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プロフィール
コメント数 1648
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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701.  ハナ子さん 《ネタバレ》 
つい先日亡くなられた落語家・川柳川柳師のそれこそ十八番(とゆーか師は、ほぼこの噺しか演らないという非常に稀有な落語家であった)、史上屈指の傑作(新作)落語『ガーコン』に因れば、戦中に広く歌われた「軍歌」の曲調とゆーのも、戦局に応じてまた変化していった…とのコトである。連戦連勝だった開戦当初は当然の如くに威勢の好かったものが、次第に負けが込んでゆくに連れて段々と重く暗くなってゆき…という次第だ。更にのち、終戦間際は逆に妙に暢気な曲ばかり流れていた…とゆーのも、師の言だったかは定かでないがコレも何処かで聞いたエピソードだったと記憶している。  徹頭徹尾明るく長閑で笑いの絶えない本作であるが、コレは上述における「余裕」を意味するものか、それとも既にして「末期的」様相を呈しておるものか、どちらであろうか。その意味でゆーと、私が常々思案しているとある事柄として、それこそ例えばホラー映画とゆーのが巷で繁盛している…てのは、逆説的にその社会が健全であることを意味しているというひとつの視点である。つまり、現実がホラー映画以上の「恐怖」と化してしまった人とゆーのは、ホラー映画なんか決して観に来たりはしないというコトなのだ。その視点からすればやはり、今作の底抜けの明るさとゆーのは(既に1943年初頭にして)コレも逆説的に当時の世相の暗さ・不健全さを如実に示している様に思えて仕方が無い…のであって、今作も中々、今だにただ楽しく観れるという作品ではないかな…とゆーのが率直なトコロではありますね。  しかし、一方で本作に描き込まれる家族の情景(或いはその「幸福」)というモノには、だからこその切実さ・真実味が確かに籠められている様にもまた思われるのですね。ラストなんかも、ハナ子が実際に泣いているシーンとゆーのはそれこそ検閲によってカットされてしまった…とのコトですが、それでも尚、ハナ子が実は泣いているという「事実」自体は、轟夕起子の演技を通じて確実に我々にもひしひしと伝わってくるのです。ひとつの「時代」を確かに投影した映画としては、本作もまた小さくない価値を立派に備えている、と言えるのではないかと思いますね。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-01-02 00:10:22)
702.  天井桟敷の人々 《ネタバレ》 
それこそ十数年振りに観ましたが、流石にハタチそこそこの時に比べれば一番肝心な「ガランスの魅力」にも多少は気付き易くなってたかな…と思います。ただまあ、諸々と結構分かり難いキャラではありますよね。そりゃ確かに美人だけど年増(年代を考えれば大年増)てのは、売れない芸人としてはまあ適切かとも思うのですが、男たちがガランスに片っ端から惹きつけられてゆく様子からはどーみても(若い)只の超絶美人(に対する反応)の様にしか思えなくて、かつ彼女自身のあの奔放さだってどちらかと言えば後者(=只の美人)の方にこそより整合しそう…てなモンで。  他に感じたのは、恋愛映画としてのシンプルさ(=それ故のエッセンシャルで普遍的・永劫不滅なクオリティ)と、それを彩るその他諸々のクオリティの「高尚さ」ですかね。かなり長尺な作品ながらガランスとバチストの2人のシーンとゆーのはかなり限定的で、それ自体が2人の関係性の特別さを好く表現していたとも思います。そんな2人の純愛が描かれる世界(世界観)をつくり込むその他の要素については、まずは脚本(台詞)のハイ・ソサエティぶりに今回少しビックリしました(脚本のジャック・プレヴェール氏は本業は詩人なのですね)。あるいは、都度挿入されていく(主に)バチスタ演じるパントマイム・無言劇の芸術性の高さや、そしてそういった美しく洒落た要素を孕みつつもその他の部分では醜悪なサマを確実に垣間見せる清濁綯交ぜのパリ…が舞台だからこそ、2人の愛の純粋さがより際立って感じられる…ともやはり感じるのですよね。  オーラスは、こんなんもうナンも言えねー!ですわね(コレはもう先にやったモン勝ち!てか)。トコロに依っては恋愛映画史上最高!とすら言われる作品てのは、やっぱ伊達じゃないですね。傑作。
[インターネット(字幕)] 9点(2022-01-01 23:57:56)
703.  偶然と想像 《ネタバレ》 
ごく純粋な会話劇3作によるオムニバスですが、概ねその3話はそれぞれ3パートに分かれる、その中核たる第2パートとゆーのが各々かなり同じ様な特徴を強く備えておるのですね。ココだけ、台詞に感情が入るのを極端に排除しているとゆーか、非常に淡々とした朗読的な台詞読みになっていて第一にはとにかく独特だな、という印象を受けました(ただ思えば『スパイの妻』の東出クンとかも似た様な感じが実は強く出てた…かとも思います)。各々また第1・第3パートはもう少し自然に感情が入った演技に仕上がっているので、ソコも含めてコレは高度に意図的なモノだと思いますね。コレによって、まずは非常に文学的(詩的)で、かつ単なる恋愛事象にまつわる一個人の感情とゆーよりは、ソレがより(監督の)「思想」に近い様な思考・価値観としての表現に見えてくるとゆーか、単純に静かで文芸映画的な雰囲気が心地好かった以上にとても効果的な演出だと思いましたね。    1.魔法(よりもっと不確か):35分 濱口監督の作品には、偶にかなり「アレ」な女性が出てきますよね。元はと言えば『PASSION』の時の占部房子も相っ当にチャランポランな女にも見えましたし、続く『永遠に君を愛す』の河井青葉の逆ギレも中々なモンでした。何より記憶に新しい『寝ても覚めても』の唐田えりかちゃんたるや…おそらくこの人、こーいうのが「好き」なんでしょうね。とゆーのも、そーいう(控えめに言って)「飛んでる」女性てのを総じてごく滑稽に描きつつも、やはり同時に彼女らがごく魅力的に見えてしまう様に(どいつもこいつも)描いちゃってるのですよね(=何故かナンだか憎めない…つーか)。コレは、フツーに考えればポジティブな価値観だとは思うのですし、男としても(=こーいう視点はやや不適切かとも思いますが)ある種「立派」なコトだと思います。とは言え若干ながらソコには、そこはかとなく「妙な」性癖とゆーのを感じ取れる…てな気もしますケドね。  今作はその系統としては、古川琴音ちゃんのキャラ自体はワリとシリアス方面に寄せて仕上げてた様にも思いますが、前述どおりの感情を排除した演出方針の所為もあってナンとゆーか一層「ヤバい」女の子にも見えて、名状しがたい「面白さ」とゆーのは逆に強く感じ取れた…とも思います。「感情」が彼女にそう言わせている・させている、のではなく、彼女のもっとより深く「魂」がそう囁いているかの様な、つーかね。第2パートからの(思いがけずの)緊迫感は中々に見事で一気に観入ってしまいました。そしてその意味からはオーラス、吹っ切れた彼女がふと表情を(ほんの微かに)緩めるラストショットが、個人的に非常に気に入りましたね(観てるコッチもやっと少しだけホッと出来た…とゆーか)。   2.扉は開けたままで:45分 文芸的な、という意味では、間違い無く一番文芸的な作品でしたね。とゆーか、あの小説のあのくだりはコレも監督が執筆したんすかね?だとしたら、何とも(やっぱ)変態な…もとい、素晴らしい才能ですね!コレをあーいう美人に読ませて、ソレを渋川清彦がただ聴いてる…てダケでもはや「勝ったも同然」かとも思いますが、前述どおりごく文学的・朗読的な静かな演技の中にそっと置いていかれる様な2人の感情の微かな発露の奥ゆかしさてのも、実に味わい深かったです。ラスト、あまりに間抜けな「バッド」エンドは個人的には少しだけ好みではありませんでしたが(=単に土下座小僧が「勝った」カタチになってるのが私ちょっと気に食わない…というダケのコトなのは重々分かってますケドさ)まあ3作のオムニバスなら一品くらいはこんくらいビターでも…とも思いますかね。   3.もう一度:40分 コッチは、その建付け自体は3作中で一番コミカルだと言えるとも思いますが(映画館でも結構笑いが起きてた)、ヒューマニズム的な傾向とゆーのも一番強め・かつ分かり易いモノだったかと思います(個人的には一番お気に入り)。伝えなかったことの後悔、忘れてしまったことの寂しさ、それでもふと一歩踏み出そうという勇気…誰しもが確実に共感できるという感情が色々と込められていた様に思います。第3話のこの「偶然」については謂わば「僥倖」と言って好い様なごく喜ばしいモノだったとも思いましたし、同時にソレは夏子が自分の人生を(辛さを乗り越えて)キチンと振り返った・総括したコトが呼び込んだ「必然」だったのかも知れない…とも思いました(少なくとも私は、そう思いたいですね)。
[映画館(邦画)] 8点(2022-01-01 13:16:52)
704.  レイジング・ファイア 《ネタバレ》 
お話の方は比較的シンプルなクライム(ポリス)サスペンス、かつワリとシリアス・ハード系のごくマジメなヤツですね。その内容自体はまま在り来り・よくある感じではあるのですが、まずまずシリアスに手堅く進められてゆくのは香港産のこの手のにしては結構好く出来ている方かと思いました(とは言え中盤、首に爆弾ぶら下げた副総監登場⁉の辺りはちょっと運び方が雑かなあ…とも思えましたケドね)。  ですが今作、より評価すべきは間違い無くアクションの方です。コッチの方も、ドニー・イェンを擁していながらも(古き良きカンフーとゆーよりは)かなりリアル路線な肉弾格闘+銃器アクションでした、が、銃撃の方もマシンガン撃ちまくりのボリューミーで好かったですし、何より肉弾格闘の方がエラく泥臭いとゆーか非常にリアル度の高いパワー系取っ組み合いで率直に見応えが中々凄かったですね。ソコはドニー・イェンの(特に『イップ・マン』での)スマートでスタイリッシュなカンフーとは趣を異にするトコロで少しお得感とゆーのもあったかと。やや早回しに頼りすぎ(で少しだけCGぽいちゅーか違和感も無くはない)かとも思いましたが、だからとゆーか全体的にキレは相当に良好で、そしてオーラスのタイマンについても中身がナイフ術やらハンマー・鉄パイプでのフルパワー殴り合いやら、バリエーション的な面もキレ・パワフルさの面も総じて非常に満足度が高かったですね。結論、アクションの出来からすれば確実に良作という範疇かと思います(素直に1点加点しておきます)。
[映画館(字幕)] 7点(2021-12-30 16:32:17)
705.  AWAKE(2020) 《ネタバレ》 
映画としては単純にそこそこ以上に面白い+細かいトコロまで比較的好く出来てる方の作品だ、と思いました。ただその総合的なクオリティはそもそも、まずスタイリッシュな画づくりの質がそこそこだったり、そして吉沢亮の演技もまずまずだったり、という要素も多分に在るにせよ、根本的には今作の元ネタが実話、かつソレが正に「小説よりも奇なり」という極めて良質な題材だった、というコトに依るトコロが大きいとも思われます。実際の映画としても、登場人物のキャラクターから事件の顛末のワリと細かい部分までが結構キッチリ事実に則した半ノンフィクションと言って好い様な質感ですし、その意味では「素材そのものの味を楽しもう」という系統の映画だと言えるかも知れません(おそらく本件については各所でドキュメンタリ的な纏め方は既に為されているのかとも思うのですが、やっぱ好いネタだし劇映画にもしとこーぜ!的なノリなのかな…とも)。  その観点からすると(まずもって多少は脚色が加わっているというコトもあるにせよ)、やはり映画に纏める上で若干は分かり易さを高めるべく簡略化(ないしは取捨選択)している箇所がある…という面については賛否両論があるのかも知れないと思いますね。吉沢亮(=AWAKE製作者)側で言うと、実際の対局後には彼からは非常に物議を醸す様な発言があったのも有名なトコロかと思いますし、対する若葉竜也(=棋士)側についてだって、そもそもの実際の電王戦のフォーマット・(将棋界に於ける)位置づけなんかの説明が省略されているが故に彼がこの対局に望む上での諸々の状況・思惑だとか、或いは彼が実際にはどのような準備をして如何なる戦略のもとにあの手を指すコトを決断したのか…という部分もやはり単純化されていた(=少なくとも詳細には説明されなかった)という、少しバカリの口惜しさは感じられましたかね(まあ、ドキュメンタリではなく劇映画としてはコレも十二分に適切な纏め方だとは思うのですケド)。  とは言え(そうは言っても)本作は、肝心なこの事件の本質の部分についてはワリと嘘偽り無く(かつ比較的分かり易く)的確に描き出せていた様には思われるのです。そしてそれ故、この事件が将棋の歴史の上でもかなり大きな意味を持つモノであったということも今作によって再び顕かにされたと言えるかとも思えますし、そーいう事件の顛末を映画という手に取り易いメディアとして後世に残したという意味でも今作にはある種の付加価値があったと思うのですね。色々な意味で決して悪くない、好い方の仕事だったのではないかと思います。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-12-30 16:24:52)
706.  ドント・ルック・アップ 《ネタバレ》 
中々にタイムリーな…と言いたいトコロですが、今作の企画は2019年より前であり、であるから本質的には今作に描かれる「分断」とゆーのは、それこそコロナ禍以前よりアメリカ社会のひとつの悩みのタネだった…というコトなのだろうと思いました(トランプ大統領あたりからより顕著になった…というモノかとも感じますケド)。  前述どおり、この映画に描かれるモノは「分断」であって、例え大統領や企業家あるいは大手メディアが多分に利己的な「悪」たる存在として描かれていたとしても、決して「正義」と「悪」の二項対立を描いた映画ではないと思います。そもそも大概の場合において正義の反対は「もう一つの正義」なのであって、こーいう深刻な分断というモノの原因はどちらが正しい・正しくないというコトとは全く違って、ふたつの主張の間の合意形成(=落としドコロの見出し方)のプロセス不全に起因するものだ、とは、今般のコロナ状況においても皆がイヤとゆーほど痛感させられているトコロではないでしょーか。例としてマスクひとつにしたって、私含め多くの日本人はマスクくらいはする方が「正しい」と思っている様にも思われます。とは言え、マスク「ぐらい」とあまり気にするコトなく許容できる(私の様な)人も居れば、どーにもマスクしてると気になって不快でしょーがない…という人だって居るワケで、ソコには背負うデメリットの「多寡」が生じているのも確かだと思いますし、ワクチンなんかはその点については間違い無くもっと深刻な問題を生じ得るモノだと言えるでしょう。そういった利益・不利益の「不均衡」だとか、あるいはそーいう細かいコトを薙ぎ払って強引にモノを進めてゆく(中国の様な)合意形成プロセスが「正しい」のか、とか、コロナの様な(万人が凡そ不利益を被る様な)「カタストロフィ」の場面においてさえ何が・どーいう行動が「正しい」のかなんて殆どがスグには決まらない…というのが現実の状況だと思うのですよね。だから問題はやはりコミュニケーション・分かり合うコトの困難さなのであって、作中でディカプリオが「間違い無く地球は滅ぶんだァァアア!!!!」とメディアで絶叫するサマを見たって「そーいうコトじゃねーんだよなぁ…」と(個人的には)実はかなり悩ましい・暗澹たる気持ちにさせられてしまいましたですね。  重ねて、非常にタイムリーな作品であるのは確かであって、それがより今作を含蓄深い・示唆的な優れた社会派フィクションに見せているのもまた確実だと思います。しかし、同時におそらく今作は(ブラック)コメディとして仕立てられた作品…なのでしょーケドも、あまりにタイムリーで切実すぎるが故に結論的には全く私は「笑う」とゆーコトができませんでした。その意味ではある種、観るべきタイミングが実は適切でなかった…とすら思われるのですね(金曜に死ぬ思いでひと仕事片付けた明けの土曜の午前中に観る映画では全くなかったすね)。結論、非常に評価の難しいトコロになっちゃうのですが、ココは観たままの(観た直後の)ネガティブ感情に素直に従うコトにして、いったんこの評価とさせて頂きますです。
[映画館(字幕)] 6点(2021-12-30 16:18:27)(良:2票)
707.  白ゆき姫殺人事件 《ネタバレ》 
3つ書こうと思う。ひとつは、マスコミやネット世論の在り方に対する論評の部分。率直にやや出来過ぎ・古典的・陳腐とも言える様な描き方にも感じられるが、特にネット世論の領域ではこーいうのって今でも非常によくあるコトだともつくづく思っているし、それらに対して今作が取り組むことの姿勢自体にはそもそも十分に共感できるモノだし、(言うて)描写の出来自体もそこそこだとは思うし、今後もこの部分の観る価値・面白みは長く維持される、とも思う。この部分に関してはまず決して悪くない作品かと思いますね。  ふたつ目は、実質的に主人公である井上真央の出来。どちらかと言えば元々は元気で愛嬌を振りまいて!というキャラの女優さんかと思いますが、ソコからすればかなり真逆な役だったとも思われるのを見事な仕事で纏めたトコロは流石の芸達者!と思いましたね。特に、劇中でもそのキャラ・印象が目まぐるしく移り替わる難役を微妙なニュアンスの違いまで的確に演じ分けていた点は、重ねて流石の実力派だなあ、と。  だから問題は3つめ、ミステリとしての出来の部分ですかね(ちょーっと雑な…)。まずはやはり井上真央が蓮佛美沙子の口車にいとも易々と乗ってしまう…という部分の納得感の無さ(=井上真央は溜りに溜っていたとしてもソコまではやらなそうなキャラに見えて、つーか)。そして何より蓮佛美沙子自体がソコまで大それたコトをしそーにない(=小者)という、コレもキャラ的な説得力の無さ。ここら辺がやはりお話として相当に安っぽく見えてしまいましたかね。まあ、根本的にはミステリよりは違うトコロにテーマを備えていた作品、かとは思いますので(自分で書いててナンですが)やや筋違いな批判かとも思いますケドね。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-12-30 02:28:30)
708.  パリのランデブー 《ネタバレ》 
パリを舞台にしたオムニバス…ですが、描かれるのは(いつもの)恋愛模様とゆーよりは、恋愛絡みのごくみっともない有様、という点ではかなりシニカル強めな作品集だと言えますかね。個人的には、笑えるかと言えば十分(クスリと)笑えるものではあったのですが、本質的にはあまり好みでない系統ではありました(笑いの「質」としても)。  まあ、コレをフランス映画よろしくな美男美女がまた演じて(特に女性陣のレベル高し)そして舞台も文字どおりに瀟洒なパリのあちらこちら…てな具合に、決してみっともないだけではないごくシャレオツな作品にまた仕上がっちゃってるなあ…と思ったりもしたのですケドね。   1.7時の約束(27分) まあ、しょーもない男ではありますケド、こんな偶然はそれこそ「あり得ない」のですから、こんな時こそ笑い飛ばすべき…だったのではねーでしょーかね(あの表情で固まってしまってはそれこそ防戦一方になっちゃいますですよ)。対する女の子の(決してやり過ぎないながらも)朗らかに凛と勝ち誇った様子はままグッドでした。  2.パリのベンチ(31分) 本オムニバスはどの作品もかなり純粋な会話劇でしたが、中でも一番その傾向が強かったすかね。ひたすらパリの公園を散歩デートする様子が続いてゆくのはそれこそ『ビフォア・サンライズ』のパリ版、的な風情でした。ただ、そのパリの中でもそこそこ自然が豊かで閑静な公園の様子とゆーのは、思いがけずかなり心地好かったです。その意味ではごく羨ましいデート風景だったとも言えますね(中身はどーあれ)。  3.母と子1907年(35分) パリ在住の画家で長身でイケメン、と手駒はかなり揃っているにも関わらず、やってるコトは(3作の中でも)一番みっともない…という残念さ加減は(個人的には)ちょっと痛々しさが過ぎて笑えはしなかったすかね。あの口説き方はちょっと酷いですって(彼女がイイ人だったから好かったものの、最後はちょっと呆れてませんでしたかね)。ま、その顛末を自分の芸術に昇華・結実させた…というラストは、実は決して悪くない…とも思いました(人生って須らく、結局はそーいうモンじゃない?という意味で)。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-12-30 02:24:54)
709.  友だちの恋人 《ネタバレ》 
性格は正反対と言える様な女の子2人ですが、友だちとしては別に(ウマいコト凸凹嚙み合って)楽しくやってけそうな感じではあるのですよね。ただ、ココに恋愛事象が絡んできたが故にそーもいかなくなっている…というお話かと。まあ、さほど深刻になり過ぎるコトもなく暢気に終わってゆく話ではあるのですケド。  私なんかは未だ、この恋愛という「男女どっちもどっち」な分野においても、今作のレアとブランシュ側の性格・人間性よりは、男どものチャランポランさの方をより見咎める様にして観ていってしまう…のですが(だから別に女の子2人には特に悪感情も無いのですが)、とは言え彼女らもまだまだ(人としては)少なくとも「発展途上」という様には見えましたかね(=コレは彼女らの年齢だから許されるよーなモノであって、あと10~15年してもこのままだとちょっと笑い話では済まなくなるぜ…的な)。ソコら辺も含めて諸々コメディとしては完成度はまた相当に高かった…とも思いますケドね(流石のロメール)。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-12-29 20:06:30)
710.  最強のふたり 《ネタバレ》 
かつて観たときは正直(意外なホドに)ハマらなかったのですが、理由は単純にドリスのキャラが個人的にハマらなかった、というコトなのですね。明け透けで雑で「乱暴」なトコロが彼の良さなのは重々承知なのですが、それでもあーいう筋骨隆々の黒人さんがあの感じだと正直ちょっと怖いなあ…とゆーのが率直な感想なのですよね。ただ今回観直して、やはり名作の誉れ高いだけはある優れたヒューマンドラマだとは感じました。シナリオの出来も上々ですし、主演ふたりの演技も(よく見ると)どちらも隅々まで行き届いてましたですね。  とは言え、やはり少しハマり切らなかった…とゆーのが、ゆーて本作のシナリオは前述どおりの高水準ですがどちらかと言えば「手堅い」という方のごくオーソドックスなモノだった様にも感じられた…のがひとつ。そしてもうひとつ、ソレとも大いに関わるトコロだと思いますが、ごく一般的な日本人の私とゆーのはこのふたりの状況が如何に衝撃的なコトなのか(という本作の最大のコンセプト)を、結局は十分に正確には理解できていない…というコトにも(少しだけ)感じられるのですね(コレは『ドライビングMissデイジー』を観た時とかにも感じたコトではあります)。今後も更なる勉強が必要…というコトかも知れないですかね。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-12-19 15:22:19)
711.  思い、思われ、ふり、ふられ(実写映画版) 《ネタバレ》 
高校生男女4人の四角関係…という時点で、私なんかはそれこそ例えば『ママレード・ボーイ』をスグに思い出してしまいましたし、なんだかんだその4人が2ペアになって目出度し目出度し…という点でもごく「在り来り」なお話だとは思います。ただ、本作はシンプルなラブコメとゆーよりはもう少ししっとり目の心理的恋愛ドラマで、かつ4人が4人ともに描くべきキャラクターをそこそこしっかり備えているというまあまあ高度な群像劇でもあって、そしてこの実写化は(2時間という尺の制限がある中で)かなり正攻法で彼らの群像劇をキチンと描き抜こうとした(多分、原作ファンにとっては嬉しいであろう)作品に見えました。私が本レビューで一番言いたいのは、要はこのお話、映画よりは確実にドラマ向きだ、というコトなのですが(=映画でしか撮れないよーなシーンもほぼ無いのですし)そーであっても本作、結論的には相当に好く仕上がった方の映画化だと思います。オマケで一点アップしておきます。  ま~とは言えねェ~~~前述どおりゴールは最初から見えてる(=実はどーでもいい)お話なんだから、見るべきは「過程」でしょ?という意味において、ちょーっとそのアーでもねぇコーでもねぇというスッタモンダがボリューム不足ですよねぇ。。北村匠海くんと福本莉子ちゃんなんて中盤でゴールしちゃったら、そのあとはキャッキャウフフのキャの字もねェ!とゆーね。前半は(どっちかと言えば)莉子ちゃんの話でコッチはそこそこ巧いコト丸く納まった気もしますケド、後半の浜辺美波ちゃんの話はまた…彼女はもう少しキャラ、とゆーかその感情の流れに複雑さ・深みがあると感じたのですが、そこら辺が非常に軽くしか描かれないのはハッキリと消化不良でしたかねェ。。  あとは、キャスティングなのですが…確かに浜辺美波ちゃんや北村匠海くんは既に中々の芸達者で(特に匠海くん)、その落ち着いた演技は心理ドラマとしての今作のクオリティには大いに貢献していたと思いますよ。でも、やっぱ彼らはちょっと高校生(少なくとも高校一年生)には絶対見えないとゆーコトなのですよね(=その意味では、2人とも落ち着きすぎなのですよ)。そもそも、この年代のコを主人公として描く映画に、そんなに単純な・一般的な演技力とゆーのはそこまで必要なのですかね?こーいうお話の方がごくシンプルな作品ならむしろ、拙さが形づくる飾らない素の感情の奔流・爆発なんてモノの方を見てみたい、と個人的には思ったりもします。  美波ちゃんについてはもう一点、ちょっと彼女は綺麗「すぎる」というレベルに達しつつあって、市井の一般女性・一般高校生を演るのは少しキビシくなってきている様にも思いました(玉城ティナってホドでは、まだないのかも知れないですケドも)。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2021-12-18 01:51:55)
712.  サマー・オブ・84 《ネタバレ》 
ホラー(スリラー)的演出が少ないながらも割としっかりつくられてはいるものの、全体的には大半が青春映画、それも非常に好くある例えば『スタンド・バイ・ミー』的なヤツなのですね。重ねて、青春映画としてもスリラーとしてもかなりしっかり丁寧につくられてはいるのですケド、これも重ねて取っ掛かりやメインの部分は非常に在り来りなお話ですし、だから犯人が判明するまでの展開は(個人的には)ソレ自体では映画レベルではないかなあ(=パワー不足)とも思えました。序盤は若干なんか妙に色々と分かり難い…てのもあった様に思えますし。  加えて、このラストですよ。個人的には(やっぱ)全体としてスリラーの雰囲気を意外にも強めに出していた…なのでソコら辺は結構綿密に考えてのプランだとも思うのです(=在り来りなお話に、ラストぐらいは恐怖と驚きを…とでもゆーか)。でも、コレもやはりソコと青春映画としての質感はどーしても整合しない、とも思いますし、そもそもかな~り意味不明・無理筋じゃなかったすかコレ?(色々と)だから私には結局このラストは、単なる只の「蛇足」にも思われましたですね。  でも一点、もし「ヤツ」がこの後このまま誰にも知られない・見つからない様な方法で「自殺」したのならば、コレはかなり強烈な主人公に対する「復讐」だなあ…とも思うのです。やっぱ一番怖いのは「人間の壊れたヤツ」なのであって、ソイツが(自分への怨念だけは確かなモノとして)生きてるのかも死んでるのかも分からない、いつかまた自分の人生の中に現れるかも知れない…てのは中々に地獄だなあ、と。とは言え、コレもひとつ私にとっては確からしく思われるのは、こーいう快楽殺人者なんて類の方々てのは、そんな方法で復讐する為であっても絶対に自殺なんかしねーだろうなあ…と言うコトなんですよね。だから結局この私の妄想はコレも多分完全なる「蛇足」かと思われます(=素直に一点引いときます)。
[インターネット(字幕)] 4点(2021-12-17 00:12:43)
713.  オキュラス/怨霊鏡 《ネタバレ》 
普通に、もっとチープなB級ホラーかと思って観たのですが、中々どーして頑張ってるとゆーか、率直に相当な意欲作でしたね(製作費自体はそれでもかなりリーズナブルという範疇ではあるのですケド)。  ただ、その頑張りとゆーのは端的に設定と脚本(=展開運びのアイデアな「二重性」)の部分に主として現れていて、前述どおりその質自体は軽く準A級レベルなのも確かではあるのですが、それ以外の側面は(かなり巧く紛らせてはいるものの)やはりB級(+α)程度のクオリティに留まってる(のを隠し切れてない…)かとも思います。特に、ホラーとしての直接的(映像的)なショック描写ってのが開始から1時間以上もほぼ皆無、とゆーのには正直あまり感心できないですね(もちろんソレは、マニアックにつくり込んだ「鏡」の背景ストーリーや、「現在」側の状況設定の優れた複雑さ、といったものを語ってゆくだけで前半がある程度チャンと成立していた…というコトの裏返しではあるのですが)。加えて、お話の方はごく上出来…とは言え、コレも「運び方」が特に巧いとゆーコトにだいぶ依存したクオリティであるのも確かで、なのでまず「過去」の話は実は比較的単純な筋だとも思いましたし、「現在」の方もオチ自体はソコまで意外性が高かったワケでもない…かと思うのです。  しかし重ねて、お話としては(特にB級ホラーとしては)十分すぎるホドに好く出来てますし、ゆーてショック描写も(終盤は)まずまず頑張ってる方かと思います。マイク・フラナガンが今作をもってその才能を世に知らしめた、という喜ばしさも含め、少し甘めにこの評価としておきます。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-12-12 18:00:28)
714.  ラストナイト・イン・ソーホー 《ネタバレ》 
ふと、エドガー・ライトってホラーなんか撮ってたケ?と思ったのですが、そもそも『ショーン・オブ・ザ・デッド』か………いや、そーいうコトでもないよーな気もするのですケド……  ただ、本作は少なくとも最初の1時間はあまりホラーちゅう感じでもなくて、むしろお話もコンセプトも実に丹念に精密につくり込まれたもっと圧倒的に本格的な作品に見えてるのですね。もしソコに恐怖や憎悪といった醜悪なホラー的概念が既に存在してたとするならば、ソレとてソレは単なる「悪」とかでは全くなくて、スウィンギング・ロンドンという煌びやかな表の貌を備えての「裏側」だ、という意味でも軽く2倍はつくり込まれています(=フツーのホラーに比べたら)。まずはその美しき・善き側面のクオリティからして、オシャレにファンタジックだったり(部分的にはもうしっかり)ミュージカルだったり、率直に実に見事でした。今作、映像のクオリティは全編通しても頗る高かったと言って好いでしょう。  ところが本作、真ん中をチョイ過ぎた辺りからは一転してドエラくパワフルなホラー展開が際限無く加速し続けていく暴走特急と化してしまうのですね。この部分の力強さ・ハイスピードな展開も、確かにまず(コレは)ホラーとして一級品だと思いましたし、重ねて映像表現の出来も引き続き素晴らしかったと思います。しかし前半と後半は雰囲気がややアンマッチかな…とも感じたのですし、そして率直に後半はお話として(特に意外性を最重視したラスト付近の諸々は)ちょい雑すぎ or 完成度の面でやや口惜しい…という様にも感じました。何よりやはり結局こーいうオチ(=犯人があの人)なんだったらば、そもそものエロイーズとサンディの繋がり・シンクロとゆーのは一体ナンだったんやねんな…となっちゃいませんかコレ?意外(で驚愕)なオチではありましたが、でも根本的には実はこれオチてないんじゃ…?とか私なんかは思っちゃったりもするのですよね…  今作もまたエドガー・ライト宜しく、その部分は少し「軽い」、そしてこの彼一流のノリとゆーのは結論、私個人としては亦かなり「苦手」なヤツではあるのですよ(=エドガー・ライト自体がそもそもやっぱ苦手…という意味で)。ただ重ね重ね、本作の映像面のクオリティは総じて相当に秀逸な部類だったとは思ってますし、特に中盤のホラーシーンのスリリングさなんかはコレだけで1900円の元は取れた…と確実に感動してしまったという個人的事情もあって、評点としては僭越ながら一点加えさせて頂こうかと思います。良作でした。
[映画館(字幕)] 7点(2021-12-12 00:33:11)
715.  ペット・セメタリー(2019) 《ネタバレ》 
引き続き原作は未読ですが、内容的には途中までは旧映画版にかなり忠実につくられてますね。その上で、展開運び自体は格段に向上しているとゆーか、ちょっと無駄や稚拙さが目立っていた旧作に比べると好く整理されてかなりシンプル・スリム、でかつ観易く・分かり易くなっていると思います。ホラー描写も(マイルドめなのはあんま変わってない、とは言え)流石にキョウビの映画レベルのクオリティまでに端的に向上しているので、そこら辺も含めて旧作からは総じて(当たり前に)レベルアップしてると言って好いでしょう。だからその意味では、リメイクとしても観る価値は諸々とフツーにチャンと備えていると思います。   ※以降、ネタバレ全開ですのでご注意ください。   なので、問題は中盤以降の「アレンジ」とゆーコトになりますかね。結論をゆーと、まずココまで酷いバッド・エンドは率直にホラーでもそこそこ稀でありますし(ゲイジを手に掛けるシーンまでは映さなかった…のは最後の一葉の良心だとは思いますケド)それ以上にこのお話のコンセプトに対する「アンサー」としてコレが果たして適切なのか…とも個人的には強く感じるトコですね(=もっと「哀しい」お話なハズじゃねーの?と)。あとは純粋なホラーの技術的なハナシとして、復活するのがゲイジ or エリーのどちらが結局より良かったのか?という側面についても、別に今作の方がこの部分も優れた結果を出せていた…とは断言できないかなと思いました。確かに、私も最初はエリーが復活した方が良いのでは?とも思ったのですが(ソレは旧作が全般的にハマらなかったという個人的事情も大きいのですが、まずエリーくらいの年回りなら役者がチャンとホラーの演技を出来るだろう、と思ったのが大きいですね)ところが実際のソレを観てみると意外なホドにシックリ来なかった……つまり、邪な存在があーもペラペラ喋れるってのは、やっぱ結局あんまし怖くなんねーな…と思っちゃったのですよね(=それなら、旧作のゲイジ的な「邪悪な幼な子」の方がまだ好かったカモ、と)。  一言で要約します。ホラーとしてはそんなに悪くはない+ケドそこまで完成度高くはないし、あんまし怖くもない+原作とか旧作とかにこだわりがある人には向かないカモ(=単なる暇潰し用ならま~十分カモ)てな感じすかね(一言になっておらずスミマセン…)。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-12-11 23:45:31)(良:1票)
716.  ペット・セメタリー(1989) 《ネタバレ》 
『猿の手』という短編を読んだのはおそらく小学校高学年の時分でしたが、間違い無く生涯忘れられない作品の一つでありますね。今思えば、非常にシンプルながら諸々と極めて完成度の高い傑作短編だった…と感じるのです(特に、肝心の「蘇った死者」が作中では結局現れずに終わっていくラストとか結構鳥肌モノだったりで)。「死んだモノは決して蘇らない」コトの残酷さ・哀しさを描く作品としては、どーしたって私は『猿の手』と今作は都度比べながら観てしまう…のですよね(英語版の今作のwikiを見ても、ハッキリとキングも元ネタにしてるとゆーてますですし)。  その意味でゆーと、結論的には今作はやはり『猿の手』と本質的にほぼ同じお話であるにも関わらず、その研ぎ澄まされた完成度を貶めるかの様な無駄なアレコレばかりがゴテゴテと放り込まれてもーてる…とまず感じられるのです。そもそも今作は100分の映画ですが、本質的には精々60分で描ける程度の内容しかない様にも思えて(『猿の手』は極短編なのですし)、だからかなりモタモタと間延びしているよーに感じるのがとりあえず正直なトコロです、し、加えて展開運び自体も無駄が多いうえに単純に非常に稚拙だと思いましたですね。どだい(ゲージはともかく)猫を蘇らせる理由からしてよく分かりませんし、猫を蘇らせたコトが結局さほど問題になってないよーに感じられるのも(ホラー的に)非常にイケてませんし、奥さんは実家と自宅を(意味も無く)行ったり来たり、パスコーやらゼルダやらのコレもよー分からん無駄なキャラ、そして終盤のゲージの大殺戮とてハッキリ言って唐突すぎます。お話全般の完成度はかなり低いなあ、と率直に溜息が出てしまいましたね。  もう一つ、前述どおり『猿の手』は蘇った死者を(見せる寸前で)見せずに終わる、という洒落たラストを用意していたのですが、今作はホラー映画なのでソコはそーはなってない…まあソレは別に好いと思いますケドも、だとしたら逆にもう少し見た目の面でのショック描写の質を頑張らないと映像化した意味が無いのではねーでしょーか。コレも前述どおり、やっぱ復活した猫がまるでフツーの猫なのがそもそもとにかく非常にイケてないですし(見た目的な意味でも+ソレによって展開上の意味を失っているという意味でも)、そしてゾンビ化ゲージの見た目+そっからのショック描写諸々もやはり非常に迫力不足で物足りませんです。更には、おそらくその面の補強としてパスコーやらゼルダやらはまたあーいう感じになったってるのでしょーケドも、だとしたらコレも非常にチープだ!としかもう言い様が無いのですよね(=ただグロいヤツを放り込みゃ好いってモンじゃねーだろ!と)。  原作未読なので(もしかすると)ちょっと掴み切れてないかも知れんのですケド、正直駄作だとしか感じられませんでした。あまり原作読む気も湧いて来ないレベルで。
[インターネット(字幕)] 4点(2021-12-11 19:16:43)
717.  ダーク・アンド・ウィケッド 《ネタバレ》 
最近はとみに増加傾向かとも思いますが、まずはひたすらに陰鬱で暗~いコトの一辺倒、というかなり硬派なホラーの一作ですね。ただ、ホラー的なコンセプト自体は極めてシンプルで、要するに悪魔襲来モノという系統です。とゆーか本作、その悪魔の正体・実体とかその目的とかにせよ、或いは映画的にナニがホラーとしてキーポイントになっているのかすらが全編通して殆ど定かになってはゆかない…のですよね。例えばソレは、明らかに初っ端から怪しさ全開な主人公姉弟の病気の父親ですら、実はホラー的なキーキャラではなくてあくまで姉弟を実家に押し留める為の「重し」でしかなかったり…という側面にも表われていると思います。  その意味では、ある種の不可解系ホラー(=「ナニがナンだか分からない」のが怖い)と言えるかとも思いますし、結果として(直接的なホラー描写も多々在ると言え)雰囲気系ホラーの方により近い、と言えるとも思いますかね。そーなってくると一つ、全体的にイマイチ盛り上がりや抑揚・メリハリを欠く様な気もする…とゆーのは(ホラーとして)小さくないウィークポイントにも感じられます(全体の尺は適度にコンパクトなのでコレもそこまで目立ちはしないのですケド)。他方、陰鬱で不気味なホラー描写の質自体は、決して全く悪くはありませんでした(むしろ中々キレ味も好く上等な部類かと)。結論、娯楽系ホラーじゃあないという意味では多少中・上級者向けなのは確かかと思いますが、今風のホラーとして重ねて全く悪い作品ではないですね。特に映画館で観れるとゆーなら、そこそこ以上にオススメできるかと。
[映画館(字幕)] 6点(2021-12-11 14:16:56)
718.  マリグナント 狂暴な悪夢 《ネタバレ》 
いや~超ッ絶パワフル!!キレッキレ!!日々の陰鬱な気分を吹っ飛ばす、実に爽快なホラーでした。大満足。   とは言え序盤~中盤にかけて真相に向かって暫くモヤモヤしてゆく部分は、そのメイントリックが結局「イマジナリー・フレンド」だろうが「ヴァニシング・ツイン」だろうが決して観たコト無くはないよーな話にも思えており(=なんだかんだ結末がソッチのカテゴリーに帰着してゆくのはほぼ間違い無さそーな…つーか)、その在り来りさをショック描写(或いは部分的にはアクションとも言えるソレ)のキレ味や、ワリに凝ったカメラワーク、そして臆面も無くガンガン放り込まれるCGの端的な高水準さ、といった個々の要素のつくり込みで観せてゆこうという作品に見えているのですね。その意味では、ある種手堅い横綱相撲の様な作品にまた思えてた…とでも言いますか(流石は「横綱」ジェームズ・ワン、てか)。  しかし今作、本質的には結局オチの内容自体は前述の想像の範囲を大きくは外れないものの、その「異形さ」とゆーのが諸々ちょっと一般向けホラーの水準を逸脱してると言って好いレベルでして、ソコは間違い無く(好い意味で)従前の期待(あるいは王道なA級ホラーとしての序盤からの流れ)をブチ裏切ってくれた…と思いました(ガブリエルの正体が顕かになったシーン、映画館で間違い無く「ヒェッ…」て声が聞こえましたのですね)。そっから先の大暴れ・カッ飛ばしぶりはもう中々に凄まじく、横綱だと思ったらこれヒグマ(=もはや人外)でしたね。結論、近年稀にみる抜群のキレ味だったと言ってよいと思います。  しかし、私ですらラスト30分には薄っすらと「やりすぎ?」感も覚えるよーな有様で、コレは多分ふだんホラー観慣れない人には少~し刺激が強すぎる…かも知れんですね(エンドロールでまた館内がエラくザワついててですね…こんなのも久し振りで…)。その意味では、オーラスは存外にアッサリ暢気にグッド・エンドの方に倒れてゆく…てのも、実は高度なバランス感覚の為せる「技」かとも思いました(=コレって適切だなあ、と率直に)。重ねて、決してレベル低くもないケド全体としては「緩」な前半と、全力全開に「急」な後半のメリハリ、等、総じて隅々までかなり行き届いた良作だったと思います。コレは是非映画館で!
[映画館(字幕)] 8点(2021-12-11 01:50:08)
719.  あの頃。 《ネタバレ》 
うーん、割とフツーの青春もの(ちょいフツーすぎ)という印象ですかね。ハロプロネタを全開にしたコメディ描写が前半はかなり笑えもするのですが、中盤以降はコメディ面は少しずつトーンダウンしてゆき、終盤はコズミンの病気エピソードに終始して笑える話ではなくなってゆく、そのビターな部分を含めて青年が大人になってゆく話だという意味でのごくありふれた青春映画かと。  出演者は総じてコメディ面を特に頑張ってる、という感じですが、一番頑張ってるのは何と言っても仲野太賀なワケです(松坂桃李を差し置いて、総合的には彼の映画だと言っても好いかも知れません)。ただ、そもそも彼が目立ち過ぎているとゆーコト自体、ソコはちょっとバランスが悪いという様にも思います(彼の死をクライマックスとしなければならない「縛り」があったとしても)。バランスという意味では、コメディとドラマだとか、喜怒哀楽だとか、その他の要素については逆に非常にバランスが整っている、否、整い過ぎている、という様にも感じます。つまり「突き抜けた」要素が無い(ハロプロものとしてさえ)が故に、逆に逆にまろやかに手堅くなり過ぎている、という様にも感じるのですね。原作付きではあるのでしょーが、もう少し何か「特化」した部分があった方が好かったのではないか、とも思いました(ソレこそ、ハロプロものとして、とか)。
[DVD(邦画)] 5点(2021-12-04 00:31:15)
720.  新宿乱れ街 いくまで待って 《ネタバレ》 
荒井晴彦の脚本家デビュー作なのでしょーかね。その意味では、まずは数年後に彼がモノにする名作『赫い髪の女』ともかなり似た様な話ではあるのだし、特に男女のグズグズとした関係性なんかは正にそんな感じ、とも言えるでしょう。ただ、男の方の人物像は売れない脚本家の卵という、より分かり易いヒモのステレオタイプではあるし、その部分とかは最近の映画だと『劇場』なんかにもかなり似通った感じで、全体としてもある種典型的な話だと言っても好いか、とも思います。  正直、あまり面白く感じなかった…とゆーのが(『赫い髪の女』に比べれば雲泥かと)ゆーてつまりはちょっと典型的すぎる…というコトにも思えますかね。その最大の理由が、舞台が新宿ゴールデン街、というポイントをあまり巧く使えていない(+新宿ゴールデン街でなければ描けないという話にも結局仕上がっていない)という部分にあるかとも思います。あとは加えて単純に、女優さんの魅力(色気その他)とゆーのが少し不足していた…とも感じますね。まあ、コレを観てから『赫い髪の女』を観る、とゆーの自体は中々興味深いコト…かとも思いますケド(映画人の「成長」が間違い無く垣間見れる…から)。
[インターネット(邦画)] 4点(2021-12-03 23:53:22)(良:1票)
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