61. イノセンス
原作にあった悲喜劇の悲劇の部分だけクローズアップし、ただひたすら重く暗い作品に仕上がっている。もちろん映画として原作のノリを正確に再現しなければいけないわけではないのだが、それがこの作品にとってプラスになっているかといえば甚だ疑問ではある、むしろ押井守という作家はそういう「喜劇」を撮ることのできる数少ない映画監督の1人だと思うので、もったいないな、というのが正直な感想。また押井作品の特徴であるセリフ遊びも今回は消化不良気味、単純に「ハッ」とするセリフが無かったような気がする、「うる星」のメガネや「パト」の後藤など、あの台詞回しはそれ自体が「芸」として成立していたものだが、今回はそれが感じられなかった。それらは一般には理解されにくい部分ではあるのだが、それこそが押井作品のキモでありファンとしては最も「観たい」部分でもあったのだが・・・(かといって一般向けになっているというわけでは決して無い) いろんな意味で「難しい」作品。 5点(2004-05-22 14:04:40)(良:1票) |
62. キル・ビル Vol.2
vol1に比べてバカっぽさが薄れてしまった分、ちょっと痛い映画になっちゃってますね、ただまぁ、オマージュというかパクリというか、それが前作ではツボにはまったんだけど、今回はちょっと私個人の知識不足からか?なところはありました、クンフー映画に思い入れのある人ならもっと楽しめたと思います。バトルは前作より格段にパワーアップ、ダリル・ハンナ最高!、ラストバトルも見事な出来、しかし前作の青葉屋のバカ騒ぎもキライではない、映画って難しいなぁ・・・ 8点(2004-05-22 13:45:42) |
63. CASSHERN
素材(「キャシャーン」という「素材」ではなく、映像素材ね)は悪くない、いやむしろかなりいいセンいってると思う。この素材を使って誰かマトモな人が編集して尺を半分くらいにすれば、かなりよいものに仕上がっていたと思う。ノリや勢いだけではよい作品を作ることは出来ない、考え無しにセンスだけで映像を撮りまくっても、そこに哲学がなければそれは映画とは言わない(カントクは写真家だっけか・・・)確たる哲学が無いので結局登場人物に差しさわりの無いセリフをしゃべらせることでしか物語を終わらせられなかったのは、正直あまりにも素人臭い、もう映画を撮るな、とは言わない、「出直してきなさい」って感じ。 6点(2004-04-25 00:08:00)(良:2票) |
64. ザ・コア
前半はなかなかよかったのに、あの「船」(なんて言えばいいんだ?)が発進してからが、余分なプロットがゴチャゴチャ入っててイマイチ、予定調和的に死んでいくクルーもなんだかなぁ、ってカンジ。ただまぁ「アルマゲドン」ほどおちゃらけていないし、B級作品としてはディープインパクトより豪華でイイかな。 7点(2004-02-29 23:00:28) |
65. 刑務所の中
原作のファンとしては、「あの」感覚が映画、それも実写で再現できるとは思っていなかったので、まったく期待はしていなかったのだが、見てみるとけっこうがんばっていた。年齢的に無理があるにも構わず山崎努というキャラクターを使ったのがよかったのだろう、内容に関しては原作に忠実で文句はないのだが、まぁ、花輪氏が刑務所暮らしを楽しめたのは彼がアーティストであって、ある意味、一種のパフォーマンスを自ら演じていたからだろうことは間違いなく、やはり我々凡人には縁のないところであってほしいとは思う、それにしても全編に登場する食事はどれもこのうえなく美味しそうであるのだが。 8点(2004-02-23 00:24:56) |
66. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
しんちゃん映画のファンが知人にいて新作が出るたびに見せられるのですが、たいてい「まぁ、良く出来てるんじゃない」以上の感想がなく、正直ウンザリしていたころにこの作品に出会いました。感想はというと、これは反則ですね、おもしろかったし感動もしたし、ニヤリともさせてもらいましたが、それは私の年齢がそうさせたのであって、ものすごくストライクゾーンの狭い作品だと思います、例えば自主制作アニメかなんかでしんちゃんのパロディとしてこういう作品があったとしたら拍手喝采なのですが、正直、お父さんに連れて行ってもらった子供たちは楽しめたのでしょうか?個人的には9点、そういう背景を考慮してマイナス2点。 7点(2004-02-04 21:49:49) |
67. キル・ビル Vol.1(日本版)
レビューというものは出来るだけ客観的にしなければ意味が無いとは思うのですが、この作品に関してはその制約を放棄したいと思います。この作品に対する批判などをあちこちで見かけますが、全く気にならないうえに反論をする気にもなりません。 しかしヲタクの目で見てもルーシーとユマの日本語とサニー千葉の英語だけは弁護しようがありません、で-1 9点(2004-01-29 17:22:56) |
68. トレマーズ
《ネタバレ》 これぞB級、これぞ怪獣映画! 変にリキんでないところがいい、とは言っても「石の上なら大丈夫」とか「視力が無く音に反応する」なんていう子供でも考え付きそうなプロットをプロの技で非常に丁寧に料理してある。 見所はなんといっても、「あの」夫婦、地下室のシーンは「プレデター」の一斉射撃と比較しうる名シーン。 9点(2004-01-20 22:47:10) |
69. 男と女(1966)
私はシナリオの出来の悪い作品は他がどんなによくても評価しません、で、この作品のシナリオなんですがお世辞にもよい出来とは言えないと思います、がっ、フランス映画、というよりクロード・ルルーシュ作品の場合に限り許せちゃうんですよねぇ、やはりあの映像センスとテンポ、そしてなんと言ってもフランシス・レイの音楽、それらがシナリオの陳腐さを凌駕しています、キザな言い方ではありますが、彼の作品は物語ではなく、「詩」なんですよね、それも即興の「詩」だと思います、だから他の作品と同じようには評価できないんじゃないかな。 余談ですが「男と女2」なんか更にハチャメチャなシナリオなんですが、なぜか腹が立たないんだよなぁ。 シャバダバダ、シャバダバダ~♪ 9点(2004-01-20 02:01:00) |
70. A.I.
《ネタバレ》 生前のキューブリックとどんな話があったのか知らないが、プロットだけをパクってボロボロに仕上げたまさに最低な作品、結局何が言いたいのかサッパリわからん、せめてあのビルから飛び降りたところで終わっていれば、低俗なC級作品ではあるが、まだ見れただろう、その後のCGでごまかした陳腐な未来世界は完全に蛇足(絵はきれいだが、あの未来人のデザインは何世紀前のセンスかね?)だいたい最後に髪の毛から蘇った母親が「なぜか」1日しか生きられない、なんていうあまりにもご都合主義で意味不明な設定で涙を誘おうという悪趣味な演出には怒りさえ覚える。唯一良かったジュード・ロウに1点。 1点(2004-01-20 01:29:44)(良:1票) |
71. マイノリティ・リポート
あのどう見ても使いにくそうなインターフェイスやら、透明のモニターやら、背中につけるロケットやらがSFだと思ってるんでしょうねぇ、スピルバーグ御大は、「AI」とかを見ても明らかですが、結局あの人にはSF的なセンスは皆無のようで、つまらないだけならともかく、目玉コロコロやカビたパンなんかの、面白くも無く意味も無い「ネタ」で見るものをイラつかせてくれます、それでいてスタッフが豪華なのと資金が潤沢なおかげでパッと見は大作に見えてしまうんだからタチが悪い、いい様にコキ使われているスタッフに4点。 4点(2004-01-20 01:12:45) |
72. ワイルド・スピード
ちょっとワルだけど、ちょっとカッコイイ、日本人である私にはあの若者たちの風俗がリアルなのかどうかはわかりませんが、LAというワイルドでショッキングな街でなら、「もしかしたら」というリアリティを感じました。 個人的には若者群像劇として「アメリカングラフティ」と比較しうる作品ではないかと思うのですが・・・ 9点(2004-01-19 02:35:09) |
73. O嬢の物語 第二章
だいたいこれってポーリーヌ・レアージュの原作じゃないでしょ、前作の原作がベストセラーってんで勝手にでっち上げたまがい物ですよね、実際見てみましたが、映画的にもポルノとしても正直言って「見るに耐えない」ってシロモノでした。 0点(2004-01-19 02:26:02) |
74. O嬢の物語
まぁ、仕方の無いところですが、映画の尺に収めるためにとにかく展開が駆け足で、「これじゃあ、Oもそこまで堕ちてかないでしょう」って感じですか、ポルノならポルノで一向に構わないのですが、原作にあったあの切なく揺れるOの感情がほとんど画面から感じられませんでした、ラストもはしょってあって、あれでは物語が完結していません。 余談ですが、アミューズから出ていた(今は絶版)ビデオシリーズ「O嬢の物語」ははるかに原作に忠実で、更にOが可愛くて、映像作品としてもポルノとしても数倍出来がよいです。 4点(2004-01-19 02:20:46) |
75. アマデウス
努力では天才に勝つことは出来ない、という当たり前といえば当たり前のことをここまでハッキリと明示した作品はそう無いのではないでしょうか(逆は掃いて捨てるほどありますが)そのへんを明確にするためにモーツァルトをあまりにも道化に描いているような気がしないでもないですが、映像、音楽、シナリオと全てが最高の出来だと思います。 ただ、サリエリ側にいる私を含めた大多数の人にとっては教訓もなにもないお話ではありますが・・・ 9点(2004-01-19 02:03:52) |
76. プライベート・ライアン
まず、緊迫感を出すためにコマを落とした動きや、臨場感を出すための手持ちカメラでの映像などは明らかに失敗していると思う、ノルマンディ上陸のシーンではその悲惨さに絶句する前に画像に酔って気持ち悪くなってしまった(笑)シナリオはまぁいいのだが、スピルバーグ特有の「ネタ」で笑いをとろうとしたようなシーンがいくつかあって閉口してしまった。 結局彼は歴史の悲惨さを見せたかったのか、ただ単にエンターテイメントが撮りたかったのかどっちなのだろう?(多分前者なのだろうが、長年染み付いたエンターテイメント監督してのサガがそれを許さなかったのだろう・・・) 個人的には動いているケッテン・クラートが見れたのが嬉しかった。 6点(2004-01-19 01:52:03) |
77. ダンサー・イン・ザ・ダーク
《ネタバレ》 ミュージカルシーンに限ればビョークのプロモーションビデオとしてよく出来ていたと思う、ただ悲劇はおおいに結構なのだが、「処刑台の上で美しく歌うビョーク」という「絵」を撮りたいばかりに、明らかに破綻してしまったシナリオには悪趣味な感じがしないでもない。関係ないが映画館で隣の男がわぁわぁ泣いてうるさかった(笑) 4点(2004-01-19 01:45:38) |
78. プレデター2
あのラストをどう解釈するかで評価が変わりそうですね、私は勝手に解釈して納得しました。 あの刑事さんも悪くは無いのですが、シュワちゃんの存在感と比べられてしまうとちょっとかわいそう。 8点(2004-01-19 01:40:32) |
79. プレデター
B級ドンパチSFモノとしては文句無くおもしろい、特にジャングルでの一斉射撃は鳥肌モノ、プレデターの表現は今見ても斬新、それにしても満足なCG技術の無かったこの時代にあのプレデターの表現はフィルム1枚1枚に細工していったわけで、そのエンターテイメントにかけた情熱に敬意すら感じてしまいます。 9点(2004-01-19 01:36:25) |
80. トイ・ストーリー
脚本がいい、おもしろい、ここが同じく映像的にエポックメイキングな技法を使っていても「ジュラシックパーク」や「ファイナルファンタジー」と決定的に違うところ、難を言えばフルCGにこだわって、外の景色など、あまり必然を感じないところまでCGで表現しているところ、そこまでしなくても十分いい作品だと思う。 9点(2004-01-19 01:22:19) |