作だと思うのです。もちろん結果三振でも構いません。そういう意味では、個人的に決して好きな監督ではありませんが、園子温監督にメガホンを取って欲しかったなあと。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-08-20 21:57:54)
686.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 
ハリウッド版『ゴジラ』というよりは、ロボットの出ない『パシフィック・リム』な印象です。予想通り怪獣の質感がリアル過ぎて、和製怪獣映画特有の侘び寂びはありません。もっとも『ゴジラ』ブランドに郷愁を感じていない私のような一般客からしてみれば、全く問題ありません。これだけのスペクタクル映像を頂戴できれば充分に御の字です。人間の力が全く及ばぬ結末のつけ方は非常に好みです。
[地上波(吹替)] 7点(2016-08-10 22:51:11)
687.  天空の蜂
多くを語る必要なし。「堤幸彦監督に社会派サスペンスなど撮らせてはいけません」
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-07-25 21:24:16)
688.  映画 暗殺教室
アニメや漫画等2次媒体だからこそ容認される『メッセージ性』や『トンデモ設定』を、実写という“圧倒的・絶対的なリアリティ”が存在する場で再現するのは、やはり難しかったようです。
[地上波(邦画)] 5点(2016-07-20 23:20:19)
689.  I am Sam アイ・アム・サム 《ネタバレ》 
親子の情愛という普遍的なテーマを描くには、ダコタ・ファニングちゃんはあまりにも“可愛過ぎ”ました。付け加えるなら演技面も“上手過ぎた”と感じます。子役がスペシャル仕様だと、物語が絵空事に思えてしまうのです。何故なら、あれくらい可愛ければ、我が子でなくても大人はメロメロになってしまうと思うから。日本の子役で喩えるなら、安達祐実だとやっぱり可愛すぎ。その点、庶民感がある芦田愛菜や本田望結はちょうどイイ感じ。ただし、2人とも演技はもっと下手でいいです。子役のキャスティングの難しさを痛感した一作でした。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2016-07-15 23:52:19)
690.  龍三と七人の子分たち 《ネタバレ》 
コメディ版『アウトレイジ』ではなく、21世紀の『みんな~やってるか!』の趣。北野監督の、いやビートのたけちゃんが、楽しんで撮ったであろう様子が目に浮かぶ作品でした。シリアスヤクザ映画や、賞レースを狙えるヒューマンドラマばかりでは、監督もストレスが溜まるのでしょう。映画監督の顔、お笑い芸人の顔、両者を繋ぐバランサーの役目を担う作品だったと考えます。残念ながら私のツボにはハマらないタイプのコメディでしたが、楽しい映画ではありました。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-07-10 19:46:03)
691.  呪怨 -ザ・ファイナル- 《ネタバレ》 
佐々木希主演『呪怨 終わりの始まり』の続編でしたか。なんとか前作の記憶を呼び起こしつつの鑑賞となりましたが、考えてみればストーリーを追う事に意味などありません。呪いを解く術などハナからナッシング。致死率100%のウィルスに感染し、あとは死を待つのみ。白塗り奥さん&坊ちゃんの“様式恐怖美”を楽しむのがお約束のシリーズでした。でも、どうなんでしょう。確かに条件反射的にゾクゾクッする場面はあるのですが、根本的に恐怖を感じないのです。たぶん生への希望が無いから。恐怖を引き立たせるのは、絶望ではなく希望なのだという事がよくわかります。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2016-07-05 20:59:39)(良:1票)
692.  ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス 《ネタバレ》 
惰性で観続けてきたシリーズではありますが、ここに来て「なかなか面白くなってきたな」というのが本音です。第1作目、2作目は、壮大な前フリ。革命軍のシンボルとなるヒロイン誕生ヒストリー(言わばエピソードゼロ)という位置付けであった事に気づかされます。あくまで本番はこれから。本作では反乱軍が、カットニスをジャンヌ・ダルクに仕立て上げるための広報戦略が物語の主軸となっています。今までのサバイバル・アクション要素は完全に鳴りを潜めました。ヒロインの八面六臂の活躍を期待していた観客にはお気の毒ですが、“リアル革命シミュレーション路線”の方が個人的には興味が持てます。次回作に“期待”としておきましょう。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-06-30 18:57:30)(良:1票)
693.  殺人ワークショップ 《ネタバレ》 
タイトルだけみると『自殺サークル』(2002年・園子温)の続編みたいな印象を受けますが、『ノロイ』『シロメ』『カルト』でお馴染み白石晃士監督作品。いつもの“胡散臭さ”全開のカルトホラーでありました。タイトル通り、殺人について合宿形式の体験セミナーが行われるのですが、要するに洗脳です。同じ釜の飯を食い、体験を共有し、非常識を常識に転化していくお馴染みのシステム。何と言っても、講師役のおっさんのキャラが強烈で、悪い意味で人間力が半端なかったです。『凶悪』のリリー・フランキーと双璧といったところかと。なお、バラエティーに富んだ殺人技法のレクチャーがあるかと思いきや、「男は黙ってサバイバルナイフ」(byクールポコ)が信条のようで、マーダーレッスンは“ナイフは素早く刺して抜く”に終始しています。でもシンプルが故に表現はエグく、刃物ってやだなあ、怖いなあ(byBBゴロー)と感じました。大変失礼な話ですが、主題歌を歌う『北村早樹子』さんのミュージックビデオ(DVD特典で収録あり。某有名動画サイトでも『卵のエチュード』でご覧になれます)の方が本編より8倍恐怖を感じます。
[DVD(邦画)] 5点(2016-06-25 19:56:56)(良:1票)
694.  ニンフォマニアック Vol.2 《ネタバレ》 
1+2合わせてきっちり4時間!延々と『好色一代女』のアブノーマルな性遍歴を見せられるワケですから、それはもうグッタリです(歳のせいかなあ苦笑)。でも、この“長さ”に価値があったと考えます。お経のような、あるいは校長先生の訓話のような。長過ぎるお話に集中力が続くはずもなく、エピソードは次第に耳を通り抜けていきます。そこで始まるのは自分自身への問い掛けでした。己が知識、経験、人生観と照らし合わせて、主人公の生き様に対する検証作業を行います(テンポの良いお話だとこんなコトしません)。ところが監督は意地が悪いとみえます。折角自分なりの解釈を導き出したと思ったら、終盤ご丁寧な解説が用意されていました。まるで「馬鹿なお前らに、ちゃんとお気に召す答えを用意してやったよ」と、心の内を見透かされたようで。その最たるものが、セリグマンの醜態という事になるのでしょう。自身の矮小さと、愚劣さを突きつけられて、気分が良いはずがありません。本当に監督は性格が悪いです。それでもジョーの子供が命を落とさなかった事、自らの尊厳のため彼女に銃の引き金を引かせた点は、監督の良心と捉えておきましょう。(以下余談)ラース・フォン・トリアー初体験が、果たして本作で良かったのかどうなのか。監督が相当のクセ者だという事だけは分かりました。他の映画も観てみたいですが、精神的に余裕がある時じゃないと無理そうですな。
[ブルーレイ(吹替)] 8点(2016-06-20 23:54:40)
695.  ニンフォマニアック Vol.1
そもそも前・後編に分ける必要があるのか疑問でしたが、1・2続けて観終えて意味が分かった気がします。本作も含めて感想は『2』で述べます。本作単独での評価はしかねますので採点放棄という意味の5点です。
[ブルーレイ(吹替)] 5点(2016-06-20 23:53:48)
696.  HERO(2015) 《ネタバレ》 
ドラマ『HERO』の本質とは、正論をファンタジーという名の甘いシロップでデコレートしたお菓子。苦い現実を噛み締める民衆にとって舌触りの良いデザートです。これはこれでエンターテイメントとしてアリというのが私の見方でした。ところが、本作の場合、甘さ全開の物語の中に異質な苦味酸味がちらほらと。例えば久利生と雨宮のラブストーリー。久利生は独身貴族で悠々自適の人生を選ぶのもイイでしょうが、三十路後半女性が恋愛から仕事に逃げる選択を「良し」とする脚本は、あまりにも無責任かと。また長時間労働を美徳とする古い価値観が見え隠れする点も、時代錯誤という気がします。スイーツならスイーツらしく、雑味を封じ込めるテクニックが必要だったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-06-15 20:27:50)
697.  シベリア超特急3 《ネタバレ》 
新日本プロレスが『キングオブスポーツ』、私立恵比寿中学が『キングオブ学芸会』なら、シベリア超特急シリーズはさしずめ『キングオブ茶番劇』でしょうか。ツッコミどころ満載、いやツッコミどころしか見当たらないトリック?の数々や、ドンデン返しの為のドンデン返しに、脳内麻薬が出っ放し。『瀬戸内海事件の真相とラスト2つのドンデン返しは決して人に話さないでください』とこれ以上ないネタバレを冒頭にアナウンスしてしまう監督のセンスには、もはや狂気すら宿っています。河崎実監督のように“狙ってつくるB級映画職人”は時々見かけますが、水野監督のような“本物”にはなかなかお目にかかれません。虎は死して皮を留め、水野は死して『シベ超』を残す。監督の生き様が心から羨ましいです。普段は名作文芸作品しか鑑賞しない私ですが、今日くらいは『シベ超』シリーズで、不世出のバカ映画、もとい映画バカ監督の“シネマ愛”を偲びたいと思います。合掌。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2016-06-10 21:49:24)
698.  リアル鬼ごっこ(2015) 《ネタバレ》 
猛毒“園子温節”炸裂の一作。いつものように刺激超過・不条理全開のエゲツナイやり口で観客の心を掻き乱します。範馬勇次郎の如き力技至上主義。優しさや潔さが感じられれば、馬鹿映画として愛でられるのですが、どうしても監督の高説を聞かされている感覚が抜けません。失礼な言い方ですが、監督と観客の間に信頼関係はありません。もっとも、これこそが園子温流。突き放される感覚が逆にタマラナイという方もおられるでしょう。ただ個人的には「シュールに負けるな」を台詞で言わせるのはズルイなあと。そう言われたら、物語の整合性を求める一般客は黙るしかありませんから。個人的にツボだったのは斉藤工。あの白パンツは反則でしょう。どうせなら白パン斉藤に日本刀でも持たせて、ハナから女子高生を斬りまくれば良かったんじゃねえの、と投げやりに言ってみなくなります。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-06-05 11:58:07)
699.  予告犯 《ネタバレ》 
『八日目の蝉』もそうですが、犯罪者が主人公の感動系ヒューマンドラマというものは、なかなか厄介なものです。犯罪者=悪という社会の絶対的共有価値観(社会の視点)と、個人の人生観に基づく私的信条(個人の視点)のせめぎ合いが、心の中で勃発するから。共に恵まれぬ幼少期を過ごしながら、正反対の立場にあるゲイツと吉野。そんな2人が合わせ鏡のように重なり合う姿に心を動かされるのは何故?死んだらお仕舞。最悪の選択。でも自分の命よりも大切な命が存在するのも真実。ゲイツの自己犠牲を非難できない自分は間違っているのか?青山(窪田)の台詞『大きな事じゃなくても人は動く。それが誰かの為になると思えば』に心震えるのはどうして?ひたすら自身の心に問い掛ける作業を繰り返しました。こんなふうに自分と向き合える映画は久しぶり。お気に入りの一作確定です。ただし、あまりに苦しいので、観返す予定はありません。(以下余談)私は映画ポスターのコレクターでもあるので、ポスターデザインは承知しておりました。生田一人アップの先行版と、生田と戸田が映るレギュラー版。正直ありきたりな図柄で、良作の香りなど微塵も感じませんでした。しかもタイトルはあの『模倣犯』を彷彿とせるもの。邦画サスペンスにはハズレが多いですし、期待値はゼロ。ところが鈴木亮平に、濱田岳、荒川良々と、単独主演クラスが次々と出てきてビックリ。さらに窪田正孝に、小日向文夫、滝藤賢一って、どれだけ豪華キャストなんだと。あれ、監督・中村義洋、脚本・林民夫コンビって『ルート225』、『ゴールデン・スランバー』に『みなさん、さようなら』の名コンビじゃないですか。そりゃ私の趣向にピッタリなハズです。予習をサボったおかげで、良作を引き当て、得した気分です。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2016-05-30 21:29:47)
700.  イニシエーション・ラブ 《ネタバレ》 
私のセンスの無さを白状するようで恥ずかしいのですが、セールスポイントである例のカラクリや懐かし文化風俗も然ることながら、ベタなラブストーリーに釘づけでした!冴えないデブ、奇跡の交際から破局までの夢物語が、どうにも痛痒く、身悶えしながら感情移入してしまったのです。堤監督もやれば出来るじゃんと言う感じ(失礼)。どんでん返しを成立させたキャスティングもお見事ですが、やはり本作は前田敦子に尽きると思います。これが桐谷美鈴とか佐々木希とか原節子とかグレース・ケリーなんかだと、美人過ぎてリアリティゼロ(ん?)。ところが、前田の場合“こんな俺でも手が届くかもしれない”と錯覚させる、良い意味での庶民感があります(本気でホメてます)。これが元トップアイドルのポテンシャル。そんな平凡女の“したたかさ”が迷宮の入り口でありました。「タっくんが初めての人で良かった(はーと)」にいろんな意味でノックアウトされたワケです。彼女は決して性悪ではなく、普通の女性。凡百の女の処世術に、男はなす術がないと。ラストカット、繭子の微笑みに隠されていたものに、どうぞ震えてください……。“前田敦子は脇役で勝負すべし”が持論でしたが、本作では立派に華を感じました(実際周りに花が咲いていましたしね笑)。女優根性もあるようですし、主演助演問わず、ますます活躍が期待出来るのではないでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-05-25 20:27:13)(良:2票)
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