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プロフィール
コメント数 1648
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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741.  クリーピー 偽りの隣人 《ネタバレ》 
テーマは洗脳・マインドコントロールなのでしょうが、その手段は単に薬物だった、というコトのようです(=そーいう様にしか見えません)。序盤からの香川照之の怪しげな挙動、特に高倉家に徐々に侵食してゆくコトの意図・意味とゆーのがまずボヤけてしまっている様に思いますし、そもそも結局、序盤~中盤の描写は(川口春奈の方の話も含めて)殆ど後半と繋がり・脈絡が無いという様にさえ見えます。そのワリに前半はタルい展開運びで尺も長いし、そんでもって肝心の後半がこんなファンタジックなオチになってるとゆーのは、結論、私にとっては完全に(サスペンスとしては)許容範囲の外ですね。  もう一点、いくら何でも警察がポンコツすぎてココにもリアリティの欠片も無い、という様に思われます。一家3人失踪してて、6年後に隣の空き家に実は死体が在りました!てアホなのですか?んで出てくる刑事はみんな単独行動して返り討ち、の繰り返しで…最初の野上は百歩譲ってまだしもとしても、その野上がこないだ殺られた現場に行く時にまた単独で行かせちゃう、て流石に在りえん!でしょ。だから結局、私には今作のサイコパスとゆーのは別になんにも恐ろしい人間には見えませんでした(不自然極まりない映画的御膳立てがそー見せようとしてるダケという上っ面)。  香川照之の演技を褒める向きもある様ですが、演技とゆーのは何らかのつくり込まれた内面的なクオリティの表出でしょ?ソレが伴わない演技とゆーのに評価もクソも無いですよ(無意味です)。まあ、香川照之が悪いワケでは全くないのですケド。
[インターネット(邦画)] 3点(2021-10-31 22:32:17)
742.  ハイサイゾンビ 《ネタバレ》 
沖縄産・インディーズゾンビ映画というコトですが、全体としては多分にコメディホラー的でありつつ、何故か西村喜廣なんて呼んでしまったが為にグロい部分は矢鱈と気合が入ってる(血飛沫はもうスプラッシュ!な)ので、その面を一粒で二度美味しい!と見做すか、アンマッチ!無駄!と見做すか、そこら辺は個々人の感性に依るのかも知れない、と思う。  ただ、よ~く観てゆくと意外とコンテンツ的には結構独自性があった様にも思われるのだね。  ・冒頭はコメディチックな小芝居で始まり ・突如本物のゾンビが登場してその場でしっかりスプラッタ(とは言えコメディ色も残しつつなヤツ) ・続けてゆる~いコメディ展開(物真似ゾンビ) ・なんだか知らんケド、ゾンビ相手に格闘技カマすシーン(沖縄空手?) ・大量のゾンビが沖縄の商店街に出没!で手斧で闘いまくる(狭い路地で長回しハンディカム) ・沖縄民謡に乗せてちょいエロ女ゾンビが「舞う」ちょっとアートなシーン ・オーラスは皆ゾンビになっちゃった!(でも映画は撮るぜ!)なコメディで締め  特にゾンビと格闘ごっこだとか、地方の商店街を舞台にしたゾンビシーンとか、沖縄民謡のシーンとかもそれなりに面白み・ユニークさが有って決して悪くなかったと思うのです。しかしながら、やはりもう少しだけでも「沖縄っぽさ」を大々的に押し出すよーな工夫は盛り込めなかったものかな、と思いますね(地元の方だとロケ地が近所で盛り上がる!的なのが大いにあったのかも、とは思うのですが)。良い点の方を最大限重視して、評価は甘めのこの点数にしておきます。  余談ですが、ヒロイン役の女優さん(川満彩杏ちゃん)はスタイルもイイし結構美形なのだけど、どっかで見たな…と思ったらいま東京で落語家に弟子入りしてる人ですねコレ。前座のうちは他業種の活動はおろかSNSも出来ないかと思いますが、もう少ししたら表舞台での活動再開されると思いますので(2023年くらいかねえ)ちょっと期待しておきましょう。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-10-31 02:32:13)
743.  Happy Hunting(2018) 《ネタバレ》 
少人数の婚活パーティに集まった男女(男×3、女×1)とゆーのが、揃いも揃ってちょっとアレな…(加えて運営側もちょっとアレな…)というだけのお話。それ以上のアイデアが在るとも言い難いよーな有様なので(ちんまりと纏まってはいるものの)あまり面白みが感じられない。オチも決して悪くもないケドごく平凡で、これならそれこそこーいうシチュエーションのお笑いのコント(東京03とか絶対やってそう)でも観た方がよっぽど楽しく過ごせそう、てなモンで。  演技は全体的にそんなに悪くはなかったし、主演の奥咲姫ちゃんはそこそこ可愛かったりもするので、シチュエーション的にも最初ちょっとだけテンションは上がる(男性限定)かとも思う。このコ、あの『デスフォレスト』五部作に皆勤!とwikiで書かれてて、え、そんなキャラ居たっけ?と思ったら実は例の「顔」の役だったのだとさ(ヘンなトコロで出演本数稼いじゃいましたね)。あと、仁後亜由美さんという人もどっかで観た顔だなと思ったら、コッチは『時時巡りエブリデイ』で結構主要な役柄演ってたのでしたね。そこら辺、如何にもインディーズな感じでマニアが喜びそうな配役、とも言えるかと。
[インターネット(邦画)] 4点(2021-10-31 00:21:48)
744.  キョンシー 《ネタバレ》 
いわゆるキョンシー映画を現代的に、かつリアリティも高めて描いちゃおう、とゆーのがコンセプトとのコト。しかし、正直あんましソレがウマくいってる様には見えない、つーかね。キョンシー映画だとやはり、キョンシーそのものやソレを創り出す or 制圧する存在としての「道士」とゆーのは、登場人物やそのコミュニティにおいては共通認識となっている必要がある、のだろうケド、その部分とリアルな現代社会との整合とゆーのが今作では非常に雑で、実際に起こり得るお話、とゆーのには残念ながら全くなってないのだよね(道士もキョンシーも、加えて双子の悪霊もなんとなく其処に居るよー!てなモンで)。中華系ホラーにはまたよくあるコトだけど、お話は(特に序盤)説明描写のつくり込みが浅いワリにはややっこしくて正直分かりにくい、だケドもそれより本当に手当てすべきは前述の設定面・世界観のつくり込みなのではないか(=話をややこしくする必要性が更に無用にも見える)、てのは確かに非常に大いなる疑問だと言って過言でないでしょう。。  とは言え今作、ホラーとしては相当に気合の入ってる作品なのも確かで、陰鬱で禍々しい画面の出来は総じてかなり高いし、雰囲気も決して悪くないと思う。そして紛うこと無き中華ホラーとしてその独特と言えるエキゾチックさも大いに感じられるので、偶にこーいう外国産ホラーを観るうえではごく物珍しく面白く観れるのもまた確かかと思う。随所に挿入される待ってました香港!的なアクションと、特に終盤にソレがもたらす派手さも加えて、あくまでホラー愛好者なら観て損をするというモノでもないか、とは思いますですね。死ぬホド暇なら是非。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-10-29 20:23:50)
745.  キャンディマン(1992) 《ネタバレ》 
30年越しの続編公開に併せて観直しましたが、思ったよりよく出来てる・アイデアの豊富な作品でしたね。惜しむらくはそのアイデアのポテンシャルを活かしきれてはいない、というトコロなのですが、ソレは続編の方で結構しっかりトライしてくれてますので、本作に関しては純粋なキャラものホラーとして楽しむ方が(今や)より適切かと思います。  その意味では、やはりトニー・トッドは存在感抜群ですね。力強く男性的でありながら、どこか中性的で実に「妖艶」な妖しい雰囲気を纏っています。ある種この頃が彼の全盛期とゆーか、この時期にXファイルとかでも面白いキャラを演ってるのを観てソレも印象に残ってますね。そして彼のキャラクターの魅力のみならず、今作では主役のヴァージニア・マドセンも結構頑張ってますし、残虐描写の方もそこそこチャンと仕上げていて量も少なくないのでフィジカルな意味でもまずまず楽しめるかと。結論、シリーズ化されたのも納得な良作かと思います。この機会に是非。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-10-29 18:41:36)
746.  しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス 《ネタバレ》 
ともすれば、非常に「前時代的」とも見えかねない夫婦・男女の在り方だとも思われるのですよ。いわゆる自由選択的な恋愛というモノではなくて、二人ともそうしなければ生きられなかった、という中で辿り着いたカタチなのは確かでしょうし。ただ、生きていくために二人連れ添う、というその関係が次第に真実味を帯びてゆくのも好く分かりましたし、ソレは(あくまで今作においては添え物として描かれる)モードの画家としての立居振舞いも同様に見えて、ただ「一緒に生きていきたいから一緒に居る」或いはただ「描きたいから描く」というどちらも非常に本質的なモノに感じられ、まただからこそ非常に尊いモノにも思われました。静かですが、実に芯を食った話だと思いましたね。良作以上かと。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-10-27 23:21:53)(良:1票)
747.  キャンディマン(2021) 《ネタバレ》 
旧作は「1」だけ観ていたのですが、今作劇場鑑賞後に急いで観直しました。いや~チャンと旧作を再見してから観れば好かった…話もモロに繋がってますし、洒落たトコロでキャストも再出演してますし、何よりコンセプトの部分がかなり旧作に準拠したリスペクト溢れるつくりになってますのよね。こーいう続編はホラーファンとしては率直に非常に嬉しい・望ましいものかと思います。  旧作とゆーのは、一見はよくあるスラッシャー・ホラー風にして、色々と特徴的な要素を盛り込んだ(意外に)ポテンシャルの高いホラーだったと思います。今作ではソレを掬い上げて適切な今風の進化を加えている、とゆーか、例えば人種問題の部分をよりクローズアップしてみたり、ホラー的には「鏡」や「蜜蜂」といったモチーフをより効果的に使っていたり、そして全体の雰囲気も旧作準拠にややアーティスティックに仕上げていたり、そこら辺は重ねて比較的好い方の仕事だったかと思います。特に鏡を活用して視覚的な工夫を施したショックシーンは(そこまでオリジナリティ溢れるとも言わないですが)まずまず以上に面白かったと思いました。  ただ、諸手を挙げて大絶賛!とまでは言えない程度に残念な箇所も含まれます。まず感じたのが、実は旧作「1」てモブキャラがキャンディマンに襲われるシーンって少なくって、あくまで主人公のヘレンがキャンディマンの幻影に捉われているという一種のサイコ・ホラーだった…というトコロ、今作は名前を唱えた人間が襲われるシーンが結構バンバン入るのです。それ自体はシナリオとしては(ホラー的に)適切だと思いますが、とにかく唱えるとほぼ秒で襲ってくる、というシーンばっかなのですよね。コレって、ちょっと気味悪いケド呪文唱えてみて一瞬緊迫感走るケド何ともない…ケドなんか気分好くない…みたいな「余韻」がスゴく大事なヤツだと思うのですよ(ナンならその日の晩とかに来る方が適切かと)。蕎麦屋の出前じゃねーんだからちょっとは泳がせて楽しんだらどう?とキャンディマンには小一時間問い詰めたいです。全体の尺自体を必要以上にコンパクトに纏め過ぎている、という感じでもありますかね(少しアート系・雰囲気系なホラーだからこそ尚更そー思うすね)。  もう一つは、キャンディマン自身がしっかりとビジュアル的にキャラ付けされないまま話が終盤まで進んでいく、という点で彼の(ホラーモンスターとしての)魅力が旧作より半減してしまっている、というコトですね。これはオチがあーいうモノであるが故、とも思いますが、旧作のその部分はトニー・トッドという逸材が素晴らしい仕事をしていた、ソコとの対比としてはやや物足りなく思うのも事実です(主役の彼自体の出来は決して悪くなかったですケドね)。  重ねての結論、全体として決して悪くないクオリティを擁していますが、特にトニー・トッド好きな私としては旧作より評価するのは難しいという感じかと思いました。全然観る価値が無い作品、とかでは毛頭ないですケド。
[映画館(字幕)] 5点(2021-10-25 00:10:42)
748.  黒い司法 0%からの奇跡 《ネタバレ》 
裁判もの・ヒューマンドラマ・人権もの、どのジャンルの作品としても非常に「手堅い」という印象。ややオーソドックス・一本調子すぎて少し捻りが欲しい、という気もするが、別に悪いコトでもないかと。つくりとしての特徴はその重厚さ。間合いが非常にゆったり取られていて、これは特に本事件の困難さ(無罪を勝ち取るまでの道のりの遠さ)を体現しているモノなのだろうと感じる。そして、そのローテンポをこれも静かで真摯な演技で繋いでゆく俳優陣の理知的な仕事も素晴らしかったと思う(マイケル・B・ジョーダンには惚れ惚れとしてしまいました)。諸々、間違いの無い良作だと言えるでしょう(青少年の教育向けとか特に)。かなりオススメ。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-10-24 14:41:58)
749.  哀愁の花びら 《ネタバレ》 
芸能界を生き抜こうとする3人の女性の成功と挫折を描く…のですが、特に終盤は見せ場の連続で、その意味ではゴージャスとゆーかダイジェスト的とゆーか。個人的には、ちょっと感情の流れや人間関係の移り変わりの描写が足りないとゆーか雑に感じられ、非常にエモーショナルなシーンが続くワリにあまりコッチには伝わってこないとゆーか、やや上滑りなよーにも思いました。主役3人以外にも登場人物が多すぎる、というコトでもないですかね?(題材の若干ながらのチープさを含めて)確かに映画よりはドラマ向き、という話なのかとも大いに感じます。いっちゃん主役のバーバラ・パーキンスがまるで存在感が無い(他の2人に食われてる)つーのも、確実なマイナス要素であります。
[DVD(字幕)] 5点(2021-10-24 02:25:45)
750.  CUBE 一度入ったら、最後 《ネタバレ》 
特に前半1時間チョイはほぼ完ペキに、そして最後まで観てもそのCUBE自体の仕掛け・ギミックの側の展開運びは9割がたが元ネタの丸パクリなので、逆にその部分は全く詰まらないというモノでもないよーな気もしている(今更ソレでイイのか?とゆーのはまた置いとくとして)。しかし、残り3,40分くらいからおっ始まる人間ドラマ(人間同士の「対立」とか)の方については、このアレンジは個人的には完っ全に「違う」と思う。菅田将暉のトラウマにせよ、岡田将生の歪みに歪んだ人間性にせよ、何故「外の世界」から持ち込んだモノを梃子にCUBE内のドラマを描こうとするのだろう。それらとゆーのはCUBEの世界が描き出すべく物語とは本質的に全く関係が無いではないですか、と(何の為にこーいう「世界の全てから隔絶された」特殊な状況設定を持ち出しているのか=そーいうコトやりたいならソレ用に設定チャンとつくり込んだオリジナルの舞台上でやりなさいよ、と)。重ねて、今更こんなコトやっといてこのザマですか?とゆーのが私の結論です。こーいう作品をつくっちゃうから邦画をバカにする輩がまた蔓延るのだ、とすら思いますですね。
[映画館(邦画)] 3点(2021-10-24 01:42:01)(良:1票)
751.  オテロ 《ネタバレ》 
ゼフィレッリの『トラヴィアータ/椿姫(1982)』が今まで観た『椿姫』の公演映像全体の中でも実は最上位くらいに好きなのですが、ゼフィレッリは翌年にも再びプラシド・ドミンゴとテレサ・ストラータスを起用して『カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師』のオペラ映画を撮影しており、更に1986年に本作をまたもやドミンゴ主演で撮っている、というコトのようです。これはもはや、ドミンゴありきの題材選定というコトなのでしょう。しかし、流石に20世紀最高のオテロ歌いとも称されたドミンゴの出来自体は本作でも正に圧巻で、随所でエゲツない迫力を見せつけています(演技・演唱ともに)。加えて本作、その他キャストの出来も申し分無いですね。デズデーモナを演じるカティア・リッチャレリは歌唱も素晴らしいですが、映画女優にも引けを取らない品の在る美貌もオペラ映画としてのクオリティ向上に大いに貢献していると思いますし、本作でむしろオテロ以上に重要なキャラであるイアーゴを演じるフィスティノ・ディアスも、特にその狡猾で陰険な雰囲気・キャラづくりが実に的確でした。衣装等の美術面は流石のゼフィレッリ・クオリティでその面の出来も上々です。オペラ映画としては間違いの無い高品質かと。
[DVD(字幕)] 8点(2021-10-23 23:55:54)
752.  情婦 《ネタバレ》 
史上最高レベルに「いったい何考えてんだよ」な邦題ですが要は私と同じ様に、もォ~マレーネ・ディートリッヒしか見えてなかった、というコトだとは思うのですね。今作の彼女は正に圧倒的!で、最初の登場シーンのオーラ全開なサマにせよ、件の"Damn you!"なんてワタシ最初観たときは10万ボルトか!てぐらいにシビレまくりましたし、その後証人台で涙を流すシーンの神々しい程の美しさもまた!(美しいでゆーともう一つ、変装をロートンにネタばらしして再び髪を掻き上げるシーン、カット切り替わった後の裏から見た横顔が、実はワタシ大好きなんですよね)。今作時点で56歳とは、ちょっと信じられませんです。  このとおり、彼女の演技その他のレベルはもう凄まじいのですが、本作がスゴいのは彼女と相対すべきチャールズ・ロートンとタイロン・パワーもまた負けず劣らずな高品質の演技を披露しているという極め付きの豪華さでしょう。そしてもう一つ、彼らの法廷での様子というのは全て「『演技をしている』という演技」だとゆーのも中々面白いですね(ディートリッヒとパワーは劇中の実際として、またロートンは弁護士として法廷では感情を表に出さない、という意味で)。二重構造とゆーかある意味で少しメタな、とも言えるかと思うのですが、ソコに関しても3人の演技には違和感が無いのがまず素晴らしいですし、そしてそのコトがラスト5分における「本音」の暴露大会というドンデン返しのスーパーな衝撃にまた繋がっている、とも思うのです。サスペンスとして一段上、とゆーか、実に精密に好く出来た作品だと思います。その部分のシークエンスの「あれよあれよ」なハイテンポぶりも、また他に類を見ないというレベルで最高ですし。  そのドンデン返しを爽やかに締めくくるのがこれまたエルザ・ランチェスター。彼女にしたって助演としての出来は出色で、こんなのもう完成度が高い!(参りました!)と言う他ないですよね。傑作かと。
[DVD(字幕)] 9点(2021-10-22 23:14:16)
753.  最後の決闘裁判 《ネタバレ》 
同一の一連のエピソードを3人の異なる視点から語ってゆく…とゆーのは、確かに『羅生門』或いは(そのエピソードが本質的には男女の三角関係だという点では)『去年マリエンバートで』なんかにも構成としては酷似してると言えるでしょう。ただ、今作は上映時間の大半に渡って繰り広げられるその3つの「主張」に関して、映像的にはソコに決定的な矛盾があるワケでもなく(例えばル・グリがマルグリットに乱暴を働いたのが事実か否か、という部分とかが争点になるワケではなく)、あくまで各章で実際に観せるエピソードの取捨選択によるニュアンスの差異(と、映される映像自体の若干の物理的差異)に依って鑑賞者に与える3人の印象とゆーのが移り変わっていく、という意味での心理的サスペンスという感じではあったですかね(=ミステリー的なトリックが重厚・複雑、というよりはずっとシンプルなヤツ)。  だから同じ話を3回観せられるワケなのですが、映画自体の諸々のクオリティが非常に高度なのもあって、その部分は間延びしてるというコトもなくずっとハラハラと観入ってゆけましたね。そして、肝心なラストの決闘で誰が勝つのか(=誰が勝つ「べき」なお話なのか)という点にまたハラハラ感を残す為にか、結局3人ともに何らか「瑕」がある、とも言えなくもない様なお話で、最後まで中々にムズムズもしたのですよ。男2人はワリと単純なクズなのですケド、まあ微妙ですがマルグリットにも完全に「後ろめたさ」が無かったかとゆーと…(彼女も根本的には全く悪くないのですが、ゆーてル・グリの「主張」のある部分1割程度は真実に見えなくもない…というレベルかとは思いますが)  とは言えその意味では、やはり時代的なコトもあって非常に「抑圧された女性」という存在であるマルグリットに関して一番「丸く収まる」この結末は、納得感やホッとする感の観点からは非常に無難なハッピー・エンドだったとも思います。そして重ねて、映画自体の質は歴史ものとしてもサスペンスとしても、かつ部分的に挿入される壮絶なアクション面にしても極めて高レベルだったと言って好いでしょう。普通に傑作の部類だと思いますね(流石リドリー・スコット、また次回作が観たくなってしまいますね)。
[映画館(字幕)] 8点(2021-10-21 01:35:32)
754.  グッバイ、リチャード! 《ネタバレ》 
孤独ですねえ、リチャードは。今作では死を宣告された後の彼しか描かれてゆかないのですが(エキセントリックかつシャレオツに自暴自棄に陥ってますケド)、恐らく彼は(家族も含めて)あまり他人に興味が無い、という人物だったのだろうと容易に想像できるのですよね。ラストで彼は妻と娘に遂に別れを告げるのですが、二人とも実にアッサリした反応だったのが逆に印象的でした(それは心が通じ合っているから…というコトでもないよーに見えて)。少なくとも、彼に病を告白されて後はしばらく彼を救おうと奔走したダニー・ヒューストンとは、接し方がだいぶ異なる、というか、フツー家族ならもっと取り乱すなり何なりするよね?つーか。  正直途中までの私の印象は、好くある「死期を迎えて自分の人生を見つめ直す」系の映画でしかなくて、ユニークさというのがあまり無いかな、とも感じていたのですが、今作がナニを描きたかったのかはラストでだいぶ繋がりました。このニヒルさは決して悪くないと思いましたし、後から思い返せばそれを表現する・そーいう男のキャラを構築するデップの演技はかなり上質だったと思います。彼のギャラは決して安くないと思われますが、それに違わぬ流石な仕事ですね。まあまあ。
[DVD(字幕)] 6点(2021-10-20 00:07:57)(良:1票)
755.  燃えよ剣(2020) 《ネタバレ》 
映画観た後に原作小説も買っちゃいましたが、コレもそれなりにボリューミーなので、やはり映画は相当に駆け足+取捨選択を隅々まで工夫した、というコトに感じられます。その意味では駆け足は確かに駆け足でしたかね~結構満遍なく個々のシーンが急ぎ気味、という感じで、余韻を感じてマッタリできる様なシーンはほぼ皆無だったのではないでしょーか。オーラスとかは、流石に少しは間を取れば好いのに…なんて思ったりもしましたね(あんなに超速でエンドロール流し始めるとは思いませんでしたよ)。  ただ、まずはそれ故に展開運びの密度はかなり高くて、長尺ですがほぼダレずにワクワク観切ることが出来たのも確かです。そしてもう一つ、予算は相当に潤沢なよーで、個々のシーンの諸々のクオリティは総じて十分以上に高くつくり込めていたと思います。ロケーションは京都に拘ったのかと思いましたが、中々和の趣の在るセンスの好い場所を使えていて率直に素晴らしかったですね。アクション(殺陣)もまずまずでしたかね。  岡田准一と柴咲コウも好かったと思います。その他キャストも豪華なので、まあお値段以下というコトもないかと。
[映画館(邦画)] 7点(2021-10-16 18:03:39)
756.  女性上位時代 《ネタバレ》 
まろやかですね~典型的なセックス・コメディ(イタリア式コメディ)ですが、冒頭に提示されるテーマからすれば思いの他とてもマイルドに仕上がっているとも思います(最近ワタシがこっそりロマンポルノばっか観てる、とゆーのが大いに影響してるという気もしますケド)。スパーク嬢はデビュー当時からすれば少し年齢を重ね(当り前)、またややふっくらしたかとも思いますが、それでも後半のシーンで晒される全身のプロポーションは中々見事なモノをキープしてましたかね。ぶっちゃけ今作、前述どおりエロもコメディもごく微笑ましいというレベルの作品だとも感じますが、スパーク嬢の平場のルックス面のつくり込みの凝り様と(出てくる度に違う衣装着て髪型も変わってる)、後はヌードシーンでもワリと躰を張りまくってる(時代を考えれば)とゆーのは今もってなお実に素晴らしい映画的アドヴァンテージになっていると思いますね(ヌードシーンは最初は手控えてると思いましたが、トランティニャンが出てきてからはなんか加速しましたね)。個人的には全然観る価値十分だったかと。オススメ。
[DVD(字幕)] 7点(2021-10-16 01:59:13)
757.  タイトル、拒絶 《ネタバレ》 
デリヘル店を舞台にした群像劇。全体を通してのストーリーというものも特に無くて、個々の登場人物のキャラクター(=それを表現する演技)が見所という作品かと。  主人公はいちおう伊藤沙莉ということになっているが、彼女は別に風俗嬢じゃなくて単なるパシリで、人間的にもごく真っ当な人物である(風俗の面接にスーツで来ちゃうくらいに「真っ当」)。というか、風俗嬢になろうとするも最初の客でパニクって諦めた、という意味では(真っ当だけが取り柄の)馬鹿にもなり切れない程度に救い様の無い無能、と言っても好いかも知れない。ある場面で爆発する以外は全体的にもローテンションで、正直あまり目立っている訳でもないので、彼女目当てでワザワザ観に行った期待値に対しては若干肩透かしを喰らった様な気もする(まあ、今作に関しては引立て役ということで)。  彼女に代わって熱量のある演技で映画のハイテンションな側面を形成していたのが佐津川愛美。冒頭の超ハイテンションに笑い転げる陽キャ具合からして非常に癇に障って実にグッドだったが、その後のネガティブ展開におけるアバズレ感にも全く無理というものが無く、非常にリアルかつキレ味も有る出色の出来だった。流石である。  しかし、その佐津川の更に上をいったのが恒松祐里(少し意外)。基本的にニタニタ笑っている役なのだが、その秘める闇が明らかになるに連れて笑顔に「凄み」を生じていた(心は少しも笑ってないのに口だけだらしなく嗤ってる様子の気色の悪さったら)。彼女と佐津川の対決シーンにもキレがありましたね。火を点けるつもりなど無かった女と、火が付くことを何とも思っていない女。決着が一瞬で付いたサマには、これ以上無い「一撃必殺」の何たるかを感じ取りましたよ。  別に全然悪い作品では無いと思うが、内容というものがチャンと在る訳でもないし、演技面にもそこまで斬新なアイデアが在る訳でもない(前述の二人の演技はかなり面白いケド)。ただ、特にお話の部分は全体的に状況のリアリティとゆーのを少し欠く様に感じられるとも思うのだよね。つーかそもそも風俗関係者なんてみんな頭オカシイ…てだいぶヒドい偏見な気がするんですケド。
[映画館(邦画)] 6点(2021-10-16 01:54:18)(良:1票)
758.  ロニートとエスティ 彼女たちの選択 《ネタバレ》 
メインどころはLGBT系恋愛映画、とゆーのは見た目的にもそのまんまだと言えるでしょう。ただ、そっちの方面はオーラスまでごく在りがちな「駆け落ち」ものに見えているのでして、オチも「駆け落ち」て終わりでこそないのですが「そー来たか~」程度に想像はつくものであるので、豪華Wレイチェルのセックスシーンを含め(コレもまあまあ大胆は大胆なのですケド)単純に恋愛映画として観た場合にはさほど目新しいものでもないと言って好いかも知れません(LGBT映画も最近はとみに多いですし)。  なので正直私が面白かった(興味を持って観てた)のは、登場人物のバックボーンであるユダヤ教コミュニティの描かれ方なのですね。率直に相当に「悪役」な描かれ方とゆーか、中々頭の固そうな感じ(=宗教よろしく「理屈」の通じなさそうな)に仕上がってまして、逆に観てるコッチがなんかちょっと心配になってしまいました。調べると確かに、超正統派ユダヤ教とゆーのはこーいう感じでもあるらしいとのコトで、ソコは少し勉強になりましたね(その辺、日本人ならある程度は前提知識を入れて観た方が好いかも知れません)。  ただそーは言っても個人的な感覚として、たとえ敬虔な信者であっても理性的な人間ではあるのでしょうから、今作の信者個人個人の描かれ方には少~し一面的な感じも覚えました(まあドヴィッドのキャラでバランスを取っているというコトなのかも知れませんが、重ねて、ユダヤ教コミュニティの内部にもソコに関する濃淡があるハズだ、と言いたいのです)。また、その方面を比較的ラディカルに描いて問題提起をしようとゆーのであれば、むしろオーラスはやや八方美人な感じに終わらせている、という様にも見えて、なので個人的にはこのラストは少しトーンダウンしたな、という方の見え方にも感じられましたかね。「見た目」は前述どおり恋愛ものなのですが(特に日本での感じだと)、実際のトコロは恋愛ものと社会派ドラマが(好く言って)半々くらいかなあとも思われまして、その意味ではもう少し思い切ってどっちかに寄せた方が好かったのかも知れませんですね(今作の感じならセックスシーンとか正直要らないカモ、とも)。
[DVD(字幕)] 5点(2021-10-16 01:47:53)
759.  らくごえいが 《ネタバレ》 
『らくごえいが』というド直球なタイトルから、そしてオムニバスというお誂え向きな設えから、観客が(特に落語ファンが)想像するだろうモノとは些かかけ離れた内容だと言ってしまっても好いだろう。ラストに本物の落語家が「講評」を述べていくインタビューシーンが在るのだが、みな慎重に言葉を選びつつもハッキリ「落語ではない」と断じたうえで、一部は相当に微妙な表情を浮かべていたのも然もありなんとは思うのだ。ただ、やはり落語をお話としてそのまま(現代)映画の題材にするとゆーのはかなり難しいコトだとも率直に思うのだし、そもそも無理にそーしたトコロでどれだけの意味・価値があるのかという観点からも、本作の様に落語のある種の「エッセンス・コアとなる要素」あるいは「何らかの独特な設定」のみにせよソレを汲み取って活かすことをコンセプトに短編映画を撮るとゆーのは、実はそこまで悪いコトでもないかと個人的には思うのですよね。  ただ、そーは言いつつ問題は、このオムニバスが落語から取り入れているそれらの「要素」とゆーのが「コアな or 独特な」とゆーには少し的外れに思える、というコトなのですよ(だから尚更ピンと来ない…つーか)。もう一つは、やっぱ元が落語なら結局「笑い」になってない、てのは流石にダメじゃね?とゆーコトですね。この2つの観点からしても、前述のインタビューシーンで多くの落語家が明言しても居たよーに、含まれる3作品の出来は『猿後家』→『死神』→→→→→『ねずみ』の順だとゆーのは私も完全に同意見ですね。    1.ビフォーアフター(35分)※元ネタは『ねずみ』 正直、旅館の名前が「ねずみ屋」じゃなきゃ誰も落語由来だと思わんでしょーね(キャラで「左」て名前のヤツが居たりもすんだけど)。元ネタから取り入れた要素はそのまま「潰れかけの旅館が大逆転!」というお話の内容の部分、なのだケド、それこそそーいうコトじゃねーだろ!としか言い様がないのですね。どだいこのコンセプトで選んだ元ネタが「左甚五郎もの」とゆーのがもう致命的でしょ。そもそもが人情噺の系統で寄席じゃ確実に「トリ」ネタなのだし、コレをオムニバス3作品の頭に持ってくるとゆーの自体にかなり深刻なセンスの無さを感じますですよ。あまり言及すべきコトも無く、只つまんないボンクラすね(モチロン笑えもしねーし)。   2.ライフ・レート(31分)※元ネタは『死神』 「人為らざる者から異形の能力を授かる」てのがコンセプトで、コッチは見る人が見りゃあ言われなくとも『死神』が元ネタだとスグに分かるっしょ。ただ、落語の『死神』には更に元ネタがあって(アレって実はグリム童話なのですよね)、その意味ではこれもやっぱちょっとピント外れに思える、とは言いたいのです(『死神』じたい有名な噺ではありますが、落語としては相当に毛色の特殊なヤツだと思いますし)。ラストに志らくが「落語とは人の業の肯定」だという師匠の言葉を引用しますが、それはその通りで、まずはあくまで「実在し得る」レベルの可笑しな・愚かな人間の有様をポジティブに捉えて「笑おう」とゆーのが落語の本質だとは私も感じているのです。  この短編そのものとしても、オチの部分が正直イマイチなのがちょっと痛いですかね(個人的には、実は第1話同様全くハマりませんでした)。しかし、死神という「独特な」キャラのユニークさ、という意味では、コレを演じるのが安田顕だとゆーのが効きまくっていてその面のクオリティは存外に高いとも言えるのですよ。その部分で、少なくとも第1話よりは明確に上回る、とは思いますですね。   3.猿後家はつらいよ(28分)※元ネタは『猿後家』 これもラストのインタビューで林家三平が「第3話なんて全く猿後家と違うハナシじゃん!」とか言ってましたが、個人的にはコレが一番「元ネタの落語のエッセンス」を汲み取った話だと思いますね。つまり「ココロにも無いコトをベラベラ喋りまくるコト」の滑稽さを描いたコメディだ、という意味でです。その観点では、元ネタでソレをやる人物とはかなり異なる属性のキャラながら、肝心のその部分を演じる加藤貴子の「ココロにも無い」虚ろな感じは結構上質だったと思います。全体的にコメディとしても単純にそこそこ好く出来ていてまあまあ笑えるので、出来は3作では少し抜けています。今作に免じて全体の評価も1点アップしておきます。  (余談)元ネタは上方→江戸に移入されたという(実は結構よくある類の)噺なのですが、個人的にはコレに関しては上方版の方が絶対に好い!と思います。上方版は奈良見物の件の「語り」が実に心地好いのですよね(まあ演者に依るトコですが)。滑稽話ながら笑いだけでない別の価値も備えた良質な落語かと(まあ映画には活かされてませんケド)。
[DVD(邦画)] 4点(2021-10-14 02:08:06)
760.  狂ったバカンス 《ネタバレ》 
カトリーヌ・スパークちゃんの出世作、というコトで、見た目的にも今作はサービス精神がごく旺盛とゆーか「挑発的」そのものですね。ド初っ端からダボダボセーター上一枚だけ(下は水着)に始まり、その次もタオル一枚巻いただけ風(下は水着)→ヘソ全開のノースリーブにギリギリローライズ→そして背中全開の着替えシーン→からの白水着全開、と正に小悪魔・罪つくりと言った風情極まりないですね(トニーノくんがコロッと参っちゃうのも分からんでもねーなと)。  しかし、その小悪魔ぶりが高じてくる後半は、トニーノくんも流石にだんだんイライラし始めて→からかい方もちょっとタチが悪くなってゆき→最終的には暴力沙汰にまでなる、そこら辺は少し(いくら自業自得とは言え)オッサン可哀そうだな、と思われる様な話ではあります(私も完全にトニーノくん側に感情移入する歳になったとゆーコトですね)。ただ、そんな中でもスパークちゃんの眼差しは(多分に小悪魔的で在りながら)どこか実に無垢で美しいモノで在り続けた、様にも見えるのですね(何故だか)。まあ、そーいう目付きを必要なだけつくり込める、とゆーコトまでを含めての「真の」小悪魔なのかも知れませんケドも。
[DVD(字幕)] 7点(2021-10-14 02:00:48)
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