721. アイ・アム・レジェンド
《ネタバレ》 前半は孤独な男のサバイバルドラマとして面白かったのに、後半から凡庸で残念な結末に辿り着く。 中盤に脱落した相棒の犬が大きな存在として作品の質に貢献していただけに。 原作や別エンディングだと価値観の逆転が強調されていたようで、 そっちの方がまだコクがあって良かったかもしれない。 (そうなるとウィル・スミスのキャラ的に厳しいため、軌道修正が利かなかったのだろう)。 ちなみにDVD特典のサイドストーリーの方がグロテスクで本編より印象に残っている。 [DVD(字幕)] 4点(2022-10-12 23:12:38) |
722. ソードフィッシュ
『マトリックス』を引き合いに出した宣伝に騙された。 冒頭のバレットタイム演出は物語に引き込むのに効果はあったと思うが、 これが最大のクライマックスでその後の展開は凡庸。 あまりにも無用な要素を取り入れて複雑にしすぎ、どんでん返しのカタルシスも感じられず。 B級ならB級に徹するべきかと。 ジョン・トラボルタもヒュー・ジャックマンもハル・ベリーも魅力的なのに勿体ない。 [DVD(字幕)] 4点(2022-10-12 22:20:06) |
723. ボーン・コレクター
《ネタバレ》 人生で初めて見たサイコサスペンスもの。 猟奇的な雰囲気はなかなかであるが、やっぱり犯人のインパクトがなさすぎる。 身体を動かせないデンゼル・ワシントンの危機はラストと発作くらいなので、 最後まで引っ張るには厳しい設定。 アンジェリーナ・ジョリーは頑張っていたが、双方とも無駄遣いとしか。 『羊たちの沈黙』と『セブン』が傑作なのは本編とは無関係な要素を排除したからで、 記憶に残らないのは思わせぶりな贅肉が多かったとも言える。 [ビデオ(字幕)] 4点(2022-10-09 22:43:55) |
724. 長ぐつをはいたネコ(2011)
シュレックシリーズからのスピンオフながら、 シュレックの名前も存在を匂わせる描写も一切なく、 プスの冒険と活躍に専念する。 ところが元ネタの童話とセルフパロディの数々が上手く嚙み合ってない。 当初あった毒も抜けて普通のファミリー映画に堕しちゃったあたり、 打倒ディズニーの野心はどこに行ったのかと。 それなら独立した作品としてもっと暴走しても良いのに、 まずシュレックを見ていないと楽しめない演出があり、物凄いジレンマを感じる。 [DVD(吹替)] 4点(2022-08-27 00:35:06) |
725. インビジブル(2000)
一言でいえば「サイテー」。 VFXで透明化していく過程も、透明人間になったあとの目的も、 流石バーホーベン監督らしい悪趣味さ。 ただ、本人がスタジオに不満を持ち、ハリウッドから去ったように、 本当はもっと突き抜けたことをしたかったのかなと。 どこか消化不良感が強く、予想を裏切る展開が欲しかった。 中途半端な「サイテー」映画だ。 [ビデオ(字幕)] 4点(2022-08-13 22:33:31) |
726. ホテル ビーナス
遠い昔に視聴。 草彅剛が"チョナン・カン"を名乗る韓国人という設定のテレビ企画から始まり、 一本の映画にしたという記憶がある。 全編韓国語、ウラジオストクを中心とした撮影ロケ、モノクロに近い青みががった映像と 邦画らしかぬ無国籍感漂う雰囲気で奇を衒いたかったのだろう。 その証拠に、ストーリーが印象に残らず、全てのエピソードがとっちらかって終わってしまった印象。 ラストの演出も如何にもあざとく、これでは感動できません。 [DVD(邦画)] 4点(2022-06-27 21:42:31) |
727. スズメバチ
シチュエーションには惹かれる。 戦争映画さながらの絶望的な籠城戦で面白くないわけがない。 でも、やはりストーリーが弱すぎて、アッサリ終わってしまった。 雑なのは仕方ないにしても、それを吹き飛ばすくらい、もっと派手に撃ちまくってほしかった。 [DVD(字幕)] 4点(2022-06-01 20:26:51) |
728. のぼうの城
《ネタバレ》 題材が面白そうなのに勿体ない。茶髪の侍が出てくるので、ライトノベル調の時代劇として見るのも悪くないものの、基本ダラダラしててスピード感がないし演出もチープ。史実通り開城で苦みを含んだハッピーエンドだったが、その解放感はやっと映画が終わるという徒労そのものだった。野村萬斎のキャラクターで何とか持った感じだ。 [DVD(邦画)] 4点(2022-03-24 23:11:48) |
729. アイアンマン2
シリーズものならではの弊害で作品の勢いが感じられないのは言うまでもなく、シリアスな要素を必要以上に詰め込みすぎて、上手く収拾できていないことに尽きる。陽のアイアンマンには肩の荷が重すぎて似合わないから、もう少し軽快に描いても良かったはず。ミッキー・ロークにはもっと暴れて欲しかった。 [DVD(字幕)] 4点(2022-01-01 01:33:58) |
730. 麦の穂をゆらす風
《ネタバレ》 アイルランドの歴史を知らないとかなり厳しい。ドラマティックな展開もないまま淡々とシビアに、自由を勝ち取ることにどれだけの代償と犠牲を払うかをリアルに突き付ける。妥協するか、完全な独立のために戦うかで自ずと引き裂かれていく兄弟の悲劇すらも。イギリスのEU離脱によってアイルランド統一の可能性はあるが、その"続編"は見てみたい。 [DVD(字幕)] 4点(2021-12-09 21:32:44) |
731. インクレディブル・ハルク(2008)
アン・リー版は未見。ハルクになる過程は冒頭でサラっと描き、ブラジルの貧民街を俯瞰で捉えたカメラやハルクに頼らないチェイスシーンは良い。この勢いを保ってシンプルに90分でまとめたら佳品になりえたのに、舞台をアメリカに移してからはもうグダグダで記憶に残らないという。『アベンジャーズ』と絡める以上、当然ながら説明過多になりすぎる大人の事情。エドワード・ノートンを始めとする演技派俳優の無駄遣い。そもそも緑の巨人に魅力が感じられず、主役には向いてないと思う。 [DVD(字幕)] 4点(2021-12-02 20:50:46) |
732. アナと雪の女王2
《ネタバレ》 物足りない。前作で明らかにされなかった秘密を辿るのは当然の流れとしても、決定打と思える楽曲が見当たらず、インパクトのある新キャラが皆無なのが致命的。大団円の分かり切った完結のために、アナとエルサ以外のメインキャラを必要以上に持ち出しすぎて、物語のテンポが削がれ、作品のテーマがボケてしまった。そう、もっとバッサリ切る勇気も必要だ。例えば、ダム壊して全て収まるなら、この34年間でなぜ一度も巨人が壊さなかったのか、そして閉じ込められた王国の騎士団の服に継ぎ接ぎすらなくどう生活していたのか、全体的に説明不足なのでそこの言及に充てるべき。言わば、「あちらを立てればこちらが立たず」の状態に陥っていて、既にキャラを立たせた続編ものの限界かもしれない。 [地上波(字幕)] 4点(2021-11-19 23:35:42) |
733. トゥモロー・ワールド
《ネタバレ》 邦題は『人類の子供たち』で良かったのではないか。ただのSF映画ではないのは事実で、キュアロンの作家性が遺憾なく発揮されている。複数のカットをワンカットの長回しに見せた当時の最新技術で、臨場感を生み出すことに成功している名シーンの数々。ただ、ストーリーと登場人物の掘り下げが浅く、細かい部分はあまり覚えていない。あれでは赤ん坊が世界の希望になるとも限らないディストピアな設定が上手く活かされないと思った。唐突でどうでも良くなっている感。後の作品群に大きく活かされたという意味では、監督のターニングポイント的作品。 [DVD(字幕)] 4点(2021-09-30 23:08:26) |
734. スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
《ネタバレ》 何の感慨深くもないまま完結。もっとも前作の迷走から何とか軌道修正した感はあるけれど、視覚効果に馴れた以上、最終決戦は結局同じことの繰り返しで全く新しさがない。ダースベイダーに匹敵する悪のカリスマも不在で、空気が引き締まることなく、あっさり決着した感じ。ep7以降、話や人物相関図をあまりにも後付けで広げすぎたし、ディズニーのことだから、これからもスピンオフ作品が量産されることを考えるとそっとして欲しい。 [地上波(字幕)] 4点(2021-03-05 09:16:45) |
735. 東京流れ者
初めての鈴木清順。ありきたりの任侠映画に、ポップな色彩感覚とチープでコミカルでアンバランスな造りが却って独特の雰囲気を醸している。良くも悪くも前衛的で、その嗜好に合致するかと言えば否。スタイル優先で話は二の次なのは分かっていたが、睡魔を催すくらい魅力を感じられない。それだけ彼に影響を受けたクリエイターが増え、物足りなくなった証か。出直してきます。 [インターネット(邦画)] 4点(2021-02-01 23:19:00) |
736. アナスタシア
ディズニーっぽいというレビューが散見されるが、そのスタッフを引き抜いて作ったのがこれ。どうりで似ているわけだ。問題はオリジナリティがなく、ただの劣化コピーで終わってしまったこと。予想通りのまま展開するのはともかく、脇役も悪役のラスプーチンもあまり活かされず、構成のバランスが悪くて退屈だ。随一音楽は素晴らしかった。あれからDNA鑑定によって、アナスタシアがボリシェヴィキに殺害されたことが正式に証明され、ロマンの欠片もなくなってしまった。そして、製作した20世紀フォックスがディズニーに買収され、本作がディズニープラスで配信されていることに皮肉を感じる。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-01-27 22:35:19)(良:1票) |
737. ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
シリアスで煩雑な人間関係や説明に尺を割いても、完結編で盛り上げるなら分かる。ただ、本作は5部作のうちの2作目、まだまだ続く。魔法生物もユーモアも本作では影を潜め、悪の勢力との戦いを惰性で見続けるようではハリポタの焼き直しではないか。同じ世界観だからこそ、違う視点で一本程度の映画に軽くまとめてほしかったが、この調子では今後も期待できないだろう。 [地上波(字幕)] 4点(2020-11-27 21:10:16) |
738. 名探偵コナン 紺青の拳
もうこの手の推しキャラ路線に質がどうとか言うのは野暮だろうな。メインのミステリーとサスペンスはそっちのけで、いつも通りドッカンドッカンな平常運転だったかと。別人として同行しているのに最後までコナンに気付けない蘭を始めとする、思い入れのあるレギュラーもなく、映画ゲストキャラにも魅力が感じられず、淡々と見終えた印象です。ファンムービーと割り切って、ヒットし続けるならそれで構わないが、純粋に映画として見るなら"粋じゃない"。定番アニメに頼らざるを得ない邦画の脆弱さに眩暈がする。 [地上波(邦画)] 4点(2020-04-17 23:53:27) |
739. トレイン・ミッション
期待しなければそれなりの暇潰しにはなるだろう。ただ、ほぼ電車で展開される、その縛りに拘りたいのであれば、揉み消し側の穴だらけのプランや無茶苦茶なアクションはどうにかして欲しかった。それだとかなり地味になるし、派手な見せ場がないと集客できないのは分かるが、描きたいことを詰め込みすぎて、アイデア一本勝負が薄れてしまっては勿体ない。 [地上波(字幕)] 4点(2020-04-16 23:30:23) |
740. ある天文学者の恋文
《ネタバレ》 トルナトーレは『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』くらいしか見ていなかった。父娘ほどの年の差遠距離恋愛ものかと思いきや、まさかの教授死亡。その後、彼女の行動を見透かすかのようにビデオレターが次々と封筒で送られてくる・・・。どういうどんでん返しがあるのか引っ張られるわけだが、良く言えば恋人を失った若い女性の自立物語、悪く言えば回りくどいオッサンの妄想垂れ流しである。しかも不倫で秘密裏に彼女の過去を探っていたのだから尚更。彼女を立ち直らせたいのであれば、聖域に立ち入らず、弁護士に遺品等を預けて潔く身を引くべきなのに、これでは映画にはならないから、結局気持ち悪い展開をダラダラ続けていくことになる。女はそこに疑問すら感じない都合の良い人形のよう。監督の"素敵な恋愛"、昔ならともかくいくらなんでも時代遅れとしか言いようがない。温故知新というものを失い、自分自身に酔っているようだった。 [地上波(字幕)] 4点(2020-04-16 00:06:12) |