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 > 蛇蟇斎狐狸窟 さん
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プロフィール
コメント数 96
性別 男性
自己紹介 「じゃまくさいこりくつ」と読みます。
映画は映画館で見る派。平均だいたい年12~14本くらいのペースで行きます。
◆画面内で非常に邪魔。背景白いと読みにくい
◆人間の神経は絵よりも字に向きやすいので集中力が削がれる
◆見ている場面よりも先の台詞が表示されてネタバレになる
◆音声に較べ情報量が格段に少なくなり機微が伝わらない
◆日本の声優の技量は高く安心して委ねられる
など様々な理由から、大の字幕嫌いで断然吹替派。私にとっては字幕映画鑑賞というのは「映画を見に行く」のではなく「2時間、字幕を読みに行く」だけにしか感じません。
ところが、なぜか最近は洋画の吹替上映が少ないため、結果的に邦画を見る機会の方が多くなっています。

そこそこ好きなジャンル…時代劇、アニメ、ミステリー、サスペンス、群像劇
ほぼ興味のないジャンル…恋愛、ハートウォーミング系、アクション、ホラー
2014.12.07 SPACEBATTLESHIPヤマトの自レビューを手違いで消してしまいました…('A`)

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61.  黄金を抱いて翔べ 《ネタバレ》 
大阪の役者を東京に持ってきて犯罪をやらせた「カラスの親指」と対照的に、東京の役者を大阪に連れてって犯罪をさせたのがこの映画…ですが、頭脳犯罪の「カラスの親指」に較べると、驚くほどアナログで力尽くの銀行強盗というこの映画は、ある意味すがすがしさすら感じます。ただ妻夫木・溝端あたりの若手俳優がちょっと上品すぎて、あまり作品の雰囲気に合っていないような(浅野忠信は品が無くて○。誉め言葉です)。西田敏行も彼自身は完璧ですが、他の役者から浮いているように思いました。話自体はまあオチも読める展開です。井筒監督ならではの「大阪のきったない所」がふんだんに盛り込まれた泥臭い映画で、評価は分かれるかもしれません。私にとっては、可もなく不可もなしといった感じでした。5点。
[映画館(邦画)] 5点(2013-02-05 20:52:33)
62.  カラスの親指 《ネタバレ》 
原作未読。全体的にストーリーは悪くないと思いました。多少ご都合主義的なところもありますが、「衝撃のラストには、衝撃のウラがある」という映画のキャッチフレーズ通り、クライマックスからラストにかけて二転三転のストーリーが展開します。しかし盛り上がりのピークを過ぎて、オチが付いたと思われる後日談的な静かな段になってから、話が幾度も逆転するというのは、今までにあまり無い感覚でした。役者としては、阿部寛は安定感がありましたが、何といっても村上ショージですね。こんな演技ができる人とは思っていませんでした。もちろん演技が巧い訳ではないし、わざとらしさや棒読み感も若干残っているものの、朴訥さと小ずるさ、下卑た笑いなど、この作品における役割に非常に合っている芝居で、MVPだと思います。石原さとみはちょっと役が不足だったかなー。もうちょっと活躍を見たかった。能年玲奈という女優は知りませんでしたが(「告白」に出てたようですが覚えてません)、なかなかピュアで溌剌としたいい娘ですね。今後NHK朝ドラも決まっているそうで活躍を期待します。
[映画館(邦画)] 7点(2012-11-25 08:33:07)
63.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 《ネタバレ》 
毎週楽しみにしていた旧版(GAINAX版)の本放送で25/26話で落胆したオールドファンですが、今回の「Q」に関しては今までの展開をすべて覆す可能性を感じ、楽しめました。主人公(と視聴者)のみ時間が継続していて、周囲の時間の方が遙かに経過してしまい、世界が破壊され、敵味方すら混沌としているという展開は、最近の漫画「ジャイアントロボ バベルの籠城」と似た展開ではありますが、エヴァ世界観的には新鮮です。「ふしぎの海のナディア」でGAINAXにはまってからエヴァへ行った世代としては、今回序盤の山場でナディアのBGMが数曲使われていたのは感慨深いものがありました(しかも大塚明夫ボイスの新キャラまで)。不安といえば、これだけ広げた風呂敷をきちんとたためるのか。実はGAINAX旧劇場版の「シト新生」でも、今回と同様の期待を膨らませたものの、「Air/まごころを君に」で変な方向に収束させて、裏切られた経験があります(それでもTV版よりはましでしたが)。死海文書ならぬ新劇場版公開のタイムスケジュールはすでに数年の遅れが出ていますので、完結編「?」の方は早い時期に見せていただきたいものです。
[映画館(邦画)] 8点(2012-11-20 07:10:36)
64.  悪の教典 《ネタバレ》 
いい人や熱血漢の役が多かった伊藤英明にサイコパス・連続殺人鬼を演じさせたかったという三池監督の気持ちはよく理解できました。確かにキャスティングの妙は感じました。ゲイの平岳大、うさんくさい吹越満、事なかれの篠井英介なども合っています。ただ、筋(ストーリー)が今ひとつ物足りないというか…。前半部分の「早めに気づいた人たち」を個々に殺害していく場面はまだ面白かったのですが、クライマックスの大量殺人に関しては猟銃オンリーの単調な展開で、オチもパンチに欠けます。近くは「アウトレイジビヨンド」、ちょっと前なら「あずみ」などもそうでしたが、長丁場の大量殺人シーンは飽きさせないのが難しいですね。
[映画館(邦画)] 5点(2012-11-11 15:07:14)(良:1票)
65.  アウトレイジ ビヨンド 《ネタバレ》 
全体的に悪くは無いんですが、前作の時のようなインパクトやおもしろさはやや後退した印象。相変わらずキャスティングは豪華で、北野監督がこれだけの俳優を集めて撮ったのは満足だったろうなとは思います。不満なのは関西の面々の活躍が中途半端だったことと、高橋克典演ずるヒットマンが強力すぎて、ドンパチがいささか単純になってしまったところ等でしょうか。小日向文世の刑事は嫌らしさ全開で、まあ想像通りのラストではありましたが、筋としては「え、ここで終わっちゃうの?」という感じ。好評につきまだまだ続ける気、なのでしょうか…ね?
[映画館(邦画)] 6点(2012-11-11 14:57:55)
66.  天地明察 《ネタバレ》 
学生時代、和暦の論文を書いたことがあるので、渋川春海(安井算哲)に元々興味があり、原作小説も発売当時に読みました。算哲と関孝和という二人の数学者のライバル関係を互いに認め合う爽やかな友情として描いてあるのが特徴です(余談ですが、劇中で関は素浪人みたいな形でしたが、史実の関は算哲の支援者である保科正之(将軍の叔父)や水戸光圀(将軍の父の従兄弟)よりも格上の甲府綱重(将軍の弟)に仕えた上級武士で、どちらが早く改暦できるかを算哲と争う政敵関係にありました。藤原正彦『天才の栄光と挫折』や鳴海風『算聖伝』のように関の側から見る作品だと、算哲は嫌な奴だったりします)。その辺の関係は忠実に映像化していて、算額を通じたやり取り等は、原作小説の雰囲気をよく生かしていると思います。映画としては少々上映時間が長いのですが、原作の筋も追いつつ、飽きさせない作りになっており、キャスティングも豪華で、面白い映画になっているとは思います。苦言を呈すれば、所作やセリフの現代っぽさ(時代劇っぽくなさ)がかなり目に付く点、幾人かの京都弁がどうにも板に付いてない感、また白い息や嵐のシーンが合成が荒いのか浮いているように見えた点等があります。それとスタッフロールの後「一部フィクションを加えています」とあったように、(時代劇にチャンバラが無いと締まらないと考えたのか)無理矢理加えた戦闘シーン。あれは頂けません。チープさが鼻につく上、大学者山崎闇斎を殺しちゃうとは無茶にも程があります。あのシーンが無ければもう1点上乗せした所ですが…。
[映画館(邦画)] 6点(2012-09-15 16:30:24)
67.  鍵泥棒のメソッド 《ネタバレ》 
いや、なかなか面白いストーリーでした。若干ご都合主義的な展開もあるにはありますが、コメディとして単純に楽しめ、オチもしっかりして、全体的に悪くなかったと思います。堺・香川・広末3人の役者の普段とは違う演技も見られます。見に行く前は堺雅人が主役かと思っていましたが、見た後はどう考えても香川照之の方が主役に見えますね。以前はそれほど好きな役者ではなかったのですが、香川氏の今回の二転三転の役どころの変化の見せ方はさすがと感じました。全体的には面白いのですが、ただこれが映画でなくテレビの2時間ドラマでも同じような感想だった気はします(映画ならでは、という域にまでは行ってなかったかな)。余談ですが、題名「鍵泥棒のメソッド」は別に他のタイトルでも良かったかなと思うほど内容とあまり関係ありませんでしたね。
[映画館(邦画)] 7点(2012-09-15 16:13:10)
68.  踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 《ネタバレ》 
15年前にTVの本放送を見ていた頃は、周囲に話しても知らない人が多いドラマだったのが、いつの間にか巨大コンテンツに成長。ただ劇場版1の頃がピークで熱は冷め、2やスピンオフ諸作品そして3は話題先行という面が否めず、中身のストーリーは若干不満でした。前作も何だかんだで「日向真奈美の物語」になっていましたし。そういった意味では、今回FINALのストーリーは久々に見応えがあり、楽しめました。筋も本来の「青島と室井の物語」に回帰していたと思います。もちろん相変わらずのドタバタもあり、クライマックスはかなりご都合主義ですが、「踊る」ってそもそもそういう喜劇ですしね。鬱陶しいほど多発する事件が、実は関連していたというのは「踊る」劇場版で毎度繰り返される展開ですが、今回の事件群は1や3ほど煩わしさは感じず、絞られていた感じ。不満といえば、犯人役の香取慎吾がシーンが少なすぎて、わざわざ香取をキャスティングする意味あったのか?とか、「青島とすみれの物語」としては若干尻切れトンボだったのでもう一歩踏み込んで完結させてほしかったとか。また欲を言えば、犯人を捕まえる終盤シーンには、亡き和久さんの名セリフ「犯人確保の瞬間が一番危険だ」ってのをぜひ青島から和久君へ伝えるシーンがあったらなぁ…。劇場版2や3から登場した「小池の物語」「鳥飼の物語」も今回で完結した感がありますが、全体としては終了ムードは薄く…。フジテレビのことですから、また何らかの形で続いていくような予感もしますが、ひとまずは湾岸署の皆さん、お疲れ様。
[映画館(邦画)] 7点(2012-09-08 15:00:49)
69.  桐島、部活やめるってよ 《ネタバレ》 
原作小説は未読。うーん、これまた評価に困る作品です。スポーツ万能の人気者桐島が部活をやめるという些細な情報をきっかけに、全く関係なさそうな同級生の人間関係までもが変化していく…という映画のキャッチフレーズそのままで、それ以上でも以下でもありません。話の部分部分での微妙な人間関係の変化(作中のセリフにもあった「訳分かんねえ、女子」の友人関係とか)は、高校を遙か昔に卒業した大人でもそれなりに共感出来る部分はあります。この「人間関係の微妙な変化」という要素が単体で楽しめるなら、納得できる作品なのかもしれません。が、この作品の場合、その要素だけがすべてで、それ以外には何も無いというのが問題で…。通常の映画のような「全体を流れるストーリー」というものが全く存在しません。青春群像劇でもなく、盛り上がる事件が起こる訳でも無く、何かが解決することも、恋が実ることも、映画部の自主映画が完成することもなく、肝心の桐島も一切登場しないまま、何気ないシーンで唐突に終了し、「は?」と開いた口がふさがらない人も多いことでしょう。神木君・橋本さん初め若手俳優達の演技は悪くないし、高橋優の主題歌もまあ雰囲気と合っていました。しかし、ある意味潔い「ストーリーの放棄」により、私としては評価を低くせざるを得ません。大甘で4点。
[映画館(邦画)] 4点(2012-08-11 16:05:05)(良:5票)
70.  アナザー Another(2011) 《ネタバレ》 
原作小説は未読。今年(1月-3月)に放映されていたアニメは全話見ました。アニメ版の出来がまあまあ良かったのと、ヒロインの橋本愛が「告白」その他の作品でいい感じの存在感を放っていたので見に行きました。この作品はミステリー+ホラーということで、まずミステリー部分から。アニメ版では、架空の声優プロフィールWebページまで作成してまで情報を隠した(しかも放映直後に跡形もなく消去されたため、当時我々視聴者の記憶まで"改竄"されたのかとちょっと話題になりました)、肝心のオチのネタバレについて前半のシーンからあっさり見せていたのは、ある意味拍子抜けでした(まあ有名女優さんを使うから仕方ないのでしょうが)。まあミステリーとはいいつつ、緻密で計画的な連続殺人事件ではなく、そもそもがファンタジー色の強い、超常現象的な要素の多い内容なので、純粋なミステリーとは言い難いものはありますね。もう一方のホラー部分ですが、普段ホラーを全く見ない質なので出来自体は評価できませんが、尺を短くする必要上、筋を大きく端折ったためか、人が死ぬシーンは質・量ともにかなりカットされていた印象です。また作中伏線ぽい描写がありつつも、正しく(?)回収されずに無駄になってしまっているシーンもいくつかあり、作品全体として残念な印象です。配役の役者さんたちの演技は文句無いのですが、結局脚本のせいなのかなぁ。あと細かい話ですが、夏休みの8月中という設定の合宿で、全員長袖を着て、話す息も白いのはどうかと。総合的に見て、正直アニメ版の出来には届いていない気がしました。
[映画館(邦画)] 5点(2012-08-06 18:55:53)
71.  外事警察 その男に騙されるな 《ネタバレ》 
ドラマの方は未見。スパイ映画というのは、ある意味ホラー映画に似ていて、緊迫感が非常に大きな要素になっていると思います。スパイ行動がいつ敵方にばれるか、スパイ達がいつ殺されてしまうのか、というのを息をのみながら見るものなので、筋そのものよりも、画面や音楽の演出が重要になってきたりします。そういう意味では可もなく不可もなしと言ったところで、要所の緊迫感は出ていたような気もします。韓国側の俳優が似た顔の人がいて区別がつかなくて話の流れが途中つかめない部分がありました。途中まではそれなりの映画と思いましたが、どうもラストの盛り上げのチープ感が…。核爆弾てのは映画界では鬼門なんでしょうか。避難のさせ方とか捜査員その他の反応がまるで「トータル・フィアーズ」を見てるようで、唯一の被爆国が作ったとも思えない軽さ。しかもありがちなパスワード解除、パスワードそのものも安易で、画竜点睛を缺くという感じ。ラストがもう少し盛り上げられれば、あと2点くらい上増ししたのですが…
[映画館(邦画)] 5点(2012-07-22 09:02:24)
72.  おおかみこどもの雨と雪 《ネタバレ》 
つまらない映画ではないのでこの点数にしました(5点にするか迷いました)。が、ちっとも感動はしないし、シングルマザーの子育てという、あまり珍しくないテーマの凡作になっていた気はします。ジブリっぽさ=トトロやポニョと確かに通ずる所はあります(あれらもストーリー自体は大して盛り上がりはありませんでしたし)。花・雪・雨の主要キャストに関しては、演技も良かったと思います(大沢たかおはちょっと声が浮いていましたが)。映像的にも監督が表現したかったという「風」に関しては十分堪能できました。ただ肝心の筋が…。前作「サマーウォーズ」の時もそうでしたが、「時をかける少女」に感動し、何度も繰り返し劇場に通った身としては、こういう作品を期待してるんじゃないんだけどなぁ、と思ってしまったり(まあこちらの勝手な期待でしかないんですが)。少女の成長、家族の絆、ときて、母親の強さを訴える作品を作りたいという気持ちは伝わってきましたが、話の流れ自体はかなり王道というか平凡で、正直「おおかみこども」という設定すら本当に必要だったんだろうか?と思ってしまいました。夫に先立たれ、子供達も自立して、再び一人になってしまった花はこれからどうやって暮らしていくのだろう。あえて物語では切ってしまったラストより後の場面が気になりました。
[映画館(邦画)] 6点(2012-07-22 08:48:41)(良:1票)
73.  名探偵コナン 11人目のストライカー 《ネタバレ》 
私自身サッカーは好きではないので、元々そんなにストーリーには期待していませんでしたが(タイトルから勝手にPK戦が山場なのかと思っていて、予想が外れたのは良かったですが)、筋自体は去年よりは若干まし、過去15作の平均よりやや劣る程度といったところ。昨年の「沈黙の15秒」と同様、序盤から無駄にスリル感を煽って強引にアクションを展開させたことで、やはりあり得ない展開に。ここで言う「あり得ない」ってのはコナン君のアクション自体ではなくて、最初の事件が派手すぎて、いくら何でも目暮警部班だけの捜査では終わらないはず(捜査本部が設置されるレベル)なのに、目暮と部下と毛利探偵だけで捜査が閉じている展開の無理さのことです。しかし一番いただけないのは、実在選手を含むアスリートたちに、Jリーグ公式戦の最中、テロリストの要求に屈して八百長(というか故意的ミス)を強制させるという展開。サッカーファンの人たちには不愉快な流れだったのではないでしょうか。声優ですが、恒例の小学館募集の子供声優はもうお約束なのでいいとして、やはりJ選手達の棒読みは気になりました。本職でないから仕方ないんですけどね。それでもキングカズの貫禄はさすが。選手の中では一番自然な演技でした。意外にも桐谷美玲さんはそれほど悪くなかったような。さて、毎年恒例のエンディング後の来年予告ですが、また船上でしょうか…?
[映画館(邦画)] 5点(2012-04-14 17:07:55)
74.  逆転裁判 《ネタバレ》 
原作の再現度はなかなかのもの。キャスティングも主要メンバーの成歩堂・御剣・狩魔・矢張・裁判長などはイメージ通りでした。真宵ちゃんはちょっと違う気もするけど…。惜しむらくは、原作のストーリーを無理に映像化したためか、かなり端折り気味な筋になってしまった点。完全に原作ファン向け作品なので、おそらく原作を知らない人にとっては何のことだか分からない部分が多い気がします(一方、原作を知っている人にとっては筋を知ってしまってるのでサプライズはありません)。特に原作では成歩堂のモノローグで語られる証言の「ムジュン」に関する描写が全く無いため、なぜ成歩堂がそういう行動を取るのかが分かりにくい(その代わりに、成歩堂の場面ごとに狼狽する姿は、ゲーム版よりもリアルでした。いっぱいいっぱいになってる演技は特に素晴らしい)。霊媒師の説明なども無いので、原作を知らないと千尋さんのアドバイスなどが「何じゃこりゃ」と感じると思います。また、原作に出てくる名セリフ「事件のカゲにヤッパリ矢張」「弁護士はピンチの時ほどふてぶてしく笑うものよ」などが出てこなかったのも残念。また繰り返される古風なズッコケシーンなどは興醒めでした(ヤッターマンの時よりましかな…)。小中大役の鮎川誠のたどたどしい演技もちょっといただけません。とはいえ、思った以上に再現度が高く、原作のファンだった方には話の種として見るのはおすすめです。ぜひ続篇を。狩魔冥=堀北真希、綾里春美=芦田愛菜ちゃんあたりをキャスティングして、2を作って欲しいなぁ。
[映画館(邦画)] 7点(2012-02-14 23:45:11)
75.  はやぶさ 遥かなる帰還 《ネタバレ》 
20世紀フォックスの竹内結子版(HAYABUSA)は未見。こちらの方がキャスティングが豪華そうなので見に行きました。しかし、ただの金属の塊に心性を感じてしまうのは日本人の性なのでしょうか。合理的思考の理系人間の巣窟であるはずの宇宙研の面々が、次第にはやぶさへの愛着を増していき、人格性を持った存在として応援してしまう様は見ていて共感でき、ただの鉄塊の頑張りに思わず涙してしまいます。夏川結衣・山崎努の父娘エピソードも最初はストーリーの邪魔に感じていましたが、終わってみればまあまあでした。とはいえ、この映画の場合、途中過程であるイオンエンジンのトラブルの解決に重きを置いており、肝心の帰還シーン自体は盛り上がりにかける感がありました。あと、イトカワ上での弾丸発射が失敗したと発表していたのにもかかわらず、最後サンプルがなぜ採取できたかの説明が若干不足気味で、当時ニュースを見ていなかった方には不思議に思われるかもしれません。とはいえ日本有数の俳優が集ったこの映画は、はやぶさ物の映画の中では見応えがある方なのでは無いでしょうか。
[映画館(邦画)] 6点(2012-02-14 23:41:06)
76.  劇場版 テンペスト 3D 《ネタバレ》 
原作が気になっていたものの、小説・舞台・BSドラマなどを見ることがなく、今回映画になったというので見に行きました…が、ずいぶん駆け足な感じで、途中の話が端折ってあるんだろうなぁというのが分かる構成でした。上映時間は結構長いのですが、その割にストーリー的に説明不足気味で、寧温の決意の由来とか(宦官として生きることを選んだり、王の妃となったり等、何度かいろいろな「決意」をする場面があります)彼女の朝倉への思いなんかが、よく飲み込めないまま、話だけ進んでいった感があります。しかし、ほぼ全員標準語というのはかえって違和感がありますね。もともと仲間由紀恵はあまり好きな女優ではないのですが、ある意味彼女らしい、いつも通りの演技。怪演という意味では、GACKTの嫌らしい役に合ったねちっこい演技もさることながら、高岡早紀演ずる聞得大君(真牛)の強気な女性の転落ぶりが印象に残りました。あ、それと…3Dの意味は全くありません。CGの竜が暴れ回るのを見せられるだけで3D料金取られた挙げ句、3Dメガネの違和感に2時間半忍耐を要求されるというのは、むしろ苦痛でした。この時代の琉球を扱った作品自体かなり貴重ではあるので、甘めにつけて6点。
[映画館(邦画)] 6点(2012-02-03 17:58:58)
77.  ALWAYS 三丁目の夕日‘64 《ネタバレ》 
前々作、前作と同じく公開初日に鑑賞。前2作は正直、ノスタルジーを感じさせるだけの平凡なストーリーでそれほど感心しない作品でしたが、今回は六子と淳之介という二人の若者の巣立ち・別れをテーマにしていただけに、見え見えのストーリーではあっても、思わず涙ぐんでしまいました。正直、この三作目で泣くためだけに、多少退屈でも前二作を観た甲斐があったと思えたほどです。ただ、3Dである必要は全くないかと。あと淳之介が家を出たのは茶川の思いやりであった訳ですが、世間的には、夫婦に実子が生まれたために、養子を追い出したように見えてしまわないかと要らぬ心配をしてしまいました。とりあえず前二作をご覧になった方には、それなりに満足できる作品になっていると思います。
[映画館(邦画)] 7点(2012-01-26 23:12:24)
78.  聯合艦隊司令長官 山本五十六―太平洋戦争70年目の真実― 《ネタバレ》 
特に新しい視点も感じられず、何というか「普通」の大戦映画に収まってしまった作品という感じです。山本五十六に役所広司というキャストはやはり違和感がありました(役所さんの演技に文句はありませんが、はまっていない感じ)。反戦的主張(本来の山本の意図はそうでなかったと思いますが)や、大所高所的視点で話しているように見えて、結局時代に流されていくのみで、彼なりのリーダーシップもカリスマ性も、全く前面に出ておらず、相も変わらずの南雲愚将論に基づくストーリーで山本を引き立たせているようにも見えます。また、やたらと食べるシーンが多く、冗長に感じました。戦闘機のシーンは最近の映画らしく多少迫力はありましたが、そのほかは海軍と山本の歩みをだらだらと見せる説明的な映画でもありました。原作者の投影である新聞記者(玉木宏)もあまりキャラクターが立っておらず、もったいない感じ。
[映画館(邦画)] 5点(2012-01-26 23:02:38)
79.  月光ノ仮面 《ネタバレ》 
一言で言うと「訳分からん映画」でした。板尾監督の前作の脱獄王はもっと分かりやすい話だったのですが、今回はシュール度が増して、ストーリーを食ってしまった感じ。兄貴分の松本人志の映画に寄ってきた感じにも見えます。粗忽長屋を下敷きにし、落語家を題材としているものの、サゲもなく、クスリとも笑えない。おそらく出演者さん達も、話を分かっていなかったのではないでしょうか。前作と同様、主役の板尾自身に全くセリフがないのが、わかりにくさを助長(正直、表情だけで演技できるほどの俳優ではないと思います)。加えてもう一人の主人公の浅野忠信にもセリフが無い。石原さとみとの濡れ場を演じたかっただけなのでは?と言われても仕方ないような…。ことあるごとにかかるベートーヴェンの「月光」も結局何の意味だったのか、クライマックスの殺戮シーンでのBGMは、なぜかオルゴール調のトルコ行進曲。映画館で観ましたが、終わった後、私を含め観客全員ぽかーんとなって、さっさと劇場から出ていきました。
[映画館(邦画)] 3点(2012-01-26 22:49:33)
80.  指輪をはめたい 《ネタバレ》 
原作未読。「けがで記憶喪失になった男は婚約指輪を持っていた。しかし男は三人の女性と同時に交際中だった。果たして記憶を失う前の自分は、誰に指輪を渡そうとしていたのか?」という設定を聞くだけで面白そうな映画だな、と思って見に行ったのですが、ちょっと期待はずれでした。主人公があまり魅力的な男でないこともあって(山田さん、失礼!)、何でモテてたのかも首をかしげざるを得ないのと、オチに救いがないことが…。若干くどい演出も目立ち(ギャグ・繰り返しシーンなど)、映像的にも今ひとつ。ただストーリー自体はそんなに悪くないとは思うので、映画館ではなくレンタルで借りる分にはそこそこ楽しめるかもしれません。小西・真木・池脇という美女3人もさることながら、二階堂ふみという少女の存在感はなかなかでした(この映画の本篇上映前に流れていた「ヒミズ」(来年公開予定)の予告で初めてこの女優を知りました)。
[映画館(邦画)] 5点(2011-12-07 01:22:58)
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