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コメント数 1648
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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61.  新ゾンビ 《ネタバレ》 
我らがオラフ・イッテンバッハの初劇場公開作品は、死者を蘇らせる力を持つ邪神プレムトスの物語(という体の、殆ど無内容で虚無なシナリオ)である。歴史上の様々な場面においてプレムトスがもたらした災厄(という体の、死人がデロデロ蘇っての単調極まるチープなグロ描写)を、現代において邪悪なプレムトスの書を偶然手に入れた主人公の話に(前述の場面が主人公の頭に唐突にフラッシュバックしまくるという無茶苦茶な方法で)巧みに織り交ぜて進行していく。掴みのショックシーン15分は初っ端からかなりカッ飛ばしており、素晴らしい見所となっている(この後1時間近くに渡って大した見所が無いのだから、ここをボーっと見逃すわけにはいかない)。中盤の主人公の日常生活パートにも(自身初の劇場公開作品にも関わらず、この監督グロ以外には映画に描けるようなモノの入った引き出しが本当に何も無いんだな、という意味で)監督の映画センスが炸裂しており、大変に興味深く観れる。  そして遂に、本作のハイライトたるラスト20分がやって来る。  (ちゃんと観てると正確には残り40分の時点でゾンビが出現してクライマックスに入ってるのだが、そこから20分がまた全然盛り上がらないのだ) (全編通してグロ描写の挿入のみに腐心し、それにどうメリハリを効かせるかというのに全く気が回ってなく、とにかくダラダラしてるのですよ) (ただ、ラスト20分前からは音楽も変わってやっと本気でゾンビと闘い始め、そこからの10分だけは少しテンションも上がるかなあと) (お待ちかねの戦車シーン、ゾンビを大砲で粉微塵にする描写にだけは流石に観る価値がある。何故なら他では絶対ここまでやらないだろうから)  世紀の問題作と言える今作、ホラー好きなら必見と言えるだろう(本当にラスト15分だけ、ここだけ観る、で十分だと思う)。
[ビデオ(字幕)] 5点(2020-05-12 21:13:08)
62.  バーニング・ムーン 《ネタバレ》 
いわゆるドイツ三大鬼畜監督の中でオラフ・イッテンバッハは、映画製作者としての技量がシュナース程にポンコツではなく、頭の中身もブットゲライト程に逝っちゃってるという訳でもないため、その作品は他2人に比べれば幾分鑑賞し易いかと思う。後にはハリウッドでも数作を監督することになる彼の作品は、あくまで娯楽として楽しめる範疇にはちゃんと入っているグロなのだ(もちろん色々な意味で、本当に娯楽として楽しめるかどうかは別の問題ではあるのだが)。  彼のデビュー作とされる今作(ビデオ作品だが)、内容としては、妹の寝物語としてボンクラ兄が恐怖ばなしを語るというダサいオムニバス形式といい(そもそも言葉で伝わる内容じゃねーじゃんか)、話自体の内容の無さといい、全体的な演出の陳腐さといい(特にアクションシーンが、相手に怪我をさせない様に&備品を壊さない様に慎重に慎重にやっているのが丸分かりで、非常にヌルい)、基本、血糊過多のみが見所なスプラッタを含めて、観るべきモノは殆ど無い。  しかし今作、本国ドイツでは当然の如く発禁処分を喰らっている。理由は明確で、残り15分を切った所から、そこまでヌルーく撮って余らせた予算を全てツギ込んだかの様な惨たらしさMAXの大残虐絵巻が繰り広げられるのだ(そして案の定、このシーンはそこまでの話とは碌に繋がってもいない、という)。この10分間だけには、グロ映画マニア的にある程度の観る価値が(いま現在においても)あるかなあ、と思う。  まずは1シーンだけでもなにか「突き抜けた」ものを、はB級ホラー映画の鉄則である。今作にはその成功例としても、ある種の観る価値があるのかも知れない。
[DVD(字幕)] 5点(2020-05-10 20:11:06)
63.  スターシップ・トゥルーパーズ 《ネタバレ》 
脳筋、としか言い様が無いSF戦争映画である。マジメにつくってるとも言い難い作風で、要は、戦争なんてやるのは言葉の通じない虫けら以下のバカですぜ!というのがメッセージなのだろう。ただ、例えば『フルメタル・ジャケット』風の前半なんかは部分的にはちゃんとつくってなくもない感じなので、どういうテンションで観たらよいのか少し迷う作品だとも言える(まあ、そこもよく見ると相当に適当な感じではあるので、何も考えずにボーっと半笑いで観る、で問題ないとは思うけど)。  しかし、いくら創作のバカ話とは言え、作中で無残に殺される側にとっては堪ったものではない(こっちだって多少なりとも感情を入れて観てるのだし)。航空支援も無しに敵中に放り込まれ(いい加減な情報のせいで降下中にも散々撃墜されてるし)、案の定、包囲殲滅を喰らった挙句30万人死んじゃいました!(テヘペロ)の顛末には、しばし再生を中断してクールダウンが必要であった(怒るというか、私呆れちゃった)。ヴァーホーヴェン的にはここが最大の笑いドコロなのだろうと思うと、流石にこれには虫唾が走る。  結論、人の生き死にでコメディをやるという作品は、どうにも好きになれません。例えそこに意味のあるメッセージが在ったとしても。
[DVD(字幕)] 5点(2020-05-05 19:10:08)(良:1票)
64.  ショーガール 《ネタバレ》 
ハダカというのは、それを隠して恥ずかしがるからエロいのだ。誰も彼もが脱ぎまくりな本作、全員揃ってハダカ如きを恥ずかしいなんて思っちゃいない(それは羞恥心が無いサマを「演じて」いるのではなく、本当に馴れっこになってしまっていることを意味する)。ので在るからして、実のトコロはこれが全然エロく感じなかった…というのが正直な感想(ある意味残念)。しかし、だからこそ本作のダンスシーンからは、性欲と切り離されることを強制されてきた「ハダカの美の歴史」を、逆の側から超越した真に純粋な「肉体の美しさ」を感じ取ることが出来るのだと言える。俗悪なモノの中だからこそ、本当の美しさが際立つ、この単純な方法論こそがヴァーホーヴェンの真骨頂である。  それはストーリーの面でも同様で、ただ自分の最悪な状況を打開したい、自分を証明したいと願うだけの前半の持たざるノエミは実に美しく、翻って、一たび手に入れた「虚栄」を守ることに固執し、「もっと多く」を望むために手段を選ばない後半の勝ち誇ったノエミは実に醜い。しかし彼女は、敗北と引き換えにひとつの真理を得て虚ろの都を去ってゆく。それこそが人間の成長であり、これは何とも痛快なグッドエンドじゃないか!と思うのだ。  非常に単純な物語ではあるが、重ねて、これこそがヴァーホーヴェンの真骨頂であり、彼の最高傑作であると私は確信している。
[DVD(字幕)] 9点(2020-05-05 12:20:38)(良:1票)
65.  氷の微笑 《ネタバレ》 
世紀のクールビューティ、シャロン・ストーンが稀代の毒婦を演じている、ただそれだけの映画。そして、ただそれだけで十分な映画だとも言える。色々とモヤっとしたまま終わらせるというサスペンスとしては禁じ手を犯していることもあり、正直、内容面には観るべきモノはさほど無い。しかし、グレース・ケリーをも彷彿とさせる抜けば玉散る氷の美貌なシャロン姐さんが、ヴァーホーヴェン流の超イヤらしいセックスシーンをこれでもかと熱演することによって醸される品格のある妖艶さは、もはや一つの奇跡である。これは、エレガントさと色っぽさを史上最高レベルで兼備するシャロン姐さんだからこそ成立する映画なのだし、姐さんの年齢的にもこの三十凸凹より上でも下でも恐らくダメで、人類史上このタイミングでしか撮れなかった映画なのではないかと思っている(ヴァーホーヴェンは流石の目の付け所ですね)。  今(2020)であれば、誰なら務まるか?例えば、マーゴット・ロビー(→×色気が安っぽい)、レベッカ・ファーガソン(→×色気が圧倒的に足りない)、ガル・ガドット(→×ちょっとヴァイタリティ過ぎてクールさが足りない)、スカヨハ(→×ちょっと機を逸した感が…)、シャーリーズ・セロン(→×姐さんも10年前なら…)、ジェニファー・ローレンス(→×…ビューティ?)、あとは…  個人的には、アンバー・ハード、レア・セドゥとかなら少しはピンと来るかと……か、無茶を承知でナタリー・ポートマンとか……
[DVD(字幕)] 7点(2020-05-04 21:59:28)
66.  オネーギンの恋文 《ネタバレ》 
当方、原作小説は未読だがオペラ版は何回も観た。だからオネーギンがバカで厨二病な高等遊民(と書いてニートと読む)なのは百も承知で、その彼・彼の苦悩に如何に血肉を与えるのか(と、望むべくは何某かの彼の魅力を描き込むのか)が本作への期待なのである。  しかし、これ………私の期待した点はオペラからまるで改善していないばかりか、改めて観せられると率直にドクズですよね。特にオペラでは「レンスキーちょっと沸点低すぎじゃね?」な部分がここだけは明確に改善(改悪?)されたのも踏まえると、尚更オネーギンの幼稚さ・思慮の浅さが際立つなあと。これをいきなり観たとして、普通の人なら正直「?」だと思う(何故にこんな奴が主役の映画を観てるんだろう、というか)。これならオペラの方がまだマシかも知れない(これはいよいよ、原作を読む必要がありますかね)。  そしてオネーギンから感じる所の若さ・青さとか短慮さとかは、そもそもレイフ・ファインズからは殆ど感じられないとゆーのもハッキリ言及しておきたい(どだい、20代前半の役を38,9でやってるのですからね)。まだレンスキー役のトビー・スティーヴンスの方が適役だと思う。  もう一点、純粋で清純な乙女である印象のタチアナにリヴ・タイラーというのも、ちょっと大味で雑味も強すぎる気がする(公爵夫人になって以降の連れない感じは悪くもないケド)。一つだけ、暖炉に手紙をくべるシーン、オネーギンはタチアナの手紙を拾い戻したが、タチアナは手紙を一瞥しただけだった、という対比は、この2人の違いを的確に示す優れた演出だったと思う。
[DVD(字幕)] 5点(2020-04-25 14:25:57)
67.  アンダーグラウンド(1995) 《ネタバレ》 
色々と映画を観ていると、稀にどうしようもなく「天才性」を感じさせる作品に出会うことがある。本作は特に(通常の辻褄を超えて展開し始める)後半は、もう殆どがその類いの「常人の才覚では撮れそうもない」映像となっている様に思う。  「何故、どうして」という点で全く常人の理解が追い付かない本作は、初見では十分に理解するのは難しいかもしれない(少なくとも私はそうだった)。しかし、そういった細かい点を超越して作品全体から迸る得も言われぬパワーとメッセージは、初見だろうが何だろうが多くの人の心に確実に響くであろうし、そして二度三度と観直すと本作もまた、細部まで精密につくり込まれた類稀な完成度を誇るクストリッツァの仕事だということが分かってくる。生涯に渡って何度も楽しめる、素晴らしい映画だと思う。  シーンとしてひとつ、空飛ぶ花嫁の結婚式は、全ての映画の中で私が一番好きなシーンだと言ってよいかも知れない(初めて観たときはやはり疑問と、そして感動と笑いが止まらなかった)。もう一つ、演技面ではどうやってサルにあれ程に上質な演技を仕込んだのか、そのうち聞いてみたい。  もう一点だけ、批判されることも少なくない本作のテーマ面について、私は監督の「歴史を肯定する」姿勢には賛意を表したい。人間と、人間の生業(としての歴史)は、全て多面的なものであると思っている。本作は決して、歴史の負の側面を虚飾で覆い隠そうという作品ではない。清濁併せ呑み、醜さもさらけ出した上で、ポジティブな側面を力強くかつノスタルジックに描いた本作は、テーマ面の表現についても傑出した作品であると強く感じている。
[ブルーレイ(字幕)] 10点(2020-03-29 02:37:06)
68.  黒猫・白猫
気が付くと、珍しく幾度も観直しているという作品。溢れ出る生命力を浴びることで、明日への活力を分けて貰えるような気がするからだろうか。この映画の登場人物の様に、愉快に、力強く、無頓着に歌い踊る様に生きてゆきたいと、無意識に願っているのかもしれない。  とは言え、クストリッツァの才気炸裂・真骨頂な内容は、一見は適当なようで細部まできめ細やかにつくり込まれた実に高い完成度を誇る。今作ではそれをコメディ面に全振りしており、とにかくとてもユニーク・唯一無二な「笑える」要素が満載。しかし、何と言ってもこの作品の魅力は、これこそが「生きてる」ってことだという様な登場人物(あと動物)たちの無軌道で型破りな活力・生命力だと思う。何度見てもこう思う、「人生は、生きることは素晴らしい」と。
[DVD(字幕)] 9点(2020-03-28 18:24:58)
69.  ドイツチェーンソー大量虐殺 《ネタバレ》 
見た目の話だけをすると、ドイツ版『悪魔のいけにえ』、ただしチェーンソーは出て来れどレザーフェイス的なのは出て来ない。グロ描写も総じて超チープなスカタン(量は結構多いけど)。展開運びも全体的に相当に訳ワカメで、単純に映画として観る場合の価値は決して高くない(頭に火を付けるウド・キアーが多少ユニークなくらい)。  真の問題・論点はやはり、無辜の東独移民を西独民が無差別に虐殺しまくると言うテーマ部分のインモラルさであろう。ドイツの東西統一直後の作品ながら、本作には東独民に対する純粋な憎悪(彼らの西への流入によって雇用が奪われることへの理性的な批判であるとか、分断された民族の同族嫌悪的なエクスキューズだとかを感じさせない、ゴキブリに対するかの様な根源的で救い様の無い感情)しか感じ取れない。本作のグロ描写は、シンプルにグロ映画が好きだから映像的にチャレンジしていると言うよりは、本当に東独民が憎いが故に奴等を挽肉にしてやりたいという意味で挿入されているのであり、だから描写のチープさはある種問題の外なのである。  何故、シュリンゲンズィーフは本作をここまでラディカルに撮ったのであろうか(売名行為ならばまだ「救い」はあるが、本気でやっているなら間違い無く彼は病気だし、彼を生んだ西ドイツ映画界・社会も病んでいるのだと思う)。放送禁止系の映画としては、ある意味で稀代の一作。
[DVD(字幕)] 2点(2020-02-24 23:55:33)
70.  悪魔のえじき/ブルータル・デビル・プロジェクト 《ネタバレ》 
少々古い話だが、いわゆるドイツの三大鬼畜監督(若しくは鬼畜四天王)の中でシュナースの手腕というのは群を抜いてスカタンで、彼の映画には率直なトコロ観る価値を持つモノが殆ど無いというのがほぼ常態だと言ってよい。後年、あまりの製作費の無さに血糊を使えず代りに粉を使用するなど、(色々な意味で)涙なくしては観れない程の有様に陥ってゆくが、中で唯一本作のみがそんなシュナースの作品として立派に観る価値を持つ作品に仕上がっていると言えるだろう。  何より、物量が段違いである。3分に一度は人体を破壊しなければならないルールでも在るかの如く、無暗矢鱈にグロ描写が挿入されまくってゆく。かつそれらには(似た様な描写も多いとはいえ)それなりにオリジナリティ有る描写も豊富で、そこそこ飽きずに観てゆくことが出来る。序盤の4人同時ギロチン斬首、腹だの顔面だののフック皮剥ぎ、果ては尻フックからの脊髄抜きなど、グロ的にはまずかなり見所の多い作品だと言うことが出来る。  このとおり、前半はひたすらグロ描写のオンパレードに終始し、もしこのノリで後半もつくっていたら恐らく失速したであろう所を、一転して悪ノリで突っ走ってゆくのが本作が成功している第2の要因である。ゾンビ・忍者カンフー・ランボー的なドンパチ・果てはジェイソンに空飛ぶギロチンと、使いたいモノをとりあえず全部入れてみました!(クオリティは、知りません!)な無責任なノリが、今作では非常に秀逸なテンポを生み出しており、この手のストーリーの無い映画としては異例なまでに、むしろ後半になるほど尻上りに面白さ自体は増していくのである。  個人的な結論を述べる。映画というのは、まずとにかく自分の好きなモノを撮るべきなのだ、と。ある種奇跡的な本作を観るにつけ、そうとしか言い様が無い感傷を私は抱くのである。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2020-02-19 00:52:51)
71.  テロ2000年集中治療室 《ネタバレ》 
『ドイツチェーンソー大量虐殺』の続編的な作品だが、単純な映画としての出来の部分は俳優の質、音楽、アクションに至るまで全般に改善され、展開運びもかなり分かり易く、かつ(若干のコミカルさもあって)だいぶん観易くなっている。一応、ポーランド移民を虐殺するネオナチという一本の軸が有るものの、その他にもインモラルな性描写、更に広範な差別的描写、加えて汚物など、様々なタブーに挑戦しているという側面があるかと思われる。一方で、その雑多な感じが前作にみられた原理主義的かつ極めて尖鋭的な「ネガティブな”熱量”」を損なっているかも知れない。結果、心に突き刺さるものの無い、ただ下品な作品という様にも感じる。
[DVD(字幕)] 3点(2020-02-04 20:46:09)
72.  女虐 悪魔の悦び<OV> 《ネタバレ》 
C級和製スプラッタ(かなりチープ)。ただグロ描写が中々奇抜・独創的でグッド(分量は極めて少ないが)。ストーリー・演出は凡庸だが(前半はとてつもなく退屈)、実は雰囲気は嫌いではない。
[DVD(邦画)] 5点(2020-02-04 20:42:55)
73.  マングラー 《ネタバレ》 
プレス機に近づかなければいい話なので、中盤まではショックシーンは有れど展開自体はかなり地味。しかし終盤、悪魔が本気を出し始めて以降はかなり派手な展開で少々ビックリ。ショボいCGが使われているが、暗闇を利用して粗さを上手く消し、意外にそこそこ良い効果を上げている。加えて、圧搾グチャグチャ死体のグロ度が中々でこれも良い見どころ。まずまずのホラー。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-02-04 20:36:00)
74.  三月のライオン 《ネタバレ》 
決して小綺麗ではない(どっちかつーと小汚い)無機質な都会の情景を背景としていながらも、どこか詩情的で独特なノスタルジックさを醸している雰囲気はまあまあ面白く、加えて色々と映像的な面白さも無くはないと言える。しかし、話の方はほぼほぼ無内容と言ってよいレベルに希薄で、これが2時間の尺になっている必然性が感じられない。終盤は流石にそこそこ面白くもあるのだが。
[DVD(邦画)] 5点(2020-01-04 22:53:27)
75.  北斗の拳(1995) 《ネタバレ》 
質感はC級映画と言う程ではなく、時代相応のB級映画程度のクオリティは整っており、セットや全般的な演出もそこまでチープではない。ほぼ白人なキャスト陣も(何故か無意味にユリアだけ日本人なのもよく分からないが)特にケンシロウの俳優は筋肉も素晴らしく、全体的にそこそこ頑張っている様にも思う。そもそも原作のコンセプトが「マッドマックス+カンフー」ということで、要はカンフーがこの映画のキモだと思うのだが、序盤はかなりショボく見えたが(北斗百裂拳!(ペチペチペチペチ)には思いっ切り吹いてしまった)、終盤の大盤振る舞いな見せ場では、合格点とまでは行かないがこれもそれなりに頑張っており(主演男優はプロのキックボクサーらしく、蹴りはそこそこ)、率直な評価として「『北斗の拳』の映画化」という意味では全くの無価値な映画という程に酷い作品ではないと思う。  問題は普通に映画として観た場合で、北斗の拳を熟読している私でさえ(話の大筋はともかく)細かい部分は何がどうなってるのかサッパリ分からない非常に適当な展開運び&設定で(かつ状況説明も殆ど無いし)、これをアメリカ人にいきなり観せたら、それはそれは残念な事になるのは必然的に明らかである(映画単体としては救いようの無い程にポンコツ)。  後は、この「『北斗の拳』の映画化」という非常に「無茶な」試みに対し(そもそも映画化できる題材ではないと思う)、各々がどれだけハードルを下げられるかに全てが掛かっているのだと思う。まあ、本作で一番「印象に残った」シーンは「リュウケンを『射殺』するシン」だったと言う時点で(失笑)、高が知れているのは否めないが。
[インターネット(吹替)] 3点(2019-12-14 00:47:39)
76.  牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件(188分版) 《ネタバレ》 
最大の特徴として、クソ長い上に非常に分かりにくいという作品で、説明的描写が全編通してとにかく少ない。まず登場人物の名前からしてサッパリ分からない(分かりやすく名前を呼ぶシーンなど無い)。背景の説明もほぼ無いので、登場人物が不良グループに属するという点も正直分からない(グループの名前が「小公園」つーのが理解が激ムズな展開上のポイント)。更に中盤ではグループ間で人間関係が入り乱れて展開するため、これも正直サッパリ分からない。もう一点、遠目で仄暗いカットが多い(人物単体のズームなどはほぼ無い)ことからも、顔的にも誰が誰だか分かりにくい状況に拍車がかかっている。置いていかれてしまうとクソ長いから非常に辛いので、あらすじサイト等をこまめに確認する等、工夫して鑑賞することをお勧めする。  ただし上記の難点を除けば(除いていいのかという問題はあるが)間違いなく傑作と言える作品である。長尺ながら極めて丹念・精密に積み上げられた構成・演出のハイクオリティぶりも然ることながら、最大の長所として「時代を切り取った」映画として非常に上質であることが挙げられる。  ①暗い世相を再現しながらもどこかノスタルジックで爽やかな素晴らしい青春の雰囲気 ②説明的な演出を排する等でリアリティある描写を極限に追求すると同時に、遠目のカット構成が非常に多いことで人物中心というより風景・情景・雰囲気を捉えている時間が多く、時代を追体験する効果を高めているようにも感じる  その上で、主筋はダレずに終盤に向けては中々衝撃的な展開で、かつそこからのラスト・余韻も優れており、長いが素直に観て良かったと思える映画なのは間違い無い。青春映画としては個人的には最高傑作。
[インターネット(字幕)] 9点(2019-11-29 01:23:51)
77.  ロボコップ3 《ネタバレ》 
3作目は全然ロボコップの話ではない(オムニ社vs一般市民)。そもそもの話の大枠に非常に疑問がある上に、細かい展開運びや演出も随所で?だらけで、シナリオはハッキリ言って極度に不出来(特に許せないのが、若いお姉ちゃんとリプレースしたいがためにアン・ルイスを無駄かつ謎に殺した点)。アクションも実に平凡。一撃必殺のシリーズクラッシャーと言える。
[インターネット(字幕)] 3点(2019-11-27 23:35:53)
78.  ハムレット(1996) 《ネタバレ》 
原典の台詞を全て使うなど原作に忠実な映画化なので超長時間になっている。演技も舞台さながらに大仰で全編通してかなりハイテンションが続くが、普通に演られると(長いから)確実に寝るので演出としてはしょーがない気がする。その上で、映画として成立するか否かはその大袈裟な演技を成立させる役者の質に有る所だが、豪華キャストもあって演技面はまずまずと言ってよい出来ではある。他にも良い点としてセットや衣装などがかなり豪華であり、結論、古典の映画化としてそれだけで十分に価値の有る作品であるのは間違い無い。  ただし、真に映画として成立しているかは微妙な所で、いくら演技が良いといってもワンパターンで矢鱈長いのばかりで大いに食傷するし、あとオフィリアがいつの間にか死んでるのも原作どおりなのだろうが映画としては工夫が無い(オペラでは演出されているのに)。更にそもそも、実は話の中身自体正直そんなに面白くない気がする(好みの問題だが)。観て良かったかと言われると微妙。
[DVD(字幕)] 6点(2019-11-27 21:59:01)
79.  71フラグメンツ 《ネタバレ》 
ある事件とそこに至る過程を(加害者・被害者の両面から)断片的な映像を積み重ねる手法で描き出そうとした映画。明確なストーリーがある様には一見は見えないつくりなのだが、取り留めなく映像を繋げているようで、そこに閉塞した社会情勢や、それを背景に異常な犯罪に至る衝動的な動機を巧みに分析・解釈して表現として結実させる手腕は天才的と言える。一級品のアート系と言える傑作。
[DVD(字幕)] 8点(2019-11-23 11:56:13)
80.  ファニーゲーム 《ネタバレ》 
意図的に観客を不愉快にするためにつくられた映画。中盤は間延びしており、単純に退屈でもあり、本当にただただ不快なダケ…という。アヴァンギャルドと言ってしまえばソレまでなのかも知れないが。。。  以前、ホラー映画の監督連中に話を聞いていくというドキュメンタリ映画を観た中に、映画祭の舞台挨拶で観客と喧嘩になった話をする男が居たのだね。口論の末、怒り狂った観客は彼に向って「この人でなし!ミヒャエル・ハネケ!」と言い放ち、その男の方も「俺はあんな上から目線の変態じゃない!」とマジギレしたという。ここでいうその「上から目線の押し付け」こそがハネケの最大の特徴だと私も思っているのだケド、もし本作に「人を不愉快にする」以外に何らかの価値が有るとすればソレはおそらく一種の啓蒙、つまり、ヴァイオレンス映画を娯楽として消費するコトに何の疑念も持たない現代人へのハネケという賢人からの「警告」である、と。ソレ自体はまァ分かるツモリで掛かるなら(少なくとも何となくは)分からなくもない気もする、が、個人的にはソレだってソレこそ何様だテメーは!というコトでしかねーとも(また)思うのだよね。  以下、私なりの映画論(映画の在り方の基本的なトコロ)を僭越にも語らせて頂くなら、作品は映画である以上、その上映時間の中に何らかのオンリーワンな価値を残すべき(≒残そうとするべき)だとまずは思う。そして、観客を不愉快にするだけの映画などを今まで誰もつくったことが無かったのは、そんな映画にそーいう価値が明らかにナニも無いからである。本作には、過去から現在に至るまで一貫して無価値と断ぜられた「不快を齎す」という以上の何らかは本当にナニも無い(取り分けてユニークなモノは)。件の「啓蒙」についてさえ、コレは屁理屈を捏ねるのが巧い輩が思いついたコジツケを皆(とゆーかハネケ信者)が有難がって崇めているダケだと思っている。何故なら、もし本当に愚民への道標たることをハネケ本人が意図しているのであれば、もっと万人に伝わるような工夫をこの2時間の中にも盛り込めば好いではないか。まァこの「分かる人にだけ分かればいいよ」てのが正に「上から目線」なハネケ流そのものだ、とも思うのだケド、個人的にはどこまでも、クリエイターとしてはそれじゃ駄目ジャン!(基本的には)と思っているのですね。殊に、こんなに観客をネガティブにさせておいて、でも実はソコには高尚な意図が在って、なのにスタンスとしては「分かる人だけ分かりゃ好い」はも~「罪」ですよ爺さん!(人をあまりにも馬鹿にし過ぎだ)とね。
[DVD(字幕)] 1点(2019-11-21 22:43:04)(良:1票)
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