821. マリリン・モンロー 最後の告白
《ネタバレ》 晩年のマリリンに大きな影響を及ぼしたとして有名な精神科医ラルフ・グリーンソン。 その彼とマリリンの生々しい肉声が残された録音テープが残されていた・・・。 そこから浮かび上がる晩年の彼女の様々な人間関係と死の真相という触れ込み。 となると、晩年のマリリンを語る時避けては通れないジャックとボビーのケネディ兄弟などとの関係をはじめ、 彼女の周りでは一体何が起こっていたのか新事実を期待してしまうのですが、 残念ながらあまり突っ込んだものは無く、これまでに読んだ本などで触れられているものとは大きくは変わりませんでした。 「グリーンソン医師とマリリンの肉声テープ」という割には、その肉声はほとんど聞かせてはくれず、 彼女の周りにいた人の証言が挿入されることもない。全編にわたりナレーターの語りで構成されているのも残念でした。 [DVD(字幕)] 5点(2014-11-05 21:39:45) |
822. サザン・コンフォート/ブラボー小隊 恐怖の脱出
未公開に終わっているウォルター・ヒル監督作。キャストも地味で派手さは無く、作品としても全体的に地味。 久々にピーター・コヨーテを見たなあ・・・。と思っていたらあっという間に殺されてしまいました。 戦争コメディのような軽いノリから作品はスタートしますが、それははじめだけ。 画面を通して伝わってくるかのような、どこまでも続く湿地帯、欝蒼とした森のジメジメ感。兵士たちの焦燥感。 姿の見えない敵から命を狙われ次々と命を落としていく小隊の恐怖を、 派手さは無いですが余計なものを削ぎ落としたような迫力ある演出で見せる。 ジョン・ブアマンの「脱出」を彷彿とさせる作品です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-11-05 21:36:34) |
823. マンハッタン
お馴染みのアレン・ワールドが全開の作品。 相変わらずNYのインテリ男女が理屈っぽい会話を繰り広げるアレン流ラブコメ群像劇。 勿論その中心にいるのはアレンです。この手の理屈っぽいアレン映画には、まず俳優アレンの存在が欠かせません。 どんなに芸術も人生も知り尽くしたような口をきくインテリっぽい人間にとっても、時にどうにもならないのが男と女の関係。 事あるごとに子供扱いしてきた17歳の彼女に駄々をこねるようなアレン。 最後は彼女に諭されてしまいながらも神妙な顔でそれを聞くアレンのラストの表情が何とも印象的。 モノクロで撮られた美しいNYの街とガーシュウィンの音楽が何とも素敵な作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2014-10-31 20:22:56) |
824. 荒野はつらいよ~アリゾナより愛をこめて~
《ネタバレ》 寅さんが好きな僕にとっては、この邦題、見に行かずにいられませんでした。 邦題だけじゃなく、キャストもなかなか魅力的な顔触れが揃っています。 オープニングから古き良き西部劇を思わせるクレジットに音楽。 そして雄大な西部の風景が広がる。セスさん、きっと西部劇が好きなんだな。 ただ、冒頭から下ネタ(エロ系にグロ系に…)がバンバン挿入されます。 ちょっとこれがしつこくもあるのですが、他にもパロディにギャグも満載、結構笑わせてもらいました。 全く西部劇の主人公らしからぬセスをはじめ、豪華キャストがうまく機能している。 特筆すべきはシャーリーズ!本作のシャーリーズは本当に魅力的。 西部のならず者を演じるリーアム・ニーソンもいい。 アマンダのちょっと嫌な女役は初めて見ましたが、特徴的な目も思いっきりネタにされながらも頑張っていました。 セスとシャーリーズのロマンスが軸となっているストーリーは意外でしたが、 シャーリーズの好演もあってロマンスとしても楽しめるコメディ・ウエスタンです。 [映画館(字幕)] 6点(2014-10-30 17:18:07) |
825. 明日を夢見て
《ネタバレ》 トルナトーレが故郷シチリアを舞台に、もう1つ「映画」を取り上げた作品を撮っていたんですね。 代表作「ニュー・シネマ・パラダイス」以外にもシチリアを舞台にした映画を何本も撮っているトルナトーレ。 本作も彼のそれらの作品と同じく、ノスタルジックなモリコーネの音楽にのせてシチリアの風土が伝わってくるかのようであり、 ユーモアを交えシチリアの人々の人間模様が綴られていきます。 「あなたを映画スターにしてあげる」という甘い誘い文句でオーディションらしきことを行い、 1500リラを手数料として騙し取る詐欺師、ジョー。 彼が覗き込むカメラの前で老若男女、様々な人々が語るシチリア。 ある者は人生について語り、ある者は日々の暮らしや仕事について、またある者は過去の戦争について語る。 そんな人々の語りからは1950年代のシチリアの人々の暮らしが今に伝わってきます。 詐欺師ジョーと、彼を愛した1人の女。その結末は・・・。 トルナトーレは時に残酷な結末を用意しますが、 本作もまた、彼が過去のシチリアをノスタルジックに描いた「マレーナ」の結末を思い出させられました。 [DVD(字幕)] 7点(2014-10-25 18:47:01) |
826. シュア・シング
《ネタバレ》 「スタンド・バイ・ミー」の前年の製作、ロブ・ライナーの青春ロードムービー。 日本でも公開されているようですが、知名度の低い作品です。 もし本作が「スタンド~」の翌年だったらもっと知名度のある作品になっていたかもせれませんね。 冒頭の学校生活から全く気が合いそうにない男と女がひょんなことからロスまで2人きりでヒッチハイクの貧乏旅行をすることになる。 この2人がどうなるかは青春映画のお約束の展開ですが、こういう映画ではむしろそうならなければならないと思います。 旅の道中のアクシデントもテンポ良く挿入される。 2人が旅の途中、一瞬離れ離れになるかと思いきや、ちゃんとすぐに2人を一緒にしてくれる。 それら1つ1つの描写がベタなんですが、それも青春映画らしくていい。 この頃のジョン・キューザックの青春映画では「セイ・エニシング」を思い出しましたが、 ちょっと不器用でダサくもあるけど勢いがあるのがいい。 この頃のジョン・キューザックにはこういう役が似合います。 [DVD(字幕)] 6点(2014-10-21 20:20:47) |
827. ハート・オブ・ウーマン
《ネタバレ》 新しく会社にやって来た、やり手の職場のボスとなるヘレン・ハントと、 彼女に立場を奪われたメル・ギブソンの恋を軸にしたラブコメ・ファンタジー。 何と言ってもヘレン・ハントが醸し出す大人な雰囲気がとても素敵で、この2人の大人の恋の雰囲気もいい。 その一方でひょんなことがきっかけでメルが周りの女の心の内が全て声になって聞こえるようになったものだからさあ、大変というコメディでもあります。 この心の内が声になって聞こえてしまうという設定、ロマンスとしては×だと思うけど、コメディとしては面白い。パニクるメルの演技も可笑しい。 ヘレン・ハント演じる職場のボスに、コーヒーショップの店員のマリサ・トメイ。 その他にも職場の部下の女性たちに、娘に・・・。 ちょっとメルと絡む女性が多すぎましたかね。この内容で2時間越えは長く感じます。 でも、終盤のメルと職場の内気な女の子のエピソードは心温まるものがありました。 [DVD(字幕)] 5点(2014-10-19 20:05:25)(良:1票) |
828. ブラジルから来た少年
オリヴィエとペック、2人の名優が顔を揃えながらも未公開に終わっている作品です。 やはり製作当時、その内容が問題視されたのでしょうか。 敢えて地味な作風となっていますが、 その分ナチ・ハンターと元ナチスの狂気の科学者を演じるオリヴィエとペック、 名優2人の存在感が引き立っており見応えのある作品となっています。 中でも見どころは大熱演を見せる、悪役が似合わないペックの怪演でしょう。 一方オリヴィエは「マラソンマン」では本作とは逆の元ナチスの博士という役で実に不気味な雰囲気を醸し出していました。 オリヴィエとペック、このキャストが入れ替わっていたらどんな作品になっていたでしょうか? それも見てみたかった気がします。 [DVD(字幕)] 7点(2014-10-18 15:36:33) |
829. デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~
こういうハチャメチャ・ロードムービーは好きなんですが、本作は基本的にはテンションが高い割にあまり笑えませんでした。 車中でオ○ニーも笑うまでには至らなかったのですが、油断してたらその直後、犬にはまんまと笑わされましたよ。 性格は真逆、2人ともひと癖あるけど根は悪い奴じゃない。 そんな2人がアクシデントにもめげず、いがみ合いながらも、少しずつ心の距離を埋めながら目的地を目指す。 そんなロードムービー定番の流れは良かったのですが、ちょっと暴力的なエピソードの挿入は事情の絡め方もうまくいっておらず不要だったと思います。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-10-14 21:15:04) |
830. 大統領の料理人
《ネタバレ》 厨房の煩わしい人間関係(これも最初のうちは多少あってもいいと思いますが)よりも、 もっと料理を美味しく堪能するミッテラン大統領と、その料理人の関係、信頼関係が生まれていく過程を見たかったと思います。 大統領官邸のパートで人間的に魅力がったのは紳士的な振舞いを見せる給仕長。 煩わしい人間関係の中で、こういう登場人物が1人入っているのは良かったです。 大統領官邸のパートの間に時折挿入される南極料理人としての彼女の姿がいい。 食堂のお客さんは皆、自分が腕を振るった料理が出てくるのを今か今かと待ちわび、とても美味しそうに料理を食べる。 やはり料理人が見たいのはこういうお客さんの姿なんですね。大統領官邸とは対照的に、彼女も実に楽しそう。 大統領官邸でも、もっとこういう姿を見たかったんだろうなと思います。 [DVD(字幕)] 5点(2014-10-10 23:32:10) |
831. 南極料理人
全体的にコメディタッチでユルい作風でまとめられていますがそんなユルさの中にも、 南極勤務への複雑な思い、家族と離れて暮らす淋しさ、ストレス、厳しさが巧く織り交ぜられています。 もっと厳しい事は一杯あると思うけど、作品が重くなりすぎないちょうどいいところで描かれています。 日本でも一緒に働いていた気心の知れた仲間ではなく、 それぞれの専門分野で企業や研究所から派遣されてきた、男だけで寝食を共にする寄り合い所帯の難しさなんかも。 ムシャクシャしても飲みに行く所も娯楽施設も何も無い南極。日々の食事が最も大きな楽しみの1つであり、 今日の夕飯の食材が伊勢エビだと分かると作業しながら「エビフライ!エビフライ!」とみんなで合唱するくだりや、 終盤のラーメンからはそれがすごく良く分かります。 時には季節ごとの行事や誰かの誕生日をみんなで祝い、御馳走を食べる。 食事って空腹を満たしたり栄養をとったりするだけじゃないんだな。 そんな当たり前の食の大切さ、ありがたさに改めて感謝したくなる。 長かった南極勤務が終わり、空港での家族との再会と「清水さん」の登場が良かったですね。 ラストの堺雅人の「旨っ!」も。 [DVD(字幕)] 7点(2014-10-05 16:36:18) |
832. ザ・ドライバー
序盤のカーチェイス。顔色一つ変えずにクルマを滑らせ警察の追跡をかわすライアン・オニール。 夜の街にクラクションとタイヤの音が響く。そしてクラッシュ。 繰り広げられる熱いカーチェイスの中、1人クールなライアン・オニールがカッコイイ。 以降は終盤まで派手なカーアクションを抑え気味ですが、 中盤も熱いブルース・ダーンとクールなライアン・オニールが心理戦の火花を散らす。 そして美しいイザベル・アジャーニの存在が効いています。 1つ1つの台詞が短い。誰もベラベラ喋らない。ほとんど音楽も使われず、登場人物には名前さえ無い。 熱くもありそれでいてクール。独特の世界観もまたカッコいい作品。 [DVD(字幕)] 7点(2014-10-05 01:25:35) |
833. ジャージー・ボーイズ
《ネタバレ》 これまでも映画の中で様々な人間の人生を描き続けてきたイーストウッド。 本作でイーストウッドが取り上げたのが、60年代に一世を風靡したフォー・シーズンズ。 とりあえずその名は聞いたことがある程度の知識しかなかったですが、 曲が始まると、「これも彼らの曲だったんだ!」と聴いたことがあるある曲が幾つもありました。 盗みを働き、仲間が塀の中に出たり入ったりを繰り返しながらも音楽的に実力を付けていく、仲間と苦楽を共にした青春時代。 少しずつ演奏するステージが大きくなっていく。自分たちの曲が次々ヒットする。 やがてグループは人気の絶頂を極めますが、その後は大きな成功を収めたグループの光と影を描き出す。 友情、成功ゆえの苦悩、挫折、グループの分裂、大切な家族の死。それらを力強く乗り越えての復活。 60年代というビートルズをはじめ、魅力的なグループ、ロックスターが数え切れないほど存在した時代。 そんな彼らの人生のドラマを見ていると、イーストウッドが彼らを取り上げた理由が分かるような気がしました。 勿論音楽の使い方も素晴らしく、エンドクレジットでのミュージカルシーンも楽しかった。 (ぎこちなく手拍子を打ちながらリズムをとるウォーケンがなんか良かったな…) 鑑賞後に重く考えさせられることも多いイーストウッドの映画ですが、 素晴らしい音楽にのせて軽快に魅せる本作はとても楽しく鑑賞させてもらいました。 もうとっくに80歳を過ぎたイーストウッドですが、まだまだ元気で映画を撮り続けてほしいと心から思います。 そしてまたいつか自身の映画の主要キャストに俳優イーストウッドを起用してくれると嬉しいのだけど・・・。 [映画館(字幕)] 9点(2014-10-01 16:59:38) |
834. しあわせのパン
主演は原田知世さん。どこから見ても彼女が素敵な映画。 大泉洋も個性を抑えながら彼女を立てている感じで微笑ましい夫婦役でした。 お伽話風の作品に大橋のぞみちゃんのナレーションもはまっています。 カフェの窓から見える洞爺湖と空の青、夏の緑、実りの秋の色・・・。 しかし本作の映像はどうも薄味で、そんな北海道の自然の美しさがあまり感じられないのは残念。 洞爺湖畔のカフェに集う人々ののどかな人間模様。いい人しか出てこない。 カフェを訪れる客さんの1つ1つのエピソードも薄味なんだけど、こういうふんわりした映画の雰囲気は好きです。 あのお店で原田さんに淹れてもらって、カフェオレでも飲んでみたくなりましたよ。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-09-30 20:27:47) |
835. はじまりは5つ星ホテルから
《ネタバレ》 主人公のアラフォー独身女性の職業は世界中に存在する5つ星ホテルの覆面調査員。 ホテルでの出会い、元彼との関係、姉妹とその子ども達(姪っ子)、・・・。 彼女の仕事、周りにある人間関係と出来事を通してもう1度人生を見つめなおしていくストーリー。 最後の滞在地、ベルリンのホテルまでは本当に大したことは起こりません。 また、各地の5つ星ホテルを泊まり歩き、実際に5つ星ホテルでロケを行ったとのこと。 よって、その豪華なホテルの中をもっと探検して見る者に見せてほしかったのですが、 そちらの方はかなりあっさりしており、ちょっと勿体ない気がします。 映画のストーリーとしてはよく見られる内容なので、 本作の最大の特徴である豪華5つ星ホテルという作品の舞台を活かさない手は無いんじゃないかと思います。 [DVD(字幕)] 5点(2014-09-24 22:15:02) |
836. 猿の惑星:新世紀(ライジング)
《ネタバレ》 前作を凌駕するパワーに圧倒される作品です。 作品そのもののパワーもさることながら、シーザーの醸し出す迫力や凄味は見事の一言。 そして前作以上に考えさせられることが多い作品でした。 発電所の復旧のくだりでは猿と人間の共存が実現するのかと思いきや、終盤は思わぬ展開に。 敵対する猿と人間、猿同士、人間同士。様々な対立軸が存在する一方で芽生える猿と人間の友情。 前作でシーザーが幼少期を過ごした、今では朽ち果ててしまった家が登場します。 シーザーにとってはかつてのこの家の主人に続き、人間との間に芽生えた2度目の友情に胸が熱くなった。 様々な局面で展開を左右するアイテムとして登場する銃。 銃で殺し合う猿と人間。そして猿が猿を銃で殺害しようとするシーンは衝撃的。 その一方で銃に頼ろうとしないシーザーの姿からは、彼の真の強さを感じました。 この先猿と人間は共存の道を進むのか、それとも対立はさらにエスカレートしていくのかは分かりません。 出来れば対立の果てに共存の道を模索する両者の姿が見られるような、本作の更なる続きが見たいと思います。 [映画館(字幕)] 9点(2014-09-24 22:07:03)(良:1票) |
837. 大脱出(2013)
スタローンもシュワちゃんも、もう定年退職を過ぎている年齢なんですが、 まだまだ体張ってこういう映画に出てくれる。これだけで嬉しいじゃありませんか。 まあ、脚本の出来や今年見た映画で1番!とかを期待して見る映画でもないし、 スタローンもシュワも年齢を考えるとまだまだ若々しいしまだ十分強そうに見える。 終盤まで動きが少なくて退屈もするのですが、終盤は2人がしっかり大活躍してくれる。 ある意味期待通りと言える作品じゃないでしょうか。 [DVD(字幕)] 5点(2014-09-15 18:19:00) |
838. 蜂の旅人
冒頭の娘の結婚式。その幸せの宴の席、どこか思いつめたような表情を見せる父。演じるのは名優マストロヤンニ。 その日、彼は長年務めた教師の仕事を辞め、家族とも別れ、教師をしながら営んでいた養蜂業の蜂と共に旅に出る。 孤独、老い・・・。本作のマストロヤンニの姿からはそんな言葉しか思い浮かばない。 これまでの人生において家族と何があったのか、過去に何があったのかにはほとんど触れていません。 あのラストシーンが旅の目的だとすれば、かつての仲間を訪ね歩いたり、離れて暮らす家族の顔を見に立ち寄る彼の行動があまりにも悲しい。 ラストシーン、彼は指で地面を打つ。その指で彼は一体何を語っていたのでしょうか。 マストロヤンニはこの後、「こうのとり、たちずさんで」再びアンゲロプロスの作品に出演します。 両作品とも、思いつめたようなあまりにも寡黙な姿が印象に残りますが、 やはりマストロヤンニには寡黙よりも陽気で饒舌な男の役が似合いますね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-09-15 18:16:26) |
839. ナック
ポップでシュールで不思議な空気が漂う、所々でルイ・マルの「地下鉄のザジ」を思い出す作品です。 随所に挿入されるギャグや笑いドコロ。 時にはパントマイムのように時にはドタバタのスラップスティックですが「地下鉄のザジ」ほど弾けてはいません。 ジョン・バリーの音楽にも落ち着いた雰囲気があり、このあたりはイギリス風といったところでしょうか。 60年代当時のロンドンの若者事情をぼやくように見つめる大人(お年寄り)目線の挿入が面白く、 大きな目が特徴的なヒロインの可愛らしさも印象に残る作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-09-13 20:32:10) |
840. フルートベール駅で
《ネタバレ》 アメリカに今も根深く存在する人種差別。そのやりきれない事件を怒りを抑えるかのように静かに淡々と告発する。 かつては罪を犯し、刑務所に服役した過去を持つ。 しかし子煩悩で、母親や祖母思いの一面。 勤め先を解雇されそうになっても、安易に悪の道に戻ろうとせず、何とかもう一度働けないかと店長に談判する。 買い物に来た白人女性に見せる陽気で人懐っこい一面。 1人の妻子ある黒人の若者オスカーの、事件に至る大晦日から新年を迎える1日を淡々と実に丁寧に描いています。 作品の大半を占める、黒人青年の何気無い1日の描写が効いている。 そんな1日の終わり、新しい年が明けた矢先に起こった事件。何ともやるせない思いが残る。 病院で彼の無事を家族や友人が祈っている。本作を見る者も同じ思いで祈る。しかし・・・。 撃った白人警官は11ヶ月で刑務所を出所したという。 撃った側と撃たれた側、これが逆だったならどうなっていたのでしょうか・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2014-09-10 21:43:20)(良:1票) |