Menu
 > レビュワー
 > K&K さん
K&Kさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 976
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243444546474849
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243444546474849
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243444546474849
>> カレンダー表示
>> 通常表示
821.  ベン・ハー(1959) 《ネタバレ》 
高校の頃、牧師さんと映画の話をすることがあって、『ベン・ハーの監督はキリストに否定的で、キリスト批判な中身だったけど、制作しているうちに“私はなんて罰当たりな事を”と改心し、今の映画になったそうだよ』と。原作アリだしどうかな?とは思ったけど、ワイラー監督はユダヤ教の家庭に生まれてるし、案外本当だったりするのかもしれない。 今回初鑑賞。てっきりグラディエーター的な映画かと思っていたけど、これほど宗教色の強い映画だったとは。 ハッキリと顔を見せず、佇まいで表現されたイエスがとても神々しい。ユダに水を飲ませたあと、ローマ兵の前にスッと立つ後ろ姿。物語後半、群衆の中で丘の上に立つ姿。あんな遠景なのにどれがイエスかハッキリ解る撮り方。神の子の表現としてこれ以上無いくらいの表現方法に思う。 奴隷となり神の子キリストから水をもらうユダ。ローマ司令官アリウスから水をもらい養子になるユダ。磔にされるキリストに水を与えるユダ。キリストの血が雨とともに流れ、母と妹の病を治す。他にあったかな、誰かに水を与えることが物語の転機になってるみたいだ。 衣装とセットの豪華さ。当時の大作ってお金の掛かり具合が凄い。 海戦。特撮も陳腐にならない上手いバランスで撮れていたし、ガレー船の漕手の悲惨さも伝わる。 戦車戦。4頭の白馬と4頭の黒馬が並んで走る姿は映画とは思えない迫力…変な書き方だけど、スタントの安全性はもちろん、32本の馬の脚がどこかで絡んでしまわないか、心配になる。こんなナマの映像は今後絶対撮れないと思う。 あと最初のMGMのライオンが動かないの。初めて観た気がする。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-20 13:56:09)(良:1票)
822.  ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 
~Die Hard 4.0 Live Free or Die Hard~『自由に生きる、さもなくば頑強に抵抗を。』モトはニューハンプシャー州の標語だそう。サイバーテロ映画なため、単純に4でなくプログラムとかのVer.4.0ってのが国際標準タイトルとのこと。 ナカトミビルの活躍から早いもので19年。前作から12年。ホリーと髪を失ったマクレーンが、筋肉ムキムキになって帰ってきた! マクレーンと言えば、経験と知恵で敵に喰らいつき、ゴキブリのように隠れて、油断した敵を仕留めるイメージだったのに、トレーラーからヘリの操縦までこなし、正々堂々真正面から打ち勝つような、戦車みたいな男になってしまった。コンピューターを駆使する戦いだから、頭を使うのはハッカーの役目に。 独立記念日前日だけに、歴代大統領の演説を繋げた犯行声明はシャレが効いていて怖くて、発想がスゴイ。 敵も女カンフー使いやパルクール使いと、格闘アクション色を強くしている。日本人が見ても綺麗なマギーQをマクレーンがバッキバキ殴るのは、なかなか容赦なくて見応えがある。 1で「きょうパパはくるの?」と可愛かった子どもが、こんなに大きくなって…夫婦愛から家族愛に広がったのは良いけど、この人危機がないと日常生活はダメダメ。何が決定打でホリーと離婚したのか、なぜルーシーはあそこまでジョンを嫌うのか。せっかくルーシーの家で始まるなら、何やかや大事にされてる1のクマのぬいぐるみがチラッと…なんて思ったり。 過去3作との大きな違いが場所と時間。ダイハードと言えば限定された空間での活躍が特徴だったけど、シリーズ毎に活躍範囲は広がっていき、今回はニューヨークからメリーランドへと州すら跨いでの活躍に。そして1と2は一晩の戦い。3は朝から夜中。今作は一日半不眠不休の戦いと長い。当時人気だった-24-の影響を大きく受けたんだろう。 電気が止まっているのに夜中に車が結構普通の速度で走っていたり、朝は走っている車がなく、どういう訳か道路の真ん中で立ち往生している車が多かったり、暴動が起きてても不思議じゃないのに歩いてる人が居なかったりと、なんか不自然。 メインがF-35だけど、単独飛行なのがちょっと変。そもそもあんなに接近する必要性ある?ぜんぶ生身のマクレーンと戦わせる話の都合上の演出なのが…。市街地の被害関係なしでトレーラーの足止めにミサイル使うし、あんな危ないパイロットを最新鋭機に乗せちゃマズい。CGで珍しい画が撮れるのは良いけど、リアリティは大事にしてほしかった。面白いんだけどね。
[DVD(字幕)] 6点(2021-06-17 11:43:33)
823.  グラン・プリ(1966) 《ネタバレ》 
~Grand Prix~大賞。その年その国で一番権威あるモータースポーツに付けられる。4輪の最高峰がF-1ワールドチャンピオンシップだから、自国開催の時に(国名)+グランプリって呼ぶそうな。 とにかく、この時代にどうやって撮ったんだ?って迫力満点の映像が満載。80年代後半のF-1ブームの時、最先端技術としてオンボード(車載)カメラが登場したと思っていたけど、66年にこんな綺麗で滑らかな映像があったなんて。 それでいてレース中の空撮にはカメラ搭載車が写ってない(見分けがつかない)。87年のカメラでさえ、牛乳パックくらいの大きさだった事を考えると、レースの空撮と車載映像は別撮りということか。 車載映像だけでモンテカルロほぼ一周ノーカット撮りっぱなし。スパは雨のレース映像。空撮は空撮で上空からの俯瞰だけでなく、横からかなり寄りで撮ってるから迫力があり、観客席に人が溢れてるのも、あれ実際のレースシーンなのかな。映画の撮影だとしたらスゴイとしか言えない。 そして一番驚くのが主演俳優が本当に運転していること。こんな撮影、今だったら考えられない。  まだシートベルトが無い葉巻型のF-1の時代。写真でしか見たことがなかった当時のF-1の映像が資料価値満点。 グラハム・ヒル発見!他にジャック・ブラバム、ヨッヘン・リント、ギ・リジェ…数枚の写真と文字資料でしか見たことがない伝説のドライバーたちが活躍…してるようだ。ウイングカーの時代(70年代後半)なら多少解るかもだけど、ここまで古いとデーモン・ヒルのお父さんしか解らなかった。 アロンが主役かと思ったら途中からサルティ中心になり、メインの4人にそれぞれ女性が絡んでと、どうもストーリー的には絞りきれていない感じがした。 世界で活躍するヤムラ・レーシングの扱いが大きくて嬉しいのと、三船の横に本田宗一郎っぽい、つなぎを着た眼鏡の日本人が居て、何か嬉しい。当時それだけインパクトが有ったんだろうな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-14 23:20:46)(良:1票)
824.  恋人たちの予感 《ネタバレ》 
~When Harry Met Sally...~“ハリーがサリーに出会った時は…”。 劇中いろんな老カップルの“私たちが出会った時は…”が流れるので、ハリーとサリーもその中の一つ。みたいな意味かと。 『恋人たちの予感』って邦題はかなりの変化球。“たち”って言うほど主人公たち以外に焦点が当てられて無く、何を持って“予感”なのかもイメージできない。ぶっちゃけ、意味はないけど語呂が良くてロマンチックな言葉を充てがってみました。じゃないか? 『恋人~』『愛と~』なんかを使ったタイトルにすることで、ターゲットを女性客とカップルに限定して、男性一人客の足を鈍らせることに成功している。男友達同士なんて完全にシャットアウトだ。 確かに女性客が、セックスを連呼し、ダイナーで喘ぎ声を出すメグ・ライアンに共感できても、男性客が大勢いる中で笑ったり頷いたりは、やりにくいだろう。そう考えるとこの『男性客避け』なタイトルも、よく考えられてるのかもな?って思えてしまう。 男女間の友情(セックス抜き)は成立するか?がテーマみたいに見えて、ふとしたキッカケで長い期間腐れ縁から友人関係になった男女がついには結婚することになった。というお話で、男女間の友情は彼らの話題の一つに過ぎないようにも思う。 ハリーは一線を越えてしまったために大切なものを失ってしまうような感覚に襲われたけど、ハリーの結論「一日の最後に話をしたいのは君なんだ」は、とてもパァッとなる告白。 ビリー・クリスタルが魅力的だって声は聞いたこと無いけど、メグ・ライアンの可愛さとニューヨークの四季の美しさ、エンディングのハッピーさを素直に楽しむのが良いかな。セックスの有り無しより、相性の善し悪しは大事だよねって思った。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-06-14 17:07:40)
825.  キリング・フィールド 《ネタバレ》 
~The Killing Fields~クメール・ルージュによる大量虐殺が行われた処刑場の総称。 中学生の頃ゴールデン洋画劇場で見て、とんでもなく怖かった映画。 戦争(アクション)映画は大好きだったけど、ここに描かれている世界は、私の知るカッコイイ戦争とは違っていた。日常的に目の前で起きる処刑。どうすれば許されるのか、意味も解らず脅かされる命。子供の判断基準で殺される大人。国政が不安定で常識の通じない世界。人間が家畜のように扱われ、教養があれば殺される、逃げ道のない世界への恐怖を、まざまざと見せつけられた。  そしてイマジンの美しさ、インパクト。賛否両論あるみたいだけど、私たち世代の多くにはきっとイマジン=キリング・フィールドのテーマソングだ。 『処刑のシーンでポール・マッカートニーの曲が掛かり、再会のシーンでジョン・レノンの曲が掛かる』当時は監督が“悪の場面と善の場面で意図的に両者の曲を掛けた”なんて思っていたっけ。 ポールの曲“Band On The Run”は、ビートルズ時代、世間に追われて自由が無く、バンド活動に拘束されていた当時の、逃げ出したい気持ちを歌ったものと知った。一般人はもちろん、兵士であっても地獄と化したカンボジアから逃げたい気持ちを表現したんだろうな。 曲を聞いているのは捕虜を処刑する政府の側の兵士。ヘルメットに黄色い花を刺した女の子で、まだ子供のようだ。英語の歌詞などわからないだろう。 彼女はその後、腹部に助かりそうにない重傷を負って運ばれていく。何があったのかは描かれてなかった。後日病院でシドニーが捕虜になる際、ポケットから彼女のと同じ様な花を取り出すが、何か繋がりがあったのかな。  放映の翌週、クラスの反応は様々だった。心にズシンと来た者。途中で見るのをリタイアした者。口数が少ない者もいれば、娯楽として楽しめたのか、喜んでる者もいた。みんながTVで映画を観て、翌週話し合う、盛り上がる、それぞれの反応を知るのって、何かとても貴重な体験で、とても素晴らしい文化だったように思う。 『永六輔の誰かとどこかで』ってラジオ番組のコーナーで“アルハンブラの思い出 ”が流れると、映画の恐怖がフラッシュバックしたのも今では良い思い出。 あの時は突然ラジオ消して、ごめんねママン。
[地上波(吹替)] 8点(2021-06-14 15:19:04)
826.  ラ・ブーム 《ネタバレ》 
~La Boum~ホームパーティ。 ソフィ・マルソー(13)の可愛さをひたすら堪能するアイドル映画。41年も前の映画なのに、ソフィの顔つきもスタイルも今の目で見ても全然可愛いから驚きだ。もっと言えば出てくる女の子も男の子もみんな今の基準で可愛い。…そりゃホームパーティにダサい子やヲタクは呼ばれないのかもしれないけど、オシャレの最前線おフランス恐るべし! この『ブーム』というパーティの文化。日本のお誕生会なんて可愛いものでなく、タバコもキスもハグもあり(お酒までは行かないか?)で、13歳の子が集まって、夜な夜なこんな事をしているなんて日本だとPTAが黙っていない。親が車で送り迎え。「見つかったらブチ壊しだから出てこないでね」そう言われてこっそり隠れる親。なんて理解がある親というか、親公認の文化なんだろう。 良い意味で子どもと親の距離が近いんだな。日本だと親に隠れてコソコソするところを、ある程度オープンにやっている感じ。日本に比べ、罪悪感の境界線がもう少し緩いんだろう。でも親に言えない一線『デート』はキスの隠語とか、フレンチ・キス発祥の国(知らんけど)おフランス恐るべし!! 「ウチの女房に手を出すな!」間男を助けて殴れるお父さん(お父さんがフランソワ、お母さんがフランソワーズとややこしい)、そこより学校の前で娘の彼氏マチューを殴れるの、カッコイイ。時代もあるけど日本だと難しいアクション。 エンディングの男の子が誰だったっけ?ってなったけど、ヴィックがマチューのハートをメロメロに掴んだら、もう次のイイ男に照準合わせてるって意味だったのね。性の先進国おフランス恐るべし!!!
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-06-12 15:50:05)(良:2票)
827.  ダイ・ハード3 《ネタバレ》 
~Die Hard: With a Vengeance~すさまじい勢いで頑強に抵抗する。“3”と銘打たないことから、某シリーズのように前作を抜きにして正当な続編として作られたとか、仕切り直しの意図があったのかもしれない。確かに2はあまりに1の出来事を踏襲していて、その部分が今後のシリーズ化には足枷になったと思うし、マンネリ化を避ける意味でもこの方向転換は良かったと思う。 今作ではいよいよマクレーンの所属署のあるNYが舞台で、ホリーはロスで単身赴任だという。 なんか自分の勘違いか、ジョンはロスからNYに出戻り、ホリーはジョンのもとに戻ってきてたと思っていたけど、1のままの設定のようだ。 謹慎中で朝方まで二日酔いのダメ親父っぷりを見せるマクレーンが良い。普段がこんなだと、几帳面な会社人間のホリーは嫌になるだろう。 マクレーンの味方の警察側は、いつも足を引っ張るか、役立たずが多かったけど、今回は刑事仲間がいるのも嬉しいし、みんな結構責任感が強く頼りになる。 敵は金儲けのテロリストと職業軍人の混成チームみたいで、無口なカティアが怖カッコイイ。 何回も見てるのに、マシアスの奥さんだったって今回知ったわ。奥さんに撃ち殺されるなんて… スタイリッシュな真夏のNYの風景からデパートの大爆発。タクシーでセントラルパークを激走(クレイジータクシーってゲームに大きな影響を与えている)。地下鉄、ハーレム、ウォール街。遠くにツインタワーも見える。あちこちで起きるテロ行為が、金塊強奪事件に結びつくストーリーも、よく練られている。 旧作より舞台が広がり、NY市全体が舞台(しかもCGではなく本物)となっていて、観光する楽しみと、知っている風景が破壊される楽しみが味わえる。…こんな表現も、今使って良いのかわからないけど、9.11同時多発テロ以前だから出来た作品で、もうこんな規模の爆発ロケものは作れないかも? 大都会で火薬とガソリンの臭う、人類史上最後の超大作かもしれない。 出来れば最後、タンカー爆発から間を置かずに解決編に。そして国境の町(州はずれ?カナダ?)でなくNY市内で終わらせてほしかったかな。 2までのお約束を排除し、シリーズらしさが薄いからか評価は低いみたいだけど、単品としても面白いし、シリーズとしても好きな作品です。
[ビデオ(字幕)] 8点(2021-06-12 14:40:01)
828.  聖の青春 《ネタバレ》 
将棋素人の私が村山聖という人物を何となく知っていたのは、羽生の効果だろう超有名・大人気だったもんな。 村山は少女漫画が好きで、爪や髪を切らない。少女漫画の主人公のようなサラサラヘアになりたかったのかな? 上京の時、女子向きマンションを選ぶけど、似合わないと言われムッとする。内面は女性的で繊細なのかもしれない。  羽生と村山の食堂のエピソード。店主の反応がまさに私のような一般人のそれだろう。 この食堂は竜王戦の会場から歩いていける距離にあるから、将棋関係者もよく来ると思う。 “よしのや”。牛丼の前フリもあるから、村山は前日、適当に店の名前で選んでたんだな。 全然趣味の話が合わない二人。会話が積んだとき、食堂のおばちゃんのお尻をぼんやり見てから結婚の話に流れるくだりはとても上手いな。 畠田理恵との結婚が話題になった羽生に、その話ではなく『結婚して死ぬまでに一度で良いから女を抱いてみたい。』と自分の本音を話す村山。  お金はあるんだろうが、風俗とかでなく大好きな少女漫画のような恋愛をしたかったんだろう。そしてゴールは結婚。 古本屋の店員さんとのエピソード。金はあるだろう彼が、ちょくちょく古本屋に通った理由。残念ながらもう一歩先には進めなかった奥手の村山。 いや現実はもっと、それ以前の関係でしか無かったかもしれない。 手術を拒んで(ゴネて?)いたのも、彼の気持ちを表していたように思う。 将棋は出来ても男性機能は失う怖さ。結婚したいから手術は嫌だって言えない繊細さ。  食堂で本音を話す村山に「あなたに負けて死ぬほど悔しい」と本音で応える羽生。…羽生さんこんな事、人に言うんだな。 手術を受け、結婚・女を抱く事を諦める。二つの夢の一つ、彼の青春への思いを捨て、爪と髪を切り、名人を目指す決心。 羽生との対局。破れてからの最後の5局。どれほど凄かったことだろうか。 丁寧に作られた映画だから、対局の優劣が将棋盤を見て分かる人と、当時の棋士に明るい人なら、より楽しめる映画だと思う。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-06-11 09:53:30)
829.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
~Nuovo Cinema Paradiso~新パラダイス劇場。 今回が初見。にもかかわらず、以前テレビのバラエティで、このエンディングシーン“だけ”を見て知っていたのよ… もちろん見たくて見た訳でなく、交通事故。それは不幸なことなのよ… この映画を何の予備知識も無しに観ていたとしたら、きっと涙が溢れ出ていたに違いない。  なぜエレナは音信不通になったのか。 アルフレードはなぜ、トトに厳しく『帰ってくるな』と言ったのか。 トトはなぜ、30年も村に帰らなかったのか。 99日目、兵士はなぜ最後の夜に立ち去ったのか。 なぜ?当然だけど、それぞれ事情や考え、簡単なものから複雑なものまで、本人にしか解らない理由があったんだろう。 その理由を知ること無く過ぎ去った過去。神さまでもない人間には、答えを想像する事くらいしか出来ない。 『キスシーンを見せろ!もう20年も見てないぞ!』ラブシーンを見られるのは、検閲する司祭と技師のアルフレードだけ。 休みなく映画を上映し、見せられないフィルムをカットし、ある時は映画館の外に劇場を作るアルフレードは、トトにとって神さまのような存在だったろう。  アルフレードからの最後のプレゼント。劇場で流されなかったラブシーンの詰め合わせ。それはカットされた理由≠答えの詰め合わせ。 肝心なところ、見たいところ、本当の理由≠答えが見えないのは、人生も一緒じゃないだろうか。 エレナが去った事情、アルフレードの最後の言葉の意味、兵士が立ち去った理由…神さまでもないトトに、それを知る術はない。 『理由なんて、カットされた映画のラブシーンのようなもの。そこにこだわって、これからの人生を無駄にするほどの、大した事じゃ無いんだよ。いくら思ったところで、過ぎ去った人生は、映画のフィルムのように、集めて繋ぎ合わせて見ることなんて出来ないのだから。』  映画のタイトルが最初の劇場『シネマ・パラダイス』ではなく、建て直された方の『“ニュー”シネマ・パラダイス』なのも、そしてそれさえも最後解体されるのも、過去よりこれからの新しい人生を大事にしてほしいと言う、トトへのメッセージに思える。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-06-09 22:05:51)(良:2票)
830.  バンド・ワゴン(1953) 《ネタバレ》 
~The Band Wagon~『時流(に乗れ)』って名前の劇中の舞台劇。 この一年くらい、過去にあまり見てこなかったミュージカル映画を観るようになったけど、この映画を見てアステアのダンスの凄さが伝わった気になった。 靴磨きのダンスがいきなり凄い。前半は磨き台の上だからほぼ足の動きだけで踊って見せる。その動きの多彩さ・華麗さに驚いた。 アステアの身体の使い方を観ると、特に足もと、大きな動きの前に小さな予備動作?が入ってるんだけど、一連の動作に無駄がなくて美しい。相当体幹が優れてないと出来ない動き。 それを涼しい顔してやってのける。細かく大胆に動く下半身に対し、上半身は優雅で滑らか。公園でガブリエルとのダンスの美しいこと…こんな書き方しか出来ないけど、とにかくスゴイなって思えた。  当時のゲームセンターって手作り感が面白い。あの“?”の箱にあんな仕掛けがあったなんて。 公園で社交ダンス(無料参加イベント?)してるのも、当時はそういう文化があったのかな? コードバのキャラが魅力的。なんかスポンサー相手に、熱心にファウストを説明するコードバに声を出して笑ってしまった。良いキャラだなぁ。 最悪の初対面をしたトニーとガブリエルがだんだん仲良くなって、吸えないタバコを勧められてぷかぷか吹かすガブリエル可愛い。 大失敗の公演初日のあと、無人のパーティ会場と、若い団員の打ち上げの対比。そこからの方向転換、仕切り直しで盛り上げるトニーと、舵取りをトニーに譲るコードバの柔軟さが良い。最後のプログラムをめくる毎にミュージカルナンバーを流す演出も良かった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-07 15:32:44)(良:1票)
831.  ダイ・ハード2 《ネタバレ》 
~Die Hard 2: Die Harder~もっと頑強に抵抗する。こんなサブタイが付いていたなんて知らんかった。 NYに転属したのにワシントンが舞台。マクレーンもポケベルを持つようになった。 乗っけからスチュアート大佐の謎の裸踊り。きっと『今回はこんな引き締まった、強そうな敵と戦いますよ』って伝えたかったんだろう。マクレーンはトドみたいだからな… ホリーの隣、スタンガンお婆ちゃんの読んでる雑誌の裏表紙はリーサルウェポン?「シャンパンいかがですか?」と終始粋なスチュワーデス、言われたら言い返す。 今回は途中からグラント少佐の特殊部隊が味方について、観てるこちらもホッと一安心。…と思いきやまさかの裏切り。これには当時驚いた。 当時は気にならなかったけど、プロの軍人相手に一人で渡り合うマクレーン。ちょっと余裕もありそうで、テロリストの知識も豊富で、今思うと強すぎかもしれない。空砲とは言え署長に撃つのはやりすぎか。 コンベアにズルルッ!つららグサッ!エンジンでドビャッ! 前作に比べて、結構痛そうな死に方が多かった気がする。ホラー出身のレニー・ハーリンだからだろうか? それでも観ている最中はあまり気にならなく、最後の悪党どもをまとめてドカン!はスカッとする。 その炎が誘導灯になって、ピンチの飛行機がまとめて助かるのも胸のすく展開。次々着陸する飛行機のジェット気流が煙に渦を巻くシーンが好き。 リポーターのコールマン。ジョンが思い出せないスチュアート大佐がパッと出てくるとか有能だけど、最後ジョンとホリーが抱き合うところを撮らない人だから、いつまでも出世しないで現場走り回るんだろうな。違法な情報収集と出世欲のカタマリのソーンバーグとは対照的。 空港のFAXはサンヨー、悪者の無線機はケンウッドだ。まだまだ日本強いぞ。  前作から一年後の、またまたクリスマス。管轄外で孤立無援、限定空間での戦い(空港だから広いけど)。同じ名前ネタは兄弟ネタに。 前作に引き続きホリーのピンチ、同じ飛行機にソーンバーグ。パウエルの援助はともかく、クリスマスとは言えこんな偶然ってあるか? 最後はリムジンでなくカートの後部座席で帰るジョンとホリー。エンディングはおなじみ『Let It Snow』 かなり強引な設定。あまりに前作を意識していたので、当時『面白かったけど、次回作を作るの大変そうだな』って思ったわ。 これが2ではなく、シリーズを経て20年後くらいに作られていたら、それはそれで同窓会的にホンワカと観られたかもしれない。
[ビデオ(字幕)] 7点(2021-06-07 09:06:39)
832.  グーニーズ 《ネタバレ》 
~The Goonies~グーンドックスという地元の地名と、垢抜けない(goony)とかバカ(goon)とかを合わせた造語。練マザファッカーみたいなノリだろうか? シンディ・ローパーの主題歌が印象的な本作だけど、サントラ以外、彼女が売れてた頃のベスト盤にグッドイナフは入ってない。子供向けで中身のない歌は、彼女にとって黒歴史だったみたい。 子どもが冒険する映画ってことで、当時(11歳か)は“自分より小さい子が楽しむもの”の印象が強くて正直そんなに興味が無く、私にとってグーニーズというと、コナミのゲームだった。きちんとエンディングがある名作だったわ。 映画はTVで初めて観たけど、何かの手違いで最初の部分(十数分くらい?)が、2回流れるトラブルが起きたっけ。どうでも良いことだけど印象深い。  小さな子供向けと言うにはバランスが微妙で、データの発明はリアリティに乏しい割に、言葉は汚いし、刑事の射殺体は出てくるし、骸骨は容赦なくリアル、アンディはお色気担当だし…何歳くらいの子どもを対象に作られたものか気になる。 劇中いわゆる“ピタゴラスイッチ”が多く出てくる。洞窟以降の罠はともかく、最初の家の柵を開ける仕組みを観て『面白い!』って思える歳の子は楽しめると思うし、『手で開ければいいのに…』って思うおマセさんには幼稚な内容に思えるかも。 でも今の私くらいの歳になると何でも許せてしまうので、家の屋根裏部屋に宝の地図なんて、もうワクワクしてたまらない。 みんなで自転車で出発とか、地図をもとに100歩進むのが途中からいい加減になるのとか、捕まったチャンクが過去の悪事をべらべら喋るのとか、子供らしくて可愛い。 フラッテリー一家(今回観たDVDではフラテリーだった)。迫力あるママは後のラピュタのドーラ一家に影響を与えたと思ってる。 兄が最近見た顔だと思ったら、ダイ・ハードの“違うほうのジョンソン”だった。 願い事の井戸のコインのシーン。手を付けて良いものとダメなもの。手をつける理由。こういう考え方って大事だよなって思う。 海賊船の神秘性。物言わぬ海賊の死体が、航海の最後に何が起きたのかを語る。金銀財宝の山。やっぱり最後は宝にたどり着かないと。 海賊船が出向するのもロマンがあるし、冒険の代償が立ち退き料を賄えるくらいの僅かな宝石というのも綺麗な終わり方。  今度金曜ロードショーでやるそうで、こういう懐かしい映画をどんどん放映してくれるのは嬉しい限り。 この映画を純粋に楽しめるか微妙な年齢の子には、家族みんなで観るよりも一人で観せたら、きっと食い付くと思う。 …個人的にはダビデ像ネタが地上波でどう放映されるか楽しみ。
[地上波(吹替)] 5点(2021-06-06 16:58:01)
833.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 
~Bohemian Rhapsody~伝統や習慣に囚われない狂詩曲。クイーンという独創的なバンドと、フレディ・マーキュリーの生涯を表すに相応しい曲名にして、映画タイトルだと思う。  ロックが世界の音楽の最先端だった60年代。クイーンが活躍した70年代は、アルバムと世界ツアーが成功の証だった。パンクやテクノが馴染んできた80年代、売れるロック(産業ロック)とポップスが音楽の中心となり、映像と歌が両方楽しめるMTVが登場。 日本ではヘビメタ、ハードロックが大ヒットし、90年代グランジとブリットポップが登場し、音楽の好みが細分化。 世界中誰でも知っているロックバンド・シンガーは消えた2000年代以降。レディー・ガガがポップアイコンとして登場。現在、EDMがそこそこ流行。EDMとか最近の音楽はパソコンで作るものもあるそうで、楽器が弾ける人が流行りのPCの音楽を聞くと、腕がもう一本無いと弾けない音が出てたりと、なんかちょっと、気持ち悪いらしい。 でも、クイーンが今もバリバリ現役で活躍していたら、ラップやPCの音楽も積極的に取り入れたんだろうなって思う。 前置きが長くなったけど、この映画はクイーンのデビューから最盛期(末期)まで、ロックが社会現象になった最後(?)のイベント、世界同時中継のライブ・エイドまでを描いている。 ロックシンガーが社会的影響力を持ち、カリスマ化され、演奏と歌の良し悪しで評価されていた時代。音楽がアナログな手法で作られ、全てに人の手が入り、人が演奏し、人が操作するライブの生々しさと手作り感、当時の熱気、観客のロックへの情熱がよく伝わる。  クイーンとフレディの実話を、ノンフィクションではなく、整理・ディフォルメして描かれた作品で、実際の出来事の順番が前後してたりするそうで、違いを探すのも面白いかもしれない。特にポールがかなりの悪人として描かれていて、実際はどうだったのか?とか。 当時はエイズに関する知識も広まっていなくて、まだ“変態行為の代償”くらいの間違った認識も強い時代。フレディが仲間にエイズを公表したあと、映画みたいに頬にキスやハグが出来たのかなと、気になったりした。  だけどこの映画は、クイーンのロック映画として、スカッと楽しむのが一番正解だと思う。 『Bohemian Rhapsody』『We Will Rock You』『Another One Bites the Dust』名曲誕生の秘話。手作り感。 何よりぽかんと口を開けたブライアン・メイのブライアン・メイらしさ。良い意味でジョン・ディーコンの普通の人っぽさ。 当時ハイランダー観て感動して、アルバムまで買ってしまった『Who Wants to Live Forever』が結構長く掛かって嬉しかった。 大好きな『Killer Queen』は制作秘話とか一曲垂れ流しで30分くらい流してほしかった。 足が長く長髪で、少女漫画の王子様みたいなクイーンは、当時の日本で人気が爆発。特に女の子に人気だったそう。映画ではヒットするまでが短く、フレディもすぐ短髪ヒゲ顔になるけど、ビッグ・イン・ジャパンの先駆けとして、やはり日本は入れてほしかったな。 …そんな事言ってたら映画一本に収まらないか。良いなぁ。やっぱりロックは良い。
[映画館(字幕)] 8点(2021-06-05 17:31:10)
834.  時をかける少女(1983) 《ネタバレ》 
初見、淡々と映画を見て「ふぅぅん。大林監督の、当時の角川アイドル映画だね」と、それ以上広がらない感想を持った。 角川春樹が原田知世に“この映画をプレゼントして芸能界を引退させたい”という想い。大林宣彦の“プライベート・フィルムとして好きにやりたい”という想いが、筒井康隆の原作(未読だからどれだけ弄ったか解らないけど)と、上手い具合にマリアージュしていた…って事は、後から調べて解ったこと。 …こういう話がパンフレットを買わなくても、検索すれば誰でも見られるんだから、便利な世の中だわ。  そのへんを踏まえて再視聴。土曜日の実験室。深町くんが芳山和子の記憶を消して、未来に帰る話をしている。 引退するアイドルのプライベートフィルムとしてみると、芳山くんを角川春樹(&原田知世のファン)。深町くんを引退する原田知世。そこには出てこない吾郎ちゃんを渡辺典子辺り(本来、事務所としてプッシュしなきゃいけないアイドル)として観ると、二人の会話からして、まぁ面白い。 芳山(角川)と吾郎(角川アイドル)が積み重ねてきた記憶(映画の主演ワク)を、訳あって深町(原田)がちょっとお借りして、お互いに好きになってしまった。 時をかける少女は、原田知世主演だから出来た映画。彼女でなければ、このワクは他のアイドルの違う原作の映画になっていただろう。 数年後のある日、偶然に再会する二人。深町(原田=一般人)は相手が芳山(角川=業界人)だと気づくが、芳山は気が付かない。あれ?どこかで…ってなるけど、別々の方向に歩き出す。引退から数年後、角川は原田とこんな再会が出来れば幸せかな?と思ったんだろう。 そこからあの楽しいエンディング。 「あなた わたしのもとから♪」主題歌(の歌詞)もベストマッチ。この映画と原田知世への愛が溢れた素晴らしいエンディング。  こんな映画が撮れるのは、大林監督だけだと思う。 モノクロとカラーの合成、アニメーションと実写の融合、コマ撮り、興味がある斬新な技術はどんどん入れてくる姿勢。大学の映研が楽しんで作った、とても出来の良い自主制作映画みたい。 ハリウッドのSF大作なんてお金無いから作れないけど、大林監督の技法なら頑張れば出来そうだ。 「あれシクラメンぽいけど、ラベンダーって言えばラベンダーに見えるんだ!(※調べたら造花でした)」 どう撮るかは工夫次第。そう思って映画制作を諦めなかった、未来の映画監督のタマゴも多かったんじゃないかな? でも数年後の老夫婦の会話に、そこそこの時間を割いているところとかが、やっぱり素人とプロの違い、本物の監督のハードルの高さを魅せてくれている。素晴らしい監督だ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-06-05 12:33:08)(良:1票)
835.  ダイ・ハード 《ネタバレ》 
~Die Hard~頑強に抵抗する。思いつくイメージはゴキブリ。テロリストが悠々と通路や部屋を動くのに対し、マクレーンはダクトの中やエレベーターの隙間を煤まみれになって這いずり回る。ピッタリなタイトルだ。  リムジンに初めて乗るジョンが助手席に乗るのが面白い。この映画を単体作品と考えると、話し相手が欲しくて寂しいから助手席に乗ったと解釈できるし、シリーズものとして考えると、頼んでもいないリムジンに警戒している用心深い性格にも見える。最後はホリーと後部座席に乗るのも、どちらに解釈しても納得できる結末。上手いな。  そもそもホリーとの関係はどうなのか?私は悪いのはジョンだと考える。 日本の社風だからとジェナロ姓で働くが、本社はともかく直属の高木社長にはきちんと「夫はジョン・“マクレーン”」と伝えている。高木は彼女の立場を理解しているし、不仲の夫にリムジンを用意するくらいの立派な人物だ。 ちなみにナカトミの会長の名前はオズ。日本の古風な映画監督・小津安二郎と、エコノミックアニマル・日本だけに金の単位のOzも掛かっていると思う。…ってオズの魔法使を観て思いついた。 よりを戻したいホリーに対し、ジョンはカリフォルニアに着いても家に連絡入れてない。パーティだと言うのにラフな格好で来るし、パーティ中はシャワー浴びて部屋で一人でくつろいでる。なんか高木社長に失礼だ。家に泊まるよう誘うのもホリーから。ホリーも夫より仕事を選んだ負い目もあるんだろうけど。ジョンは卑屈で心の狭い内弁慶な人みたいだ。 ハンスの最後、会社からもらった腕時計をジョンが外す結末も、仕事より夫婦愛を選んだ象徴的なシーン。シリーズ化して2人は別れたが、単体として観ると、とても素敵なハッピーエンド。  ジョンのヒーローらしくない口の悪さ。窓際の自分に気が付かないパウエルに「スティービー・ワンダーかよ!」は酷いけど面白い。 この時パウエルが「雪よ降れ~雪よ降れ~」って歌ってる時に死体が降ってくる演出、これも酷いけど面白い。 音楽繋がりで、もしかしたらだけど、この映画の音楽は全部、クリスマス・ソングやニューイヤー・ソングがベースになってる?今回初めて気がついたけど、トニーが電話線を探すシーンの不気味な音楽、よく聞くと『Winter Wonderland』なんだ。…他のは知らんけど。 今回気がついたもう一つ、ジョンがガラスの散らばる部屋から逃げるけど、ダメージを減らすため片足だけを犠牲にしてる。片足ケンケンしたのか、大ジャンプしたのか…  TVの学者「これをヘルシンキ・シンドロームと言います」キャスター「スウェーデンの?」学者「…フィンランドです」ディレクター「…(ストックホルム)」ボインのポスター。違うほうのジョンソン。トゥインキーの味。こういう小ネタも面白い。 今から33年前の映画で、当時はタバコ喫煙やカセットテープが現役なのと、携帯がない事を除けば、時代を感じさせない映像とアクション。 ちなみに戦後43年目の作品となると、公開からどれだけ年数が経ったか、思い知らされる。 たぶん今から10年後も、アクション映画の代表作として君臨しているだろう。
[レーザーディスク(字幕)] 10点(2021-06-04 00:18:52)
836.  ネバーエンディング・ストーリー 《ネタバレ》 
~Die Unendliche Geschichte~果てしない物語。 オープニングの美しさ。リマールのテーマソングがまた良くて“懐かしいあの頃”に引き戻す。 さぁ!ファンタジーの世界に旅立とう!…って、小さい頃に何回か観たはずなんだけど、アトレイユがどんな冒険をしたか全然覚えてなかった。 ロックバイター、暴走カタツムリ、象牙の塔には顔が幾つもあるやつ、魚人間?魅力的なクセの強いクリーチャーたちがたくさん出てくる。…でも特に何もしてなかったんだな。 異世界“ファンタージェン”や世界を滅ぼす無“ザ・ナッシング”の素晴らしいネーミングセンス。日本語訳も頑張っていて、極め付けは女王“幼心の君”こんな綺麗な名前どこから思いつくんだろう?透き通るような容姿とともに忘れられない。 美しいという表現が相応しいアトレイユ。戦士というには若すぎるけど、暴力(武器)を使わない冒険物語にはベストマッチだったと思う。最初から孤独な旅だっただけに、相棒のアルタクスが沼に沈むときは悲しかったな。 ラッキードラゴン・ファルコン。パペットは表情豊か。でも今見ると特撮がかなりキツい…と言いたいところだけど、当時から微妙な出来の特撮だった。 空を飛ぶ爽快なシーンだけにちょっと残念。邪道かもだけど、ここは今の技術で上手いことしたほうが良いのに。って思う。 母親の死とイジメで気持ちが沈んでるバスチアンが、ファンタージェンの滅びゆく現状とリンクしているようで面白い。 多感な時期に出会う物語って、結構すんなりとその世界に入り込めたりするんだけど、バスチアンが飛び込んだ本屋のご主人が、本の世界の面白さを伝えてくれる。 最後の、ファルコンでいじめっ子に仕返しするところはよく覚えていて、綺麗な音楽をバックにバスチアンがファンタージェンを飛ぶまでは良いけど、なぜ現実世界にも来たのか、子供心にあのシーンをどう整理をつけようか困った記憶がある。 リアルタイム世代じゃなければ、もう少し評価が下がったかも。
[地上波(吹替)] 6点(2021-06-02 13:29:02)
837.  ネバダ・スミス 《ネタバレ》 
~NEVADA SMITH~架空の人物。 西部劇はあまり詳しくない私だが「西部劇のタイトルを挙げよ」と言われたら、10番目くらいには出てきそうな本作。クチコミ件数の少なさから、そんなに有名な作品ではなかったのかな?銃を真横に担いだマックイーンのポスターが思い浮かぶ。 『大いなる野望』という映画の登場人物・映画俳優ネバダ・スミスの前日譚…らしい。この作品の主役がジョナス・コード・ジュニアとのことで、本作のコード本人か、息子だろうか?どんな話か気になる。 “ネバダ・スミス”を名乗るのは後半で、本名“マックス・サンド”の名が頻繁に出てくる。 インディアンとのハーフの少年の成長物語。家族を惨殺されたマックスの執念と怒りの孤独な復讐劇。西部をあちこち旅しながら、そこに住む人々との一期一会の交流が描かれている。 勘違いから襲った三人組に親切にされ、翌朝身ぐるみ剥がされてる絶体絶命から、救いの手を差し出すコードの優しさがホッとする。社会を知らないマックスに父親のように教えるコード。薬莢は高価だから拾わせるのが生活感がある。『この恩は返しきれない』コードに感謝の意を表す。 「西部中の酒場や売春宿を回れ。教会にドブネズミ共はいないぞ。お前もドブネズミにならなきゃ捕まえられん」コードの言葉通りドブネズミとなって酒場や売春宿、果ては刑務所の中にまで行く。ついには自分が町の厄介者になってしまう。 神父に命を助けられ、初めて教会に行く。荒んだマックスに復習の無意味さ、良心を教える神父。『この恩は返す』と神父に上辺の言葉を残し復習に旅立つ。 トム・フィッチとの心理戦が丁寧で面白い。仲間を物陰に隠れて配置し、2階から撃ちやすい位置の椅子に座らせるトム。椅子をずらすマックス。インディアンを侮辱し、母親の服で作ったタバコ入れを見せ、「マックス!」と声を掛けるが、ピクリとも動揺しない。観てるコッチがドキドキする。後にコードが出てきて声を掛ける時もギクッとした。 遂にトムを殺すチャンスが来るが、思いとどまるマックス。ここにきて神父の言葉が心に届いたんだろう。 コードと出会った頃の、少年らしい素直さがマックスにまだ残っていた。 銃を真横に担いだマックイーンのポスター。あれ、十字架に架けられたキリストを表してたんだな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-02 09:47:38)
838.  夜の訪問者 《ネタバレ》 
~De La Pert De Copains~仲間から。…で良いのかな?なんか間違ってそうだけど、英題は~Cold Sweat~冷や汗。 去年BSで観たのを忘れて録画、ついまた観てしまった。  夜の攻防から死体処理。船上や空港のアクション。美人のモイラに可愛いコンパクトなオープンカー。後のコマンドーみたいで結構面白い。 けど何でジョーが、悪党2人を殺さなかったか疑問。最初の奴(坊や)はアッサリ殺してるのに。 流れ弾でファウストが死ぬ辺りからストーリーが変になってくる。設定上ロスの部下をもう2人くらい増やせば、簡単に解決したんじゃないか?いやきっと、1台の車に乗り切れる5人で、過去の犯罪メンバーをまとめたかったんだろうか。  その流れ弾でロスが怪我をする。ジョーが車で往復して医者を連れてくると言い出す。…いやどう考えても車で片道病院まで連れて行ったほうが早いのに。 でもこの小屋にいるのが①ジョー・マーティン②その妻ファビエンヌ③その娘④怪我人ロス⑤悪いカタンガ⑥ロスの愛人モイラで6人。 1台の車には乗り切れない。いやいや、カタンガを縛って物置にでも閉じ込めて、みんなで病院行けば良いんでない? それかファビエンヌに小屋で待ってもらって、5人で行っても良いんでない?なんか、モイラさえいなければ… 最初監督の考えてた話と、何か色々と違ってきたんだろうな。誰かがカーチェイスやりたいとか、もっと格闘アクション入れたいとか、ジル(嫁)出したいとか、ジル(嫁)殺したくないとか、なんか色々。  町に馴染んでるジョー。医者のツテでもあるのかと思ったら、普通に銃で脅して連れてくる。もう絶対ロスを病院連れてきたほうが早かったって。 無駄に格好良い白バイとのヒルクライム・カーチェイス。悲鳴一つ挙げない先生に注目。さすがジョー、良い先生知ってるわ。 一方、意地でもファビエンヌには銃を渡さないロス。出血で真っ白な顔が乱の仲代達矢みたいだ。その後出血死。 ライター1つで山火事発生。仲良くカタンガに捕まるマーティン一家。 ジルじゃなくてモイラは山小屋でフェードアウト。先生も小屋に置いてけぼり。あの後どうやって帰ったんだろう?先生のハイウエストなズボンに注目。 山火事で火だるまは避けたカタンガだけど、結局照明弾で火だるまに。この時、照明弾を拾うジョーのパントマイムみたいなアクションが滑稽なのと、家族のいる方向に躊躇なく照明弾を撃てるジョー怖い。 最後は白バイ警官がヒルクライムの車を確保して逮捕もされず、マーティン一家が笑っておしまい。 …これだけ書いておけば、間違ってこの映画を観ることはもう無いだろう。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2021-05-30 21:48:12)
839.  岸辺の旅 《ネタバレ》 
ピアノ講師として生活していた瑞希。突然3年前に失踪した夫が死人となって現れる。 失踪中、優介が世話になった思い出の地に旅立つ瑞希。 死後も新聞配達を続ける島影。廃墟となった彼の事務所に、瑞希はどう思ったのか。…この辺で“瑞希も実は死人なのでは?”と思った人もいるのでは?  教え子の母親にダメ出しされ、孤独な死を迎えた彼女に、死んだ優介が会いに来る。旅の途中、優介が話しかける駅員も、電車の親子も死人。 死を受け入れていない瑞希は、島影の事務所が廃墟になっているのが見えて驚く。だけどそれを優介に問いただしたりしない。 …それだと、何となく辻褄が合うかな?と思ったら、次の中華料理屋は「俺と違って瑞希と同じだ」という。生きている人?  死者と生者が共に暮らす世界だとしたら、どうして優介は3年も戻らなかったのか? 瑞希の寝起きから始まる帰宅、どれだけ家を留守にしたのか、貯まった手紙に枯れた植物。なぜ、手紙も見ずに寝たのか? 朋子に「優介は生きている」と嘘を言う瑞希。「想像通りの奥さんで拍子抜け」朋子の憎たらしさ。 農村で突然、光だビッグバンだの科学の話。…面白いかもしれないけど、あんな多くの老若男女が興味を持つ話題だろうか? 滝で父親が言う「アイツがお前にしたことと言ったら…」「あの男の事は忘れろ」????  これは、やはり瑞希も死んでいるんじゃないだろうか?死者と生者の話ではなく、すべて死者なのでは? 死を受け入れていない地縛霊と、優介のように受け入れても成仏できていない霊たちの話だとしたら… そして行き先が、簡単に言えば天国と地獄があって、中華料理屋の夫婦は、瑞希と一緒で天国に行ける地縛霊。 優介や朋子、農家の息子はきっと、地獄に行く地縛霊。中華料理屋の妹や瑞希の父は、もう成仏した霊。 瑞希が死なないと優介は現れる事ができなかった。瑞希の帰宅が寝起きから始まる=霊の移動はバスとかでなくても出来る。 優介は、農家の息子が妻にしたように、瑞希を自分の行く地獄(?)に連れて行こうとした。 だけど心変わりをする。あれ程拒んでいた性行為は、別れの儀式的なものとか。 …と考えれば、このモヤモヤした話はストンと落ちないだろうか?生と死の別れの話でなく、死後の天国と地獄の別れの話。 …こんな時間にお酒飲みながら書いてるから、自信は無いけど、“岸辺の旅”の岸辺って、三途の川の川岸の事とか。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-05-30 02:36:48)
840.  追想(1956) 《ネタバレ》 
~Anastasia~ロマノフ王朝最後の大公女の名前。 それを『追想=過去を思い出すこと』なんて邦題にしてしまったのは勿体無い。アナスタシア。神秘的で格調高いタイトルだったのに… 「赤毛だったら良かったのにな」「なかなか上手いじゃないか」大金目当てに下地がそれっぽい偽物を探し、本物に仕立て上げる。 作る側も最初からアンナを偽物として見ている。頭の良いアンナは教えた以上の知識を披露したりする。 人にタバコを注意しておいて、裏ではタバコをプカプカ。ポール公とシャンパンを泥酔するまで飲むなんて、いかにも偽物臭い。  マリア皇太后の存在感、迫力と気品がよく描かれている。見る側もアンナは偽物として観ているため、面会の緊張感が凄まじい。 「一族の名を気安く口にしないで、偽物!」たくさん偽物を見せられてきた皇太后の、うんざりした気持ちが良く出ていた。 皇太后は咳から彼女を本物だと認めるが、一言「でもあなたでないとしても、私には言わないで」老い先短い皇太后の本心だろう。  記者会見で病院の隣室の者が現れて、偽物疑惑が再浮上。ドレスのままアンナはタバコをプカプカ。 ※色々調べるとニコライ2世にタバコを吸わされるアナスタシアの写真が見つかる。「あ、本物も吸うんだ」って思った。  リーベンバウム夫人「舞踏会場を御覧ください、昔に戻ったみたいですわ」無関心なマリア皇太后「防虫剤が臭うわ」 最初の面会と違って、アンナにおばあ様として話すマリア「結婚相手はポールでいいの?」 「私たちは過去と一緒に朽ちるけど、未来はあなたのものなのよ」それを受け、マリアに何かを耳打ちするアンナ。 説明や経緯をすっ飛ばして駆け落ちしてしまうアンナとボーニン。 ポールの「皆になんて説明を?」に「“芝居は終わった、帰りましょう”と」と答える皇太后。 ロマノフ朝の亡霊たちが踊る舞踏会場に掛かる“THE END”の文字。  神秘的なアナスタシア生存説。 高級なお菓子の箱に描いてそうな美しい生前の写真。次々現れる自称アナスタシア(偽物)。 オープニングで石の壁にロマノフ王朝の紋章の影。真っ赤な“Anastasia”の文字は、彼女が銃殺されたことを大前提としている。 この映画は『もし本物のアナスタシアが生きていたなら、きっとこうしただろう。』として描かれた作品だと思う。 財産には手を付けず、無粋な恋愛描写も抜きに、将軍と忽然と消える。とても神秘的で美しい終わり方。 だからタイトルは、ロマノフ王朝最後の大公女の名前『アナスタシア』だったのに…
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-05-29 20:44:56)
000.00%
120.20%
2121.23%
3202.05%
4838.50%
518919.36%
620821.31%
719620.08%
816116.50%
9646.56%
10414.20%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS