61. 鳩の撃退法
《ネタバレ》 よくわからない話。偽札が巡り巡って一周してしまう面白さがあるのかもしれないが、このネタは落語からの剽窃ではないか。わかりにくい脚本で正直退屈してしまった。西野七瀬の太腿が唯一の見どころ。興行成績がどうだったのか心配。 [インターネット(邦画)] 2点(2023-07-22 14:46:55) |
62. 騙し絵の牙
一つ一つの絵をしっかり作っているのが素晴らしい。例えばきちんと必要なだけのエキストラを集めて、記者会見や行列、パーティーにリアリティを与えている。ストーリーもそれなりに飽きさせないし役者もみんな上手い。松岡茉優は本当に何でもできるいい役者だと思った。ただ、出版や文学についての話で終わってしまっていて、人間ドラマに深みが無い、別の言い方をすると人間を深く掘り下げていない。エンターテイメントとしてそこが物足りなかった。 [インターネット(邦画)] 6点(2023-07-21 00:26:13) |
63. バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版
《ネタバレ》 納得いかないことばかり、見るだけ時間の無駄だと思う。最初の謎の提示がわかりづらくて物語に引き込まれない。とにかく人が次々と死んでいき、最後に探偵以外みんな死んで終わり。しかも死因が大地震では感動したくても無理というもの。 [インターネット(邦画)] 2点(2023-07-20 20:25:04) |
64. 子宮に沈める
《ネタバレ》 後味の悪さは天下一品。全編音楽無しの構成が重くのしかかる。子供目線のローポジションの多用で徹底したリアリズムを追求したような映像だが、幸ちゃんの顔色がいつまでも健康的だったり、おむつ交換をしていない蒼空君が泣きわめくわけでもなくスヤスヤ眠っていたりと気になる点も多い。とくにラストの死体の幸ちゃんはあまりにも不自然、血圧ゼロなら頬はコケて顔は土色になっていなければいけない。あれではスヤスヤ寝ているようにしか見えない。結局、事実を羅列しただけで、脚本としての起承転結もない。はたして誰がお金を払ってこの映画を見に行くのか、途中から興行成績がものすごく不安になってしまった。 [インターネット(邦画)] 5点(2023-07-17 18:45:13) |
65. さがす
《ネタバレ》 素晴らしい映画。まず、映像の色調が素晴らしい。きちんとシリアスな話をしますという監督の姿勢が伝わってくる。巧みに時系列を交差させながら最後までまっすぐに進んでいく脚本。エンターテイメント性も十分に持たせながら最後の最後に真っ当な楓の心で作品世界を厳粛な色に染め上げている。減点のしようがないと言いたいがひとつだけ。楓は山内のジャージと父の携帯を奪い取ったのだから、その時点で警察に駆け込めば山内の指紋もDNAも採取できたのではないか。山内は8人殺害の重要指名手配犯なので、いくら子供の訴えでも山内の指紋がでれば警察は全力で山内と原田智の行方を捜したはず。聡明な楓がそうしなかったことで話の説得力が減じてしまった。すいませんマイナス1点。 [インターネット(邦画)] 9点(2023-07-15 14:03:46)(良:1票) |
66. 寝ても覚めても
《ネタバレ》 脚本がしっかりしているから、最後まで飽きさせない。そこに、映画的な構図のカットと東出、唐田のしっかりした演技が加わって、突拍子もない設定にちゃんとリアリティーを与えたことで、実感の伴った普遍的な恋愛物語となっている。 また、最後の追走シーンをロングショットで長回ししたり、登場人物の心理をセリフではなく構図や映像で表現したり、濱口監督が過去の名作映画をリスペクトしているのが画面から伝わってくる。北野武のDollsを想起させる携帯電話の投棄シーンが印象的だったのもその一例だ。猫の使い方も上手いし、岡崎の母親のエピソードも、しっかりと朝子の二股の答え合わせになっている。 良平の「水かさが増している」「きったない河やで」のセリフに対して、エゴイスティックな自分の本心を骨の髄まで舐め尽くした朝子がつぶやく「でも、きれい」の一言はみごとなラストシーンだと思う。唐田えりかは体の演技ができるし背中の演技も上手い、ぜひ復活して大成して欲しいと思う。 [インターネット(邦画)] 9点(2023-07-14 21:42:13) |
67. 科捜研の女 -劇場版-
《ネタバレ》 脚本が面白くない。たいして面白くない話をBGMで繋いで最後までなんとか飽きさせないようにしている感じ。殺人の動機もちゃちだし、実際の殺害方法もあまりにも現実離れしている。第2の殺人については、2階から飛び降りても人はほとんど死なないということを無視している。満載の突っ込みどころを全部無視して沢口靖子を見るためだけに映画館に行く人がどれだけいるのだろう。この映画を見に映画館へ行った人はテレ朝のTV版のファンだけなのだろうと思ってしまう。 [インターネット(邦画)] 3点(2023-07-13 17:55:53) |
68. 凶悪
脚本がしっかりしていて飽きずに最後まで楽しむことが出来た。カメラも落ち着いた構図でしっかりと撮っていて、画面の色調も素晴らしい。気になったのはピエール瀧の演技、本当に人を殺しそうな怖さが感じられなかった。どこか人の好いチンピラに見えてしまい、次々と人を殺していく狂気や怖さが無かったのが残念。山田孝之とリリーフランキーの演技はツボにはまって良い感じだった。私の一番好きなタイプの映画だけに、もう少し何かカタルシスのようなものが無いといまいちに思えてしまう。オチが弱かったのもカタルシスが得られなかった原因だと思う。 ただ、ジジ・ぶぅをはじめ、村岡希美、吉村実子他、脇を固める俳優陣の演技は素晴らしかった、作品に真に迫るリアリティーを与えていたと思う。 [インターネット(邦画)] 6点(2023-05-21 22:24:49) |
69. 罪の声
《ネタバレ》 原作未読です。ものすごくよかったです。2時間20分を飽きさせない脚本に加えて役者たちが全員すばらしい演技でした。とくに聞き込みに行った先々で、ちょっとだけ出番があった役者たちの役作りが完璧でこの映画を安っぽいフィクションではなく、リアリティーのあるドラマにしていました。素晴らしいキャスティングです。グリコ森永事件を題材にしている以上ちゃちな脚本では突っ込みどころ満載のしょぼい映画になりかねないところをきちんと説得力のある物語にしていたのは素晴らしかったです。ラストのテーラーの室内シーンからパッとエンドロールに切り替わるのも良かったです。俯瞰の街並みが映ったりしなかったのは素晴らしい。いい監督だと思いました。 それにしても、真犯人達雄が子供たちは幸せに生きていると思っていたのが笑止千万です。たった300万円の金をつかませて逃がしただけで、その後の人生がまっとうなものになると考えていたとしたらまさに世間知らずの革命家であり、この犯人にしてこの犯罪ありと思ってしまいました。説得力のある犯人造形で見事です。 過不足無い美しく丁寧な映像も作品の内容にマッチしていました。 [インターネット(邦画)] 9点(2023-05-14 21:23:44) |
70. マスカレード・ナイト
《ネタバレ》 謎の提示の後、飽きさせない展開で最後まで見ることが出来た。ただ、オチが弱くて真犯人があまりパッとしない。なんだいあんたかよといった程度で終わってしまった。それから、音楽がなんとも単調なタンゴの繰り返しに終始してしまって物語の緊張感を削いでしまうのには困った。 ただ、木村拓也が思っていたよりもいい役者だった。一つ間違えば陳腐になってしまう言い回しを上手くさばいて最後まで引っ張って行ってくれた。 [インターネット(邦画)] 5点(2023-05-13 20:49:49) |
71. 名探偵コナン 緋色の弾丸
《ネタバレ》 コナン君初見です。脚本でぐいぐい引っ張っていこういうことは伝わってきた。伏線の描写に続く謎の提示と解決の繰り返し。それなりに飽きさせないストーリーになっているが、どうしても我慢できなかったのが、絵のへたくそさ。人体デッサンがしょぼすぎて我慢の限界。ストーリーもラストは昔からよくある暴走列車ネタになってしまった上に、あれだけ派手に脱線したのにかすり傷だけで無事な主人公。すっかりしらけてしまいました。暴走列車はどうやって安全に止めるかがキモなのに、全然安全に止まってないよね。 [インターネット(邦画)] 2点(2023-05-13 00:12:47) |
72. 蛇にピアス
小説は発表当時読みました。なんとも後味の悪い作品で、中身が無いと思ったものですが、今回の映画も中身が無いように感じました。冒頭のアマの一言であっけなくルイがスプリット・タンを実行するのがなんとも不自然で、えっ何で・・・となってしまいました。 役者の3人が素晴らしい演技で何とか作品を引っ張っている感じですが、原作と脚本にグイグイ引っ張て行くだけの推進力が無いため映画として中身のないものに感じてしまいました。 [インターネット(邦画)] 3点(2023-05-10 01:20:35) |
73. 椿三十郎(2007)
《ネタバレ》 黒澤明版とまったく同じ脚本を使って、カメラアングルもほとんどそのままにリメイクした意味は何なのだろう。何せ脚本が抜きん出ているために映画そのものは見ていて飽きさせない、そして、面白い。ただ、こうなると役者の差が顕在化してしまう。不世出の天才三船敏郎と織田裕二では勝負にならない。頑張った織田裕二には悪いが、月とスッポンだと思う。仲代達也と豊川悦治も月とスッポンだ。でも、脚本の面白さで2時間飽きずに観れてしまう。ぐいぐい引っ張っていく脚本はやはり素晴らしい。黒沢版の突っ込みどころである何故あそこで椿三十郎を切り捨てずにわざわざ手間暇かけて縛り付けるのかという点がそのまま突っ込みどころとしてあるが、それよりも俳優陣の貧弱さゆえにかえってその突っ込みどころが目立たないという珍現象が起きている。何はともあれ脚本に7点。 [インターネット(邦画)] 7点(2023-01-25 00:17:38) |
74. ドライブ・マイ・カー
喪失と再生の物語。村上春樹の本領発揮といった内容だが、映画化は難しいと思われるのに、それをきちんとやってのけた。丁寧な描写と、音楽の流れる場面を極端に少なくすることで、難しいテーマを表現するのに成功していると思う。役者たちはみな素晴らしい演技だが、奥さん役の霧島れいかの演技はとくに見事だったと思う。飛行機内の小さな画面で見たのが悔やまれる、映画館で見ればよかった。ただ、ラストのシークエンスだけが意味不明でちょっと困ってしまったのでマイナス1点。 [インターネット(邦画)] 9点(2022-11-09 23:37:49) |
75. パラサイト 半地下の家族
3年前に映画館で見たときは字幕で見た。今回PCで吹替版を見た。吹替版の方がコメディー色が強くなって、素直に笑える場面が多かった。残酷なシーンの意図はよくわからないが、とにかくも息子である主人公はこの惨劇を通して、父親の尊厳と、人間にとって何が大切なのかに気づきひと皮むけて成長した。息子の成長譚としてきれいにオチがついているので、それなりに評価できる映画だと思う。 [インターネット(吹替)] 7点(2022-10-17 16:45:25) |
76. さかなのこ
《ネタバレ》 さかなくんの成功憚、さかなネタで成功してよかったねというハッピーエンド。随所に映画的な仕掛けがあってまったく飽きさせない進行は素晴らしい。さかなくんの役は、のん以外では誰もできないだろう。だけど、大多数の人間は好きなことを続けても報われることなく哀しい人生を全うすることになる。その多くの哀しい人達はこの映画を見て少しは救われるのだろうかと思うとはなはだ疑問だ。さかなくんは特別だよねで終わってしまう気がする。 [映画館(邦画)] 6点(2022-10-14 15:59:16) |
77. 護られなかった者たちへ
生活保護に東日本大震災、とんでもなく重くて大きなテーマに真正面からど真ん中に直球を投げ込んだ映画。やはり内容のシリアスさに対してこういう直球勝負を挑むと現実はそんなもんじゃあねえよという気がしてしまう。もっと意表を突く切り口かシュールなアートに逃げる方が賢明かもと思ってしまう。なんにしても倍賞美津子は本当にいい俳優になったと思う。阿部寛ほ安定して演技が上手い阿部でないと映画が滑ったかもと思ってしまった。 [インターネット(邦画)] 5点(2022-10-12 17:00:01) |
78. 台風クラブ
《ネタバレ》 中学生がそれぞれ抱えているであろう悩みが分かり辛い、顔と名前がなかなか一致しないままに終わってしまった。三上君は死んだのかどうかもわからない。ただ、土砂降りの雨のシーンでカメラのレンズに水滴がつかない点や、安定したカメラアングル、闇の描写など素晴らしかっただけになんとも中途半端な印象で終わってしまった。 [インターネット(邦画)] 4点(2022-09-30 16:16:09) |
79. この世界の(さらにいくつもの)片隅に
以前、映画館で「この世界の片隅に」を見たときは衝撃的だったし感動した。しかし「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」になって映画としての叫びというか密度というかスケールが小さくなった。無駄に長くしてしまって平凡な話になってしまった気がする。 [インターネット(邦画)] 6点(2022-09-29 13:23:10) |
80. 永遠の0
《ネタバレ》 漫画版を読破後に見ました。漫画は大変面白かったので映画の方はきっとイマイチだろうと思って見たけどそれなりに楽しめました。 ラストの終わらせ方が上手かったと思います。漫画だと宮部は爆弾が不発で犬死してしまい、なんとも後味の悪い印象で、それが生き残った者の生をより一層際立たせる効果がありましたが、この映画では宮部の死の直前でぶった切ることでカタルシスを観客に与えることに成功しているように思います。 俳優陣もよい演技だったと思います。とくに、生き残った戦友たちが豪華で演技も申し分ない。ただ私は三浦春馬の演技力がいまいちに思えました。 [インターネット(邦画)] 6点(2022-09-27 12:34:42) |