Menu
 > レビュワー
 > Yuki2Invy さん
Yuki2Invyさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1648
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234567
投稿日付順1234567
変更日付順1234567
>> カレンダー表示
>> 通常表示
61.  ドラゴンロード(大陸版) 《ネタバレ》 
今回、デジタルリマスター版とゆーのをレンタルしての鑑賞なのですが、上映時間的にも内容的にも(→Wikiを参照)こちらが「大陸版・オリジナル版」というコトなのですかね。まあ、あまりどっちを観るべきか、という拘りがあったワケではないのですが。  ただ、カンフーでは稀によくあるコトですが、お話自体は正直かなり面白くなかったです。このバージョンの特徴でもあるのかも知れませんが、特に序盤30分くらいは酷く退屈、と言って過言でないかと。そして、お話のつまらなさは終盤に向けても大して改善せず、加えてカンフー自体も結構微妙な感じかと率直に思いましたですね。今作のジャッキーは圧倒的な強キャラというワケでもなく、ラストバトルでも相手に苦戦する場面が目立ち、むしろなんかエライ泥臭いカンフーを繰り広げてゆくのですね。カッコ好く敵を倒してゆく、とゆーよりも、派手でアクロバティックな「やられ方」の方にアクション的に面白味があるかも、てなもんで。  なので、今作で観る価値があるのはこれも正直、まずは中盤の「羽根蹴り」の試合ですね。「ジェンズ」という実際の中国のスポーツらしいのですが、これも中々アクロバティックにテクニカルで、そこまではボーっと観流してたのが一気に目ェ釘付けになってしまいました。あとは何と言ってもオーラスの「まんじゅう競争」。私もいちおう昭和(生まれ)の人間なので、こーいうメチャクチャな(コンプライアンス?安全配慮義務?なにそれ、おいしーの?)ヤツはハッキリ言って大好物です。  結論、評点としては7点を付けたいのですが、観てないとは言えおそらく「国際版」の方が面白いのではないか、と思ったので、1点引きました。尺が短い(=無駄が少ない)のと、コッチは「まんじゅう競争」が初っ端に配置されてる、とゆーのは、明確に改善点だと私には思われるのです。
[DVD(字幕)] 6点(2021-07-03 02:27:07)
62.  SF核戦争後の未来・スレッズ<TVM> 《ネタバレ》 
結局のトコロ、本作が主張したいこととゆーのは、全面核戦争が起こってしまったら文明の復興は(少なくとも短・中期的には)困難だ(無理だ)ということなのでしょうね(それはある程度しっかりした科学的なシミュレーションでもそーいう結果が出ている、ということだったのかと)。その意味では、その「全面」という部分に関して、本当にそーいうことになってしまう可能性があるのかどーかを含めての一歩踏み込んだリアリティという部分には議論の余地があるのかも知れませんし、個人的にはもう一つ、事前の備えにせよ事後の事態収拾にせよ、もう少し「団結」してやれることとゆーのはないのか、と少しだけ疑問に思う面もありました。ただ、それは私の想定が甘すぎる、ということだとも感じています。例え現実的な対処方法が「人口の間引き」しかない状況に陥ったとしても、それを許容するだけの「逆」の意味での倫理観あるいはフレキシビリティというものを、もはや現代の人間社会は持ち合わせていないだろう、とも思うのですよね。  ある種、普通の映画とは「目的」が違う作品だと言えますし、だからこそ、鑑賞後感とゆーのも極めてユニークに超ネガティブです。単純にちょっと勉強・知識習得にもなりますし、一味違った作品としての観る価値とゆーのも確実にある映画だと言えるでしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2021-04-29 17:15:09)(良:1票)
63.  ブレックファスト・クラブ 《ネタバレ》 
青春ドラマ in 図書館(=密室)で、要は演技が勘所、という作品なのだが、やはりちょっと自己主張の強すぎる欧米か!なティーンの感じが個人的には肌に合わない(なんかワザとらしく感じちゃうのよね)。しかし、終盤の本音で語り合うシーンは「ちょっと何言ってんのか分かんない」感も含めて脚本としても演技としても非常に秀逸な青春の風情。「不思議ちゃん」のキャラが個人的にはツボ(ルックスも率直に凄く好み)。
[DVD(字幕)] 6点(2021-03-14 23:52:50)
64.  ゼイリブ 《ネタバレ》 
エラく古典的なSFばなし(若干ホラー風味)だが、サングラスをかけると世の真実が見える…という描写は中々の衝撃度で、そこは観てるコッチもギョギョッと盛り上がったのが正直なトコロ。ただ、基本的にはメインシナリオは非常に平凡、かつボリュームも不足しており、そこをチープなアクションを胃もたれするほど添加して何とか誤魔化しているという感じ。結果、全体的な質感としてはかなり脳筋な映画になってしまってる印象(主人公を演じたのが実はプロレスラーだとかは置いといて)。退屈だ、とまでは言わんが、個人的にはやや微妙。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-03-04 01:50:28)
65.  エンゼル・ハート 《ネタバレ》 
この作品、最後まで観るとコアなオカルトものなのですが、つくり自体はハードなサスペンスの雰囲気を強く醸し出しています。かつて初見時はサスペンスとして引っ張って結局オチはそっちかよ!となってしまったのが正直なトコロで、ちょっと肩透かされたというか少しモヤっと観終わった記憶があったのです。  しかし今回再見すると、オドロオドロしくもギリギリのラインでサスペンスに踏みとどまっている全体の空気感の恐怖・怪奇とリアリティの両立の具合が中々に高度な仕事なのだなあと感じたのですよね。オカルトとしても、悪魔に魂を売り渡すも更に恐るべき儀式でその悪魔から逃れようとする、というオチの部分は非常にユニークで面白いアイデアだと感じますし、巻き起こる陰惨な事件の数々も内容・描写ともに凄みと迫力が十二分です。やや展開運びにメリハリを欠く様にも思いますが、終盤は盛り上がりますし、観て損するということもない作品かと。そこそこオススメ。
[DVD(字幕)] 6点(2021-03-04 01:44:50)
66.  人喰族 《ネタバレ》 
私は『食人族』という映画はハッキリ言って生理的に受け付けない。その最大の理由はシンプルに、動物を実際に殺しまくっているからだ。ただ、あの映画は所謂モキュメンタリのはしりというか、意識的になるたけ「つくりもの」感を排除するというコンセプトのもとに纏め上げられている作品で、殺される動物がモノホンなのはその部分に多大な貢献を果たしているのも事実だと思う。だからなんなんだ、と言ってしまえばそれまでなのは確かだけど、そこにはある種の「筋」が通っている映画だとも思えるのだ。  ところがこの『人喰族』というヤツは、恥も外聞も無い『食人族』の丸パクリにしてコンセプトは真逆、つまり質感はつくりものでも何でもよいからグロ描写をよりパワーアップさせてやろう、というあまり志の高くない作品である。なので当然の如く本作でも引き続き動物は(ついでに)殺しまくっているワケなのだが、意外にもその効果は薄い。というか、グロ描写・ストーリーがつくりもの感満載であるが故にキャンプながら気楽な娯楽作品になり得たかもしれないのに、動物は実際に殺されているのでそこだけ無駄に悲痛、という意味では、むしろ逆効果だとも思える。実は個人的にはコッチの方がより許し難いとも感じている(非常に高度な「どっちもどっち」であるのも確かですケド)。  どだいそもそも残虐描写にもやはり「真に迫った」感じが無いので、『食人族』よりグロさを本質的に尖鋭化できてるのかと言われると微妙な気もしている。その意味でも、かの作品の「下」をゆく正真正銘の最低映画と言って過言でないよーに思っている。
[DVD(字幕)] 1点(2021-01-26 15:29:25)
67.  時をかける少女(1983) 《ネタバレ》 
「尾道三部作」の中でもコメディ色の薄さは特徴的ですし、言っちゃあロマンチックだとかノスタルジックだとか、その他の要素も率直に薄めだと思います(あくまでSF色を纏ったちょっと不思議なお話、くらいなもんで)。だとするとそのワリにやや長く感じるな、というのも正直な感想としてあります(別に尺自体がメチャクチャ長いというワケでもないのですけど)。ある種の雰囲気映画なのかも、と思いますが、演技の稚拙さからくるジュブナイル感も含めて、そこにはやはり監督独特のノスタルジックさをほのかには感じ取れますし、個人的にはそこそこ心地好くなれた気はしています。とは言え、これも個人的には後続のアニメ版の方が絶対的に好みではありますが。  原田知世もよく見ると昨今のそこら辺のアイドルなぞ問題にならないくらいに可愛いのですが、髪型がイマイチ好みじゃないのですよね。表情も暗め一辺倒で、演技のバリエーションも少ない(笑うシーンが特に少ない)のは気になります。オーラス(エンディング)が一番可愛かった!というのは、逆に彼女の使い方が宜しくなかった、というコトにも思えます。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-01-22 22:10:23)
68.  さびしんぼう 《ネタバレ》 
ファンタジック・ノスタルジック・ロマンチック・コメディ。『別れの曲』のなかに淡く融合されてゆく様なこれらの要素はいずれも中々出来が好いと思いますが、やっぱり今作はロマンチックですかね。個人的な趣味ですが、富田靖子が色々とにかく可愛いんですよね(紛う事無き昭和の美少女、というか)。膝下スカートの制服で自転車に乗り、棚引かせるは長い碧の黒髪(昭和な感じの豊かな毛量)と、それだけでロマンチックとノスタルジックは私の合格点を完全に凌駕してゆきます。ちょっとおバカなコメディ面も好きですね(チョイ役の樹木希林と小林聡美とか実にイイ味出してましたね)。残るはファンタジックですが、あくまで軽いノリの世界観も全体の雰囲気に対してとても適切だったと思います。更に年齢を重ねて、また観てみたい作品です。
[インターネット(邦画)] 8点(2020-11-29 22:51:13)(良:1票)
69.  悪魔のサンタクロース2 《ネタバレ》 
開始から40分間もが前作のダイジェストという極め付きのやる気の無さに始まり、その後の30分間も回想形式でのショックシーンのツギハギと、構成がここまで酷い続編は『サランドラⅡ』以来かも知れない。ただ、一点明らかに前作より優れているのが主役の殺人サンタの出来。そこそこイケメンながら矢鱈とゴツくて、かつ生気の無い目には中々イカした狂気を迸らせており、力技なショック描写の数々も含めて犯人の恐ろしさはまずまず向上している。前作で殺り損ねた諸悪の根源・院長を屠って終わるラスト15分も悪くはない(スカッと)。院長、『マタンゴ』みたいな特殊メイクのゴワゴワ顔で出てくるのだけど、これは意図した演出というよりは、前作で演じてたリリアン・ショーバンから役者が代わっちゃってるからなのですね(これまた手抜きなコト)。
[DVD(字幕)] 4点(2020-11-23 14:36:17)
70.  転校生(1982) 《ネタバレ》 
ジュブナイル・SF入れ替わりコメディ。だが、入れ替わって以降はひたすらドタバタしているだけという(何故か元に戻る方法を探したりもしないという)極めつけにシンプルなお話。加えて、そのコメディ要素にはちょいエロなものも多く(例え裸を隠したとしても)今だと確実にひと悶着ある系統のヤツだし、主演の子役2人の負担の大きさを考えても、これも今だと心の底から笑えるという人ばかりでもないよーにも思われる(人でなしの私は爆笑してますケド)。  しかし、それを差し引いても主演2人の頑張りは凄い。特に小林聡美はヤンチャでおバカな中坊ぶりが実に見事だったし、サービスカットだらけなのも含めてここには満点の評価を差し上げたい。尾美としのりも、この年頃の役者にとって一番やりたくないだろう演技をやり切っているサマには終盤は不覚にも少しホロリとしてしまいました。+1点しておきます。
[DVD(邦画)] 7点(2020-11-22 22:14:46)
71.  地獄のモーテル 《ネタバレ》 
かなりイカレたエゲツない話なのは確実なのですけど、正直あまり面白くないというか、率直にほぼ盛り上がらないのですよね。いちおうホラーに分類されている(そーせざるを得ない)作品なのですが、ホラーやスリラーと言うよりはどちらかというとブラック・コメディの方面に寄せてつくられている、という気がしています。その所為もあってか全体的にかなりローテンションで、恐怖も驚愕も無いし(結局)笑いもそれホド無いし、加えて狂気が炸裂するという部分もホントに最終盤に少しだけで、全体的に素材のエキセントリックさに比してビックリするほどに薄味な映画に思います。  よく咀嚼すると突っ込みドコロだらけなシナリオ・設定面もあまり良い仕事とは言えませんが、個人的に一番しっくり来ないのが主役の兄貴。前述どおり正直全く狂気というものが感じられないのですよね(妹の方はなんかイヤ~な気味悪さが大いに滲み出ているのですが)。この兄貴と拾った女子の恋バナを最初から最後まで観せられ続けるというのが、結論的には私の許容範囲を少し超えている、というか。なのでアイデアの優秀さからすればもう少し高評点としてもよい作品だと思っていますが、これくらいの評価とさせて頂きたいです。
[DVD(字幕)] 4点(2020-11-20 00:09:03)
72.  ヘル・オブ・ザ・リビングデッド 《ネタバレ》 
イタリアンごた混ぜバッタもん製造機ことヴィンセント・ドーンが(臆面も無く)世に送り出した、ロメロ『ドーン・オブ・ザ・デッド』+フルチ『サンゲリア』+イタリアモンド映画の劣化版ミックスというホラーファンには堪らない一品。何しろ、ゾンビ・パンデミック状況下で、ジャーナリスト一行とSWAT隊員が(何故か)連れ立って人喰い部族の村に向かう…という率直にマジで!?と為らざるを得ないやったったぜ感(やってもうた感)120%の超絶展開が繰り広げられるのだ。これにはもう「凄え…」の一言である。DVDでも「炸裂するゴブリン・サウンド!」とか宣伝してるのだけど、これもマジで『ドーン・オブ・ザ・デッド』の丸パクリだったりで、潔いにもホドがある。  それでも、生物兵器が漏出してゾンビが人を襲いだす導入部、SWATの面目躍如たる対テロ作戦の描写、フルチばりの腐乱ゾンビ登場、子供が親を喰うアレとか、食人族と意思疎通するためにヒロインの女記者がオッパイバルンで頑張る様子など、前半は丸パクリなりにまあまあ楽しめたりするのですよ。後半は完全にネタ切れで、平凡なゾンビ展開の連発に加え、無意味にどっかの原住民とか野生動物とかの映像を挿入しまくってみたり(舞台であるニューギニアには居ない生物の映像も多々混ざってるというテキトー加減)、広い会議室を借りたはいいがエキストラを雇うカネが無かったらしく席がスカスカなゾンビ対策国際会議の締まらない映像を入れてみたりと、正直言って非常に面白くない。  ひとつだけこれも許せないのが、ロメロ形式のブルーグレー塗りゾンビと、フルチ形式のグログロ腐敗ゾンビが混在してるというそもそもの状況。なに、ゾンビウイルスにもソ連型と香港型とか種類があるワケ?
[DVD(字幕)] 4点(2020-11-16 00:00:34)
73.  ヘルブレイン/血塗られた頭脳 《ネタバレ》 
『悪魔のサンタクロース』シリーズの3作目。前作の犯人リッキー(彼は第1作の犯人ビリーの弟である)が昏睡状態になっている所から物語はスタートする、が………結論から言うと、とにかくタルい、まだるっこしいねコレ(これはもはや全身が痒いっす)。  通常のスラッシャーよりも早め、開始30分くらいで犯人が目覚めて主人公のテレパシー少女(盲目)を追っかけ始めるのだけど、そこから全くもって展開がスピードアップしてゆかず、犯人が先回りして主人公の実家でばーちゃん殺して待ってるのに、主人公は暢気に映画観てるわ、連れの兄貴は彼女と散々イチャついてるわ(一緒に風呂入ったりだの散歩したりだの)、緊迫感も何もあったもんじゃねーというか。特に真ん中30分間の存在意義が私には皆目分かりませんです。  展開運びのみならず、個々のショックシーンのつくりもタルい&ヒドい。モタモタもそうだが、一部はショックシーンなのに音楽すら入れてなかったり、兄が襲われてるシーンでは助けもせず主人公がただ逃げちゃってたり、犯人は素手で扉とかぶち破りまくり(そらいくらなんでも無理でしょ、と)だし、あと普通のホラーだったら電気落としてるべき場面でも灯りが煌々と点いてたり、ホラーとしていくら何でもやる気が無さ過ぎる。もう一点、主人公と兄貴の彼女が双子かってぐらい外見がソックリなんだけど、何故こういう意味の無い妙なことをするのでしょうか(見分けにくいから髪型くらい変えといてくれよと)。  監督は全くホラー畑の人ではないのだけど、恐らく戦前のホラー映画しか観たことなかったのでしょうね(この人、今作のあと21年間も長編監督作を撮れなかったらしく、その意味ではちょっと笑えないすケドね)。
[DVD(字幕)] 2点(2020-11-10 01:41:23)
74.  スラム砦の伝説 《ネタバレ》 
これも映画館で観たのだけど、どうにもロシア語・ボイスオーバー版とゆーのが雰囲気も演技も音楽も全て台無しにしている気がして、結局あとでDVD調達して再見する羽目になったという。ただ、そーする価値は十二分にありましたですね。  いちおう、ストーリーは(裏では)しっかりと繋がっているものの、断片的に語られるのでそこまですんなり入ってくる訳でもない。ただ、じっくり観てゆけばある程度は伝わってくるというトコロで、この手のアート系な作品としてはある意味適切な分かり易さ(分かり難さ)具合と言えるかも知れない。なんとなく話が分かる様な分からない様な空気感の中で、より注意を払って観てゆくべきなのはやはり映像の方。オリエンタルで時代的で、ある部分は絢爛豪華であり、またある部分は素朴であり。背景となる自然の情景も荒涼としつつも広大で、そして何よりそんな中に人々は誰しも力強く描かれてゆく。あまり他では観たことの無い家畜の大群を使ったシーンやエスニックな踊りのシーン、同様に音楽も率直に実に素晴らしかったですね。映画としてのバランスの面は『ざくろの色』よりも良好かと思います。非常にコアなジャンル、グルジアン(ジョージアン)民俗的歴史映画として、すごく貴重で観る価値のある作品かと。
[DVD(字幕)] 7点(2020-11-08 03:17:57)
75.  アシク・ケリブ 《ネタバレ》 
吟遊詩人アシク・ケリブの物語だが、話の内容は率直に大したもんでもない。中東・アラブ風の映像表現も、正直言って『ざくろの色』や『スラム砦の伝説』とかで観たものとさほど変わりなく、この監督の後続作品として斬新さを備えているとまでは言えない(私が監督作を続けて鑑賞しているから気になってるだけかも知れんケド)。  むしろ、主人公が吟遊詩人だけあって全編で騒々しいまでにかき鳴らされ続けるアラビアンな音楽の洪水が、監督の他作品のようにやはり我々を何か別の映像世界に連れて行ってくれる様にも思う(よーく聴いてると何故かシューベルトの『アヴェ・マリア』のメロディが混ざってたりするんだけど)。なので別世界体験するための映画としては、ある程度「使える」クオリティかとも思う。
[映画館(字幕)] 6点(2020-11-04 02:01:30)
76.  アリア(1987) 《ネタバレ》 
オペラ歌曲の映像化というコンセプトの短編集。ただ、その映像は美術面で本気で(金掛けて)つくられている訳ではなかったり、アヴァンギャルドさもそこそこ止まりだったりで、やや中途半端な感じ。もっと美しさをマジになって追及したり、幻想的な映像にするんだったらCGとか多用したりすれば、更に面白くなりそう。オペラファンとしては、ぜひもう一回同じコンセプトでやって欲しい企画である。  印象に残ったのはまず、ゴダールの『アルミードとルノー』。歌われるアリアは抜粋。バロック・オペラを背景に、黙々と筋トレするマッチョと陰毛全開の全裸女が戯れるという正真正銘のアヴァンギャルド謎映像(「飛び」具合としてはこいつだけは中々)。流石のゴダール(誉めてない)。  あとはフランク・ロッダムの『トリスタンとイゾルデ』。アリアはもちろん『愛の死』。この短編集の中でも一押しの名曲に添えられるのは、意外にも相当にハイレベルな「濡れ場」。だが、ありそうでなかったこの取り合せは(と言うかオペラじゃ無理だし)、率直にかなり面白く観れた。
[DVD(字幕)] 5点(2020-10-29 01:16:19)
77.  キックボクサー 《ネタバレ》 
まだ若きヴァン・ダムは中々のイケメンだし、爽やかさというものもそれなりに醸せていると思いますが、それでもなんか主役ぽくないというか、率直に面構えが「ワル」すぎませんかね(特に目付きが悪い)。それはさておき、彼の鍛え込まれた肉体美(筋肉)は相当にハイレベルだと思いますし、格闘技的な部分の「動き」も確実にプロのそれではあります。ただ、彼の動きというのは完全にそのバックボーンたる空手、ないし伝統武術のそれであり、スポーツとしてのキックボクサーのものではないのですよね(それは彼の師匠含む他キャラも総じてですが)。  何が言いたいかというと、今作、カンフー映画的な小アクションもチョコチョコ入ってゆきますが、アクションの少なくない部分がムエタイ(キック)の試合なのですよ。それをこのヴァン・ダムその他の動きでやられてしまうと、K-1等で目の肥えた現代の格闘技好きの視点からすると、スポーツ的なハイレベルというトコロからはかけ離れた質感というか、率直にとてつもなく「チャチ」に見えてしまうと思います(正直、全くキックの試合には見えんのですよ)。他のスポーツもので言えば例えば『ロッキー』なんかでも、試合はもう少しばかりはスポーツ的な方のクオリティもつくり込めていましたよね(これは、スタローンがそのものズバリのボクシング経験者だった、からだと思いますが)。オーラスあたりはムエタイなのか何なのかよく分からないルールの地下試合になっていますが、これとて唯々中途半端、という印象が強いです。  その意味では、キックボクサーという題材自体がヴァン・ダムのキャラクターには少し合っていない、という様にも思います。単純に香港系統の古き良きカンフーの方がより適していると思いますし、この題材でやるならもう少し手間・時間をかけてキックの動きをヴァン・ダムに習得させるべきでした。ある意味、だいぶ手抜きな映画だと思いますね。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-09-29 23:54:53)
78.  首だけ女の恐怖 《ネタバレ》 
珍品である。が、映画としての質はどう控えめに言っても低レベルで、演技経験があるのか非常に疑わしい主演陣に加え、無駄が多くて冗長な展開運び、特撮も極めてチャチだし、特撮シーンになると8mmビデオの様な超絶低画質に切り替わるなど、あまり他の映画では見かけない様なチープさが全編に行き渡っている。もう一点、私の購入したDVDは英語吹替版で、この吹替の質も非常に低いと言わざるを得ない(声の質感が映像とまるでアンマッチで完全に浮いている)。  展開運びで特に酷いのが終盤で、主役(男)の別れた恋人が唐突に登場して憤死したり、絶体絶命のピンチ!にこれまた唐突に大戦士ギデオカなるエセ月光仮面(顔出し)が出て来たり、ゴタゴタと戦っていたのに朝日が出たら黒魔術師(ラスボス)はギャー!と溶けてしまったり(時計見といてよ)、主役(女)は結局助かったのかどうかも定かではなかったり、結構頑張って観てきたのにこんな終い方?感がハンパではない。  ただし、こういうゲテモノとも捉えられかねない現地の伝承をこーまでド直球に映像化したという点については、それでも非常に好感が持てるのである。こーいうのこそが独自文化なのであり、文化的レガシーなのだと。その物珍しさは、こうしてこんな映画が世界中で観られるほどにきっと価値のあるものなのだし、そうした伝承を次世代に伝えていくという意味でも、本作は価値のあるものにきっとなっている筈だ、と思う。
[DVD(字幕)] 5点(2020-09-28 20:37:50)
79.  フロム・ビヨンド 《ネタバレ》 
この映画、やりたいことは分かるのですが、改めて観るとお話の方はちとメチャクチャ過ぎますね(やりたいことの方が更にメチャクチャだ、とゆーのは一旦置いといて)。ここまで来ると物語としてはちょっと訳分からんし、種々の描写も奇ッ怪過ぎて『死霊のしたたり』の様にコミカルさを目当てに観れる、というレベルに在るワケでもないかと思います。  なので本作、ただ奇ッ怪な映画が観たい!という完全なるマニア向け作品にも思います。デロデロドロドロのクリーチャーは『物体X』をどこか彷彿とさせますが、気持ち悪さと人体破壊描写のグロさ加減は彼の名作にも優るとも劣りません。個人的には、ややチープなのも逆に味が有る様にも思えます。加えて、今作にはエログロ系の要素もタップリ加味されており、バーバラ嬢の正に体当たりなお色気シーンは、ここだけは誰もが大喜びで観れるだろう大きな見所となっています(殆ど紐でケツ丸出しのボンテージ衣装には大いにゾクっとしました)。  ユズナ&ゴードン、コムズ兄さん&バーバラ嬢、加えてケン・フォリーの旦那という、往年のB級ホラーファン垂涎のキャスト・スタッフを擁することを含め、前述どおりマニアなら必見の大怪作と言えるでしょう。オススメかと言われれば普通にオススメであります。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-09-20 09:06:05)
80.  バチ当たり修道院の最期 《ネタバレ》 
これは中々シュールな…訳あり女が駆け込んだ修道院は、これまた訳あり修道女の巣窟だった、という作品だが、普通に考えてこのコンセプトなら必然的に作風はコメディになって然るべき、だと言って決して過言ではないハズ。しかし、とにかく本作、全くと言ってよい程笑えないのだ。ヤク中だったり殺人犯だったり果ては尼長みずから強請り集り紛いなコトまで仕出かす、その有様から感じられるのはユーモアでは更々なくて、ただ「イタい」ないし「サムい」という感情のみである。インモラルな修道院、というのを描きたかったが、コメディに徹してしまうのは時代的にまだ憚られた、という感じなのだろうか(そんなコトも無いと思うのだけど)。ちょっと、何がしたかったのかよーわからんですわ。  一点だけ、尼僧の字名が「堕落」「溝鼠」「毒蛇」終いには「肥溜」というのは一体何事か。翻訳間違いじゃねーのか(直訳が正しいとは限らんのだぜ)。
[DVD(字幕)] 4点(2020-08-13 22:20:39)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS