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コメント数 123
性別 男性
自己紹介 新作をどんどん観に行く、というよりも好きな作品を何度も繰り返し観るタイプです。
よろしくお願いいたします。

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61.  めぐり逢えたら 《ネタバレ》 
なんとも小粋な映画。こういうライトなラブコメを観ると、単純な自分はやっぱりアメリカっていいなあ、なんて思ってしまう。トム ハンクスとメグ ライアンはさすがに上手いけど、本作は何と言っても息子のジョナを演じたロス マリンジャーくんが素晴らしい!生意気盛りの8歳児を見事に演じ切っていました。本当にとてもキュートで、この親子のやり取りが終始面白い。  「『危険な情事』を見てないのか?!!」 「父さんが見させてくれなかったじゃないか!」 「お、俺は見た!そんでもって震え上がった!あの映画は全米の男どもを震え上がらせたんだ!」  なんてやり取りのところなんて最高である(笑)  最初はしんみりしているんだけど、徐々にコメディ色が強まっていき、最後にまたホロっとさせる展開も妙。(ちょっと、ウォルターが可哀想だけど・・・) 音楽もジャズヴォーカルのスタンダート曲ばかりで素敵だ。 「めぐり逢い」にインスパイアされた内容に沿って、「めぐり逢えたら」にした邦題も洒落ているじゃないですか。
[DVD(字幕)] 8点(2017-12-05 23:10:29)(良:1票)
62.  ランボー/最後の戦場 《ネタバレ》 
なんと…前作から20年ぶりの続編。都度、時々の世界情勢を反映した「戦場」で戦ってきてたランボーだが、今回はミャンマーが舞台。この20年の間に「プライベートライアン」が作成されたことにより、映画界では戦闘シーンの描き方が変わった。本作も「プライベートライアン」後の作品らしく、徹底して人間の死に様をリアルに描くことに注力している。ここまで描いてしまうと、確かに見る人を選ぶだろう。しかし今の時代にランボーを作るのであれば…とスタローンがとりたかったのがこの方法論だったということか。アクション映画としては、とにかく戦闘シーンの連続で、終始緊張感もあり、何と言っても実質上映時間80分という短さのため本当にあっという間に終わってしまう。(上映時間90分とあっても、最後の10分はエンドロール)スタローンの演出ってこんなにエネルギッシュだったっけと思う次第である。ファンとしては、エクスペンダブルズもいいけど、ランボーの活躍ももっと見たい気もするが、ランボーが作られるということはどこかで紛争があり続けるということだから、複雑だ。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-12-05 22:22:17)
63.  ブレードランナー 2049 《ネタバレ》 
面白かった!当該監督作品は初めて観たが、うまい監督さんですね。2時間40分程の上映時間も殆ど気にならずに楽しめた。世界観もきちんとブレードランナーを継承できていたと思うし、この世界観を漏らさずに描ききるには製作者の皆さん相当腐心されたのだろうなあと感心した。美術面は本当に素晴らしい。演出面では例えばラブがマダムを殺すシーンではナイフで刺す瞬間カメラが建物の外に出て無音になる所など、なかなかセンスを感じた。(こういう映画的な演出は最近見ることが少なくなった気がする。)惜しむらくは音楽がヴァンゲリスでないことで、恐らくそれは、制作サイドが一番悔しいとは思うが、やはり自分の中でブレードランナーをそうたらしめていたのはあの音楽に拠るところが多いため、「ここでヴァンゲリスの音楽が入って来れば最高だったな・・」と思うシーンが多かった。オリジナルの方も初見時は正直「?」という感想だったので、本作もこれから何度も見ることで更に面白さが増していきそうな予感がする。余談だが本作でjoi役のアナ・デ・アルマスに心奪われた男性諸君はそのまま「ノック・ノック」を見ることを強くお勧めする。(女性不信になると思いますが。)
[映画館(字幕)] 8点(2017-12-02 14:46:22)(良:1票)
64.  バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 《ネタバレ》 
こんなに面白かったっけ、というのが久々に観直した感想。初見は公開時に劇場でだったが、その時は子供だったからしょうがないとして、その後も何度か観直してきたはずのに、どうやら自分はこのパート2をよく理解できていなかったらしい(笑)。製作陣も認めている通り、2はトリロジーの中で話が最も複雑だ。まず未来に行き、事件を解決して現代に戻ると、その現代は何故か恐ろしい世界に様変わりしていた。元の世界に戻すには、パラレルワールドに分岐したポイントである過去に戻ってそれを防がなくてはならない。複雑であるがとてもよくできていて、故に何回でも観れる奥深さがある。前半で手に入れたホバーボードがちゃんとクライマックスで活きてきたり、ビフがデロリアンを盗んで未来に行く時にゴミ箱にぶつかる等フラフラ運転したり・・(初めて運転するのにスムーズだったらおかしい)本当に脚本の細かい所がよくできていると関心。 個人的には本作の立役者はトーマスFウィルソンだと思う、コミカルな演技からシリアスな所まで、本当にビフ、そしてグリフになりきっていて素晴らしい。このトーマス意外にも、マイケルやクリストファーロイド、そしてリートンプソンと皆さんとにかくコミカルな演技が素晴らしい。これはロバートゼメキスの演出が素晴らしいのだろうけど、個々の役者さんたちのポテンシャルも元々高いのだろう。  オリジナルの世界を別の視点で描くという素晴らしい着想も最高だ。 オリジナルありき、そして3への橋渡し的な映画ではあるが、単体品としても十分面白い作品だと思う。しかしやはりオリジナルを見てないと本作を完全には味わいきれないというのが、なんとなくこの2の宿命めいた所で素敵だ。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 9点(2017-11-19 09:50:28)
65.  大脱走 《ネタバレ》 
時代を超えた大傑作。3時間近い上映時間も殆ど気にならず、鑑賞中ずっとワクワク、ハラハラとさせられる。まさに上質な緊張感が貫かれた作品。基本的には悲劇だと思うのだが、鑑賞後の感想は悲壮感よりも爽やかさが上回る。それは、要所要所で描かれる、様々な男たちの友情が土台となっているからだろう。役割分担をして脱走を企てている箇所は、どことなく悪ガキどもが大人達にばれないようにいたずらを画策しているようでもあり、ワクワクしてしまう。この辺り、男性の方が感情移入しやすい所以だろう。様々なキャラクターも良い。やはり中でも常に飄々としているマックイーンの格好良さ。しかし、マックイーンも、ブロンソンも、コバーンも皆若い!それだけで嬉しくなってしまう。  そして脚本の素晴らしさ。松本清張の小説のごとく、やはり人間の本質を描いたものは、何十年経ったってその魅力は変わらない。練習の時には「こんな簡単な罠に引っかかっちゃダメだぜ」と、騙す側だったマックが、本番では「good luck」と言われて、つい「thank you」と答えてしまう箇所など・・・もう旨い!としか言えない展開である。  収容所から逃げるシーンの緊迫感、そしてそこからの逃走劇。あるものは電車で、あるものはボートで、自転車で、そしてあるものはバイクで・・それぞれの道を行く。果たして彼らの運命は・・・。何度も見る事で更に面白さが増すだろう。
[DVD(字幕)] 9点(2017-10-23 09:34:58)(良:2票)
66.  ゾンビ/ディレクターズカット完全版 《ネタバレ》 
何度観ても面白い。ゾンビとの戦いの裏で、誰もが一度は夢見たことがある、「誰もいないショッピングセンター(デパート)で、好き勝手やりたい!」と言うサブテキスト(?)が執行されているのが最高。そして好きなことをやりつくした後にくる虚しさ。。映画が始まった時点でなんの説明もなく「すでにそうなっている」という、ものを言わせない展開も最高だ。※ちなみに自分が持っているDVDは「米国劇場公開版」と言う127分のバージョンなのですが、そちらのバージョンが無かったのでこちらに投稿させていただきました。
[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2017-10-15 09:30:22)
67.  アウトレイジ 最終章 《ネタバレ》 
独特の間はいつもの北野映画であった。この間こそが当該監督の個性であり、普通の映画(?)では絶対にありえない作風となっている。しかしなんだかんだ言っても北野武監督の暴力映画というのは強い集客力があるのだろう。自分も結局このトリロジーは全て映画館に観に行った口だ。やはりそれだけの監督が今他に日本にいるかと考えると、その重要さがわかる。作品自体がそこまで面白いかと問われると、うーんと唸ってしまうのだが(笑)人を土に埋めて、そこを車が通るっていうのは、昔お笑いウルトラクイズで観た気が・・・。
[映画館(邦画)] 6点(2017-10-15 09:10:27)
68.  コンスタンティン
アメコミ原作であるということは知らなかった。スーツに黒ネクタイのキアヌがカッコ良い。映像はミュージックビデオ出身の監督らしく、スタイリッシュで、まさにPVを見ているような感覚になる。しかしそこまで面白いかと問われると、難しい。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2017-10-15 08:59:09)
69.  カリートの道 《ネタバレ》 
「スカーフェイス」(1983年)の10年後に製作された本作は、作品自体が「スカーフェイス」が10歳年を取ったような映画となっている。なんとなく「スカーフェイス」から毒気を抜きとり、角を全て取って丸くしたようなマイルドさがあるのだ。アルパチーノ演じるカリートはベテランのマフィアだが、その世界から足を洗い、愛する人との平穏な第二の人生を夢見る男。このカリートがとにかく良い奴で、つい応援したくなってしまう。冒頭から、最早あまり女性にも興味が無いような態度が描かれていたり、とにかく「これからは真っ当に生きていこう」とする真面目な(?)姿勢が描かれる。自分自身を曲げないところなどの共通点はあるものの、これはトニーモンタナからギラギラした要素を全て抜いたような男である。デパルマの演出はまさに円熟の域に達している。また、全体的にクスッと笑えるようなコミカルな演出が意図的にされているのも特徴だろう。「大人のためのマフィア映画」といった趣があり、また上質な映画が持つ独特な時間軸を有している。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2017-09-28 08:42:04)
70.  ダンケルク(2017) 《ネタバレ》 
とにかく音による恐怖演出が過多で、生理的にも受け入れ難く、途中から辟易してしまった。 なんというか、「予告編の方が面白い映画」の典型的なパターンとなっていて残念だ。 どうもクリストファーノーランは「インセプション」辺りを境に演出力が曲がり角を曲がってしまった気がしてならない。  一点、ハリースタイルズはカメオ出演程度かと思っていたら、結構重要な役柄で演技もしっかりしていたので驚いた。
[映画館(字幕)] 6点(2017-09-24 00:18:39)
71.  セッション 《ネタバレ》 
当該監督の作品は「LA LA Land」を先に観た。その後このwhiplashを観て分かったのは、とにかくこの監督は「ベタが嫌い」「有り物が嫌い」なのだろうということだ。普通、物語だったら、映画だったら、こうなるだろう〜という予定調和を嫌い、次々と観客の予想を裏切ろうとする。この作品も観る前には勝手にイメージを抱いていた。それは、頑固で厳しい師匠的な存在の男の下で、ダイヤモンドの原石のような少年が時に反発しながらも切磋琢磨を続け、真の自分を見つけていく、と言う謂わば「あしたのジョー」的な世界観だ。しかし映画を見るとわかるが、実際はどうもそういったスポ根物でもないのである。恐らく監督は観客の中にはある程度の先入観があるであろう事が分かっていて、そこからあえて外して行こうとする。(監督の「こう来ると思ったでしょ? 違うんですよ。」という声が聞こえてきそうだ。)「LA LA〜」に関しても、表層的には華やかなミュージカルであるが、「ミュージカルだから、多分この後こうなって、ああなって・・・」と言う顧客の先入観を悉く裏切る展開となっていた。さて今回この映画を見て、「LA LA〜」を観終わった後に感じた違和感の正体が分かった気がした。監督は観客の予想を裏切ろうとし、確かにこちらの予想しない方向へ映画は行く。しかし・・・その先がないのだ。どうもベタを嫌いすぎてそこを回避することだけに専念していて、じゃあその向こうで本当のテーマが描けているのか?というと、まだそこまで行けていない気がする。  それでも、この作品は最後の最後に師匠と弟子が人間としての好き嫌いを超えて、音楽で通じあえた一瞬をその二人の表情で描けていたカタルシスがあったので個人的には「LA LA〜」よりも良かった。  しかし何と言ってもこの監督はまだまだ若い。恐らく作家としてのピークもまだまだこれからでしょう。顧客の期待を裏切りつつ、その先で本当の人間が描けているような、そんな作品が今後出てくることを期待したい。 
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 7点(2017-08-17 08:49:24)
72.  ジョン・ウィック:チャプター2 《ネタバレ》 
前作はとことんまで削ぎ落とされたあらすじの中にも、復讐のために立ち上がるという芯となる動機があった。が、今作はもはや復讐ですらないわけで、何のために戦っているのか、良く分からなくなってしまった。アクションに特化した作品なので、凝ったストーリーなどは必要なく、観客が納得できる一点の理由があればよかったのだが、その動機がブレたまま変に話が複雑化されていたのが気になった。一番残念だったのがキアヌ自身の体が前作よりも重そうだったことで、設定としては前作の五日後という設定らしいので、せめて前作くらいの体つきに持っていって欲しかった。と、折角アクションはカッコ良いのに、そのアクションに集中できない要素が色々とあったのが残念だった。
[映画館(字幕)] 6点(2017-07-12 21:49:28)
73.  ハクソー・リッジ 《ネタバレ》 
周りがどれだけ過酷な状況であったとしても、個人の経験はあくまで自分自身が選ぶのだ、そして自分が望むように生きるには、強い信念が必要だ。という、まさに宗教めいたメッセージが込められていたように思うし、そのメッセージは根底で「暴力脱獄(Cool Hand Luke)」に通じるものがあると思った。衛生兵として武器も持たずにひたすらに傷ついた兵士(敵、味方関係なく)を助ける姿はとても尊いものに見えた。それにしてもハクソー・リッジを登った後に始まる戦闘の凄まじさは特筆に値する。オスカー受賞も納得の音響がとにかく物凄く、迫力ある映像と相まって、迫力がありすぎて劇中涙が出てしまった。(そこに至るまでの演出が割と抑えられているので、ギャップがすごい。)迫力がありすぎて涙が出るというのは個人的に初めての経験であった。どんどんとやられる日本人兵を見るにつけ日本人である我々の気持ちは複雑になるだろうが、どちらもまさに必死で、やらなければやられる世界であるということがその血みどろの画面から伝わってくるし、徹底的にやりきった戦闘演出は逆に戦争を憎んで人を憎まずという姿勢を感じさせた。(視点を返せば、我々の祖先は日本を守るためにこんなに壮絶に戦ったのだと見ることもできる。)一方、最後の最後に1、2カット、明らかにCG(合成?)とみられるシーンがあり、そこで冷めてしまったのが残念だ。とはいえ、上映時間も全く気にならないほどの緊張感が貫かれた作品。とにかくその音響を体験するためにも劇場で見た方が良いと思う。
[映画館(字幕)] 8点(2017-07-04 22:34:56)
74.  市民ケーン
普遍的なセンスに溢れかえっている。画面こそ流石に白黒で古めかしい感じがするが、そこに描かれているイメージや映像はまさに普遍であり、恐ろしいほどに現代的だ。やはり優れたセンスに時など無縁ということなのだろう。
[DVD(字幕)] 7点(2017-06-10 08:51:32)
75.  トラ・トラ・トラ! 《ネタバレ》 
まさに文字通りの日米合作。日本のシークエンスは日本人の監督が撮り、アメリカ側はアメリカ人が撮るというのは、本来の意味では理想的な合作映画のやり方なのかもしれない。よくある資本だけ出させるという方法とは真逆のやり方で、作り手の誠意がここに集約されている気がする。一応休憩を挟んで前後半でカラーがあるものの、実際に真珠湾攻撃が始まるのは最後の30分ほどで、それまでは両国の情報戦の様相だ。しかしこの情報戦が面白く、常に一定の緊張感が保たれているので冗長さとは無縁となっている。アメリカ側を見るにつけ、(真珠湾奇襲の)前兆は幾度もあったし、防げようと思えば防げたと思わずにいられないように作られている。また真珠湾が攻撃された直後のアメリカ側の呑気さなどは妙にリアルであり、「実際こんな感じだったのだろうな」と思わせるものがあるし、この呑気さこそが人間の本質であり、戦争というもの自体がやはりその本質にそぐわない行為なんではないかと思わせる。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 8点(2017-06-10 08:45:32)
76.  アンタッチャブル 《ネタバレ》 
視聴回数で言えば、恐らく人生の中で最も観ている映画の一つ。今回午前10時の映画祭を利用して初めて映画館で鑑賞した。オープニングでエンニオ・モリコーネのスコアが流れた瞬間から理性が飛んでしまうくらいの興奮を覚え、その後も数々の名シーンに興奮させられっぱなし(当たり前だけど、やはり映画館で観ると違うなあ・・)。やはり面白い映画は何度観ても面白いという事実を再確認。今回改めて感心したのが脚本の上手さで、一つ一つのシーンがちゃんと意味があって全て次に繋がっている。伏線の貼り方もうまい(ストーンが狙撃の名手である設定もクライマックスでちゃんと活きてくる・・etc)。いやはや脚本、演出、演技、音楽、全て一級品で、本当に娯楽映画の見本のような作品。それにしても豪華すぎるキャストだ。
[映画館(字幕)] 10点(2017-05-30 19:09:41)(良:1票)
77.  暴力脱獄 《ネタバレ》 
様々なメタファーを用いて、人間とは、そして神とは何かを描いた作品。私のようにキリスト教の教えに馴染みのない人間にとっては、流石に隠された意味全てを理解することは難しい。しかしこの映画は、たとえ表面的に見たとしても十分に面白い作品であり、だからこそ名画なのだろう。数々の名シーンを通じて個人的に得たメッセージは「どんな逆境にいたとしても、要は自分次第であり、自分の考え方が一番大事」「自分の生き様を通じて自らが光となり、その事を忘れてしまった人々の道を照らすことができる。」といったものだ。そう、人は人の希望になれるのだ。少し抑えめながら美しいラロ・シフリンのスコアもとても印象的だ。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2017-05-25 10:14:18)
78.  アニー・ホール 《ネタバレ》 
とても素敵なコメディだと思う。主人公がお笑い芸人という設定からか、少し斜に構えた目線で世界を語る男と、その彼女を巡るかなり神経質な会話劇という様相。とにかく「今までに無い物、新しいものを作りたい。」というウッディ・アレンの気概が画面からビシビシと伝わってくる。実際この映画にはそういったアイディアが詰まっていて、突然スクリーン越しの観客に話しかけてきたり、突然アニメになったり、心の本音が口頭で話している言葉とは別に字幕で出てきたり(笑)…といった仕掛けがあらゆるところにあり、顧客を楽しませようとする。その実験精神というか、チャレンジ精神は天晴れなものだ。おそらく映画史にはある程度の間隔で、こういった今までの常識を壊そうとする作品が出てきていて(タランティーノの「パルプ・フィクション」など)、そしてこれらの作品が教えることは「何をやったって良いんだ!」という自由の概念であり、それが次世代のクリエイター達を刺激していくのだと思う。最初と最後が漫談のネタであるというのも、所詮全部笑い話にしていくしか無いのだという芸人の性(サガ)を表しているようでおかしい。1977年アカデミー作品賞、脚本賞など受賞。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2017-05-19 12:55:31)
79.  デューン/砂の惑星(1984) 《ネタバレ》 
リンチの作品はたとえ舞台が普通の世界だとしても、ある意味全てSFみたいなものだと思う。そんな監督が文字通りのSFを撮ったら、そりゃあこうなるでしょう、っていうくらい、摩訶不思議な作品。とにかく2時間20分が長く感じられて困った。何度か観るともっと理解が深まるのだろうが、まずそうしようという気力が湧かない。
[DVD(字幕)] 1点(2017-05-16 12:55:06)
80.  ブルーベルベット 《ネタバレ》 
ほぼほぼ満点に近い9点。マルホランド・ドライブがリンチ・ワールドの集大成だとするならば、こちらはリンチがその作風を確立させた初期(?)の傑作。これがあったから後の作品が出来たと思うと、感慨もひとしお。実際、後のツインピークスやワイルドアットハート、ロストハイウエイ、マルホランド~etc全てこの中にあると言えるだろう。お得意の絵画的構図の美しさも冴え渡っているが、特に本作では映画的な表現が素晴らしい。ほのかに揺れるブルーベルベットを写したオープニングや、暗闇から現れるローラ・ダーン登場シーンの幻想的な美しさ。または変装したデニス・ホッパーが階段を見上げ、目が会う瞬間の恐怖演出などなど、とにかく冴え渡っている。異常/正常、平穏/不穏、平和/暴力といった概念が表裏一体で存在している独特のリンチ節も大炸裂。サスペンスとしても一級だし、ラストの絵に描いたように不自然なハッピーエンドも大変強烈。(音楽も勿論最高。)何度も観たくなる、見事な中毒性を持った大傑作。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2017-05-01 20:50:42)
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