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性別 男性

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61.  私の中のあなた 《ネタバレ》 
姉の命を助ける為に親の都合によって利用され産まれてきた妹、母親の愛に飢え、本当の愛を知らない妹の辛さ、一方で姉も姉で辛いのは観ていてよく解る。一人の命を救うために犠牲者扱いされるようにして産まれてきた妹、この二人の間で揺れる母親の気持ちなどよく描かれているが、それでも何かしっくりとこない。生きることの喜びや生きるってことの素晴らしさ、家族同士であれ、時には母親をも告訴するほどの妹の辛さなど、色んな事を考えさせられるよく出来た作品だけど、この点数が限度なのは母親の病気の姉に対する愛と同じぐらい妹にも愛情を注いでいれば、こんな事にはならなかったと思ってしまうのと、妹を犠牲にする姿が余りにも辛すぎて、私にはこれ以上の点数は付けられません。最後にこの映画のタイトルの「私の中のあなた」とは姉の妹への思いと妹の姉への思い、その両方に対する母親の思い、それこそが正に「私の中のあなた」を意味しているのであろう!
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-17 17:49:58)(良:1票)
62.  雨あがる
これは公開当時、映画館で観ました。それ以来、一度も観てない。内容もかなり度忘れしてしまっている。ただ黒沢明監督の晩年の作品に感じられた説教臭さが抜け、良い意味で如何にも日本映画的、しかし、悪く言えばあまりにも黒沢組ばかり集め、時代劇にさほど興味も無いような人にまでただ黒沢明という名前だけで観客を惹きつけようという嫌らしさが感じられてならない。タイトル通りの雨上がりの後の晴々とした雰囲気は感じることが出来た。それにしても昨今の日本映画関係者はどうして、黒沢明監督の雰囲気ばかり追いかけるのか?と言いたい。黒沢映画の真似せずにもっとオリジナルとしての映画作りというものを大事にして頂きたい。良い映画だとは思うけど、色んな意味で引っ掛ってしまいこれよりは高い点数は付けられません。
[映画館(邦画)] 6点(2009-08-30 20:24:54)
63.  助太刀屋助六 《ネタバレ》 
真田広之主演による時代劇と言えばおそらく世の多くの映画ファンは「たそがれ清兵衛」かもしれないが、私は違う。「たそがれ清兵衛」より早く作られ、公開した年は同じ2002年である。「たそがれ清兵衛」がやたら高評で多くの賞を獲得した中であまり取り上げられることもなく、その年のキネマ旬報でも無視されているような結果になっていたが、映画としの面白さ、時代劇としての面白さで完全にこっちのが上だと私は思う。何しろ主演の真田広之が活き活きとしていて演じている本人が物凄く楽しそうであるのが良い。やはり役者、特に主役が楽しそうに演じている映画はそれだけで観ていても気持ち良くなれるので私は好きです。冒頭のあの砂煙りの中、一人刀を振り回しまるで子供のように楽しそうにしている姿、そして、そこに現れる大勢の子供達、このシーンだけでも真田広之同様、監督である岡本喜八監督もこれから面白いものを見せてあげようではないかという心意気が伝わってくる。脇を固める俳優陣にしても芸達者な顔ぶれが揃い、その中で伸び伸びとしている真田広之、そんな真田広之が仇討に乗り込む時に言う台詞「これから二人ほど斬るが他の人は邪魔になってはならない」とか「ここら辺でお開きにしよう」とか何だか寅さんみたいで笑ってしまう。ラスト、馬に乗って去っていく真田広之と鈴木京香のツーショットなどは岡本喜八監督が西部劇ファンであることの証であり、遺作にして最後まで娯楽映画に徹しようとして遊び心を忘れなかったこの岡本喜八監督という監督の素晴らしさ、多くの映画監督は晩年、特に遺作ともなると娯楽よりも芸術志向に走るものだが、最後まで娯楽に徹して楽しませようと言う監督の心意気を私は評価したいと思います。最後にあのジャズの音楽も時代劇とよくマッチしていて良い雰囲気を醸し出していることを言わせてもらいこの映画についてのコメントを終えたいと思います。
[ビデオ(邦画)] 8点(2009-08-23 10:08:28)(良:3票)
64.  藍色夏恋 《ネタバレ》 
何と言うべきか?妙な感じのする作品だなあ!というのが見ての感想でして、韓国ものとは違うし、かといって日本映画的でもないような?非常に微妙な感じが良かったり、またあの水泳部の男が妙に爽やかであったり、主役の女の子よりもその親友の子のが可愛かったりと文句を付けたくなるが自転車をこいでるシーン、ラストの後ろからの見送りなど、良い所も予想していたよりも多くある。それでもこれより高い点数付けられないのは主役の二人がどうにも煮え切らない態度を見せていたりと、ところで、あの主役の男の着ていたTシャツに書かれていた「魚」の一文字が気になって仕方なく、それとラストの壁の文字も何だか下手くそな字だなあ!
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-08-15 20:30:08)
65.  かあちゃん 《ネタバレ》 
市川崑監督と岸恵子というこの名コンビは溝口健二監督若しくは成瀬巳喜男監督と田中絹代の名コンビを見ているようです。日本人が今、忘れている何かが岸恵子演じるかちゃんことおかつさんの優しさ、人を疑って生きるよりも人を信じて生きて行くことの方がどれだけ難しいかということをこの映画の岸恵子のかあちゃんから教えてもらっている気がします。貧乏長屋での貧しい生活にもけして、貧乏であるということを強調しない。泥棒に入った男までも自分の5人の子供達と同等に扱う優しさ、それに心を打たれる泥棒、他の人たちにしても出てくる人物に一人足りとも悪人はいない。この映画には人間ってお金よりももっと大切なもの、赤の他人であろうとも同じ人間であるという市川崑監督の優しさ、山本周五郎という人の原作もそんな優しさに満ち溢れている。ラストの「勇吉」の「かあちゃん」の一言!それを映し出す岸恵子のかあちゃんの表情には本当の子ではない勇吉も五人の子供と同じ本当の子になれた本物の瞬間であると見ることが出来る。市川崑監督がまだ健在であった時、しかも、2001年という二十一世紀にこの映画が撮られたことが、それも岸恵子で撮られたことがとても嬉しく思います。この映画の岸恵子の表情はどれもこれも女優という枠を超えて一人の人間、かあちゃんとしての姿として観ることが出来る。脇を固める俳優陣の中では大家の小沢昭一、この人の存在感、インパクトの強さは凄い。私の大好きな日本の監督の一人、川島雄三監督作品の常連である小沢昭一、この人が画面の中にいるだけで何だか嬉しく思えてしまいます。色んな意味で見ていて、気持ちの良い映画、傑作とかいう評価よりも心温まる佳作としてまた、落語的なユーモアも交えて楽しむことが出来た。
[DVD(邦画)] 8点(2009-08-07 21:05:16)(良:1票)
66.  ボウリング・フォー・コロンバイン
マイケル・ムーアの自国アメリカに対する思い、銃社会への思いが伝わる。インタビューされる側の中ではやはりこの人、マリリン・マンソンが一番印象に残る。他人からは変人扱いされているマリリン・マンソンが最も人間的に見える。作品全体の印象としてはやや偏った感じが見られるのがマイナスもそれでも下手な最近のハリウッド大作なんか観てるよりはずっと面白いし、引き込まれる。ところで、この映画の影響でボウリングが中止になるのでは?なんて思った人がどれだけいたか?
[DVD(字幕)] 7点(2009-07-27 21:45:13)
67.  ドッグヴィル
ラース・フォン・トリアーに告ぐ!「ダンサー・イン・ザ・ダーク」といいこんなことして楽しい?人間、大嫌いだろ!人を喜ばそうという気持ちが無いだろ!3時間近くもかけて人間の嫌な部分しか見せないそのやり方、己の自己満足でしかないようなものを作る。ラース・フォン・トリアー信者だけ集めてそういう人達の前だけで公開してくださいという気持ちである。変態は変態でもお前の変態にはもう付き合いきれない。日本にも変態映画や人間の醜い部分を徹底的に描いて見せる監督もいる。例えば増村保造監督がその代表例であるが、増村映画には観ていて、主人公に対して愛情みたいなものを感じるし、主人公に対しても同情出来たり、応援したくなったりと感情移入出来たり、脇を固める人達も同じように感情移入してしまうものがあるが、この監督の作品に出てくる人間には誰一人として感情移入出来ない。そんなこの監督、本当に見ていてうんざりです。この映画を支持している人は同じ監督の他の作品もきっと支持するだろうし、反対に受け付けない。支持しない人は徹底的に受け付けないであろう!私は断然、支持出来ない派です。もう二度とあんたの撮る映画は見ない。さようなら!ラース・フォン・トリアー!
[ビデオ(字幕)] 0点(2009-07-12 18:10:25)(笑:1票) (良:1票)
68.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
監督としてのクリント・イーストウッド、私は今まで苦手でした。今でも苦手です。しかし、これだけは言える。間違いなくこの映画は素晴らしい。そして、これが仮に最後の作品となったなら、最高の終わりであると私は思った。「許されざる者」で初のオスカー獲得、その後も立て続けに評論家達にも一般の映画ファンの間でもかなり好まれ、どの作品も高い評価を得られている。しかし、私にはこの監督独自の重さ、やりきれなさだけがずしりと圧し掛かり、好きになりないでいた。それでも何故だろう?ついつい観てしまう。そして、観る度にやっぱり駄目だ!私には好きになれないと裏切られ続けてきた。それはまるで今度こそ今度こそとばかりに毎回、凝りもせずにナイスネイチャという馬の馬券を買いつづけ外してしたかの如く、今度こその思いで見てきた。そして、今回、やっとこれは私も素直に感動できた。その気持ちは正にナイスネイチャが三年以上ずっと勝てずにいて、高松宮杯(今で言う高松宮記念、当時は二千メートルのG2だった。)で久しぶりの勝利を収めて感動して泣いた時のような気持ちと同じ感じ気持ちにこの映画を観て感じることが出来た。イーストウッドの自分自身の集大成とも言える熱いメッセージみたいなものをあの身体を張っての死で感じると共に俳優としてのかっこ良さ、年老いて尚、アウトロー的なかっこ良さ、あのチンピラどもに向って指を銃のように差し出す仕草の何とかっこ良いこと、床屋での会話のユーモア、タオ、スーの二人に対する厳しさの中にも何か優しさみたいなものが感じられ、ウォルト(クリント・イーストウッド)の遺言状と言える手紙の内容、それを聞いてる時のタオの表情、ラストの海沿いをグラン・トリノの車に乗って走るタオ、それを映し出すカメラワークと美しい音楽、このラストの余韻があればこその傑作になっていて観て良かった。心からそう思う。ところでウォルトがタオをトロ助って呼ぶ度に「キテレツ大百科」みたいだとかただトロて呼ぶのを聞いて寿司が食べたくなってしまった。そんなアホな奴は私だけかもしれない。
[映画館(字幕)] 9点(2009-05-01 21:55:14)(笑:1票) (良:1票)
69.  おっぱいバレー 《ネタバレ》 
何て素敵なタイトルだ!これがただ「バレー」だったら誰が見る?余程のバレー好きしか観ないだろうし「おっぱい」だけなら世のスケベな男諸君(自分も含めて)しか観ないだろうし女性は観ないであろう!ところが「おっぱいバレー」ならどうだ?これなら世の男達、おっぱい大好きなおじいちゃんからお父さんに青春真っ盛りな若者達に小さな子供まで皆が観るであろうし、バレー好きな男も女も観るであろう!この映画の成功はイチにも二にもこの素晴らしいタイトルにあると言って間違いない。窓口で綺麗なお姉さんに「おっぱいください」て言いたくて、その反応が楽しみで絶対に映画館で観ると決めてましたが残念な事にいつものお姉さん今日は風邪で休みらしい。何だよ、変な親父かよ!仕方なく窓口でお姉さんと変わって臨時のおじさんに「おっぱいバレー一枚」と元気なく券を買って入場する事となってしまい、あぁ、何てことだ!ずっと前からの私の楽しみが奪われてしまいしょぼくれていたのもつかの間、映画が始まった瞬間に元気が沸いてきた。あの冒頭の怪しい手つきに大笑い、それからというものラストまで全くもって飽きることなく、それどころか最後なんて感動している自分がいるではないか!美香子先生(綾瀬はるか)の笑顔、生徒の馬鹿な約束に乗せられてしまってもそれでも生徒達、駄目バレー部の為に一緒になって応援し、「私のおっぱいの為に頑張って」て、おいおい、もう、あんなにも可愛い綾瀬はるかにあそこまで言われてしまったら奴らが頑張る気持ちが痛いほど解りすぎて泣けてくる。泣けると言えば11PMの映像、懐かしいぜ!僕も中学時代彼らと同じようにあの番組楽しみに毎朝新聞のテレビ欄チェックし、これはと思わせる見出しの日には学校から帰って夜遅くまで起きてる為にと夕飯の時間まで寝て、そこまでして見てました。だからあの奴らのアホさがたまらなく好きです。この映画はタイトルのイメージを完全に超えた正に性春、いや、青春映画の名に相応しいエンターテーメントである。おっぱいおっぱいと連呼する彼らの姿がとにかく面白過ぎて笑った。笑った。映画館で久しぶりに大笑いし、感動した。あぁ、ちきしょう!俺も綾瀬はるか(美香子先生)の胸に飛び込みたい。奴らが羨ましすぎるぜ!例え目的がおっぱいであれ、目標を持つことの素晴らしさを教えてくれるという意味でも素晴らしい映画だと思いました。
[映画館(邦画)] 9点(2009-04-28 22:16:19)(笑:1票) (良:3票)
70.  once ダブリンの街角で
男と女の話となると直ぐに男も女も馬鹿の一つ覚えみたいに脱いで、抱合ってとそういう作品が多過ぎる。特にハリウッド映画にはその傾向が見られる。そんな中でこの映画にはそういうものが何一つない。それがこの映画の良いところである。全編に流れる音楽の美しさ、素晴らしさは言うまでもない。話そのものは特に何か凄いものを感じることは出来ないけれど、至ってシンプル、うるさい音楽とは違う音楽の良さと心地の良い映像美に、そして、何よりも主演の二人が良い。特にあの男優が二枚目じゃないのが良い。どこにでもいそうな感じの男と女だから最後まで安心して、楽しむことが出来た。
[DVD(字幕)] 8点(2009-04-25 19:24:26)
71.  その日のまえに 《ネタバレ》 
やっと観ることが出来た!久しぶりの大林宣彦監督の新作は果たして?観る前は正直言って不安でした。話が何とも暗そうな感じがしたからです。ところが大林宣彦監督自身が私の新しいデビュー!70歳の新人監督であると言ってるようにこれはどこから見ても大林映画、それもあの監督デビュー作「HOUSE」で見せた遊び心いっぱいの何とも若さ溢れるエネルギーを思い存分感じることが出来て、安心しました。まだまだ大林映画健在!私の大好きな大林映画にある優しさ、温かさが画面を通して、またどの出演者の顔からも演技からも見ることが出来た。一見、よくある難病ものと思わせておいてそうはなってない所が大林映画は明らかに昨今の日本映画によくあるものとは違って、この映画は確かに人間の死を描いてはいるけど、死の原因となる病名について描いてない。死を前にしても最後まで明るく振る舞い、死んで行くヒロインを演じて見せた永作博美のあの笑顔が素晴らしく、正に彼女の存在無くしてこの映画の成功は無しと言っても良いぐらい永作博美が良い。南原清隆の彼女に対する優しさ、顔付き、二人が手を繋ぎながら歩く場面や二人で旅をする場面、南原清隆演じる亭主の前で自宅の部屋にペンキを塗る場面も、何かもが観ていて二人が本当に愛し合ってる様子が見られて微笑ましく感じるし、そんな中、遂に死を迎えるとしこ(永作博美)が感謝の記に書いてしまっておいて手紙を健太(南原清隆)が見る瞬間、私は泣かずにいられなかった。何度となく繰り返される過去と現在の場面が交差し合い、そして、亡くなる寸前にとしこの手にタンポポの花を差し出す下の息子、二度目のあの手紙に書かれた「忘れてもいいよ」にはこれまた涙でいっぱいになり、また、大林映画の常連やこれからの常連となりそうな人達皆が一緒に打ち上げられた花火を眺めている。正しくこの時の美しい映像など大林宣彦監督らしい美しさを感じると共に大林映画としての温かさ、優しさに包まれた良い場面を沢山、見せて頂き私はこれを観て大林監督はまだまだ若い。健在であると思いました。最後にこれが遺作となってしまった峰岸徹さんのご冥福をお祈りすると共に大林宣彦監督、これからもいっぱい良い映画を撮って下さい。そして、いつまでも末長くお元気で!
[映画館(邦画)] 9点(2009-01-31 20:59:59)(良:1票)
72.  オー・ブラザー!
コーエン兄弟の作品らしくないような?いや、らしいような?何とも不思議な感じがこの映画の特徴であるようにも思えて不思議な作品!作品の雰囲気は悪くない。むしろ雰囲気はとても良い。しかし、コーエン兄弟の作品の特徴であるユーモアという意味において、あることはあるけど、弱くも感じる。音楽の素晴らしさと映像も素晴らしい。コーエン兄弟のアメリカ南部に対するあこがれのようなものが見られるし、感じることも出来る。そういう意味では良い映画かもしれない。面白くないわけではない。面白い場面の方が多いけど、ちょっと物足りない。まったりした雰囲気、何かコーエン兄弟の映画にしてはほんわかし過ぎて物足りない。それでもアカデミー賞作品「ノーカントリー」よりは個人的には好きです。
[DVD(字幕)] 6点(2008-11-29 23:52:02)
73.  おくりびと 《ネタバレ》 
見終わって一言、あぁぁ~自分の最後はこの二人、本木雅弘と山崎努をはじめとするこの人々におくられていきたいと思った。自分の最後をこういう形でおくりだしてもらえたら幸せだろうと思うと同時に自分が最も愛した人達、お世話になった人達をこの人達とおくりだすことが出来たら良いなあと思わずにはいられなかった。妻に納棺師という仕事をしていることを隠していたことがバレ、「汚らわしい」と言われようが自分の選んだ道、仕事に対する誇り、自信を持って最後までやりとげる本木雅弘の姿にこそ人間の持つべき本来の姿があるのではないだろうか!どんな仕事であれ、仕事には変わらない訳で、だからこそあの広末涼子の「汚らわしい」だけは言って欲しくなかったのと言わせるような脚本は書いて欲しくなかった。あれさえなければ満点にしたいぐらい素晴らしい作品です。人は生きる為に働く。自分で選んだ道を信じることの素晴らしさをこの映画は教えてくれている。自分を捨てた父親の最後をおくりだす場面のあの父親の死に顔の美しさとそんな父親との想い出の石ころを手の中に握りしめている父親、俳優峰岸徹の遺作となってしまったこの映画、何とも複雑な気持ちになりました。峰岸徹のご冥福を祈りつつ、人間が死ぬといこと、死は単なる終わりではないということ。それはあの風呂屋のおかみさんが亡くなった後の場面での笹野高史の台詞に込められたメッセージこそこの映画が言いたいことではないかと思う。
[映画館(邦画)] 9点(2008-10-30 22:22:55)
74.  魔法にかけられて 《ネタバレ》 
なるほど!そう来たかっていう展開にタイトルの如く「魔法にかけられて」そんな気持ちになることが出来た。アニメと実写の融合がこれまた上手い具合に描かれている。所々で見られるディズニー映画のパロディぶりが面白い。そして、この映画の成功は何と言っても主演の二人、エドワード王子とお姫様ジゼル役のこの何ともノーテンキぶりが素晴らしい。段々と美女に見えてくるジゼル演じるエイミー・アダムスがとにかく良い。あのハイテンションぶり、オーバーな演技も嫌味なく、それどころか物凄く魅力的である。そんなジゼルを追ってやって来るエドワード王子のあの大馬鹿ぶりも最高だ!あの王子が二枚目でない所が良い。これが誰が見ても二枚目のような俳優だったりしたら嫌味なものに感じてしまうが、この俳優を選んだ所が作品の中で笑えて笑えてとにかくあのアホぶりは最高だ!画面全体の美しさもいかにもディズニーて感じで良い。特に公園でジゼルが歌いだすとそれにつられて公園に来ていた他の客がみんなして歌に合わせて踊り出すあの場面における楽しさ、まるで本物のディズニーの世界に連れて行かれているような気持ちになって楽しかった。最初は王子とジゼルの邪魔ばかりして魔女の味方となっていたナサニエルが二人の見方になるてのも救われる。それとあのリスも良い。音楽の楽しさとストーリーの面白さに美しい映像美とが見事に融合されていて素晴らしい作品になってる。こういう映画をああだとこうだと文句を言って観ようとするのは間違ってると思う。素直に楽しめればそれにこしたことはない。こういう映画はとにかく余計なことは考えないで思い切り楽しみたい。そんな私の希望に応えてくれているこの映画を批判することなど私には出来ません。観る前はそれほど期待してなかったものの、評判が良いので観に行きましたが観に行って良かった。心からそう思う。観た後、速攻でサントラ買いました。
[映画館(字幕)] 9点(2008-03-15 18:23:13)(良:3票)
75.  やじきた道中 てれすこ 《ネタバレ》 
冒頭の溝口健二監督の名作「近松物語」のパロディ、ここで溝口健二監督のファンを誘い込むことに成功している。あとは難しく考えずに楽しめば良いのである。笑えるシーンが多く中でも柄本明が笑える。笑える。歌舞伎のシーンや首吊りのシーン、中村勘三郎と小泉今日子を交えて、あれやこれやと楽しませてくれます。溝口健二監督の映画と歌舞伎、落語が好きな人は間違いなく楽しめるはずです。 
[映画館(邦画)] 8点(2007-12-01 22:01:38)
76.  笑う蛙 《ネタバレ》 
いや~凄い!これは正しくヒッチクック映画のようなハラハラドキドキの傑作密室劇です。大塚寧々演じる若き人妻とそんな人妻を捨て別の女を作り、更には会社の金を横領した罪で警察から追われている夫を演じている長塚京三、二人共この映画の為に生まれてきたのでは、俳優になったのではないかと思うぐらいの見事なハマリ役!一旦は妻を捨てたものの、警察から逃れる為に再び妻の元へ戻って来た夫を家の中で隠し、そんな中、毎日、毎日色んな人間が彼女の所へやってくる。ここからがこの映画の凄いところです。誰にも見つからないように隠れている夫が妻の所へやってくる人間との会話、妻の愛人との情事、夫を追ってやってくる刑事とのやりとりを隠れた部屋の中から小さな穴を開けて見ている夫、まるでその視線はヒッチコック映画のようなカメラ視線です。そして、愛人とのSEXを隠されている部屋の中から見ている夫がそれを見てたまらなくなっている場面のあのゾクゾク感は男ならきっと理解出来る筈の凄さ、愛人が帰った後、夫を隠れていた部屋から出す妻、そして、妻は今までの行為を夫に見られていたことを知る場面における妻の表情とそんな妻がその後、夫を意識しながらまたしてもやって来る人達とのやり取りを楽しんでいる凄さ、覗く側と覗かれる側の心理状態を見事に生かした上手さに、そして、何と言っても一人だけ予測の出来ない行動を取る妻、事故で死んだことにされた夫を家族や愛人達にかくまっていたことをばらすという凄まじき行動、みんなの前で夫が今までの事を全て悔い改め、やり直したいと訴えるシーンを見てる時の大塚寧々の表情に女の恐さを感じ、愛人との間に子供が出来たというとんだ大嘘まで言う始末!夫だけでなく愛人、身内と全てを騙し続けたしたたかな女の凄さに唖然とさせられた。これは本当に毒のある恐ろしくも哀しい、人間の惨酷さと矛盾さを描いている傑作です。
[ビデオ(邦画)] 9点(2007-11-18 13:01:21)(良:1票)
77.  なごり雪 《ネタバレ》 
うわぁ~平均点低いなあ!これははっきり言って駄目な人には全く受け入られない世界だろうけど、大林宣彦監督作品が好きな人には受け入れるだけの力を持った作品だと思う。確かに皆さん、指摘の通り、台詞回しも変だし、棒読みではある。しかし、これはそんなことをああだこうだと文句を言うような作品ではないと声に出して言いたい。甘くて切ない大人のためのファンタジー映画なのだ!大林監督らしい美しい映像、昔の日本映画にある匂いとでも言うのか?作品全体に漂う甘い雰囲気、その甘さこそ大林宣彦ワールドなのだ!そして、単なる甘いだけの作品ではない。甘さの中にある緊張感、サスペンス映画のような雰囲気と狂気が入り混じった。更には大林映画を語る上で絶対に欠かすことの出来ない少女の魅力、見ている私でさえも何だか恥ずかしくなるような少女趣味、そう、その少女趣味的、何と言うのが正しいのか?大林監督のロリコン的要素がずしりと詰まった危ない雰囲気、ここにどういう訳かいつも観ていて不思議と惹かれるものがある。この映画では主人公の昔の恋人で親友の奥さんでもある雪子の若き頃を演じている新人須藤温子という女優が素晴らしい。彼女の見せる一つ一つの仕草、笑顔に涙、この映画を支えているのは間違いなく彼女(須藤温子)である。タイトルの「なごり雪」にもある「雪」がこの映画の大きなキーワードでもあり、三浦友和演じる主人公とその友人ベンガルの少年時代の回想シーンの中で二人に雪を降らせてみせるシーンはこの映画の中でも一番の名場面!同じ伊勢正三の名曲を映画化した「22才の別れ」はいまひとつ乗れなかったけど、こちらは乗れた。やはりその最大の理由はやっぱりこの映画の中の須藤温子というこの当時の新人が素晴らしいから!こんなにも素晴らしい若手の女優さんをその後、生かしきれずにいる現在の日本映画に一言、言いたい。ただ可愛いだけじゃ駄目だと!この女優さんは可愛いだけでなくきちんとした芝居を出来る素晴らしい女優だ!そういう女優を見事に抜擢して見せた大林宣彦監督はやはり素晴らしい監督さんです。誰が何と言おうとこれも私の中では大林宣彦監督の代表作として評価したい。
[映画館(邦画)] 8点(2007-11-17 23:26:18)(良:1票)
78.  いま、会いにゆきます 《ネタバレ》 
以前に一度だけ見た時は、無理矢理泣かせよう!としている感じがしていたが、再び見ることにしたのは竹内結子の生前の輝いてる姿をもう一度見たくて見ることにしました。竹内結子演じる澪と少年祐司のやり取り、祐司が放つ台詞「ママは僕のせいで亡くなったの?」を聞くたびに切なくなって泣けてくる。この映画の少年祐司の様に実際の竹内結子の長男が思わなければ良いなと思えば思うほど、竹内結子の死という現実が重なって来て泣けて仕方ない。竹内結子の実の長男、そして2人目の子供にも強く生きて行って欲しい。そう思う。竹内結子の白、ひまわりの花の様な輝きは一生残り続ける筈です。それと見ていて中村獅童演じる巧の高校時代を演じている浅利陽介を見ていたら私が竹内結子という女優を初めて知った朝ドラあすかが見たくなってたまらない。最近の朝ドラきりやたらレンタルコーナーで見かけるけど、あすかもレンタル屋さんに並べてほしい。あすかでも白がよく似合っていた竹内結子、この映画でも白が本当によく似合ってました。竹内結子演じる澪に高校時代もどうせなら榎園実穂さんで見たかった。それだとまんまあすかだな!それよりあのエンディング曲は何なんだ?あのエンディング曲は最悪でした。映画自体は良い映画でした。竹内結子も最高でした。間違いなく竹内結子の代表作品でしょう! 訂正2020年10月9日
[インターネット(邦画)] 8点(2007-11-08 23:17:07)(良:1票)
79.  ヘアスプレー(2007) 《ネタバレ》 
やっと自分の期待に応えてくれるミュージカル映画を見ることが出来た。「ムーランルージュ」「オペラ座の怪人」「シカゴ」「プロデューサーズ」「ドリームガールズ」と近年のミュージカル映画はどれも自分としては物凄く不満であっただけに期待半分、いや、それ以上に不安のが大きかったけど前評判の良さに今度こそという思いで見てきました。いや~もう、楽しかったなあ!歌に踊りにそして、何と言っても魅力的な登場人物達と、こんなにも楽しいと感じることの出来たミュージカル映画なんて、おそらく自分が生まれてから、そして、映画館で初めて見ることが出来たそんな気がする。良き昔のハリウッド映画の雰囲気がここには感じられるのと太ってることがコンプレックスというよりもそれを生かして、一生懸命に前を向いて生きようとする主人公の姿がとても気持ち良くて、これぞミュージカルって感じのとにかく楽しくて、楽しくてあっという間に終わってしまった気がする。主演の女の子が本当に良い。あの女の子の演技と表情だけでも見ていて本当に楽しいのに、脇を固める俳優陣がこれまた皆、良い。ジョン・トラボルタのお母さん役も全く違和感なし、父親約のクリストファー・ウォーケンのコメディアンぶりもやたらと面白く、あの変なおもちゃ屋さんでのミシェル・ファイファーとのやりとりなんて、本当に笑えるし、そして、黒人問題やらの深い問題を描きつつも、けして、重くならずに誰もが見ていて本当に幸せになれると思うそんな作品です。白人も黒人も同じ人間であるということがこの映画を見ると誰もが思うはずです。人種を超えた仲間意識、素晴らしい人達によるこの秋、一番の作品だと思いました。最後にミシェル・ファイファーのあの悪女ぶりといい、大人の色気といい、何なんだ!恐るべき、もう五十歳にもなろうというのに信じられないほどの色気とかっこ良さはどうしたら出せるんだ?
[映画館(字幕)] 9点(2007-10-20 17:46:23)
80.  理由(2004)
何とそれにしてもよくぞこれだけ多くの出演者を使いながらもきちんと一本の映画として完成させてしまう辺り流石は大林宣彦監督である。今の日本映画でこれだけ多くの人に出てもらうようお願いしても出てもらえる監督は他にはいないだろう!これも大林宣彦監督の人脈あってこそ、東京の下町で起こったある殺人事件の背景にあるのは家族の絆、大林宣彦監督らしいどこか優しさ、温かさを感じる作りに共感出来る反面、やはり少し長いのと説明過ぎるのも気になった。それでも観ていて退屈とは感じない。下手な監督が撮るとこうはならない。それと東京の下町の映像のリアルさ、人が生活しているという感じがして、その辺は同じ東京を描いてる「三丁目の夕日」とは全くもって対照的!何のリアリティも感じない「三丁目の夕日」より断然、リアリテイを感じる。そして、この映画の中で語られる一つの殺人事件から生まれる人間愛、伊藤歩が赤ん坊を抱いてる姿がとても印象的な上に悲しくもある。
[DVD(邦画)] 7点(2007-09-08 17:20:11)(良:1票)
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