61. ギルバート・グレイプ
誰でも一つや二つの重荷を背負っているしまた幾らかの負い目も感じながら変化も無く同じことを繰り返す毎日を我慢しながら生きている。普通のことを普通に見せられて「そうなんだよなあ」と思う人もいれば「それがどうした?」と思う人もいるだろう。ディカプリオの好演以外はしばらくすると観た事を忘れてしまいそうな内容だ。なぜ家を焼いてしまう必要があったのかよく分からなかった。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2005-04-09 10:35:26) |
62. ドライビング Miss デイジー
不安定な二人の関係を絶妙のバランスで進めていく展開は見事としか言いようが無い。足らない缶詰の顛末、裕福な暮らしぶりとは見られたくないデイジーの気持ち、ニュージャージーを出たことが無かったホークの話など惹かれるエピソードが多い。また全体的に起伏に欠けるが無理や無駄な話が無く、やや毒気を含んだ会話のやり取りが楽しい。そしてやがて強い信頼関係を築いていく過程が自然で実に小気味よく献身的で深みのある人物像をモーガン・フリーマンが光る演技で魅せる逸品。 7点(2005-03-27 11:35:14) |
63. マッハ!!!!!!!!
私はCGを使わずに鍛え上げた生身の肉体で勝負しているアクションが大好きです。100回練習した結果のOKシーンだと分かっていても構いません。サーカスやオリンピックの体操競技を見るのと同じように鍛え上げられた体と血の滲む様な努力の成果を見て感動できます。肉体を酷使した超人技に飽きることはありません。長年に渡る偉業を成し終えつつあるジャッキー・チェンに代わってこれからはこのトニー・ジャーに頑張ってもらってこの路線でもっと凄いものを見せ続けて欲しいものです。後継者が現れて伝統が受け継がれていくことで第一人者であるジャッキーの功績がより称えられ報われることにもなろうかと思います。冒頭のこの木何の木での旗取りから初期のジャッキー映画と全く同じ展開ですが、最後まで途切れずに度肝を抜くウルトラC・D・E難度の離れ技はどれも圧巻です。最後にジーンとさせてくれるジョージをはじめムエ、敵役コム・タンなど登場人物の配役もキャラ設定も旨くストーリーにも納得出来るレベルで「タイ映画なんて」と思っていたが見事に裏切られてうれしい誤算でした。アジアの中でいつの間にか映画の世界でも日本はどんどん追い越されて寂しい限りです。内緒ですが実はアクション以外の部分でCGを使っているが許します。 10点(2005-03-13 14:50:46)(良:1票) |
64. ラッシュアワー2
「ホラ、俺って面白いだろう。」って言わんばかりに弾けてるクリス・タッカーが一番の癌でアクションには身が入らず、マッサージ店のお姉さんや鶏売りのおばさんをいじっている方が楽しそうだ。アメリカ資本で撮られたジャッキー映画は駄作ばかりというのが個人的な評価だが、このシリーズも御多分に漏れずで同じ轍を踏む結果に。製作に関与していない作品ではスタッフの言いなりになってるジャッキーも悪い。納得がいかない演出でも妥協して済ませていると確実にファンを減らしますよ。 5点(2005-03-07 20:49:42) |
65. 下妻物語
テレビでよく見るタレントが出ているからと言って喜んでいてはいけないのだ。そんなことは映画の良し悪しとは全く関係が無い。所々でクスっと笑えるだけでも最近のエンターテイメントに振った映画としては一応成功と言えるのかも。テレビドラマと変わらない内容と出来栄えでは金を払って映画館まで足を運ぶ気にはならない。正直思ったほどでもなかった。 6点(2005-03-06 17:11:27) |
66. シン・レッド・ライン
詩を詠んでいるかのような台詞にはきっと深い意味が込められているのだろうが、物語も心理も伝わってこない。たくさんの無駄な長いシーンが間延びした退屈な映画にしてしまっている。勲章と名誉を追うあまり兵士の命をおろそかに考える上官との対立と降参して惨めに震える日本兵の姿だけが見所で、大したヤマ場も無くアカデミー賞ノミネートが信じられない。ただ戦争には行きたくない、戦争では死にたくないと強く思った。 4点(2005-03-06 13:04:32) |
67. レオン/完全版
ラスト以外はジャン・レノがあまりカッコよくない。ゴルゴ13の様なプロの殺し屋の雰囲気が無くて前半は時々田中邦衛に見えてしまう。行き掛かり上仕方ないとはいえ小娘と一緒に暮らして言われるままに掃除屋の仕事を教えるなんてことは有り得ないし、恋愛感情を弄ばれて過去を吐露する場面は必要ない。殺し屋が小娘とレストランでディナーを食べてるなんてレオンの人物設定を疑う。麻薬取締まり局に乗り込んで人を殺してそのまま待たせたタクシーで去るなんて無茶な脚本を書きすぎている。これ以外の終わり方は考えられないけど、復讐はよくないと言っておきながらきっちりけりをつけてるじゃないか。好きな人ごめんなさい。期待はずれだったのでつい批判ばかりしてしまいました。 6点(2005-03-06 07:53:00)(良:1票) |
68. 天国から落ちた男
夜の砂浜に彼女と二人並んで腰を降ろし、ウクレレの調べに乗せて歌うデュエットは名曲です。 7点(2005-03-05 22:34:09) |
69. ブラザー・サン シスター・ムーン
持たざることの自由、何にも属さないが故の自由。宗教について何にも知識が無くても最後までちゃんと観て富と権力を非難する製作者側のメッセージをよく理解できる。そして宗教の汚い部分と信仰の美しい部分を示し「清貧」という言葉の意味をより解りやすく丁寧に映像で教えてくれる佳作。 8点(2005-03-05 22:01:16)(良:2票) |
70. WATARIDORI
鳥の動きを予測していたかの如くのカメラ位置、逆にカメラに合わせた動きをする鳥たちなど、対自然との千載一遇の一瞬のチャンスを捉えるために何時間も何日間も狙い続けた結果の賜物がこの美しい映像集の醍醐味だと最初は感動の心で魅入っていたのだが、見慣れてくると見せ方に凝りすぎたあまり次第に狙い通りに造られたヤラセ映像なのだと気付く。人間に近づくと鳥達には不幸が訪れるというとってつけたように見えるメッセージは成功していると思う。決してドキュメンタリーとしてではなく渡り鳥を使ってどれだけ斬新で奇抜な絵を作り上げたかを楽しんで鑑賞出来る映画として観るなら10点です。あとこれを観た夜は自分も自由に空を飛んでいる夢を必ず見ます。 8点(2005-02-16 22:35:05) |
71. ハーモニーベイの夜明け
文明批判・人間回帰など狙ったテーマは微妙に外している印象で感動作を狙った意図が見えすぎる。ダイヤのエースの褒美の意味と娘との確執の理由が分からない。「トランプはなし、誰もが平等だ」の言葉を始めとして底の浅いエピソードをつないで都合よく物語を進めてしまい主役二人の熱演を無駄にしているのが残念。 3点(2005-02-06 14:46:57) |
72. パパとマチルダ
誰がより多くの愛情を持っているのか、娘に対してどれだけ優しく接して来たのか、うまく躾けて育てられたかなど目に見えるように人に示して表現できないものは無視されて、分かりやすく絶対的なお金のみが判断の基準になるような裁判制度にやりきれないものを感じる。「アイ・アム・サム」と似ているけれどこちらの方がオリジナルでより暖かいものがあり、脚本と製作にも携わったスティーブ・マーティンの意気込みを感じる佳作となっている。書き込みが少ないのは日本で劇場公開されていないからだと思うがいい映画なのに残念。ここに書くことではないがマーティンとマーチンの表記の違いで出演作が別になってしまっているので統一を願います。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-01-30 12:59:49) |
73. サイモン・バーチ
「これだけ仕事を頑張っているのにぜんぜん報われないし、宝くじは当たらないし、厄年になった途端痔になって病院通いの身になるし何もいいことが無いよ。神様はちゃんと見てくれているの?そもそも神様って本当にいるの?」と常日頃思っているのだが、信仰云々ではなく自分が生まれてきた意味・役割について考えることは忘れがちだけれどとても必要なことだと思う。二人の少年の友情の姿を優しく時には面白おかしく描いたよくある”ほんわかとした映画”だなあと思って観ていたら、予想通りの展開なのにすっかり罠にはまってしまいラストで突然ボロボロと涙があふれてきた。うま過ぎる子役の演技に完敗だ。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-01-29 12:09:05) |
74. トゥルーマン・ショー
実は昔からこの映画の内容に近い事を考えていました。自分の周りに存在する人は用意された人達で、いろいろな刺激を与えてみて私がどんな行動を起こすかを誰かが外界から観察しているのではないか。更に進んで、私という存在は本当は箱に入った脳のみであって、脳につけられた何本もの線の先には操作盤があって誰かがいろいろなボタンを押して私にこのような世界を見せているだけなのではないかと。考え様によっては非常に哲学的なこの作品の内容を大変興味深く観ました。作られた世界の謎と矛盾が徐々にあらわになるにつれ、疑いの気持ちを大きくしていくトゥルーマンの心の変化の具合がうまく描かれて物語に引き込まれます。ドアから出て行く主人公に視聴者の歓声で終わるラストに、こんなオチでいいのか?と思ったが、事実をすべて知った後もこの超巨大セットの中で生きていく方を選ぶ筈は無く、トゥルーマンでなく誰であっても外の現実の世界を選択するというごく当たり前のこの終わり方しかなかったのだ。中々の秀作だと思います。 7点(2005-01-23 16:39:10)(良:1票) |
75. ジョゼと虎と魚たち(2003)
情の無い愛とでも言うか,とりあえず付き合うと言うか簡単にくっついて離れるような現代の若者の恋愛情景をそのままに見せてくれた。少々ねじれたものの言い方付き合い方をする生身の女性像をリアルに魅せた池脇千鶴と、胸にぐさりと突き刺さるようなせりふを連発するおばあ役の新屋英子の演技が素晴らしい。 7点(2005-01-08 00:47:06) |
76. ひまわり(1970)
生死も分からぬまま探して探しぬいた挙句にやっと見つけたアントニオ。汽車から降りてきたその姿を見た途端何も言わずにその汽車に飛び乗って泣き崩れるジョバンナ。立ちすくむアントニオ、足元に落ちている自分の写真を拾い上げてすべてを悟り、ジョバンナの想いを知る。台詞は全く無い。状況描写だけの絵と誇張の無い自然な演技。僅かこれだけで二人の胸の内に湧き上がる感情を身震いするほどに感じて取れる。素晴らしい。完璧だ。再会の場面では敢えて抱き合うこともせず、こうなってしまったことの怒りをぶつけ罵り合う事も無い。戦争に巻き込まれ、狂わされてしまった不幸な運命を受け入れてお互いを認め合った上で永遠の別離を誓う。素晴らしい脚本の出来と二人の名優の演技力と落ち着いた映像と美しいテーマ曲。それぞれの相乗効果により心に響く感動の名作が生まれた。 10点(2004-12-23 22:48:33)(良:2票) |
77. 裸足の1500マイル
極めて単純な物語である。だからこそ心にストレートに訴えてくるものがある。明るく陽気で親近感を感じるこの国にもこんな過去の歴史があったことを知る。逃げる者の目線、追う者の目線を広角レンズで捕らえ、延々と続くフェンス、過酷な砂漠の環境を望遠レンズで表現する方法は使い古されているけれどとても効果的で全編を通して相当腕のいいカメラマンの映像に魅せられる。遠く離れた母と娘が時を同じくして無意識にフェンスに触れてお互いのことを想う場面がとてもイイ!! 8点(2004-12-18 12:38:41) |
78. ブラボー火星人2000
アラ探しする気は無いんですが、火星人が火星人に変身するガムを持っている訳ない。だからガムを拾った博士が火星人に変身するのはオカシイ。あれは地球人に変身するためのガムだったはず。ノリが教育テレビで時々やってる外国から買ってきた子供向けの連続テレビシリーズと変わらないのでちょっと物足りないなあと感じてしまう。 5点(2004-12-05 16:43:38) |
79. モンタナの風に抱かれて
風に揺れる牧草から遠くの雪山まで光を巧みに捉えて大自然の美しさをそのままに魅せてくれる映像が素晴らしい。シワは増えたがレッドフォードの魅力は今も健在。傷ついた馬と少女の心と身体を癒す優しい荒野の男とのふれあいを描くテーマが次第に不倫話に変わってしまってからは全く興ざめしてしまい、やっぱりわたしも「マディソン郡の橋2」だなと思った。 3点(2004-12-04 18:09:06) |
80. ミッション・トゥ・マーズ
《ネタバレ》 えっ、どういうこと?。もっとちゃんと説明してくれないとあの火星人が何なのかよく分かりません。もとは太古の昔に存在した地球人だったって言うことなの?。ならば、出した問題に対する返答の方法が間違っていたからと言って砂嵐で殺してしまわなくても良いのに。冒頭から徐々に逸れていくストーリー、まったく別の映画のようなラストにかの有名な監督の作品とはとても思えない。 4点(2004-12-04 13:49:59) |