61. 青 ~chong~
在日三世の監督が在日の高校生を主題にした青春作品。在日同士のイジメや、在日ゆえに感じる近親憎悪(そういえば在日である前田日明も「在日の敵は在日」みたいなこと、言っていたような)、日本人や祖国(であるはずの)韓国への複雑な感情などが描かれていて興味深かった。ヒロインの女の人も綺麗だったし。ただ、テーマのせいで気負ってしまったのかもしれないのだけれど、妙に台詞が説明くさいというか説教くさいのが気になった(「お前は間違ってないよ」とか)。新作「フラガール」で一気にブレイクした感のある李監督だけど、もう一度同じテーマで新作撮って欲しいな。 [DVD(邦画)] 7点(2006-10-07 17:40:51) |
62. シムソンズ
ストーリーは定型だし、映画というよりカーリングのPR映像のようだし、何ということもないと思ったけれど、それでも最後まで観てしまったのは、北海道のキラキラした大地と、主人公の女の子たちのキラキラが、妙に似つかわしかったからかな。個人的には徳井優演じるお父ちゃんのはしゃぎっぷりが可愛いと思いました。 [DVD(邦画)] 7点(2006-10-07 17:30:51) |
63. フラガール
すまん。観る前、実はナメてた。この映画も、常磐ハワイアンセンターも。↓で二人の方が「パッチギ!」の名前を出しているが、確かにこれは「パッチギ!」的映画(というと異論のある方もおられるかもしれないけど、んじゃあ「ゲロッパ!」的映画と言い換えても可。「腰がぐり~んちゅうねん」つながりで)。それは何もこの映画がシネカノン配給で、脚本の羽原大介はじめ「パッチギ!」絡みのスタッフ(特に擬斗担当の秋永政之を見落としてはならないだろう)が参加しているから、というだけでは決してない。明るいとは言えない過去を背負って東京からやって来たプロのダンサー、現状を打破せんが為ダンサーを志望する女性たち、そして炭鉱町で生まれ育ち、誇りを持つがゆえに時代の変化を容認出来ない炭鉱の労働者たち、それぞれがそれぞれの生きてきた背景、のっぴきならない立場から、互いに対立し、時に激しく罵り、あるいは怒りを込めて相手をぶん殴る。そしてそれぞれが心の底から笑い、泣き、怒り、そしてまた、泣き、笑う。その、むき出しの感情表現が素晴らしい。また、これも他の方が指摘されているが、個々の役者の演技が良い。決して客寄せとしてテレビから引っ張ってこられた「タレント」ではなく、しっかりコメディエンヌであったしずちゃんこと山崎静代、まるで沢尻エリカのキョンジャの如く、一昔前の田舎娘になり切っている蒼井優、二枚目なのに真顔で笑いを誘うという稀有の才能を持った豊川悦司、それまでの人生の重みを感じさせる存在感の富司純子、何故か椰子の木に異常なまでの愛情を注ぐ三宅弘城・・・挙げればキリがないが、主役級も脇役も、それぞれが人間の可笑しさと哀しさ、切なさを見事に体現している。そして、嗚呼、クライマックスのダンスシーンの高揚感、躍動感は、まるで「フレンチ・カンカン」ではないか。これは、「生きる歓び」に満ち溢れた、極上のエンタテインメントだ、と断言しよう。しちゃうんだから。 [映画館(邦画)] 10点(2006-10-01 13:23:06)(良:2票) |
64. 日本以外全部沈没
・・・観てしまった、映画館で。しかもパンフレットまで買ってしまった、、そぉねえ、確かに今の時期、この作品を映画化するってのは、色んな意味でタイムリーだったと思います。かなりブラックな、ヤバいネタもありました。多分製作者の脳裏には「チームアメリカ・ワールドポリス」が念頭にあったんじゃないかな?でーもーなー。せっかく作るんなら、もっと細部を丁寧に作った方が(日本人の外国に対するコンプレックスの描き方とか)、作品の「毒」が強まったんじゃないかなー。どうも最初から「これはおバカ映画、オフザケ映画ですよーん、だから本気にしないでねー」って言ってる気がする。どうせならアノ国やアノ国が本気で怒って日本政府に抗議するくらいのものを作ってくれれば良かったのに・・・というのはゼータクでしょうか。原作はかなり面白そうだけど、やっぱ映画は映画として、映画ならではのものを見せて欲しかった。<おまけ>映画館の受付のお姉さんが「『日本以外』大人一名様ですね」というのが、ちょっと面白かった。 [映画館(邦画)] 6点(2006-09-28 19:10:51)(笑:1票) |
65. ドッジGO!GO!
うーん、、この作品に三原監督が起用されたのは、「ヒロイン!」とか「燃えよピンポン」みたいなスポーツコメディを撮ったことがあるからなのかなあ。時期的に考えると日韓ワールドカップに便乗したような企画だったんだろうな。ドッジボールチームに所属する主人公の女の子が欠けたメンバーを埋めるため、引越し先の韓国で色々な特技を持つ子供たちをスカウトする、という話なんだけど、ヒロインが韓国の子供と仲良くなるまではまだしも、いきなり「私とドッジボールしない?」とか言って日本に連れて来て(しかも自費、つまり子供のお小遣いで)、んで着いた途端に試合って、いくら子供向け映画とはいえ強引過ぎるー!まあ、うーんと贔屓目に見たら「大人たちは歴史問題だ竹島だとケンカばっかりだけど、ほら、子供たちはこんなに簡単に仲良く出来るじゃないか!」というメッセージが込められてるのかもしれないけど、ねえ・・・。唯一良かったのは、エンドロールで子供たちがボールをパスし合う所位かなあ。まぁでも、この仕事を請け負ったからこそ、三原監督は「村の写真集」を撮る事が出来たのかもしれない。映画ギョーカイの事は、良く分かりませんが。 [ビデオ(邦画)] 5点(2006-09-28 19:00:32) |
66. 下落合焼とりムービー
んんんん~・・・こーれは、どぉ評したら良いのか。ピンク映画を撮っていた山本晋也監督(この人の場合、“カントク”って書いた方がしっくりくるよね)の初の一般映画、所ジョージやタモリなど、その後の80年代のテレビ界の大物が多数出演!なのだけれど、、何なんだ、この感動的なまでのつまらなさは。企画が赤塚不二夫となっているけれど、要は酒の席での悪ふざけ的放言が、そのまま映画になっちゃったってことか、、何となく70年代後半~80年代前半の空気は感じられるし、うーんと深読みすれば、ゴダールっぽいような気が、しなくもないんだけど、うーん。見所は、まだアルフィーがブレイクする前の坂崎幸之助がオールヌードを披露している所、かなあ(ファンが嬉しいかは別として)。 [ビデオ(邦画)] 1点(2006-09-28 18:47:23) |
67. 劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者
「んー、なるほど、そういう決着のつけ方をしたか・・・」というのが鑑賞直後の感想。このアニメ、少し前NHK-BSで放送していた「BSアニメ夜話」という番組で取り上げられているのを観て興味を持ち、テレビ版→劇場版と続けて観ました。テレビ版の最終回に、劇場版の前フリになっているような部分があった所から想像するに、企画当初から劇場版で完結させる予定だったのでしょうか。原作コミックが現在も連載中であるのに対し、アニメの方は中盤からかなりオリジナルの話になっていて、特に戦争や、人間の生と死についてなどのメッセージ性が強まっていたと思います。この劇場版は、時間の制約のためかかなり急ぎ足の部分や説明不足の部分もありますが、作り手の意気が感じられました。故郷や愛する人々との別離、そして新たなる旅立ち、というラストは、結構衝撃的。後味の悪さというか、モヤモヤしたものが残るけれども、それが余韻にもなっているって感じでしょうか。 [DVD(邦画)] 8点(2006-09-19 18:48:41) |
68. 特攻大作戦
《ネタバレ》 鱗歌さんに同意。戦争とは、元々残虐な人間が残虐な行為をするのではなく、平時ならごくごく普通の人間が残虐な行為をする状態なのだと思う。軍隊という権力を嫌った者たちが、結果的にはその軍隊に貢献してしまうという、矛盾と皮肉(しかも殆どの者が自らの命を犠牲にしている)。この作品がベトナム戦争中に作られた意味は、小さくない。<追記>ちなみに僕は「男泣き」はしなかったけれど、ラストで「ダーティ・ダズン」たちの名前が読み上げられるシーンは、ちょっとグッときました。 [DVD(字幕)] 8点(2006-09-19 18:37:47) |
69. ドッペルゲンガー
《ネタバレ》 オモロイ。オモロイが、コワイ。いや、「コワイ」っつってもホラー的な恐さじゃなくて、思い切りインモラルなのに解放感があって、これはヤバいわ。ラストの二人が、21世紀のボニーとクライドに見えたよ。 [DVD(邦画)] 8点(2006-09-19 18:27:25) |
70. 空中庭園
《ネタバレ》 豊田利晃の作品って「青い春」にしても「ナイン・ソウルズ」にしても、こう、ザラザラ、ヒリヒリした感触、違う言い方をすると「救いのなさ」をトコトン追求するような所があった気がする。そんな彼がこういう「家庭の崩壊と再生」を描いたのにはちょっとびっくりした。技術的な面でも(って、大して分からんけど)ゴツゴツした、荒削りな作風だったのが、とても成熟した、繊細な表現になっていると思う。生きる痛みに溢れた、でも希望のあるラストが良かった。あと、豊田道倫の暗黒フォークをBGMにしてドライブする永作博美、恐過ぎ(笑)。 [DVD(邦画)] 8点(2006-09-19 18:19:06) |
71. ヤング・マスター/師弟出馬
久々に観たジャッキー映画。十以上年の離れた姉が大ファンで、多分僕がはじめて名前を覚えた映画スターもジャッキー・チェンだったと思う。運動オンチでヘタレだった子供の頃(今もだけど)、彼は僕にとってヒーローで、彼の姿(テレビで、石丸博也氏の吹き替えだったけれど)を観る度に笑って、泣いて、「明日を生きる勇気」を貰った。久々に観たら、やっぱし勇気がわいたし、ラストの長い長い戦いのシーンを観てるうちに涙が出てきた。彼はアクション・スターとかいう前に何よりもまず一流のエンターテイナー、人を楽しませることが、喜ばせることが大好きな人。だから彼のアクションは、例えばチャップリンのあのヒョコヒョコ歩きと同じくらい、楽しくて可笑しくて、そして切ないのだ。 [DVD(字幕)] 8点(2006-09-11 19:54:17) |
72. サブウェイ・パニック
同じくウォルター・マッソー主演作「突破口!」と続けて観ました。んー、主人公の顔には緊張感がないけれど(笑)、映画自体の緊張感は最高!犯人たちの描き方も、冷酷だけど人間臭くて良かったですよ。潜入していた警官、僕はてっきりアノ人かと思っていたらアノ人か・・・あ、日本人の描き方にはエスねこさんと同感です。「英語が分かる」ことが分かった瞬間のウォルター・マッソーの凍りついた表情がサイコー。 [DVD(字幕)] 9点(2006-09-03 18:55:49) |
73. 遊星からの物体X
<トラウマ克服企画第三弾(※注・第一弾は「エイリアン」、第二弾は「シャイニング」っす。)>コレはよーく覚えてますよ。小学生の頃「E・T」を観るため、初めて映画館に行った時、予告編でやってたのがコレ。もぉ、怖くて怖くて、ホラー嫌いを決定づけられました。つうか、宇宙人と少年の交流を描いた感動作を観に来た純真な小学生に、何ちゅうモン見せんねん、ドアホ!・・・が、20余年の時を経て久々に再会。やっぱ怖い、つうかキモい。南極という閉鎖的空間が舞台って事で息苦しさ全開だし、特殊効果はやったらレベル高いし、エンニオ・モリコーネの「デンデン、、、、、デンデン、、、、、」って音楽も怖い(あんまり怖くて、途中から手元に置いてあったギターを持って、陽気なメロディを奏でながら観てました)。これってただのホラーではなく、「人間不信」のメタファーが込められてるんですよね。誰が味方で誰が敵(The Thing)なのか分からず、皆が疑心暗鬼になっている、っていう。ある意味スターリン時代のソ連とか、こんな感じだったのかも、なんて事を思いましたです。それとあさりよしとおのマンガ「宇宙家族カールビンソン」に出てくる「犬のジョン」って、コレが元ネタだったんだ。 [DVD(字幕)] 8点(2006-09-03 18:36:38)(笑:2票) |
74. グエムル/漢江の怪物
なによりもまずこの作品は、「モンスターパニックもの」として高水準のエンタテインメントに仕上がっている。怪物<グエムル>を「熊やワニよりはるかに大きいが、ゴジラよりは小さい」サイズに設定した事で、迫力や恐怖感に説得力が生まれているし、国や軍隊ではなく個人に焦点を当てて等身大の物語を描いたのも正解だったと思う。つまり「普通に面白い」。■加えて、随所に見られる「ポン・ジュノ」印。例えば合同葬儀会場のシーン。一家が報道陣に囲まれ、フラッシュがたかれる中、ペ・ドゥナのジャージの背中が「ぺろん」とめくれる。孫の死を嘆き悲しみながら、父親は思わず娘のジャージを引き下げ、横暴なマスコミに怒る。「悲しみ」と「羞恥心」と「怒り」という、普通同時に並列し得ないものが並列する面白さ。■また、人物描写の豊かさ、それを通じて韓国の社会や歴史をさりげなく見せる巧さ。例えば軍政時代を経験しているであろう父親は、警官に対して媚びた笑顔を浮かべながら「袖の下」を渡そうとするし、学生による民主化運動をくぐり抜けた次男は逃げることと火炎瓶の扱いに長けている。■さらには一作目「ほえる犬は噛まない」にも見られた、話の流れをありがちな展開からずらし、観客の予想を良い意味で裏切る、ある種のユーモアも、いかにもポン・ジュノらしい。■ポン・ジュノらしいと言えば、容易に観客に感情移入させない、「抑えた」表現も個人的には好ましい。彼はいかにも「お涙頂戴」的な感情表現を使わない代わりに登場人物にひたすら「行動」させる。雨の中、或いは下水の中、彼らは己が行動を台詞で説明することなく、ただただ逃げるために走り、追うために走り、しばしば転びつつも、怪物に対して勇敢に立ち向かう。つまり「ベタ」ではないが「エモーショナル」なのだ。■ラストに関しては、賛否分かれる、というより「否」の意見が多いかもしれないが、個人的にはあれで良かったと思う。ポン・ジュノは常に「違和感」と「居心地の悪さ」を異化効果的に駆使する、確信犯的作家なのだから。 [映画館(字幕)] 9点(2006-09-03 18:16:49)(良:4票) |
75. ロンゲスト・ヤード(1974)
《ネタバレ》 最近、70年代アメリカ映画をよく見てます。あんまりハンサムさんは出てこないけど(この作品のバート・レイノルズ、ちょっと渡辺哲に似てると思ったのは僕だけか?)、人間描写にコクがあって良いですね。この作品も、アメリカの人種問題や社会をさりげなくちりばめつつ、人間くさくて男臭くて汗臭い(笑)、熱~いドラマを見せてくれます。看守チームのコーチ、無茶苦茶ヤな奴だけど、ラストで引き金が引けなかったのは、試合を通して主人公と「分かり合えた」部分があったんじゃないかな。やっぱ男はぶつかり合いよ、パッチギよ、んで最後はワッショイワッショイよ(意味不明)! [DVD(字幕)] 8点(2006-08-31 20:17:28) |
76. スーパーマン リターンズ
んむー、、個人的には「パイレーツ~」よりは楽しめた。スーパーマンがストイックに人助けをするシーンではちょっとウルッと来た。だけど、ブライアン・シンガーが「X-メン」の三作目を降りてまで監督した作品がコレ?というのが正直な気持ち。「X-メン」シリーズ(一・二作目)が、かなり「現代」を意識して作られていたにもかかわらず、こっちは何だか「旧態依然」という印象が否めない。僕が観たかったのは9.11を経験してしまった21世紀の「ヒーロー」なんだけどな。帰還したスーパーマンには、昔の女が新しい男を作った事に悩むより、「正義とは何なのか?」とか「守るべきものとは何か?」、そーゆー事を悩んで欲しかった。それにレックス・ルーサーという悪役のスケールが小さ過ぎる。あれじゃ「ヤッターマン」シリーズの敵役並だし、あんなんよりよっぽどブッシュやライスの方が怖い、僕は。スーパーマンは地球上をビュンビュン飛び回って犯罪者をやっつけたり事故を防いだりするけど、絶対紛争地域とかには行かないじゃん。無茶なこというようだけど、今、本当にスーパーマンが必要なのは中東とかアフリカとかじゃないの?少なくとも僕はこの作品のスーパーマンに「ヒーロー」を感じることは出来なかったです。ロイス・レインの台詞じゃないけど「時が経ち過ぎたのよ」。 [映画館(字幕)] 6点(2006-08-31 20:05:21) |
77. 心の地図
これは、いわゆる不当に差別・抑圧される少数民族のアイデンティティの問題を絡めて描いた真面目な社会派作品、なのかもしれない。或いは戦争や人生の不条理・残酷さに翻弄された人々を描いた作品、でもあるのかもしれない。んでも個人的には、これは「どこにも居場所のない男の子」と「どこにも居場所のない女の子」が出会って、恋に落ちた、そういう物語なのだと、思う。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-08-25 20:09:39)(良:1票) |
78. ヘイフラワーとキルトシュー
んー、、可愛らしい姉妹が主人公だから、いかにも可愛らし~い感じなのかと思ってたら、結構毒を含んでいるというか、グロい(←この感じ方はきわめて個人的なもので、モロにグロい描写があるとかではないです)。お父さんもお母さんも、何だか大人になりきれてないし、最後のシーンもちょっと唐突。んでも、優れた子供向け作品ってのはある種の毒やアナーキーさが不可欠だとも思うしなあ・・・。ひょっとして、物凄く感受性の鋭い小さい子が観たら、何か強烈に感じるものがあるのかなあ、、ごめんなさい、僕はちょっとこの作品分からなかったです。 [DVD(字幕)] 6点(2006-08-25 20:01:09) |
79. へザース べロニカの熱い日
《ネタバレ》 この作品、カルト的支持を集めているという話を聞いたのだけれど、そーんな大層なものかいな?退屈で偽善的な学園に突如転校生が現れ、生徒をガンガン殺していく。教師も生徒もメディアもいたずらに騒ぐだけ、そして・・・という、社会や個人の中の「偽善」をアイロニカルに風刺したブラック・コメディって事なんだろうと思うんだが、、何つったらいいのかな、その「風刺」の仕方が、悪い意味で青臭い。最後、主人公ベロニカ(ウィノナ・ライダー)が、いじめられてたおデブの女の子に話しかけるシーンがあるのだけれど、そっちの方がよっぽど偽善的じゃん!と個人的には思えました。ただ、若い人が感じてる抑圧というのはアメリカも日本もそれほど大差はないのだな、というのは改めて思った。それと、この時代の女の子のファッション、肩パット入り過ぎ。 [ビデオ(字幕)] 4点(2006-08-25 19:55:03) |
80. パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
《ネタバレ》 悪かった所:1.犯罪的なまでの冗長さ。「細部が豊か」な映画は好きだけど「貧困な細部(情報)」でイタズラに時間引き延ばしてどーする。2.「東インド会社」とか出てくるからてっきり台頭する帝国主義とか描くのかと思ったけど、アテが外れた。3.「スターウォーズ」の模倣が目立つ(例えばあの脱獄囚二人組はモロR2D2&C3PO、ってか「隠し砦の三悪人」のあの二人)。んが、「スターウォーズ」には少なくともルーカスの作品に対する愛(とこだわり)が感じられたのに対し(それが「俺は人物なんかより、メカやクリーチャーの方がだーい好きなのさあ!」という、あんまり共感できないものであったにせよ、ま、愛は愛だから)、こっちには打算的なやっつけ仕事のようにしか思えない。4.前作もそうだったけど、演出がもぉ、ダメダメ。例えば酒場(?)で突然始まる乱闘のシーンとか「お前絶っっっ対、ジョン・フォードとか観てないだろ!え、観てる?んじゃ、なおさらダメだあ!」と叫びたくなる。5.コミカルな面とシリアスな面が、あんま噛み合ってない。ま、アメリカ人のセンスだとどうなのか分からんけど。6.あのエンディング、要は思わせぶりな所でCMに入る(んでCMあけると大した事ない)テレビ番組とおんなじじゃん。■(部分的に)良かった所:1.スパロウ船長が大勢の食人族(?)に追いかけられる所(ちょっとドリフっぽかった)2.同じく食人族に捕らえられたウィルとスパロウの手下が網で団子になったままゴロゴロする所。3.串刺しスパロウの木の実コント。4.後半の水車の三つ巴の戦い(キートンやマルクス兄弟っぽかった)。・・・って位だなあ。つーか、個人的には「ゲド戦記」よりこっちの方が分からない、色んな意味で。 [映画館(字幕)] 5点(2006-08-23 20:44:07) |