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 > アラジン2014 さん
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プロフィール
コメント数 749
性別 男性
自己紹介 ソフト化されたタイミングでのレビューが中心です。2008年、子供の頃から夢だった自宅シアタールームがついに実現しました。(100~110インチ程度、音響2.1ch)できるだけネタバレせずに書いていますので文章がおかしい場合もあると思いますが、暖かい目で見守ってやってください。(2014初登録)

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701.  ファンシイダンス
当時「シコふんじゃった」がロードショーされ、ブレイクしまくっていた周防監督の他作品も見たいということで、レンタルショップで本作ファンシイダンスをレンタルしてきました。当時、友達と小さなブラウン管で鑑賞しましたが、腹がよじれるほど大笑いした楽しい記憶が残っています。  とにかく塩野陽平(本木雅弘)と、その弟である郁生(大沢健)を軸にした人間模様が抜群に面白いのです。修行僧の同期に珍来(田口浩正)、英峻(彦摩呂)、古参に光輝(竹中直人)というダイアモンド布陣で、画面の見栄え、セリフの妙、棒読みのギャグなど、何から何まで面白いのです。 皆さんも同意見だと思いますが、お寺に着いた時の身体検査、ウォークマンのカセット入れ替え事件、キャバクラに乙凸したら・・、ケンタッキーとマドンナ、トイレの取材などなど、最高に大爆笑できるシーンが多かったです。特に竹中絡みのパートが全体的に非常に面白いです。  子供っぽい部分もありますがマンガを読んで楽しめるようなタイプの方でしたら十分に楽しめるライトな感じのお寺モノといった感じです。周防監督の初期作品ですが、彼のハウツー物の中ではダントツの面白さだと思います。
[ビデオ(邦画)] 7点(2014-07-22 18:20:24)
702.  ファイト・クラブ 《ネタバレ》 
2022年、久々に再鑑賞しました。今見てもスタイリッシュだしサブリミナルも面白く、細かなところは非常に良く出来ていて終始画面には引き込まれっぱなしです。しかしながら全体的には結局何が言いたかったのか。。当時からよく判らなかったし、今でも皆さんのレビューで補完している部分があったりします。  「僕」という一人称で進むストーリーは非常に巧みで、しきりに消費社会を皮肉ったり物質的な幸せを否定したりする点もある意味カッコいい。でも本質主義、肉体主義みたいな主張もこの映画のように行き過ぎてしまうと、いわゆる”青い主張”になりがちです。この奇異な主張もタイラー(ブラッド・ピット)がやるとなんかカッコいいから困る。まあそれだけならまだしも、、この映画は車をクラッシュさせるあたりからラストに向けてよく判らなくなってきますので、鑑賞者=「僕」の根本的な理解をも超えてきます。 物資的なものを否定しながらも結局は人海戦術でテロを起こし、金融系の建物を壊したところで本質的には何も変わりません。「僕」とタイラーのカラクリも、何となくよくまとまっているようで全体的には大きな矛盾をはらんだような作品です。結局何が言いたかったのかよく判らなくなってしまいラスト付近で妙にシラケてしまうということを毎回繰り返す僕なのです。(銃を発射してしまったのには何ともガッカリ)  ブラピが真の男の姿を映していて素晴らし点はマンセーですし、ブラピからコールバックで電話が掛かってきたときのポテチを食べている音なども最高。コンビニ強盗まがいの一件も妙に哲学的で的を射ているようないないような。。まあ、なんだかんだ言っても数え切れないくらいリピート鑑賞していますので大好きなんだと思いますが、何となく高評価がつけられない映画たったりもします。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-07-22 18:09:56)
703.  バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 《ネタバレ》 
いったいどのようにして三部作のラストを向かえるのかドキドキして見守りました。三作共に時代背景が異なっているのはうまいやり方です。時代が違うおかげで毎回新しい気持ちで鑑賞できました。  今回はシリーズ初の試みとしてドクの恋愛がキーワードになっていますが、ビフとの対決などシリーズ通しての名物シーンも沢山あって、いつも通り安定した面白さでした。NIKE(にーけ)の件(80年代後半から90年代前半はナイキのバスケットシューズが世界を牛耳っていた)、早撃ちの件(80年代、画面に向かって撃つリアルなゲームが流行った)、フリスビーの件、ムーンウォークの件、イーストウッドの件、時計台の件などなど、小粋でハイセンスなジョーク満載の小ネタがちりばめられています。特に時計台の写真はファン納得の収め方だったと思います。(私もあの写真に写りたい!)  ベタなのに最高にかっこよかった列車強盗からデロリアンを押す流れと、因縁のビフとの対決も最高です。今までの伏線もキレイに回収してスマートにラストを締めてくれました。ご都合主義満載の脚本ですが、それが全く気にならない作品は後にも先にもBTTFだけ!三作ともに文句のつけようがありません、10点満点!!
[DVD(字幕)] 10点(2014-05-03 18:02:52)
704.  バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 《ネタバレ》 
待望の続編でした!パート1と比較するとチト暗い&ややこしいですが、BTTFシリーズに10点つけないならどの映画に10点つけるんだって感じです。この映画が公開された当時は素晴らしい未来表現だと思いましたが、残念ながら2014年現在、車が飛んだり服が勝手に乾いたりはしませんねー。  今回はビフ(トーマス・F・ウィルソン)に脚光が当たっていますが、彼の演技力の素晴らしさったら!!これほど有名で世界に愛された悪役の彼(トーマス)ですが、他に代表作品らしい映画がありません。世界の七不思議レベルの謎です。残念なことにパパさんが出演しておらず、おまけに主人公の恋人も代わってしまっています。しかしそれらのハンデを吹き飛ばすくらいに良く練られた脚本、パート1の後ろでチョロチョロやってるシーンは感動的ですらありました。(パート1のファンであればあるほどに!!)  皆さんご指摘のように、確かに前作ありきの脚本です。でも”あの”パート1の正規続編ということが重要なのです。あのパート1の後ろで正規の演者たちが正規の制作陣と共に、、正規の看板を掲げてチョロチョロやっているのです!とにかくそれが重要なのです。パート3へ続くラストも秀逸で、100年前(70年前)から手紙が届くなんて素晴らしすぎる演出、文句なしの10点満点でしょう!
[DVD(字幕)] 10点(2014-05-03 17:57:37)
705.  バック・トゥ・ザ・フューチャー
この映画に10点つけないでどの映画に10点つける?文句なしの10点満点でしょう!かなり粗が目立ちますがぜんぜん気にならないですねぇコレ。なぜなのか理由は判りませんが好きで好きでたまらない映画です。   この映画の凄いところは全人類共通の夢である「自分と同年代の両親に会ってきた」ところです。どんなにお金を積んでも絶対に叶えられないこの夢を実現した、この映画の価値は計り知れません。車を流用したタイムマシンも最高にクールだし、レトロなギャグも冴えわたっています。おまけにタイムトラベルした年代も1955年という最高の時代です。ご存知の方も多いと思いますが発売前のジョニーBグッドを主人公が演奏し、それをチャックベリー本人に電話で聞かせる従弟の図なんか最高過ぎます。(チャックベリー本人がアノ曲と赤いギターを丸パクリしたことになっていますw)  全世代対応、どんな境遇の方にも安心してお勧めできます。続編が見たくて見たくて仕方がなかった映画は後にも先にもこの映画がナンバーワンです!これ以上おかしなレビューは書けない・・(笑) 文句なしの10点満点です!!
[ビデオ(字幕)] 10点(2014-05-03 17:39:19)(笑:1票)
706.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
カリブの海賊としては素晴らしい出来栄えの映画だったと思います。かなり子供っぽい内容ですが映画らしいワクワクさせられる描写が多く、キャラ立ちもシッカリしていてとても良かったです。キャプテンスパロウの初登場シーンは最高、バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)との対決も最高に絵になっていました。ディズニーらしいというか、エンタメのお手本のような映画でした。  ただ、個人的な意見としては一作目だけで終わらせておいてほしかったというのが率直な感想です。この作品だけで終わっていれば世の中的にももっと評価が高かったのでは?と思ってしまいます。それから、妙に気になったのがヒロイン(キーラ・ナイトレイ)の口が終始半開きなのにはなかなかガッカリでした。誰か指摘する人は居なかったのでしょうか?最近の俳優には少なくないですが、口に締りがないとそれだけで知能が低く見えます。今作品のキーラは特に口が開いていた印象で、可愛いだけに非常に残念でした。
[DVD(字幕)] 7点(2014-05-03 17:36:45)
707.  ニキータ
自分の中で年々評価が高まる映画というものが皆さんにもあると思いますが、本作ニキータは見るたびに年々評価が下がる映画でした。見た当初は渋くてとても素晴らしい映画だと感じましたが、何度か繰り返し見るたびに評価が下がってきます。  出演者全ての雰囲気はとても素晴らしく、ニキータ役のアンヌ・パリローなど真に迫っていて実際に居そうな雰囲気だし、ボブ(チェッキー・カリョ)も落ち着いた佇まいで雰囲気があって好きです。ジャン・レノ(掃除屋ヴィクトル)なんかも出てきてストーリー上はなかなか面白い展開を見せますが、何だか全体的に軽い印象も目立ちます。 具体的に評価が下がる理由もイマイチ見つかりませんが、物語的にちょっと無理感が強すぎるせいでしょうか。個人的には画商に扮して登場するシーンやカフェにデカい帽子をかぶって現れるニキータが印象的で素敵でした。ホテルのバスタブのシーンなども含め、フランス映画らしい素敵なシーンは多いです。  でもなんだか年々評価が下がってしまいます。自分自身が大人になってしまったのでしょうか、ちょっと寂しいですね。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-05-03 16:33:05)
708.  黙秘
この手の映画は種明かししてしまうと面白さが半減するのでキーワードの類もほとんど書けません。また、中途半端にあらすじを書いてもネタバレに繋がりますので、未見の方は要らぬ情報は探らず先に鑑賞してみてください。(以下、多少ネタバレを含む可能性があります)  特に最初の階段転げ落ちシーンとセリフのからくりは本当に素晴らしい。これのおかげで観客はドロレス・クレイボーン(キャシー・ベイツ)=悪者という前提で話が進みます。合わせて娘セリーナ(ジェニファー・ジェイソン・リー)との確執、旦那(デヴィッド・ストラザーン)との確執、女主人ヴェラ(ジュディ・パーフィット)との奇妙な友情、マッケイ警部(クリストファー・プラマー)との因縁の古事件など様々な事柄が絡んできて、ますますドロレスに疑いが向くような仕組みが見事です。 話の核心部分を強調するためか、常に曇天であることが暗い話に拍車をかけていますが、脚本が素晴らしいので話はスッキリしています。ラストも不思議なほどキレイに収まり、これぞどんでん返し!と唸るような出来映えです。母ドロレスと娘セリーナを起点としたパーソナルな問題なので複雑な事件のように見えて、実は非常にシンプル。どんな母も同じだと思いますが我が子を守りたいという一心から全てが始まるのです。  地味ですがミステリー小説を地でいくような最上級の脚本(スティーヴン・キング)の作品ですので、映画通の人にこそ強くお勧めしたい名作です。内容が地味なので大ヒットはないにしても、もう少し広く認知されて欲しい作品。
[DVD(字幕)] 8点(2014-05-03 15:29:22)
709.  キャリー(1976)
キャリー'76は昔から知っていましたが、ホラーが嫌いだったのでパスして生きてきました。結果的に初見は2010年代になってからですが、今まで見なかったことを後悔するレベルの素晴らしさでした。この映画を一言で表すなら「青春映画」、当時はホラーだったハズですが今見ると全然ホラーじゃなくてむしろ学園物といった雰囲気です。  皆さん書いてらっしゃる通りキャリー・ホワイト(シシー・スペイセク)の演技が圧巻です。おどおどした感じだったり喜びを表現したりと異常なくらいリアル志向で役にハマっています。母親(パイパー・ローリー)の設定にかなり無理がありますが当時のアメリカでしたらあり得たかもしれません。惜しいのは血のりを被った後のアクションと体育館内の表現がショボい点です。時代もありますが何となくドリフのコントの様相を呈していて、もう少し何とかならなかったの?という残念な感じに仕上がっています。自宅に帰ってからはそんなにショボくないので体育館のシーンは本当に惜しいです。  主人公母子が気の毒なほど変人として描かれていますが、これも時代背景があるので致し方ないでしょうか。驚いたのはデ・パルマが監督だということです。当時すでに監督としてのテクニックが確立されていることにも驚きますが、彼自身まだ36歳です。色々驚きの多い作品でした。
[ビデオ(字幕)] 7点(2014-05-03 15:17:05)
710.  セブン 《ネタバレ》 
他の方がおっしゃっている通り、確かに素晴らしい作品です。脚本には目立った粗もないし話の流れも清流のごとく綺麗に流れています。しかしとにかく暗くて重たい内容が問題です。全てのシーン・全ての演出・全てのセリフが考え抜かれているものと思いますが、ミルズ刑事(ブラッド・ピット)の無邪気な明るさ、サマセット刑事(モーガン・フリーマン)の思慮深さ、そしてジョン・ドウ(ケヴィン・スペイシー)のしたたかさ。それらが深く絡まりながら陰湿極まりない事件が一つずつ明らかになっていく様は異様としかいいようがありません。たまにはね、こういった重たい類の映画があってもイイとは思いますが、本作はリアルで重たくてちっとも楽しくなりません。ラストは極めつけの重たさです。また珍しく犯人が完全勝利する作品でもあります。  狙っているものとはいえ、鑑賞後に映画を観たという充実感はほとんど感じず、ただただどんよりするだけ。よってあまり高評価を付ける気にならない映画でもありました。いえ、決して悪い映画ではないのですが・・
[ビデオ(吹替)] 6点(2014-05-03 14:54:45)
711.  スタンド・バイ・ミー
公開当時は並程度の評価でしたが年々気持ちが高まってくる不思議な作品です。その理由に自分自身が年を取ってきたというのがあると思いますが、この作品が公開された前年には天下のバック・トゥ・ザ・フューチャーが大フィーバーしており「なんだまたオールディーズ映画かよ・・」と、公開前からかなり雑な扱いを受けていたというのもあります。しかしながらBTTFのおかげでアメリカの50s(フィフティーズ)というノスタルジーにまみれまくった地味映画であっても日本人に広く受け入れられたのもまた事実で、実際ストーリー自体はどうってことのない地味な作品なのにかなりヒットしました。  物語自体は現在40歳以上の人(昭和生まれ)にとっては普通の夏休みの出来事に過ぎません。ただし一ついえるのはBTTF同様に1950年代のアメリカってのは本当に素敵な時代だったんだなということが画面の隅々から感じられます。特筆すべきは全編で流れるオールディスの名曲たちです。選曲が本当に素敵で、今聴いても全く飽きません。 また、ゴーディー(ウィル・ウィートン)の演技が自然で違和感なく、地味担当なのにきちんと映画を引っ張っています。無名時代のキーファー・サザーランド、個人的に大好きだったコリー・フェルドマン(あんまり伸びなかったが)、今は無き名優リバー・フェニックスらも非常に自然な演技を見せています。ここら辺、ただのノスタルジー映画で終わらせずきちんと深みのある人間ドラマに昇華させている点は凄いと思いました。この映画で最大の盛り上がりを見せる彼ら兄弟の対決も、やり過ぎ感はなくごく自然な形でエピローグを挟んで映画を終わらせてくれます。物足りないという意見も理解しますが、この塩梅で映画を終わらせたからこそ、長く語り継がれる名作に仕上がったのではないかと思います。TVで何度もリバイバル放送されていて、もういい加減飽きたので少し低めの点数です。
[DVD(字幕)] 7点(2014-05-03 14:50:11)
712.  シン・シティ
最初はなかなか斬新で素敵な映画だと思いましたが観終わって数日、冷静に考えてみたら無意味でどうでも良い作品だったなと考えを改めがちな映画です。判っちゃいましたが全体的に稚拙で、心底どーでもいいような話がメインの作品なので、真面目に見た人間の負けです。 個人的にはドワイト(クライヴ・オーウェン)が渋いです。そしてその流れでジャッキー・ボーイ(デル・トロ)の件はなかなか面白いです。しかし、、ケビン(イライジャ・ウッド)の件と黄色い悪魔(イエロー・バスタード=ニック・スタール)の件はドン引き必至で、個人的には嫌悪感すら感じました。  B&Wですし全体的にライトに仕上げてくれていたらシャレオツ映画になり得たかもしれませんが、そうするときっと凡作になってしまったようにも感じます。ドギツイ描写をブラックジョークとして軽く受け流すことができるかどうかが評価の分かれ目でしょうか(わたしは無理だった)。。一つだけ確かなことは大人向けの映画でないということです。
[DVD(字幕)] 5点(2014-05-03 14:31:29)
713.  ゴッドファーザー PART Ⅲ 《ネタバレ》 
よくぞ完結編を撮ってくれました!シリーズの中で最も評価が低い今作品ですが、私は本作が最も好きです。特にオペラとシンクロさせてアレが撃たれるシーンは素晴らしいとしかいいようがなく、その時のマイケル(アル・パチーノ)の無音の嘆きは映画史に残る屈指の名シーンだと思います。(あくまで三部作を通して見たうえでという前提ですが)  世の中に蔓延るホンモノの悪人というのは表向きは一流の地位を得ていて、何食わぬ顔で堂々と活動しているものです。今作では天下のゴッドファーザーもその地位を欲し、また彼ほどの男でさえも金のうねりに飲み込まれてしまいます。蛇のように気味悪く唸る金の動きが心底恐ろしく、真面目の伝道師のような人たちですら金の為なら何でもしてしまう上の世界(裏の世界)がねちっこく描かれています。円熟期の二代目のセリフ「上に登るほど汚かった」という言葉が非常に意味深くて空恐ろしいです。  ちなみにソフィアコッポラ(メアリー)が不評ですが、あれが超絶美人だったとしてもちょっと違うような気がします。キャスティングって難しいものですが、今回これはこれで正解だったように思います。むしろ最悪なのはアンディ・ガルシア(ビンセント)のほう。彼にはおじいちゃん(ヴィト―=マーロン・ブランド)のカリスマ性とパパ(長男ソニー=ジェームズ・カーン)の無鉄砲さを兼ね備えて欲しかったところですが、それには遠く及ばない小粒風情のまま三代目を継いでしまいます(一応描こうとした努力の痕は見られますが)。また、ビンセントがドンを裏切ったという体で相手側に寝返るシーンも不要だったと思います。パート1のルカの顛末を思うと、ちょっとご都合主義で安易な展開だったと言わざるを得ません。結果、総合的に考えるとやはり彼こそがラジー賞にふさわしいのではないかと感じてしまいました。 トム・ヘイゲン(ロバート・デュヴァル)が出ていないのも本当に残念でした。イタリアンマフィアといえばコンシリオーリ(相談役)は非常に重要な地位で、老いたマイケルと老いたトムが話し合って三代目を決めるという幻の展開も見てみたかったところです。(二人でソニーの息子に決めるなんて胸アツ展開すぎ)  ゴッドファーザーシリーズは大人になってから観ると評価が高まると思いますので、若人に無理に勧めてはいけません。折を見て人生の節目に何度か観たい大人向け作品、ブラボーでした!
[ビデオ(字幕)] 10点(2014-05-03 13:35:24)(良:3票)
714.  ゴッドファーザー PART Ⅱ
「パート2はコケる」というのが世間の定説ですが、この作品では徹底的なディテールと二代目と比較する形で初代の人生(前日譚)を綴っている点から、コケるどころかより良くなっている部分すらありました。  本作は二代目(アル・パチーノ=現在)と初代(ロバート・デ・ニーロ=過去)の「人生の比較」という非常に難しいことをやっていますが、本作ではパート1に負けないほどの重厚なエピソードとストーリー展開を見せます。細かく丁寧に描写された人間ドラマは、マフィアに興味がない一般人でも感情移入がしやすく、ただのやくざ映画に成り下がっていません。 やはり見所は二代目の強引な成り上がりぶりと比較される、若き日の初代の素敵なカリスマ性です。初代=(父)はやくざであっても魅力的で誠実、興味深い人間性がありましたが、二代目にはそれが一切ありません。時代の流れもありますが、組織を守るために極悪非道な二代目の振る舞いが兄弟、姉妹、嫁すらもファミリーから遠ざける結果になってしまいます。もちろん全てが二代目のせいではありませんが、ファミリーが内側から崩壊してゆく様が空しく、そして物悲しくも壮大に描かれています。  今作でも家族愛はしっかり描かれていて、普遍的で深いテーマ性は揺るいではいません。しかしながらパート1と異なりかなり強引で歪んだ家族愛が描かれていますので見ていて痛々しいです。(まあ、これも含めて家族なのかなぁと・・)  このシリーズはある程度精神年齢が高くなってから鑑賞すると、より深い感銘を受けると思います。折をみて繰り返し鑑賞したい映画ですが、時間に追われて鑑賞すると本質が理解できずに見終わることになりますので、慌てずゆっくり鑑賞してみてください。文句なしの大作映画に仕上がっています。
[ビデオ(字幕)] 10点(2014-05-03 13:30:19)(良:1票)
715.  ゴッドファーザー 《ネタバレ》 
この映画はエピソードがいちいちビッグでヤクザですが、最終的には家族愛に集約していくところが本当に素晴らしい。オープニング、娘(コニー=タリア・シャイア)の結婚式、影があるドン(マーロン・ブランド)の風貌からこの男が只者でないことはすぐに理解できます。葬儀屋の頼み事も普通ではないし、外ではパーティの雰囲気とは不釣り合いなルカ・ブラージ(レニー・モンタナ)が祝いの言葉を練習しています。これらのオープニングシーンは本作を端的に表していて本当に素晴らしかったです。ちなみに原作本も読みましたが、個人的には映画三部作のほうがこの作品を端的に表現できています。原作本は娯楽作品としては少々集中力を欠いてしまうほど各エピソードが深堀されすぎています、映画のほうがずっとシンプルで無駄がありません。  本作は映画好きなら絶対に見るべき名作の一つですが、上映時間が長い&エピソード満載なので気持ちに余裕がない時に鑑賞すると物語の大切な部分が頭に入ってこないかもしれません。やはりこの映画の醍醐味は演者の細かな表情だったり、言葉の裏に潜む真実だったり、美しい映像だったりと、深部までしっかりとアクセスすることがより深い映画体験に繋がります。一見無駄なシーンに思えるシチリアでの結婚式のシーケンスなども、パート2やパート3でシッカリ効いてきます。彼らファミリーにとってはシチリアは特別な場所なのです。本作ではどのシーンも非常に丁寧に描かれていて重厚さとエンタメ性の両立が本当に素晴らしい。 個人的には映画のラストカットに映るアル・ネリ(元警官=リチャード・ブライト)が、実はパート3まで重要な殺しのシーンに関わっているキーマンなのも妙にリアルで渋くて好きです。(バルジーニ殺害時に使った警官の制服は元警官だった自分の所有物という設定)  年齢を重ねるとまた違う感覚で見られますので、折を見て何度か鑑賞したい名作です。むしろ、ゆっくり時間を掛けて優雅に世界観に浸っていただくと、より深い部分まで一層理解できると思います。日本人の目線から見ても名作なのは間違いない素晴らしい作品ですので、「ゴッドファーザー」というタイトルだけで敬遠せず、ぜひ一度はきちんと鑑賞してみてください。
[ビデオ(字幕)] 10点(2014-05-03 13:27:16)
716.  グラディエーター
名作と名高い本作ですが私はイマイチでした。いえ、、確かに目立った粗も無く古代ローマの世界観もよく描かれています。ですがストーリーがちょっと重た過ぎます。とにかく序盤の戦闘シーンからもう重たい重たい。ラッセルクロウ扮するマキシマムの役どころが暗いというか幅が無いのも重たさに拍車をかけてしまっていて、前半は観るのが苦痛ですらありました。(個人的に重厚感と重たさは全く違うものと考えています)  全体的に見ごたえがあって大作に恥じない仕上がりなのは事実なのですが、他の方も比較してらっしゃるようにブレイブハートのほうが断然面白かったのは明白。要するにグラディエーターのマキシマムは馬鹿正直感丸出しでなんですよねぇ、、もう少し遊び心が欲しかったところです。(ただし、虎が出てくるシーン以降の後半はなかなか見所満載で素晴らしい仕上りですが)
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2014-05-03 13:24:12)
717.  アイ・アム・デビッド 《ネタバレ》 
【ネタばれ注意】 テレビで観て感動しましたが全然人気がないので驚きました。ロードムービーとしても出来が良いし、何よりも子役(デビッド)の影があるような寂しい眼差しから色んな感情が見て取れます。この子は映画出演が初めて(結局他の映画には一つも出てない)ですが非常に良いです。  全体的にゆったりしていて、序盤の逃亡劇が嘘のように崖っぷちでお風呂に入るシーンや金持ち女子との一件など非常にほのぼのしたシーンが続きます。これらのシーンはなんとなく無駄とも思えますが、実は原作本ではもっと長く丁寧に描かれていて、本来は収容所以外の場所でデビッドが初めてくつろぎ、そして普通の人たちと接するとても重要なシーンだったりします。残念ながら映画版ではいまいちその重要性が伝わっていないように感じました。 なんとなく他人を信じきれないまま続く旅路も終盤、ソフィー(ジョーン・プロウライト)が出てきて一気に物語が締まります。ソフィーとデビッドのやり取りはとても優しくて温かい。収容所では決して教えられることのなかった「人の優しさ」をデビッドが正しく理解し、彼の心境にも余裕が生まれてくる描写はとても心地よいです。この辺の演出、映像は本当に素敵でした。  ラストが突然やってきますが中盤がかなりゆったりしていましたので、たたみかけるようなスピード感は正解だったと思います。本の裏表紙に母親の写真を見つけてからが省き過ぎという意見も見られますが、母が著名人&看守長の個人的な感情で一気に全てが繋がる訳で、これ以上の説明は蛇足だと思います。(特別扱いされただけで、さして深い意味も無いと思いますし)  何度見てもダミアン・ライスのコールドウォーターが流れてくると一気に涙腺が緩みます。終盤、ヨハンと看守長との目くばせでデビッドが守られていた描写なども泣かせますが、ヨハンとデビッドの絆が詳細に描かれていないためいまいちピンときません。原作本では映画と異なりかなり詳細にヨハンとの友情が描かれていますので、かけがえのない友が自分のせいで(デビッドが石鹸を盗んだ)命を落としてしまったことがいかに大きなトラウマとなっているのかがよくわかります。また、デビッドが多国語に精通している描写も欲しかったところです。他の地域と異なりヨーロッパ圏内では国をまたぐことが当たり前で、多言語を理解しているのが普通のことだったりします。この辺の説明がないせいで国をまたいで壮大な旅をしているのに、それが凄いことのように見えないのが少し惜しいと感じました。  人には全く勧めませんが、個人的にはとてもとても大好きな映画。私にとっては文句なしの満点です!
[地上波(吹替)] 10点(2014-05-03 13:16:29)
718.  シックス・センス 《ネタバレ》 
二段落としのやり方が非常に素晴らしい。一段目のバラしもインパクトがあって、この告白は子供にとっては大変なものです。その上での二段目の落とし方があまりにもスマートで、完璧としかいえない流れです。マルコム(ブルース・ウィリス)の驚きはそれはもう世界がひっくり返るほどだったと思いますが、観客もそれと同じくらい驚いたハズです。勘ぐらずに純粋に映画の流れに乗った人は素晴らしい体験が出来たことでしょう。私もハマったのでメディアが新しく出るたびに買いなおす羽目になっています。。  マルコムの演技はもちろんのこと脚本・演出も非常に素晴らしく、本編鑑賞後にメイキングを見ると、もう一度本編を鑑賞したくなるという楽しい映画になっています。子役のコール(ハーレイ・ジョエル・オスメント)の演技も抑えが効いていて非常に良く、この手の子供特有の疎外感や内向的な雰囲気がとてもよく表現されています。 また、この手の映画はどんでん返しばかりが話題になりがちですが、本作においては第六感はきっかけにすぎず、最終的にマルコムは妻へ、コールは母へ(母はおばあちゃんへ)、少女の霊キラ・コリンズ(ミーシャ・バートン)は親戚一同へ、と、全て家族の問題に帰属・収束する点が非常に素晴らしいです。この「愛」を語る脚本のおかげでこれほどの名作に昇華したのは疑いようのない事実だと思われます。  全体的にヒットしたのが納得できる素晴らしい映画です。難点は監督さん(M・ナイト・シャマラン)が二段落としの呪縛に一生捕らわれることですね。この監督さん、コレ以後もこの映画を超える映画が生み出せないようですが、それでもなお、、諦めきれないようです。お気の毒に。
[ブルーレイ(字幕)] 10点(2014-05-03 12:52:33)(良:1票)
719.  アマデウス
史実に忠実かどうかはさておき、まさしく名作の冠にふさわしい作品だったと思います。ロードショーの翌年にはあちこちの小中学校で授業の一環として放映され、私の中学校でも大きな体育館でスクリーン上映されました。ただ正直なところ、子供には面白くない映画だったと思います。とにかく上映時間が長いため集中力が続かない子供達には辛過ぎたなという印象です。私は当時中学1年生ですでにかなりの映画ファンだったので食い入るように鑑賞しましたが、上映場所である体育館は終始ザワつき気味だったのをよく覚えています。  あらすじや感想をここに書くのは野暮だと思いますが、特筆すべきはウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(トム・ハルス)とその妻コンスタンツェ(エリザベス・ベリッジ)の、愚かしくも天才の振る舞いを柱の陰から見守るアントニオ・サリエリ(F・マーレイ・エイブラハム)の図式に尽きます。先ほども書きましたが史実に忠実かどうかはさておき、とにかくこの図式が魅力的でなおかつ判りやすすぎるのです。努力家で秀才以上の才能を持つサリエリの前に現れた、どうにも抗えない天才音楽家という図式。そしてその天才が作る音楽を最も理解し最も愛せるのもまた自分だけだという究極のジレンマが本当に素晴らしい。悪者として描かれているサリエリですが「嫉妬と憎悪」という意味ではこれは致し方ないというか、、非常に人間味あふれる愛すべきキャラクターとして判り易く完璧な形で描かれています。  これほどの映画にはなかなかお目にかかれません。いつになっても全く色褪せない、、まさに名作だとしか表現のしようがありません。何度も書きますが史実に忠実かどうかはさておき、モーツァルトの笑い声は本当に最高過ぎます。ほぼ完璧な芸術映画作品です。
[映画館(字幕)] 9点(2014-05-03 12:41:16)(良:1票)
720.  1408号室 《ネタバレ》 
大嵐のオープニングや閑散としたサイン会の雰囲気など、さびれた雰囲気で語る作風はなかなかです。そして、うさん臭さ全開の支配人(サミュエル・L・ジャクソン)とのやり取りや56人が自然死したという部屋の説明なども面白く、1408号室に到着する頃には観客側の緊張感は最高潮に達しています。 結果的にほとんどのシーンがエンズリン(ジョン・キューザック)の一人芝居だったにも関わらず、静と動のバランスに優れているためストーリーの完成度は高めです。エンズリンが独り言をいってる側から急にカーペンターズが流れたり、窓に指が挟まる演出もお決まりとはいえ非常に面白い。また、飽きさせないギリギリのラインで思い出したかのように幸せだった当時の家族団らんシーンが差し込まれたりしますが、娘ケイティ(ジャスミン・ジェシカ・アンソニー)の人選も素晴らしく、多くを語らずとも病気で亡くなってしまったことが暗に理解できるようになっています。  これら序盤の素晴らしい流れに反して物語が動き出す中盤以降がどうにも退屈します。部屋の温度が上がる件や窓の外を歩くシーンなどは面白いものの、妙に間延び感を感じてしまいます。観客の気持ちとは裏腹に部屋の現象自体はどんどんエスカレートし、水が溢れたり壁が壊れたり、氷点下のシーンなどはもうほとんどドリフのコント状態、さすがにちょっとやり過ぎではないかと感じてしまうほどです。 後のストーリー展開に不安を覚えるほどカオスに陥るものの、基本的にこの1408号室という部屋は本人の感情を揺さぶることしかやっておらず、高齢の父、娘の喪失、妻との不和など上手に攻撃します。ぶっちゃけ、家族や子供を使って精神的に追い詰めるやり方はかなりの反則技だとは思いますが、実際これが一番効くんですよね。(首吊りロープや墓穴も素晴らしい)  現実的な決着を見せるラストはなんともアメリカ的ですが、支配人から貰った酒の伏線も上手く消費しますし、あれはあれで正解だったと思います。さらにラストカットで子供の声を出してくれたことも含め、幻想的なストーリーからよくリアル路線に戻してくれたもんだと関心しました。個人的にはあのテープレコーダーのおかげで作品の質がワンランク上がったと感じます。他人にはあまり勧めませんが個人的には非常に好きな作品。ちょっと甘めの8ドクロで。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-05-03 12:35:40)
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