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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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681.  スポットライト 世紀のスクープ 《ネタバレ》 
流石オスカー好みの内容。でも、作品賞受賞は消去法的。堅実な演出に、的確なキャスティング、多くの情報量を2時間強でまとめた脚本。優れた映画には違いないが、非キリスト教圏の日本では馴染みの浅い実話であり、知っていることを前提に作っているわけだから、ショッキングな題材の割に台詞と情報だけで交わされる展開についていくのがやっと。直接的な性的虐待を描写しなかったのは良いとしても、あまりの淡白さにすぐ忘れてしまうだろう。記者及び被害者が報われるカタルシスに欠けているというか、かと言って盛りすぎても不自然なので難しいところ。地道に取材を重ねるジャーナリストの執念に、ロールシャッハ(ウォッチメン)の「真実こそが正義」が頭に浮かんだ。
[映画館(字幕)] 5点(2016-04-17 23:04:44)(良:2票)
682.  ストリートファイター(1994) 《ネタバレ》 
「何でガイルが主役?」 「何でサガット以外の四天王の名前がシャッフル?」 原作ゲーム経験者の自分には違和感が湧いたが、 前者はアメリカではガイルが大人気であり、戦友の仇討ちというバックストーリーがあるから。 後者は登場キャラクターにマイク・バイソンというボクサーが存在し、 肖像権侵害でマイク・タイソンからの訴訟を避けたいという大人の事情があるから。 なお、サガットは初代の原作ゲームに登場し、既に商標登録済み。  そういう部分を抜きにしても、「スタッフは本当にゲームをしたことがないんだな」と言わんばかりの原作破壊と キレのない再現度低しのアクションばかりで『ストリートファイター』と名乗って欲しくない。 ヴァンダミングアクションとして見れば、2点スレスレだろう。 これがラウル・ジュリアの遺作で続編を匂わせるラストカットが皮肉すぎる。
[地上波(吹替)] 2点(2016-04-15 22:20:18)
683.  アダムス・ファミリー2 《ネタバレ》 
これの面白いところは、ギロチン白刃取りや空まで跳んでしまうピューバートのハイスペックぶりと、当時子供の自分でも気持ち悪いと言わしめたサマーキャンプの偽善的な連中を叩きのめす姉弟に尽きる。今だったら絶対テレビで放送できない。デフォルメされた大多数の人間の偽善を炙り出すほど、アダムス家の純粋な家族愛が際立つ。「普通とは何だろうか?」と思わずにはいられない。数年経っても3が来ないと思ったら、ラウル・ジュリアが既に亡くなっていて残念だった。
[ビデオ(吹替)] 6点(2016-04-15 22:15:47)(良:1票)
684.  アダムス・ファミリー(1991) 《ネタバレ》 
2→1と遡って観賞したためか、ブラック度は1の方が上で癖が強いかも。忍者屋敷のような仕掛けの数々は楽しく、血みどろ学芸会のリアクションの面白さにしろ、次第に彼らが正常に見えてくるのだから不思議。純粋に笑うなら2の方に軍配が上がるが、ホームドラマにしては結構良い線を行っていた。
[DVD(字幕)] 5点(2016-04-15 22:12:40)
685.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 《ネタバレ》 
リアリティ皆無であるにも関わらず、現在の世界情勢を見ると現実になりそうだから笑っていられない。昔の白黒映画なのか眠くなることもあるが、「また逢いましょう」をバックにした核戦争ENDは今見ても鮮烈な記憶を残し、爽快感すら覚える。アメリカの大衆はトランプに核兵器を持たせたいのか? 大衆がそれを望むなら仕方ないけどさ。
[DVD(字幕)] 5点(2016-04-15 22:09:30)
686.  おとなのけんか 《ネタバレ》 
原題の『Carnage』(大虐殺)も邦題の『おとなのけんか』も的を得たタイトルだなぁ。息子たちの喧嘩が原因なのに、論点がずれて次第に大層で大人気ない喧嘩になっていく・・・夫婦vs夫婦から男vs女に変わっていく展開にセンスあり。キャスティングもバッチリ。ただ、80分の割に長く感じ、笑えるかどうかは別として。しかし、大女優ウィンスレットにゲロを吐かせたポランスキーは凄い。それにニューヨークのアパートが舞台なのにパリのセットで撮影とのことで、アメリカに入国できない彼に国境線は関係ないのか。そこばかりに目が行ってしまった。結局、息子たちは既に仲直りで脱走したハムスターも健在ってところが皮肉に感じる。
[DVD(字幕)] 4点(2016-04-15 22:06:08)
687.  ゴーストライター 《ネタバレ》 
作りは古風なミステリー、中身は現代の政情を反映した社会派で銀熊賞受賞は頷ける。カーナビや携帯電話といった最新機器を上手く使い、急がずじっくり焦らして陰謀に迫っていく。円熟したポランスキーの演出は言うまでもないが、英首相の妻の不敵な佇まいも忘れるわけにはいかない。しかし、あのラストの演出のために主人公を消させた脚本は如何なものかね。義憤なら目の前でこんなことするのはアホとしか言いようがないのだが。
[映画館(字幕)] 6点(2016-04-15 22:03:15)
688.  踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
地上波で全部見たことがあるのに全然記憶にない。皆さんのレビューでだいたい把握はしたが、唯一覚えているのは殺人現場の"洋梨"="用無し"というコントでもやらないような寒すぎる犯行声明くらい。前作でもそうだが、映画館でやるほどのスケールとクオリティか、これ? 今日のフジテレビの黄昏は、話題性だけで手を抜いてでも流行るだろうという観客に対する驕りによるもの。忘れてきたころに『帰ってきた~』を作るようなら救いようがない。後の劇場版2作はもう見る気すら起きん。
[地上波(邦画)] 1点(2016-04-15 22:00:57)
689.  藁の楯
その年のカンヌで最も酷評されたコンペ作品だとか。 開通前の高速道路や台湾の新幹線を使って大作感を出そうがハリウッドの劣化コピーにしか見えない。 製作費を使い果たしたのか、後半のスケールがこじんまりになっていくし。 また、救いようのない凶悪犯を法で裁くべきか云々について、 ツッコミだらけの脚本の前では薄っぺらで問題提起としては土台が脆すぎて深く入ってこなかった。 藤原竜也の演劇から抜け出ていない過剰演技も然り、氷室京介の寒い主題歌も然り。 三池崇史は過激なバイオレンスだけが独り歩きして、海外で過大評価されている監督に過ぎない。
[ブルーレイ(邦画)] 4点(2016-04-15 21:58:10)
690.  ブラックブック 《ネタバレ》 
バーホーヴェンの映画をあまり見てないので何とも言えないが、悪趣味度は控えめな印象。 ただ、この地味さが第二次世界大戦中の欧州と上手くマッチしていて、 レジスタンス=善、ナチス=悪、としてステレオタイプに描いていないのが良い。 回想形式のため、主人公が助かるのは最初から分かるが、 二転三転する脚本の妙で飽きなかった(チョコレートの使い方には唸る)。 ホロコーストを題材にしている割に意外と娯楽作であっさり。 ある種の気持ち悪さがないのはバーホーヴェンなりの誠実さからだろうか。 強かに生き抜いてきた彼女の苦難と戦いは映画が終わった後も続く。 ユダヤ人を被害者として終わらせず、かと言って主張しすぎない絶妙な切り上げ方だ。
[映画館(字幕)] 7点(2016-04-15 21:55:56)
691.  CUBE2 《ネタバレ》 
見るんじゃなかった、取って付けたような続編。ワクワクする殺人トラップや試験者達に魅力はなく、本編とは無関係な要素が多すぎる。探偵がカニバリズム、ヒロインがスパイとか何じゃそりゃ? まさに贅肉だらけとしか言いようがない。描かないことの大切さ、想像することの大切さを、真実を知らないと気が済まない人には嫌ほど分かったのではないか。当然ながらゼロは見ないよ。一番ホッとしているのは、続編製作に一切関わらなかったナタリ監督だろう。
[地上波(吹替)] 1点(2016-03-22 21:16:35)
692.  ELEVATED(エレヴェイテッド) 《ネタバレ》 
『CUBE』の原点だけあって、状況が説明されないまま、エレベータ内部とその周辺のみで展開される。息苦しいエレベータ内の気まずい空気はあるある。そう思った途端、サイコホラーへと急転直下。しかしながら、デパートで流れそうな都会的なBGMに、血みどろ死体に悲鳴を上げるオーバーアクトっぷり、エレベータに逃げ込む群衆のオチまで、ブラックコメディとして描いていると感じたのは自分だけか。
[DVD(字幕)] 7点(2016-03-22 21:13:44)
693.  CUBE 《ネタバレ》 
知的好奇心が満たされ、ひたすら面白い。 登場人物わずか7人、1.5個の立方体のセットだけで、スケールの大きいSFが出来るとは。 回想や外界の描写もなく、謎を残したまま終わるストイックな映画だが、 一から十まで説明して幻滅するよりはスマートな割り切り方だと言える。 町工場のネジがスペースシャトルに使われるように、末端の集合体が複雑な現代社会を形成している。 見えない巨悪に陰謀論を掲げようが、真実を知るすべのない不条理。 しかし、サヴァン症候群の精神障害者によって出口を見つけられたように、 必要とされていない人間などこの世にいない、という微かな可能性も提示されている。
[DVD(字幕)] 8点(2016-03-22 21:10:30)
694.  トラフィック(2000)
麻薬戦争の現実をただ描いたと言えばそれまで。 それは麻薬とは無縁の生活を送っている人間にとってあまりにも非日常すぎるからかもしれない。 多くの登場人物が複雑に入り乱れるが、舞台ごとに色使いを分け、 主要三人を絡ませないことで比較的分かりやすくはなった。 今日でも耳にする麻薬撲滅を掲げ惨殺された現地要人のニュースに、 永遠に終わることのない本作の泥沼の戦いを思い起こさせた。
[映画館(字幕)] 6点(2016-03-22 21:07:02)
695.  ディパーテッド 《ネタバレ》 
『インファナル・アフェア』とはどうしても比べざるを得ないのはリメイクの宿命か。 ドラマチックな要素を排除して、ひたすら冷徹にドライに描いたため、同じ内容でも別物に見えるが、 無意味に血生臭いだけで無味無臭、長く感じてしまった。 仮にこちらを先に見たとしても十分厳しい。 見ていて何も残らない。  キャリア最高の映画でもないのに消去法的にオスカーを貰ったスコセッシが一番不本意ではないか。 スコセッシとはどうしても相性が悪いんだよね。  いろいろ文句は言ったが、オリジナルとは違い、 ディカプリオの名誉が死後回復して、デイモンが落とし前を付けられて巡査部長に消される。 ある意味、ハリウッドらしい溜飲の下がるラストだった。 そして、窓の向こうの議会議事堂と一緒に映るネズミ…
[DVD(字幕)] 3点(2016-03-22 21:03:16)
696.  フォロウィング
時系列操作しなければ、案外と平凡なノワール作品なのは『メメント』と同じ。記憶障害という理由付けがあり、法則性もある『メメント』と違い、こちらはただ組み換えただけで無意味に複雑になっただけ。スタイリッシュな雰囲気に未来の鬼才の風格を見た。
[DVD(字幕)] 4点(2016-03-22 20:58:43)
697.  π(パイ) 《ネタバレ》 
数字に翻弄されて破滅していく、スタイリッシュな『イレイザーヘッド』みたいな。独り善がりで理詰めになりすぎる感はあるが、それが追い詰められていく主人公とシンクロして、若さ故の勢いとしての味がある。足元にある平穏な幸せでは満足できず、もう行くところまで行くしかない、って感じがアロノフスキー監督らしい。
[DVD(字幕)] 6点(2016-03-22 20:56:08)
698.  わたしを離さないで 《ネタバレ》 
SFでは使い古された題材なのに、時代設定が過去という点にざわつく。三人の男女は提供者として既に"終了"してしまったのだから。"終了"という、冷たいステンレスに横たわるような感触と響き。余命半年と余命30年では意味合いが違うはずなのに、ヒトの命を永らえさせるためにもう一方のモノの命が奪われる矛盾。ある意味で食物連鎖であるそれを除けば、限られた時間を生きるためにヒトと同じように愛することに奔走する姿が、尊厳として光り輝くが故に儚く切ない。無為に生きている今日は、誰かの生きたかった明日なのかもしれない。
[DVD(字幕)] 7点(2016-03-22 20:48:06)
699.  踊る大捜査線 THE MOVIE
こういうのを映画とは呼びたくない。『天国と地獄』『羊たちの沈黙』を意識したオマージュは、まるで三文芝居のような安っぽさでむしろ冒涜にも思えるほど。主人公が撃たれる等で感傷に走らせる展開は、テレビドラマの映画化ではお約束なのかというくらい見るに堪えない。これが興行成績160億円の大ヒットなんだからネームバリューが生んだ賜物というべきか。記録に残っても記憶に残らない。
[地上波(邦画)] 1点(2016-03-22 20:43:18)(良:1票)
700.  おくりびと
「これでオスカー?」と疑問符が浮かばざるを得ない。映画としては質は低くなく、丁寧で抑揚の効いた演出に、生と死という普遍的な内容は確かにオスカー好み。ただ、どうしても先人たちの名作・傑作と比べてしまうと見劣りするのは事実で期待値が高すぎた。他候補作に相応しいものがなかったから、消去法で選ばれたような。世界を意識せず、内輪で自己完結しちゃっている粗製乱造ばかりだから、本作を良くも悪くも際立たせているのが皮肉に思える。
[DVD(字幕)] 6点(2016-03-08 20:45:59)
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