61. さかなのこ
《ネタバレ》 予告編をみて、好きになる気まんまんで視聴しましたが、期待をスカされた感じ。タコに乱暴なお父さんが好きだし、ヤンキーの出てくるパートは全部好き(特に、バタフライナイフを台無しにされた青鬼が好き)だし、床屋の前でタバコ吸ってるだけの男性も好き。ちょくちょく好きなんだけど。どうしても入っていけないのは、無垢な魚類が好きなだけの男性をのんが演じるというのが、違和感がなさすぎるから。凄い変化球がくると構えていたら、素直なストレートが来たようなはぐらかし感。体が泳いで、ついていけなかった感じ。なんかこう、じれったいんだ。 [インターネット(邦画)] 5点(2023-12-15 22:49:57) |
62. ラースと、その彼女
《ネタバレ》 息が詰まるような優しい物語。時間の経過を感じさせない、冬のシーンが続き、春が来て映画は終わる。好きなシーンを2つ。1つ目。ビアンカを”思い出の場所”に連れて行って、ラースが「LOVE」を歌うシーン。あまりにへたくそで、変な格好で歌っているので、よっぽどこころを許しているんだな、って。2つ目。ボウリングのシーン。ビアンカへの気持ちを考えると、ある種異様な背徳感がある。背徳ボウリング。なお、DVD特典として、「女優・ビアンカにまつわる共演者とスタッフの証言」(5分56秒)がありますが、これは本作の外伝なのだとおもう。いい邦題だよね。「、」がニクいよ。 [DVD(字幕)] 9点(2023-12-12 17:07:54) |
63. バービー(2023)
《ネタバレ》 バービーにしろ、ケンにしろあらかじめ社会的に期待された役割ではなく、自分の意思で決めて生きろというような映画だと解釈しましたが、でもそんなことより奥深い何かがあったのかなあ。誰もが役割を自分で見つけて、世間の期待に応えたり、応えなかったりすればいいとは思うので、それはその通りだとは思うが、当方、YouTubeの「現実を生きるリカちゃん」がわりに好きな方なので、「鬱のバービー」とかが出てきた時が、一番血圧上がったかなあ。なんか、浅い観客ですみません。 [DVD(字幕)] 6点(2023-12-10 13:46:37)(良:1票) |
64. スピード2
《ネタバレ》 タンカーとの激突を人智を尽くして回避するものの、港の街に突き当たるにあたっては神様にすがる(というか、成り行きにまかす)というところはすごく好きです。みんな求めていた街を走る大型客船を見せたのだと思ってます。しかし、ラストの彼がアレしてタンカー爆発は、さっきまでのアレックスの頑張りをこんな簡単に無駄にしていいの、とすっかり残念な気持ちになってしましました。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-12-06 19:57:27) |
65. すずめの戸締まり
《ネタバレ》 うーん。監督はいつもと同じことをやっているのだと思います。ワタシ、見始めたら最後まで一気に行きましたから、何かに惹かれてたとは思うんだけど、見終わった後は、一体、今なに見たんだろう、と。新興宗教の方の作ったアニメ+廃墟ブーム+いわゆる「聖地」作り、みたいな印象。なんでもかんでも、理由を教えてもらえたり、説明があると思うなよってことかなあ。そういえば、物語の最初の方で鈴芽が違和感に戸惑いつつも、状況に前のめりの入り込んでいくところは好きでした。全然わかんないけど、こっちに進むのがいいみたいというような。 [DVD(邦画)] 4点(2023-11-23 22:03:25) |
66. 白熱(1949)
《ネタバレ》 イマイチ乗れない。その理由は、①ラジオを改造して追尾ができるような発信機を作れるんだろうかとか、②内圧が高まっているように見えないガスタンクがああも盛大に爆発するもんだろうかとか考えてしまったから。加えてそれ以上に、無慈悲な悪党が頭痛持ちのマザコンというところはいいんだけど、さらにそれが結構なおじいさんというのが受け止めづらかったからです。コーディは何歳の設定なんだろう。なんでもう少し若く見える人にしなかったのだろう。コーディの母親役の人はよかったですね。ドーラ(@ラピュタ)の原型ではないかと思いました。 [DVD(字幕)] 5点(2023-11-20 18:57:45) |
67. ひみつの花園
《ネタバレ》 ただただ可笑しかったという記憶のみをたよりに、ほとんど忘れてしまったので再見。人形にスタントさせていたのは覚えてたけど、あらためて一つの発明ではないかと思います。周囲を振り回しながら、猪突猛進で目的に向かって進む彼女ですが、最後、計測機器がお亡くなりになって万策尽きたかと思われるところから、しかし五感で目的地がわかるというところがうまいと思いました。そういうもんだよ。こういう人は、なんかピンとくるんだよ。 [DVD(邦画)] 8点(2023-10-29 12:27:46) |
68. 高速道路家族
《ネタバレ》 公式サイトでは「パラサイティック・スリラー」とありますが、恐怖映画的な要素はありません。これがスリラーだったら、この間観た「八甲田山」の方がよっぽどだ。それはさておき。■ワタシは、本作は「万引き家族」や「パラサイト 半地下の家族」のアンチとして作られたものだと思っています。これらの作品同様、本作でも社会の隙間に入り込んだ風変わりな家族が、重篤な事件を起こします。しかし、「万引き〜」、「パラサイト〜」では、大変な家族だとは思いつつも、そのしたたかな力強さや、歪だからこそ生まれる情愛に感心(?)したりもしていましたが、本作の家族は、本当にただ単に大変。だから、父親のどうしょうもなさはリアルガチ。こんな父親でも慕う子供の姿は、健気と言うより浅はか。で、切ない。わかるよ。オラもどうしようもなくって、浅はかだから。ある種、振り切ったものを観たような気がしています。だから、「万引き〜」らと同じの8点にします。 [DVD(字幕)] 8点(2023-10-28 20:36:43) |
69. 国葬の日
《ネタバレ》 あ、終わった。というのが観賞後の第一感。淡々としてたというか、散漫だったというか。捉え難かったこの映画、どういったものだったのか。■これはつまり、いわゆる「国論を二分した」と言われがちだったが、世論調査でははっきり否定的な結果が出ていた安倍晋三元首相の国葬が行われた2022年9月27日には、①沖縄県ではいつも通りに辺野古で座り込みがありその立ち退きがあり、②自然災害があり(静岡)、それを助けるボランティアの若者がおり、③いわゆるリベラルの人たちのデモ活動はどうしてか元気がなく、アベ政権の支持層の支持理由はなんとなくボワッとしており、⑤福島の被災地の風景は美しく、しかし、311から発生した状況はいっこうに変わっておらず、⑥一人一人は優しいのに、組織になるといきなり感情がないという、いつもの通りの日本だった、という映画ではないかと思っています。何があっても何も変わらない。だから、やったもん勝ち。■記録映画として、もしかすると30年後に価値が上がるかもと思います。あの頃がターニングポイントだったんだなあ、なんて。戦争前夜の様子ってこんななんだあ、みたいに。 [映画館(字幕)] 4点(2023-10-21 19:18:10) |
70. ハマのドン
《ネタバレ》 確かに、ハマのドン、藤木幸夫はかっこいい。話が上手くって、間(ま)がいいんでしょうなあ、うまい落語家みたいなんだ。もっと話を聴きたくなる。一番しびれたエピソードは、野球チームを作って、野球もするけど、みんなで自分の意見をいう勉強をしたというところ。素晴らしい。しかし、本作はこれでいいのか。■映画の終盤に藤木本人も言っていたが、「市民が主役、ワタシは脇役」。かっこいいんだけど、この人はあくまでもドキュメンタリー映画の主役になる人ではないのではないか?■メインの登場人物が全員男の年寄りであったり、山中横浜市長のその後の迷走などを見るにつけ、そう思う。ここで語られていない話が相当ありそうなのだ。この物語の、主人公ではなく一歩引いたバイプレイヤーとして登場できなかったか。【補記】あの選挙で山中候補を勝たせた、もう一人の功労者は林元市長だったのね。敵役から反転した林氏のストーリーも、本作に入れ込めればもう一枚層が厚くなったと思っています。 [映画館(邦画)] 5点(2023-10-21 17:15:43) |
71. 宇宙人のあいつ
《ネタバレ》 うーむ…。よかったですよ。子供向けマンガみたいな話とも思います。しかし、本作は、家族をうまくやっていくには、隠し事はダメで、そのためには、それぞれの打ち明け話を真摯に受け止めること、という話と受け止めました(マジメ過ぎます?)。勇気がないがばっかりに、相手を信じられないからか、「心配かけたくないから」、「よかれと思って」、我々は自分の殻の中に閉じ込めておいたりしますが、ノーガード戦法の勝利です。話すことは、放すこと。長男のキャラクターは今どき、マッチョすぎないかとも思いましたが、ワタシにはかなわないと思いました。【追記】ただ、こんな深刻な告白は、飯を食べている最中はやめて欲しいとも。せめて、食べ終わって、お茶でも飲んでいるときにお願いします。 [インターネット(邦画)] 8点(2023-10-15 18:30:10) |
72. 八甲田山
《ネタバレ》 「無能な大将 敵より怖い」とか「服従と責任放棄」とか、人間側のドラマを見て考えたりはするけれど、まあ、なんと言っても本作の主役は「八甲田山」なわけで。とにかく、冬の八甲田山が人間を容赦なく飲み込んでいく姿を見せつけられる。徳島隊は最善を尽くしたのだと思うが、それでも冬山に見逃してもらえたのはとても運がよかっただけ。ぎりぎり。40年前に小学生のワタシがまちの公民館で見て以来の、トラウマ映画。大竹まこと氏のベストアクト。北大路欣也が舌を噛んで死んだとか、三國連太郎が銃で自殺したとかはさっぱり忘れてたけど。大竹氏が雪洞を出てすぐ発狂して(最初に)死ぬシーンは恐怖と共に覚えてました。なお、3日かけてようやく再見しました。怖すぎて。 [DVD(邦画)] 7点(2023-10-12 20:51:02) |
73. タンポポ
《ネタバレ》 再見。面白い。もっと手取り足取りのラーメン指導だと思ってましたが、最後の決め手は自力で獲得させていたのですね。見直しました(2つの意味で)。チャーハンのエピソードはいいなあ。ご臨終の後も食べてたんですね。「あったかいうちに食え」。ご飯の作り手になった今、ものすごいいい言葉です。なお「これはラーメン・ウエスタンだ!」という惹句について。当時からピンときませんでしたが、あらためて本作の見方を狭めてしまっているように思います。それだけではない、もっと変てこな映画ですし、また見た後の感想として、ああメインのストーリーはそうだったんだなと観客が気づけばいいことを、あらかじめ教えるなよということですな。 [DVD(邦画)] 8点(2023-10-09 20:52:35) |
74. オフィス 檻の中の群狼
《ネタバレ》 うーん。ノルマに追われて、評価に縛られ、人間性をなくしたオフィスの中で、不器用なタイプがそうではないタイプの人から、まるで踏み台か弾除けにされるというステロタイプ。今の世の中ってこんなもんだろってしたり顔。手帳に「会社は狼たちが互いに牙を向き合う世界だ」って書くかなあ?会社、馘首になった日にさらに、同類だと思っていたインターンの子に拒絶されたとしても、たとえそれが引き金に過ぎなくもっといろいろな蓄積があったとしても、りんご剥いて食べてる家族を、かなづちで殺せないでしょう。なんか、不愉快な映画でした。そういうための映画(どういう?)だったとしたら、すみません。 [DVD(字幕)] 2点(2023-10-01 16:12:47) |
75. 恐竜グワンジ
《ネタバレ》 うーん、面白くは、ない。特撮は「がんばってるなあ、うまいなあ」とは思うんだけど、しかしつまりそこに没入できるほどではない。おそらく「大聖堂でむかえる恐竜の最期」というイメージのみがあって、あとはそこまで行き当たりばったりみたいな物語。最初の犠牲者であるカルロスの死が、あまりにあっさりしていて(「あれ、カルロスは?」みたいな)、そこは妙におかしかったなあ。恋愛パートなど、この状況でなにやってんのというようなおかしさもあったが、しかしそれらは制作側の本意ではないでしょう。小馬が一番よかった。 [DVD(字幕)] 3点(2023-10-01 11:28:46) |
76. SOSタイタニック 忘れえぬ夜
《ネタバレ》 被害状況を把握し、冷静に事態を予測するアンドリュー設計技師がかっこいい。間違いなく自分の最高のキャリアが失われた瞬間であったろうに。だから、そんな彼が沈没前にカップルに生き残るための具体的なアドバイスをしたあとの、カップルの片割れ(男)のセリフ(日本語訳)が解せないのですね。「あきらめてる」。アンドリューは乗客の救助の後には、事故の詳細の報告が必要と考えるキャラクターのはず。軽々に命を粗末にしない人物でしょう。おそらくあの日本語訳は、誤訳。■嫌なんだよ、船と命運を共にするのが美学みたいなの。□しかし、本作は面白い。主だったキャストが緊急事態に際して、隠蔽とか重要な情報を握り潰すとかしないんですね。あと、ボートに救われた人が、沈没した人のために祈るところとかもいいなあ。もちろん、阿尾驚嘆と修羅場の後半なんだけど、だからこそ、そんな紳士と淑女の行動がすばらしいんですよ。 [DVD(字幕)] 8点(2023-09-16 21:15:12) |
77. 福田村事件
《ネタバレ》 いつかこんな映画だか小説を観た(読んだ)ことがあるような気がするんですよ。恐怖と猜疑心に駆られた善良な小心者(松浦祐也)の過剰反応から転がり出すドタバタコメディ。ドリフのいかりや長助さんが薬売りの団長(永山瑛太)の役だったり、福田村の村長(豊原功補)役がハナ肇さんだったり。ただ、本作は、ガッツリ二枚目や美人の女優さんが、史実にインスパイアされたドラマとして、ドキュメンタリーを主戦場にした監督が作ったものなワケです。もうこういう映画をコメディとして消費できるような余裕が世の中になくなってきたということではないかと危惧しています。荒唐無稽、ありえないこととして、笑い飛ばせない。最期のシーン。ふるさとに戻ってきたところで、もう以前の場所には戻れないことが分かった少年の表情。差別とか偏見とかも大きなモチーフの映画ですが、これで業の深さというか、普遍的な人間のドラマに仕上がってたような気がしています。■残念なのは、道具の使い方がイマイチのところ。鍬だったり、船の櫓だったり、軍剣だったり。 [映画館(邦画)] 8点(2023-09-11 16:50:37)(良:1票) |
78. 夜明けまでバス停で
《ネタバレ》 バス停で女性のホームレスが殺害されるという実際に起きた事件を元にした「based on a true story」な映画だと思ってました。雇用されるつもりだった介護施設とのいきさつなど「なるほど、ありえる」と。事実を調査してそれに基づいてるんだなと思ってた前半は、負の連鎖で観るのがおっくうな気持ちになってました。なので終幕に心底ホッとしています。人が死ななくてよかった。映画の中で殺人なんて山ほど観ましたけど。つまり、ああワタシ、この映画にけっこう入れ込んで観ていたんだなと。■「あの人のやってることはめちゃくちゃだけど、今自分がこうなったのは全部自分のせいだと思います」と主人公に言わせた、(おそらくいわゆるリベラルな)監督の真意をもう少し考えたい。【追記】文春オンラインで実際の事件のアウトラインを見ました。やりきれない。本作のラストにホッとしたのは、彼が殺人者にならずにすんだからかもしれない。 [DVD(邦画)] 7点(2023-09-08 06:37:25) |
79. RRR
アストロ球団的、だよね。 [DVD(字幕)] 8点(2023-08-11 11:15:45) |
80. 飛べないアヒル
《ネタバレ》 全くその気がなかったかに見えたゴードンでしたが、ハンスから受け取ったスケート靴を履いて池に立ったとき。ホントの居場所に帰ってきたがごとく、滑らかに氷上を滑るシーンが好き。体が勝手によろこんでいるように見えます。しかし。相手チームとの力の差を縮めるための設定なのだとは思うが、バンクスを相手チームから、いままで一緒にプレーした仲間から簡単に引き離すようなストーリーはそれで良いのかな?主人公のクビと同じくらいの重みが、バンクスにもあったはずなのに。「がんばれ!ベアーズ」と比べて、何となく浅いんだよなあ。 [DVD(字幕)] 5点(2023-08-10 12:57:18)(良:1票) |