841. URAMI ~怨み~
ロメロって、やっぱりゾンビ1発だったのかなって思わず感じてしまうが、一つの作品としては、後半がやや降り気味ながら、周囲の人々からいつも裏切られ、ある日起きたら突然自分の顔(アイデンティティー)が消えて、今まで自分を落とし入れてきた人々に復讐して、新しい自分になるっていう設定は中々手堅く纏めた方ではないだろうか。でもここまでパッとしないのはやはり、ロメロは“アヌビス3部作”という文字通り映画史に残る傑作でここまで大きくなった人なので、撮る作品撮る作品どうしてもそれら“傑作”と比べられてしまうという普通の監督よりも少し厳しい立場にいるからなんだろう。確かに彼が撮ってきた他の作品はアヌビスに比べテーマ性もエンターテイメント性もイマイチだが、それらと比べなければ中々面白い作りをしていると思う。 6点(2004-05-11 03:16:32)(良:1票) |
842. クンフー・マスター 洪熙官
洪熙官(ハン・カーロ)とは清朝に実在した武術家で、かの黄飛鴻(ウォン・フェイホン)が師事した南派少林寺・洪家拳の始祖の事…な~んて歴史的考証なんかまったく気にせず見られるカンフー映画です。とにかく圧巻なのは洪熙官ことドニー・イェンの動きの速さ!百烈脚(?)やら無影脚(?)やらをつかってのとにかく速いカンフー・ファイトが楽しめます。しかし…格好良く撮ろうとしてるのは判るんですが、どうも時たま挟まれるスロー・モーションや不自然なカット割り等でもう一息というところで興ざめになってしまうのが痛い。まあ、それ(とチープな映像)さえ気にしなければなかなか面白い作品です。それにしても…まさかこれにも出て来るとは思わなかった…空飛ぶギロチン!(笑) 6点(2004-05-10 05:09:49) |
843. 王様と私(1956)
《ネタバレ》 【雨に唄えば】【サウンド・オブ・ミュージック】【チキ・チキ・バン・バン】そして【ウエストサイド・ストーリー】と並ぶ、ミュージカルの傑作ですね。僕も最初は、ユル・ブリンナーがミュージカル!?って思ってしまいましたが、彼の本業はこっちだったんですね(笑)やっぱり彼が王様ってのは物凄くはまり役ですし、何より時折見せる子供みたいなところが物凄くおかしいです…ってか、ちゃっかりモーゼに仕返ししてるところが個人的に物凄いツボでした(笑)アンタそこまで根に持ってたんですか(笑)有名な【Shall we dance?】の曲にあわせてのダンスシーンや、シャム版【アンクル・トムの小屋】など、見ごたえのあるシーンが沢山あってとても面白いし、最後には、王様とアンナが分かり合えてよかったです(死ぬのはどうも腑に落ちませんが…)それにしても、「私はもうじきここを去る」って、死ぬ死ぬ言ってる割には元気じゃん!(笑) 8点(2004-05-10 04:52:46)(良:1票) |
844. ヘルレイザー ゲート・オブ・インフェルノ
ピン・ヘッド出番少なッ!やっぱりジャンルが廃れてるってことや、シリーズ5作目ともなるとマンネリ化してくるので、1~3作目のようなスプラッタゲロゲロの作りには出来ないんでしょうね。奇妙な箱を手にしたために現実と倒錯の世界の区別がつかなくなり、徐々に追いやられていくという設定は昨今のホラー等より遥かに不気味で独創的な世界観(と、云っても、それはこのシリーズの本当の主役、ピン・ヘッドがいるお陰なんですがね)を作り上げていますが、やっぱり1作目が、オカルト(心理的恐怖感)とスプラッタ(生理的恐怖感)両方の要素を兼ね備えた良作だったのでそのインパクトが強く、この題材(ヘルレイザー)でこういう描き方をするかぁ?ってな感じですけど、シリーズの番外編として見ればなかなか面白い作りをしていると思いますよ。今回もピン・ヘッドは、圧倒的なカリスマ性を持ったカッコいいキャラでした(笑) 5点(2004-05-10 04:34:18) |
845. クリムゾン・アイランド
私はアルバトロスコアって聞くといつもとは違う期待をしてしまうんですよね。で、これもその期待に胸膨らませて見たものなんですが、ん~やっぱりやってくれた。設定としてははオカルト的な要素が加わったいい作りをしてるんですが、土偶を割った事でその土偶はモンスター化。酒とクスリとエッチ大好きな若者を「わりぃ子はいねぇかぁ~?」ってなまはげ状態で殺しまくるって安易なスプラッタに成り下がってます。CGもいかにもそれと判る作りをしてますし。…てか、深紅の島ってどういう意味?血で真っ赤になった島って意味?それにしては少し物足りないよ。もっとやるならやるでズバっとやらないと!何でもかんでもクリムゾンって付ければいいってモンじゃないよ、まったく(お前が言うなって突っ込みはご勘弁を…) 3点(2004-05-10 04:23:11) |
846. ザ・クラフト
自分の願望を叶えたりとか、魔術って本当に便利なんだな~。自分をいじめた子に仕返しするってのはどことなくキャリーみたいだったし、降霊術にはまってるあたりはDearフレンズみたいだったな。要は色々なジャンルが入り乱れてる映画って事で。前半は少々退屈だったけど後半からは何気に盛り上がってきて良かった。それにしても……アメリカのティーンの女の子って本当に胸がでかいなぁ~(爆)やっぱ国土がでかいと胸もでかくなるのか~(そんな訳ねぇ…) 6点(2004-05-08 04:52:00) |
847. 60セカンズ
《ネタバレ》 設定云々はとにかく安直過ぎて全く説得力もないけど、町中を巻き込んでのカーチェイスや様々な高級車等は見ていて面白いので普通に楽しめる。車好きだったら余計楽しめるかも。作品全体としては5点、+最後まで不機嫌だった“エレノア”に1点の合計6点という事で。 6点(2004-05-08 04:47:08) |
848. WHO AM I?
《ネタバレ》 前半はとにかくダルいって言うのも、ジャッキーのカンフーが全然出てこない。やっぱり彼にカンフーを期待してるものとしては、大爆発よりもカーチェイスよりもカンフーを見せてもらいたい。で、後半、待ちに待った、ロッテルダムの敵本拠地ビル屋上での二人の用心棒との熱いファイト!そうだ!俺はこれを待ってたんだ!全体としては、今までよりは、まあ少しまとまってる話だと思うけど、やっぱりカンフーがなきゃジャッキーは始らないよ。と、言うわけで、8点でもいいんだけど、前半がやけに長いので7点。でも、クリスティーンの上段回し蹴りはカッコよかった! 7点(2004-05-06 02:57:13)(良:1票) |
849. バッファロー'66
《ネタバレ》 使ってる音楽のジャンルがプログレなら映像もプログレって感じですか(笑)全編通してBGMを極力排し、役者の演技と斬新なカメラアングル、そして周囲の“音”だけで見せる映画って近年じゃ滅多にない映画。ストーリーも、最初、ビリーの傲慢さには少々腹が立つけど、話が進むにつれてそれも全て虚像であるって事がわかってから少し彼に共感できた。ただ、レイラの気持ちは少し理解できないかな(笑)でも、かなり良い作品だと思う…とは言ったものの、実際はキング・クリムゾンの【ムーン・チャイルド】が聞けただけで満足だったりして(笑)な~んて、こんなこと言うとこれを薦めてくれた人に怒られそうだ(笑)あぁ~でも、それならエピタフ(墓碑銘)とかも流してくれよ~。そしたらもう1点おまけしたのに(笑) 7点(2004-05-06 02:50:41) |
850. 道(1954)
《ネタバレ》 やっぱりイタリアのヒューマンドラマは他と比べて群を抜いてるなぁ。今まで邪険にしてたジェルソミーナが死んで、初めて自分の愚かさを気づくなんて、本当に取り返しがつかない事だよ。それに、どんなにこき使われても最後までザンパノのそばにいたジェルソミーナも凄い。この世に無意味なものなんてないって、本当にその通りなんだと思う。どんなに役に立たなくても、それは一方向からの見方で、どこかで役に立ってる。そもそも、本当に必要じゃないのならはじめからこの世には存在しないはずなんだから。道って、何気なく使ってる、ごくありふれた単語だけど、こんな取るに足らないような1単語でも、ここまで奥の深いものを感じさせてくれる…題名からでさえ、凄く考えさせられる映画だ。 8点(2004-05-06 02:35:29) |
851. ブルース・ブラザース
《ネタバレ》 音楽ってのはやっぱり素晴らしいなぁって事を再認識させられる。レイ・チャールズやジェームス・ブラウン等の大物ミュージシャン達の歌も最高だし、ソウル・フード店でのオバちゃん連中のコーラスも最高!やっぱり黒人の方々はリズム感も歌唱力も段違いだね。それに、全編通してのやりすぎなギャグ。通りがかりにロケット・ランチャーぶっ放したりビルを吹っ飛ばしたり、前半のカーチェイスは逃げてるってよりもぶっ壊して回ってるようだし、後半のカーチェイスはン十台のパトカーと疾走感ありありの熱いレースを繰り広げたり、税務局に駆け込んだブルース・ブラザースを追ってSWATとかも出動しちゃうしってかどんな凶悪なテロリストだよ(笑)そしてラスト、刑務所内でのノリにのったロック・コンサート、プレスリーの“監獄ロック”がまたスンバらしい!!(笑)普段は結構退屈なエンドロールまで全然退屈に感じないし、ホント、殆どの人が高得点つけてる理由がまじまじと判る。これで、音楽は万国共通って事が証明されたわけだな(笑) 8点(2004-05-06 02:25:11) |
852. 仕立て屋の恋
うーーーん、確かに変態だけど、それがストーカーになるとか倒錯した形で表れないで、ちゃんと本人に打ち明けた事が凄いなぁ。徐々にでいいから愛してくれって、変態って言うより物凄く一途にも取れるな。普通の人間だったらラストの裏切りに恨むどころか復讐するのに、恨んではいないよ。もの凄く切ないだけだって…並大抵の人じゃこんな事は言えないな。凄い。でも可能移入は出来なかった…なので6点。 6点(2004-05-06 02:10:01) |
853. 死の王
ほほう、貴方が死の王ですか。ワタクシは深紅の王です。畑は違えど同じ王としてこれからも頑張っていきましょうか…ハイ、全然関係ありませんね!(爆)この映画、非常に評価に困る映画なんですね。確かに、【ネクロマンティック】のヒットでそのテの好事家の間で一躍有名になってしまったユルグ・ブットゲライト作品な為、グロ映画であることは確か。しかし、それだけで切り捨てるには少し惜しいような気もするんです。人が生きていく上で必ず通らなければならない死を、こういう形で映像にして、見る者に問い掛けてくるんですから。しかし、まあエログロの類がダメな人にはてんで駄作には違いないんですけどね(笑)死体が時間が経つごとに徐々に腐敗していく過程を早回しで見せたり、レンタル・ショップのポスターや陳列棚に他の作品に紛れてさり気な~く自作品の【ネクロマンティック】を登場させているところがニクいなぁと思いました(笑) 5点(2004-05-04 13:59:26) |
854. 怒れるドラゴン・不死身の四天王
ハイ、これも70年代を代表するカンフースター、ジミー・ウォング先生の傑作カンフー映画です。そしてそれと同時に【片腕ドラゴン対空とぶギロチン】どう同様ツッコミどころの多い映画ですね。先ずはじめに…脚を怪我して、明らかに脚を引きずって歩いてるのにその後平然と上段蹴りを出すってどういうことでしょう?波紋法で痛みを和らげているのでしょうか?そして日本人用心棒チン。何回扇子を壊せば気が済むんでしょうか?そして何個同じ扇子持ってるんでしょうか?闘いになるといちいちご丁寧に懐から「武」と書かれた扇子を取り出し、ご丁寧に何度も何度も破って見せるなんて、まるでバカ殿様がキレて刀をぶん回す時みたいですね(笑)ストーリーもあってないようなものだし、これで良いんでしょうか?と突っ込みを入れたくなりますが、これで良いんです(笑)第一、アクション映画にストーリーを期待する自体が間違ってるんです(笑)それに、登場人物の“本物の動き”を垣間見てしまってはもう、ストーリーどうのこうのとは言ってられません。ひたすら彼らの体捌きを追わなければならないんですから(笑)昨今のCGやワイヤーで誤魔化された似非・カンフーとは違い、己の肉体のみで闘う彼らを見てはもう、「これは、すんごいものを見てしまったぞ!」と言うしかありませんね(笑) 8点(2004-05-03 17:24:30)(笑:1票) |
855. パッション(2004)
この映画をローマ教皇が絶賛したとか、観客がキリスト様と一緒に昇天なさったという事で、かなり話題になっている作品ですね。キリストを題材にした映画は何本かありますが、僕がこれまでに見た2本(キング・オブ・キングス、ナザレのイエス)とは明らかに作りが違います。というのも、前2者はキリスト生誕から昇天までの軌跡を描いているのに対し、この作品はキリスト処刑前夜を重点的に描いているので。その点から考えると、キリストという人物を知る上では説明不足の上に、延々と続く拷問シーンなど衝撃的(である意味退屈)な映画ですが、宗教云々を抜かして考えると、これも、キリストは迫害に苦しみ虐げられている民を“神”によって救済しようとし、それゆえ本来の在り方を忘れ、権力を欲する者達の犠牲になった一人の男の映画であるという事が言えます。その点にしては十分いい映画なのですが、少々ハリウッド的な演出が出てくるので、少々興ざめの部分もありますが、27億円もの私財を投じ、ラテン語とアラム語で脚本を書いたメル・ギブソンの情熱(パッション)に敬意を表して6点。 6点(2004-05-03 17:11:25) |
856. 炎のランナー
やっぱり、皆さんの言うとおり、作品よりもテーマ曲のほうが圧倒的に知名度が高いですね。宗教どうのこうのや国のため、王のためと色々なことが言われてますが、↓黒猫クロマティさんが仰っているように、要は個人個人の信念を貫くって事だと思います。個人的には少し感情移入できない部分もあるのですが、それでも語られてる内容は素晴らしいと思います。冒頭、そして最後の、全員で海岸を走ってるシーンがとても印象深いです。 6点(2004-05-02 14:17:58) |
857. スペシャリスト(1994)
はぁぁぁあの猫可愛いなぁ~。スタローンの横をトコトコついてきたり、家に帰ってくると出迎えてくれたり、プラスティック爆弾を組み立ててる横でネズミとじゃれて金網を攀じ登ったり…は~癒されるな~…って、これじゃ猫のレビューじゃん!(爆)…すいません、真面目にコメントします。…でも、それっきゃ書く事がないんだよねぇ。あ、そうそう、あの大爆発に猫が巻き込まれなくてよかった~…って、やっぱ猫のレビューになってる(笑) 5点(2004-05-02 14:11:21)(笑:1票) |
858. ロビン・フッド(1991・ケビン・レイノルズ監督作品)
《ネタバレ》 まぁブレイブ・ハートと似てる部分がかなりあるんですねぇこれは。個人的にはブレイブ~の方が好きですけどねぇ、これもなかなか面白いですよ。目を抉られながら最後まで主人の潔白を信じる執事って、普通の人じゃ先ず無理。本当にその人のことを信頼し、慕ってなけりゃ出来ないっすね。それにかつては貴族だったのに十字軍としてエルサレムに遠征に行ってから、人生観を変えて、弱きもの=庶民の味方になるロビンも、個人的復讐や偽善かもしれないけど、何も行動しないよりはずっとマシですよ。やっぱりいつの時代にもこういう庶民の英雄ってのは必要です。最後のほうにちゃっかり登場してたショーン・コネリーや、異教徒でありかつては敵でありながら主人公を上手くサポートするモーガン・フリーマン等の豪華キャスト、さり気なく盛り込まれてる笑いの要素などは見ていて非常に面白いです。ただ全体としての仕上がりが少々甘かったように思えるのがネックですか。何はともあれ、気軽に見られることは確かですねぇ。 6点(2004-04-30 01:07:49) |
859. アバウト・ア・ボーイ
はぁぁぁダメだ。どうしてもヒュー・グラントとニコラス・ホルトが好きになれなかった…特にニコラス君の強引に人の生活に入り込んでくるところがなんか図々しく思えてきて…それにあの顔が…どうも…ダメだ、どうしても感情移入できる人がいない…こんな映画初めてかも… 5点(2004-04-30 00:54:04)(笑:1票) |
860. ボーン・アイデンティティー
《ネタバレ》 要は、CIAの特殊工作員が記憶喪失になったら路頭に迷うだけじゃすまないってことでせうか(笑)マット・デイモン初の本格派アクションエンターテイメント、ということで、中盤のジェイソン邸での殺し屋との死闘やパリ市内でのカーチェイスなど見所も多い事は多いんですが、アクションシーンの不自然なカット割等でイマイチ臨場感にかけるし、話自体も“結局は任務失敗も全て作戦(実験)の一部”っていうものなのでそれほど面白くもありませんでした。最悪でも、もう少しアクションシーンを上手く撮ってくれれば… 5点(2004-04-30 00:48:50) |