681. キル・ビル Vol.2
《ネタバレ》 何というか、マンガチックな「サムライカンフーウェスタン映画」とでも言えばいいんでしょうかね。 前作ほど、次に何が飛び出してくるのか思わず期待してしまうような楽しさはありませんでしたが、この作品も脚本の面白さ、音楽の使い方の上手さ等々素晴らしい「映画」です。タランティーノらしさはこちらの方が味わえます。 [地上波(字幕)] 7点(2009-03-12 13:18:28) |
682. キル・ビル Vol.1(日本版)
《ネタバレ》 タランティーノの日本映画(特に昭和の任侠・アクション映画)への愛が満ち溢れている本当に観ていて楽しい作品でした。 本当にヘタウマというか、B級映画の素材を本当に緻密に組み合わせて凄いものを作りあげていますね。音楽の使い方も相変わらず抜群です(あのウィークエンダーの曲が頭から離れません)。 まあ、少しエグいシーンが多いのがアレですが、ユマ・サーマンの殺陣も中々堂に入ったものでしたし、脚本は見事ですし素晴らしい映画だと思います。 [地上波(字幕)] 8点(2009-03-10 14:17:51) |
683. 桃尻娘 ピンク・ヒップ・ガール
脳天気でアヤしいテーマソングが非常にインパクト強いですね。70年代の世相や、常にブレない内田裕也を観る事ができますが、内容は特にありません・・・・。 [DVD(邦画)] 5点(2009-03-05 12:53:16) |
684. ロルナの祈り
《ネタバレ》 国籍目的の偽装結婚は日本でもある話なので、非常に興味深く観る事ができました。愛は、商品のようにドライに売買できるものでは無いというダルデンヌ兄弟の思いのようなものが感じ取れましたが、現実はどうなんでしょうかね。私自身はそうであってほしいとは思いますが・・・。 [映画館(字幕)] 7点(2009-03-04 14:43:42) |
685. 戒厳令下チリ潜入記
《ネタバレ》 軍事独裁政権下のチリの様子が描かれていて興味深い作品でした。特に、ピノチェトの軍事クーデターのドキュメントでは、当時の無線記録や関係者の証言により生々しく当時の光景が伝わってきました。 [ビデオ(吹替)] 6点(2009-03-04 14:38:18) |
686. チャーリー・ウィルソンズ・ウォー
《ネタバレ》 アメリカのアフガン政策の裏側をとてもわかりやすく、そして面白く描いています。ただ、この「わかりやすさ」「面白さ」が非常にくせ者なんですよね・・・。 軽妙で能天気にさえ見えるチャーリー・ウィルソンそのものが、アメリカという国の「軽さ」の象徴のように感じましたね。そして、その「軽さ」が後々悲劇を生み出してしまうんですよね・・・・。 「人間万事塞翁が馬」・・・映画の中でも引用されるこの故事成語が非常に重く響きました。 [DVD(吹替)] 8点(2009-03-03 19:33:35) |
687. 夜明けの国
《ネタバレ》 中国に於ける文化大革命の勃興を捉えた貴重な映像記録です。ただ、政治的な流れを描いたシーンはそれ程無くて、殆どの時間を旧満州を舞台に当時の農業・工業政策の紹介が延々と続き、まるで企業のPR映画を観ているような印象でした。 わずかな文革の映像からは、毛沢東への個人崇拝の凄さ、群集が作り出すエネルギーの熱さを感じ取る事が出来ました。ただ、そのエネルギーが暴走してしまうんですよね・・・・・。 もし、中国で文化大革命が起こらず、徐々に市場主義を取り入れていったとしたら今の世界はどうなってたんでしょうかね? [DVD(邦画)] 6点(2009-03-02 19:28:55) |
688. 延安の娘
《ネタバレ》 ドキュメンタリーなんですが、まるでドラマを見ているような気にさせる巧みな構成は見事でした。革命という名目の下で、人間性を奪われ国家の歯車(よく言えば革命の礎)となることを強制された人たちの苦しみが今も続いている事実は非常に重かったですね。「革命の聖地」延安の荒涼とした光景が、非常に内容とマッチしていて印象的でした。 [DVD(邦画)] 8点(2009-02-24 15:36:36) |
689. エージェント・ゾーハン
《ネタバレ》 非常に下品でお馬鹿なネタが満載のコメディなんですが、その笑いの中にアメリカの底辺で必死に生きている移民たちへのエールや違う民族同士で憎しみ合わずに共存していこうというメッセージが込められているように感じて、結構心に響くものがありましたね。 [DVD(吹替)] 7点(2009-02-24 12:47:27) |
690. 蟻の兵隊
《ネタバレ》 第2次世界大戦終了後も日本軍が活動(表向きは各人の志願によるものとなっている)していたとは、恥ずかしながら初めて知りました。そして、彼らの帰国後も日本政府からは黙殺されていることも・・・。 それにしても、元日本兵である奥村和一氏の毅然とした姿には非常に感銘を受けました。戦時中の自分達の行いについても卑屈な謝罪や自虐に逃げることなくまっすぐ向き合おうとする真摯な姿勢が、中国の人たちにも受け入れられているのが見て取れましたね(実際に戦時中被害を受けた女性とのやり取りは非常に感動的でした)。 本音と建前を悪い意味で巧みに使い分け、多くの兵士達に苦しみを与えた軍上層部、そして日本政府の姿勢には怒りを覚えましたね(もちろん、いろいろな理由はあるとは思いますが)。 本当に素晴らしい戦争ドキュメンタリーだと思います。ただ、靖国神社のシーンを挿入しているのはちょっと陳腐な感じがしましたね。そんな瑣末な問題を超えたところに、この作品がわれわれに訴えかける問題はあると思いますから・・・・。 [DVD(邦画)] 9点(2009-02-21 20:49:48) |
691. みなさん、さようなら(2003)
《ネタバレ》 どっかの映画のタイトルではないですが「生きてるうちが花なのよ、死んだらそれまでよ」という言葉が思い浮かびましたね。人間にとって死とはすべての終わりなんだなと思いました。愛情や友情や楽しいことは勿論のこと、苦しみや憎しみ、対立さえも強制終了してしまう・・・・。だから、この父親のようにすべての完結をある程度見届けた上で死を迎えられるのは本当に幸せなことなんでしょうね。ユーモア(若干ブラックなのもありましたが)にあふれた温かい雰囲気が非常に心地よかったです。 人間誰しもいずれは受け入れなくてはならない問題ですから、いろいろ考えさせられました。 [DVD(吹替)] 7点(2009-02-21 19:58:48) |
692. ディクシー・チックス シャラップ&シング
《ネタバレ》 あれだけのバッシングを受けながらも、怯むことなく冷静なまでに立ち向かっていくディクシー・チックスのメンバーと周囲のスタッフの姿に大きな感銘を受けました。 バッシングの酷さから垣間見えるアメリカ社会の問題云々よりも、大きな失敗を挽回していくそのプロセスが非常に興味深かったです。失敗は失敗として冷静に受け止めるものの、責任を追及していくのではなくまずはグループの結束を固め、適切な方向性を定め進んでいく姿は、まるで「プロジェクトX」を観ているかのようでした。 しかし、彼女達の強さは半端ないですね・・・凄く格好良かったですけど。 [DVD(字幕)] 8点(2009-02-20 18:36:50) |
693. ザ・カップ 夢のアンテナ
《ネタバレ》 観ていて「この先生や僧院長の演技は凄く味があって素晴らしいな」と思ったのですが、実は出演者が皆本職の方々と聞いて納得しました。やはり皆さん聖職に身を捧げているだけあって、観ていて心が安らかになりましたね。そんな中にも、現在も続くチベット問題がところどころに影を落としているのが重いですね・・・・。 [DVD(吹替)] 7点(2009-02-19 19:19:22) |
694. ツイン・タウン
《ネタバレ》 勧善懲悪ならぬ「勧悪懲悪」映画ですね。ストーリーは過激でイカれてて、これが実話なら最低なんですがブラック・コメディとしては中々面白い作品でした(ただ、犬の首はちょっと・・・・)。何というか、「ugly」でも意地はあるぜという意気込みが感じられるのも中々良かったですね。 現代のウェールズを舞台にした映画は初めてだったので非常に興味深かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2009-02-18 18:57:21) |
695. モスクワ・天使のいない夜
《ネタバレ》 オープニングとエンディングに映し出される雪で覆われた真っ白な世界と、モスクワの街の暗くくすんだ世界が非常に対照的で印象深かったですね。田舎育ちで真っ白な若者が、都会の煤に汚され倒れてしまう様は虚無的で70年代のニューシネマを思わせます(90年代の作品なんですが、どこか懐かしさを感じさせる雰囲気を持っているんですよね)。 モンゴル・ジョーダンの音楽も中々格好良かったです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2009-02-16 17:01:25) |
696. ブラックバード・フォース
《ネタバレ》 ユリアナという女性の訳のわからなさこそが、第三者では中々理解しがたいコソボの民族対立の状況を象徴しているように思えましたね。セルビア人とアルバニア人が普通に共存していたのに、突如憎しみ合うようになってしまう混乱した訳のわからない状況を・・・・。 [DVD(吹替)] 6点(2009-02-16 16:59:24) |
697. モーターサイクル・ダイアリーズ
《ネタバレ》 医学生の坊ちゃんが革命家の道を進むきっかけとなる南米旅行を描いているのですが、とにかくゲバラの若者特有の「青さ」が非常に印象的でしたね。彼自身は富裕層ではあるけれども、まだまだ半人前の学生の身ですから支配されているという点では貧困層と同じ立場にあるわけで、だからこそ被支配層への視点が極めて同情的なものになり、現状の体制に疑問を抱くようになって革命思想に傾倒していったんでしょうね。 若き頃のゲバラの姿以外にも、南米各国の様々な風景やユーモラスな旅道中なども楽しめる良い作品だと思いました。 [DVD(吹替)] 8点(2009-02-15 22:02:43) |
698. アナライズ・ミー
《ネタバレ》 まあ、ハチャメチャですけど、デ・ニーロが自らのイメージをパロディ化しているのが面白かったです。でも、マフィアの世界で命を狙われるくらいの存在になると、精神的に不安定になるのは理解できますけどね・・・・。まあ、そこはやはり「男の世界」ということなんですかね。 [地上波(吹替)] 7点(2009-02-15 21:10:40) |
699. アザー・ファイナル
《ネタバレ》 サッカーは世界の共通語であることを実感させてくれる作品でした。お互い遠く離れた、文化も人種も違うまったく接点の無い2つの国(モントセラトはイギリス領ですが)がこうやって交流をはかれるのですから、サッカーボールは本当に優秀な外交官であると思います(時には禍根を残すこともありますけど・・・)。 私自身も、モントセラトについてはこの試合で初めて名前を聞きましたし、火山の噴火により首都が壊滅したなんてことも初めて知りました。ブータンについても、名前や位置は知っている程度だったので、非常に興味深かったです。 しかし、パッと見では圧倒的にモントセラトの方が強そうに見えたのですが、やはりホームアドバンテージってあるんですね。 次は、各地域別の最下位チームを集めて裏ワールドカップを開催してもらいたいですね。結構盛り上がると思いますけど。 [DVD(字幕)] 8点(2009-02-15 20:43:35) |
700. チェ・ゲバラ/人々のために
《ネタバレ》 エピソードの端々から垣間見える彼の高邁な理想は、今もなお色褪せることなく心に響いてきましたね。 まあ、チェ・ゲバラの生涯に興味があって予備知識もそれなりにある方でないと、退屈してしまう内容かもしれません。ただ、彼の貴重な映像やエピソード(あの有名な写真がどのようにして撮影されたか等)が満載ですので、興味のある方には面白い作品だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2009-02-12 19:32:57) |