801. キック・アス
《ネタバレ》 痛快。とても面白かったが、R-15指定の意味もよく分かった。少女が何の躊躇もなく、軽快に、そして惨たらしく大人を殺していくのは恐ろしい。洗脳という言葉も出てきた通り、それは本当に自分の意思なのかい…と思っちゃう。組織への恨みから、娘を殺人マシーンにように育てたビッグ・ダディはやはり異常者。復讐は自分だけでやりゃーいいのに。続編も作られるようなので、ミンディをどういう方向に持って行くか見守りたいところ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-09-26 17:34:36) |
802. テキサスの五人の仲間
《ネタバレ》 自分から入っていったギャンブル中毒の旦那はともかく、完全に巻き込まれた形の奥さんには同情してしまった。どんでん返しについては加点もしないし減点もしない。驚かされた反面、しらけた面もある。とにかくポーカーが面白かった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-09-26 17:32:10) |
803. ジャッカルの日
ジャッカル、ルベル、双方のキャラが立っていたという事だろうか、「追い詰められていく」「追い詰めていく」、どちら目線で見ればいいか迷ってしまったが、とにかく見応えがあって面白かった。満足、満足。杖にもなる銃、ほしいな~。 [DVD(字幕)] 7点(2011-09-25 18:02:38) |
804. イエロー・ハンカチーフ
《ネタバレ》 思ったより忠実なリメイクだったが、オリジナルで武田鉄也が演じた役に当たるゴーディが若干危ない人っぽくなっている。ゴーディは軽いとはいえない悩みを抱えているし、性格も明るくは無い。盛り上げ役を欠いた結果、オリジナルより静かで、スマートな映画になったという印象。ウィリアム・ハートは高倉健のような渋さは無いが、役から考えると悪くない出来。悩みを抱える者同士が旅を通してそれぞれ良い方向に進めたということで、爽やかな映画ではあった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-24 15:31:53) |
805. 抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より
《ネタバレ》 初ロベール・ブレッソン。脱獄ものだが、穴を掘るのではなく、ドアを解体していく…。地味な感じがするが、これがリアルというものか。ジョストを信じるか、殺すか、というフォンテーヌの迷いにもドキドキさせられた。少し中だるみしているのが残念だが、いよいよ脱獄決行となってからは圧巻。見事だと思ったのは歩哨を殺す場面。襲いかかった後、カメラをあえてそちらに移さない。数秒なのだが直接見る事ができず、待たされていると、その間、不安な気持ちが一気に増幅される。こういうところ、上手いな~と思う。ラストも余韻を残す素晴らしいものだ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-23 00:00:21) |
806. この森で、天使はバスを降りた
《ネタバレ》 すごく雰囲気がいい映画で、途中までは傑作に出会えた気がしてたのに、終盤のトンデモ展開にはびっくりした。実話なのだとしたら受け入れざるを得ないが、やはりフィクションらしいので、これを得意げに書いた脚本家がいるかと思うと寒気までしてくる。某証券会社の昔のCMで「人は未来を予測する時、最良と最悪の出来事ばかり思い出してしまう」「滅多に起こらない出来事は、滅多に起こらないのに」というフレーズを目にしたが、この脚本を書いた人は強引だと言われようと何だろうと、どうしても最悪の結末にしたかったようだ。それで泣かせようたって、そうはいかん。あの「コンテスト」も本当に合法なのかどうか気になるところ…。 [DVD(字幕)] 5点(2011-09-21 00:16:52)(良:1票) |
807. 幸福の黄色いハンカチ
山田洋次監督で、高倉健、倍賞千恵子コンビ+武田鉄也といえば「遥かなる山の呼び声」があるが、「遥かなる~」の方が高倉健の使い方としては正しい気がする。こちら「幸福の黄色いハンカチ」の高倉健は欽也から「女々しい」と説教されるくらい煮え切らないところがあって魅力は劣る。欽也もいけ好かない奴だが、だからといって車に乗せてもらっている立場で、態度がでかいのも何か違う気がするし。まぁ、何だかんだでハンカチには感動させられたんだけども。倍賞千恵子の幸薄女役は本当に上手いな~。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-09-20 20:31:38) |
808. 泥の河
原作者にとっても監督にとっても1950年代は少年時代に当たるが、懐古ではなく貧困の悲しみを描いている。そして少年が好むと好まざるとにかかわらず世の中の影の一部分を知り、成長していくという事だろうか。何ともいえない余韻を残す…。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-09-20 20:30:17) |
809. L・B・ジョーンズの解放
《ネタバレ》 ウィリアム・ワイラー監督の遺作。ある黒人夫婦の離婚問題…、妻の浮気相手である白人警官が裁判沙汰になる事を恐れ、二人に圧力をかけていく。スリルな展開もあり、退屈せず観られる一本。オーマン弁護士は味方になってくれるかどうか最後まで分からなかったが、恐ろしい結果になってしまった。後味は悪いが、この後味の悪さこそ人種差別の愚かさを表しているのだろうか。これはこれでしっかり受け止めなきゃいけないと感じた。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-18 23:00:21) |
810. 禁じられた遊び(1952)
《ネタバレ》 ブリジット・フォセーの演技が神がかり的で涙腺を刺激してくる。「遊び」については少し難しい。考える余地を残したような感じ。最後、ポレットはミシェルと引き離されたことで、急に孤独感に襲われ、死の意味について感じ取ったような、悲しい表情を見せる。改めて戦争は惨い。 [DVD(字幕)] 7点(2011-09-17 14:02:15) |
811. パラレルライフ
この映画を見て思ったのは映画監督や脚本家のつらさ。既存の映画とは違いを出さなきゃならない、しかし新しいものを生み出すのはそう簡単じゃない。ならば組み合わせて…というような、変な例えだけど「肉じゃが」と「焼きそば」を混ぜて、「新しいメニューが完成した」と言っているかのような、つまり「パラレルライフ(平行理論)」だけでも十分面白くなるはずなのに、他の要素を複雑に絡ませて、逆に損してるんじゃないかと…。この複雑さが楽しい人もいるだろうが、自分は混乱してしまい、驚きどころ?でもあまり驚けなかった。残念…。しかし、俳優陣の演技、映像等は高いレベルにあると思う。5点で。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-09-14 19:01:22) |
812. 放浪記(1962)
原作未読。ふみ子は男運が無く、仕事も長続きしない。だから当然貧乏だし、苦労も多い。一方でふみ子が持つ強さというか図太さが面白くもある。刑事にしょっぴかれても平然とした顔で「面白いわ、何でも経験になって」と言ってしまうあたり、苦しい環境で生きてきた女の強さと、作家の気質がよく表れていたんじゃないかと思う。そんなふみ子を高峰秀子が演じたわけだが、何だかいつもと違う感じで驚く。高峰秀子が「高峰秀子オーラ」を消しているというか、そこにいるのは大女優ではなく、ふみ子なのだと思える出来。脇も田中絹代、宝田明、加東大介、草笛光子、仲谷昇、伊藤雄之助などまさに適材適所な配役で素晴らしい。小林桂樹は無駄遣いかもしれないが、それはそれでありがたい。ちなみに「でんぐり返し」は出てきません… ちょっと期待してたんだけど。 [DVD(邦画)] 8点(2011-09-13 18:38:08) |
813. 利休
三國連太郎、山崎努をはじめ、脇も媚びたようなところが無く、実力派キャストで丁寧に作られた映画という印象。しかし地味というか、盛り上がりを欠いた面もあると思う。三船版「千利休 本覺坊遺文」も併せて放送してくれると嬉しかったのだが…。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-09-12 22:00:19) |
814. 四人の復讐
巨匠ジョン・フォード監督作品。「四人の復讐」とは言っても、復讐までの黒幕探しがメイン。意外と明るい作風で、リンとのラブストーリーも悪くは無いが、どんな復讐をするんだろう…と、そこを楽しみにしていた為、やや期待外れに終わってしまった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-09-11 18:08:26) |
815. 「通夜の客」より わが愛
小津映画で親子を演じたこともある佐分利信と有馬稲子が不倫関係にある男女を演じた。物語は新津(佐分利信)の通夜に現れたきよ(有馬稲子)の回想から始まっていくが、17歳の女の子がなぜ新津のようなおじさんに惚れたのか説明は無い。「大きくなったら浮気をしようね」なんて言葉が飛び出すエロオヤジに愛情を募らせるなんて、なかなか理解しがたい訳だが、山での暮らしが始まってからはもうそんな事はどうでもいいと思えてきた。好きなものは好きなんだから仕方ないと…。そして、この暮らしがそう長くは続かないと分かっているだけに、切なさも感じられるのが良い。この手の演出がプラスに働いた好例ではないかと思う。美しい風景やきよの「通せん坊」も見所のひとつ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-09-11 18:05:21) |
816. バタフライ・エフェクト/劇場公開版
《ネタバレ》 最近の流行りなのか、DVDにはいろいろなバージョンの結末が収録されているらしいが、劇場公開版がその時点での答えとすると、恐らく二人は別々の道を歩んでいくものと思われる。その切なさが画になって素晴らしい。いろいろなオチの中に病院でドクターから言われた「罪悪感からの妄想オチ」が含まれなかったのは監督が妄想、夢オチを否定したと考えて大丈夫かな。何はともあれ、時間を忘れて夢中になれるってのは素晴らしいものだ。興奮と余韻、これぞ映画! [CS・衛星(字幕)] 10点(2011-09-05 17:32:47) |
817. ぼんち
市川雷蔵+豪華女優陣を見てる分には楽しいが、喜久ぼんと何人かの女たちのエピソード自体はそれほど面白いとは思えなかった。大正時代?~昭和初期までのしきたりや考え方などを知る意味では悪くない。 [DVD(邦画)] 6点(2011-09-04 12:31:40) |
818. からみ合い
《ネタバレ》 社長秘書の月給が2万円の時代に3億円の遺産相続をめぐってそれぞれが汚いことをしては、破滅していく。最後に笑う者が誰かは冒頭で明かされているようなものなので、なぜそうなるかってところが本題だが、女は強いって事なんだろうな~。驚きのトリック等があれば、なお良かったと思います。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-09-04 12:30:39) |
819. 吸血鬼ノスフェラトゥ(1922)
初めの方は面白かった。ひとりでに開く扉、中に入ると背の高い不気味なおっさんが立っていて、「ずっと待っていたんだよ、遅かったじゃないか」と語りかける。その屋敷での不気味さは素晴らしく、楽しかったが、「第3幕」から舞台を街だったり船の上だったりに移し、あれれ?という感じ。大人数だと怖さが紛れるから、できれば屋敷内で話が続いてほしいと思った。ノスフェラトゥ役マックス・シュレックの演技、特に表情は秀逸。場面ごとに黄色、緑、赤などに統一された映像も普通のモノクロ映画とは違う味わいがあって珍しかったな~。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-09-03 15:04:51) |
820. 彼岸花
《ネタバレ》 父親が大切に育ててきた娘をやりたくない気持ちは今も昔も同じだろうが、自分が決めた男と結婚させたい父と、父から反対されても好きな人と一緒になりたい娘の対立はこの時代ならでは。その中で二人の間に入ってクッション役を務める母(田中絹代)の優しさがとても印象的。例え防空壕の中であっても家族4人が寄り添って過ごせた時代を懐かしむ…。娘が嫁に行って寂しいのは親なら同じという事だろうか? なんだかんだで幸せを描いた映画であり、微笑ましい演出も多い。ただ、佐分利信は昭和の頑固オヤジを通り越して、大物政治家や財界人などの権力者に見えてくるからちょっと困る。小津映画ってことで言うと、山村聰あたりならどうなっただろうと想像してみたり…。 [DVD(邦画)] 7点(2011-09-01 20:30:16) |