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コメント数 923
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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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861.  カポーティ 《ネタバレ》 
小説家という業の深さを丹念に描写した佳作。冷淡なトーンで静かに進みながらも、作品の完成のために分身と呼べる死刑囚を死なせるまでを迫力ある筆致で綴る。フィリップ・シーモア・ホフマンがカポーティの精神的な死を鮮烈に体現。後に『冷血』の原作を読んだが、一人の死刑囚に対して重きを置いていることを見ても、野心と憐れみの狭間で如何にして心身を削っていったか分かる気がする。
[DVD(字幕)] 7点(2015-02-15 18:03:21)(良:1票)
862.  ベイマックス 《ネタバレ》 
前作の『アナと雪の女王』に辟易していたため食わず嫌いだったが、意外にも大当たり。硬派なマーベルのテイストを見事にディズニーの世界観に溶け込ませることに成功しており、これほどの熱狂と感動に包まれるとは思っても見なかった。日本に対するディテールもしっかりしており、往年のロボット及び特撮ヒーローへの敬意が払われ、当作品への本気が伺える。黒幕のミスリードが象徴するように復讐の連鎖を如何に断ち切るか、ややご都合主義とはいえ、生前の兄の映像で上手く切り抜ける。努力というものをよく知っている教授が、失敗を繰り返しながらもベイマックスを完成させた兄の姿を見ていたら、ダークサイドに堕ちなかったかもしれない。日本テイストを最高の形で再現させ、尚且つ面白い"ジャパニメーション"をディズニーという米国のアニメスタジオが成し遂げてしまった。宮崎頼りのジブリの衰退を見ても分かる通り、近い将来、日本のアニメが必要とされなくなる時代が来るかもしれない。
[映画館(吹替)] 8点(2015-02-15 17:57:21)(良:2票)
863.  アバター(2009) 《ネタバレ》 
映像に奥行きがあって凄い凄いと言われても、ストーリーがどうしようもなければ、この3DCG映像なんて30分以内で飽きる。 極めつけは、主人公の失態で原住民の住処が破壊され、彼らから信用を失くしたのにも関わらず、 赤い巨大ドラゴンを操って畏敬されたり、人間の身体を捨ててアバターで生きるラストなんてあまりにも御都合主義過ぎて、 サルでも分かるくらい酷いレベル。 これでアカデミー賞の作品賞を獲っていたら、賞の権威は地に落ちていただろう。 良質だが地味で宣伝する力が弱く、メジャー大作に埋もれてしまう現状に警鐘を鳴らす意味では、会員の判断は正しいと言える。 前例を作ったら、『トランスフォーマー』シリーズにも作品賞をあげても良いことになってしまうので。
[3D(吹替)] 4点(2015-02-01 13:28:03)
864.  ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE
テレビスペシャルで十分な内容。欲張っていろんなキャラを出し過ぎたために、どのエピソードもキャラの掘り下げも中途半端でしかも無駄にゴチャゴチャしすぎて非常に分かり辛いし、さらに一本の線に繋がらないのは致命的。前作の話も絡めてくるのだから尚更。それに夢の共演と言えども、初出のワクワク感がピークで、この組み合わせが当たり前になってしまえば有難みが薄れて飽きるものである。
[地上波(邦画)] 3点(2015-02-01 13:24:10)
865.  KANO 1931海の向こうの甲子園 《ネタバレ》 
サイドストーリーや回想形式が上手く機能しているとは思えないし、一部を除く選手全員を描き切っているとは言えない。字幕を付けなければ聞き取り辛い日本語があったりと、全体で見れば完成度は高いとは言い難い。しかし、人種や歴史的背景を超えて、甲子園に向かってひたむきに走る彼らの姿にのめり込み、気付けば3時間の長尺を忘れるくらい、ギャラリーと気持ちが一体になった高揚感は巨大なスクリーンでしか体験できなかっただろう。負け試合だとは分かっていても、最後まで諦めず全力を尽くす選手たちに、「せめて1点だけでも」と願っている自分がいた。戦前の日本統治を肯定する内容ではなく、分け隔てのない英雄たちのロマンを描いた製作陣に敬意を称したい。前作の『海角七号』『セデック・バレ』も見たくなった。
[映画館(字幕)] 8点(2015-02-01 13:21:12)
866.  ルネッサンス
実写を白と黒の2色のみで表現したようなストイックな世界観に惹き付けられる。ただ、それは最初の10分までで、SFでは手垢の付きまくった設定を如何に見せるかが脚本家の仕事なのに、新しい発見がないまま、退屈で予想通りの展開に終始する。独特のビジュアルを活かした画作りも乏しいために、白黒画面が次第に単調に映えていき、映画全体の足を引っ張る皮肉な事態に。企画倒れとはまさにこのこと。奇をてらったビジュアルだけでは観客を惹き付けられない残念なお手本。
[DVD(字幕)] 3点(2015-01-31 01:43:15)(良:1票)
867.  カラフル(2010) 《ネタバレ》 
一体誰に向けて作った映画なのか。 前作の『河童のクゥと夏休み』はアニメでしか出来ない表現があったが、本作は実写でやれば十分な内容と表現をそのままアニメにしても、ターゲットの中学生にはピンと来ないのではないか? 現に声優陣を俳優で固めるあたりからしてもそうだし、極めつけは鉄道に関するエピソードでまんま実写写真がバーンと映し出される。不倫した母との関係にまだ決着が付いてないのはリアルかもしれないが、アニメでしかできない表現を放棄した先にあるのは、表面を撫でただけの"リアル"と思われる事象の羅列とそれを履き違えている製作者の自己満足。だから伝えたいメッセージの説得力が乏しいし、ケータイ小説の薄っぺらさに通じるものがあった。型に嵌って息苦しく、広がりがないんだな。もっと非現実に描いてこそ、物語内の現実が際立ち、"カラフル"が実感できるのではないだろうか。2000年に既に実写映画化されているんだから、この地点で題材を間違えているとしか思えない。"クレしん監督"のイメージから完全に脱却するのはまだ先のようだ。
[DVD(邦画)] 4点(2015-01-31 01:40:01)
868.  それでも夜は明ける 《ネタバレ》 
◆拘束されたソロモンの背中を板が壊れるまで容赦なく殴り付け、今度は鞭で血肉を飛び散らせるほどに切り裂く。この長回しに「早くカットしてくれ」と思うくらい身体を引き攣らせた。奴隷制度というものがどれほど惨たらしいものかを想像させるには十分なワンシーンである。しかし、それは序章に過ぎない。他の自由黒人も家族もろとも拉致され、別々の所有者に引き裂かれて二度と会えない絶望感。逃げ出すも捕まり吊るされる前の奴隷の表情。「逆らっても無駄だ」と諦め、死ぬまで酷使される運命を悟る奴隷達。歴史に埋もれた黒人達の声なき絶叫が痛烈に伝わってくる。◆一見、善人の白人もいるだろう。同情はするし、人間として接するも生活のため、社会的抹殺をされないために平然と裏切る。制度に対して誰も疑問を持たない当たり前の世界。葛藤しつつも結局パッツィーを痛めつけるエップスもまた、現代社会の矛盾を黙殺している我々と同じではないか。◆ソロモンは偶然助かったに過ぎない。家族と再会しても12年の歳月は帰ってくることはなく、背中の傷跡も死ぬまで消えることはない。心は奴隷時代の闇に残されたままだ。「それでも自由黒人であるお前はまだマシな方だ。奴隷黒人と何が違うのだ?」と重く問いかける。◆アカデミー賞で勝利したのにもかかわらず、『アナと雪の女王』と『ゼロ・グラビティ』に埋もれるのは不憫すぎる。単純に「感動しない、つまらない」と切って捨てるのは恥じるべきだろう。娯楽だけが全てではない。日本が社会現象にさせるべきなのは、"Let It Go"ではなく"Roll Jordan Roll"であるはずだ。『タイタニック』並みにメガヒットさせるべきだった。それでも戦前の迫害行為からまだ目を背けるつもりなのか。我々もまた、鞭を振るう側かもしれないのだから。
[映画館(字幕)] 8点(2015-01-24 23:03:51)
869.  大統領の執事の涙
「ラストのアレをやりたかっただけだろ!」と突っ込みたくなる映画。邦題だけを見ると、大統領との人種を超えた絆を描いたものだと勘違いしそうで明らかなタイトル詐欺(そもそも原題は"The Butler" = 執事)。それだけ、「黒人の、黒人による、黒人のための映画」になっている。だからと言って、決して悪い映画ではないけれど、あまりにオーソドックスで想像の範囲内に終わっているため、メロドラマから抜け出ていない。黒人の人種差別の歴史を知る映画としては過激な表現や重すぎる展開が控えめなため入門編に最適。大人な方は『それでも夜は明ける』を見ましょう。 
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2015-01-22 20:55:37)
870.  霧の中の風景 《ネタバレ》 
政治色が強く、長回し及びロングショットの多用で芸術映画を地で行くアンゲロプロス監督作品の中では 一番分かり易く敷居の低い映画であることには間違いない。  深い黒で覆われたオープニングから引き込まれ、初めて列車に乗った時の高揚感に胸が躍る。 まだ見ぬ父親に宛てた繊細で詩的な手紙に雪で時間が止まった群衆、 失われていく馬の命と遠景の結婚式の対比、 あまりに透徹であまりに美しい映像の力に魅了される。 それ故に政治的・難解さといったフィルターがあまり掛かっておらず、 現実が寓話に侵食し破壊していく様をまざまざと見せ付けられる。 トラック運転手に犯されて"女"にされた姉や時代の流れで廃れていく旅芸人の一座、 ヘリに引き上げられた神の手がそれだろう。  再会し恋愛感情を抱いたにも関わらずすれ違いで別れる際の旅芸人の青年の詩的な台詞が胸に迫る。 悲惨な現実を経て、ボロボロになって辿りついた姉弟を迎え入れるようにそびえる樹木は、 死によって彷徨う姉弟を慰める父親そのものかもしれない。  ある意味で救いかもしれないし、監督の厭世観を感じさせた。
[ビデオ(字幕)] 9点(2015-01-17 22:33:20)
871.  ハンガー・ゲーム 《ネタバレ》 
航空機内のテレビで視聴。 ツッコミどころ満載でも面白ければ目くじらを立てないタイプだが、 これは設定が破綻しているというレベルの代物ではなく、 凡作の『バトル・ロワイアル』がマシに見えるほど。  まず、バトルに至るまでの訓練やスポンサー獲得といった退屈なイベントが続き、 それだけ時間を割くなら参加者の葛藤を丁寧に描いて欲しい。 それすら欠如しているため、「早く進んでくれ」と何度思ったことか。  また、やっとバトルが始まっても逃げ続ける主人公視点でしか描かれないため、 他の参加者が如何にして無念を遂げたかが分からず、いつの間にか勝手に死んでいるという。 しかも残虐シーンが皆無ならまだしも、 木の上に逃げた主人公を待ち伏せ→全員居眠りな時点で緊張感もありゃしない。 よって殺し合いゲームの理不尽さと残酷さが全く感じられなかった。  終いには火の玉出すわ、CGの獣を召喚させるわ、ルールを頻繁に変えるわでやりたい放題。 同じ地区の少年と都合良く助かるラストには怒りを通り越して呆れてしまった。 2時間強で描いた割には権力者の顛末や参加者とは別の幼馴染との関係が不明瞭のまま宙ぶらりんで終了。 と思ったら、実は三部作でしたということを鑑賞後知ってしまい更なる虚脱感。 続編も酷いようなので見ることはないだろう。 ジェニファー・ローレンスを初めとする実力派俳優の無駄使い。
[DVD(吹替)] 1点(2015-01-17 21:24:01)(良:1票)
872.  グランド・ブダペスト・ホテル 《ネタバレ》 
ペルシャ猫の運命が象徴するように、人生はあまりに理不尽で過酷だ。冤罪と遺産相続に巻き込まれたコンシェルジュは結果的に遺産を手に入れ、ベルボーイも家庭が持ててめでたしめでたし……ではない。物語が終わっても彼らの人生は続き、コンシェルジュはすれ違いで銃殺刑になり、ベルボーイの妻子も流行り病で亡くなる皮肉さよ。それでもベルボーイは自分達が存在した証を残すために、国営化したホテルを遺産で買い戻し、彼の話を聞いた作家が本を書き、物語として第三者の記憶の中に残っていく。如何なる結末であれ、歴史に名を残さないコンシェルジュとベルボーイを知り、老婦人を知り、殺し屋を知り、ペルシャ猫を知った。彼らが存在した証は『グランド・ブダペスト・ホテル』という物語の中で生き続ける。ウェズ・アンダーソン監督の映画を初めて見た。クラシックなミステリー・コメディ風を装いながらもアドベンチャー要素が強く、ガーリーな美術と雰囲気の中にブラックな毒を仕込ませるえげつなさがあるため、好き嫌いが分かれそう。しかも、ミステリーとは言え、3つの時代が大きく関わることがないため、どんでん返しを期待した自分には物足りなさが残る。エンドロールのパラパラアニメは世界観を象徴して良きアクセント。
[映画館(字幕)] 7点(2015-01-17 20:23:37)(良:1票)
873.  ペルセポリス 《ネタバレ》 
イラン版ちびまる子ちゃんって感じ。主人公のマルジは生意気で可愛げもない感情移入とは程遠いキャラクターで、恐らく原作者の自虐や自戒を含めた描写だろう。これによって祖母の「いつも公明正大に」の台詞が際立ち、単に彼女の成長物語としても見れるものとなっている。モノクロでしか出来ない表現を惜しげもなく使い、宗教で凝り固まったイランをデフォルメに風刺、日本やアメリカとは違う独創性があった。裕福な家庭だからできることなのだが、自らのアイデンティティーに悩み、欧州との溝に打ちのめされて戻ってきた彼女が、閉ざされたイランから再び飛び出し、新天地のフランスで「イランから」と自信と誇りを持って言う。彼女の強い決意と希望が感じられた。
[DVD(字幕)] 8点(2015-01-17 11:15:11)(良:1票)
874.  スーサイド・ショップ 《ネタバレ》 
"自殺専門店"という特異な設定と監督がパトリス・ルコントということに興味を持った。いや~、これほどなまでにブラックな笑いに満ち溢れ、躊躇することもなく次々に人が自殺していく。しかもミュージカルが時々挿入されるため不謹慎さが倍増。日本で似たようなものを作ったら間違いなく問題になっただろう。表現の自由を第一に考える自由主義のフランスならでは。やがて次男のレジスタンス活動により、家族も心の奥底では分かっていた生業に違和感を持つようになって、生の歓びがネガティブな空気と対比して際立っていく展開が痛快。それでも「人生は素晴らしいけど強制はしないよ」というスタンスで、最後の毒入りクレープで死んでいく男と死んでも救われなかった亡霊を見るに、フランスならではの苦みと皮肉を感じるハッピーエンドだ。これを見たらある意味で自殺する気になれないかもしれない。ちなみに元になった"ミシマ"は名字であって、"ユキオ"が正しいんじゃないの?
[DVD(字幕)] 7点(2015-01-17 11:06:09)
875.  天空の城ラピュタ 《ネタバレ》 
説明不要の名作。何度も見ているからか点数を付ける付けないを超越したという感じ。『ルパン三世 カリオストロの城』でも言えることだけど、押し付けがましいメッセージを排して、徹底的に観客に娯楽を提供する情熱があったからこそ、ジブリ最高傑作として讃えられる所為だと思う。何より高所恐怖症には堪らないラピュタ城での活劇はズルすぎると言えるくらいロマンとワクワクに満ち溢れ、最後までブレないムスカの存在感は名セリフの数々で名悪役にまで押し上げられた。本作から『紅の豚』までくど過ぎるメッセージや難解な要素がない分、宮崎アニメのピークだったと思うが、どうしてこうなったんだろうね…… 
[地上波(邦画)] 10点(2015-01-17 11:03:11)
876.  ルパン三世 カリオストロの城 《ネタバレ》 
過去に何度も見たけど、レビューのために見る。何度も見たことがあるのにも関わらず、記憶がおぼろげになっても見ている間は最後まで飽きなかった。難攻不落の城を型に囚われない伸縮自在のアクションと奇策で潜り抜ける知的好奇心と、助かるとは分かりつつも普通なら転落死するだろう高所での活劇はいつ見ても手に汗握る。ルパンが恋心を抱いたクラリスを抱き締めようにも躊躇う演出の絶妙さから銭形警部のあの名セリフまで結末に は文句も付けようがない。最後まで娯楽に徹し続けた意味では、初期の宮崎アニメの真骨頂と言えよう。思い出補正もあるかもしれませんが。
[地上波(邦画)] 8点(2015-01-17 11:00:39)
877.  ヤギと男と男と壁と 《ネタバレ》 
壁をすり抜けられると信じて激突する冒頭には思わず笑う。しかし、あとは笑えるには微妙なシーンが多く、ありえない超能力部隊の内情に目が向くことになるが、コメディにもシリアスにも振り切れてないため散漫で中途半端な印象しかない。ドラッグ入りの水で基地関係者がハイになる展開は面白いけど、恐らく脚色でどこまでが本当か分からないため、「これは実話である」と謳っても誰も信じないだろう。いっそのところ、普通にモニュメンタリー風にして、徹底的にはっちゃけた笑いで突き進めば良かったかもしれない。
[地上波(字幕)] 3点(2015-01-17 10:56:25)
878.  グッドナイト&グッドラック
ハリウッドがこれほどなまでに民主党支持者が多いのは、この黒歴史の反動が大きいのだろう。ただ、赤狩りの知識がないとかなり厳しい映画で、全編室内のみで展開するならまだしも、淡々どころか大きな変化もないまま終わるため、マッカーシズムに対抗する記者たちの奮闘と功績を実感できなかった。インテリが好みそうなまさにアカデミー賞受けの作品だと思うが、ここまで来ると独り善がりの感じが否めない。 
[DVD(字幕)] 3点(2015-01-17 10:53:36)
879.  仏陀再誕 《ネタバレ》 
映画館以外で見る機会はほぼないと言っても良いが、レンタルショップで偶然発見してしまったので冷やかし目当てに観賞。やっぱり酷い映画だった。キャラデザは現代的でアニメオタクを信者にさせる魂胆であるものの、平凡すぎるため見事なまでに空回り。また、この世とあの世の話の最中に絵がヘタだとか唐突なギャグを捻じ込む地点で脚本のセンスが微塵もない。ライターならともかく、コネで息子が書いている地点で仕方ないね。挙句の果てには、幸福の科学は良い宗教、創価学会は悪い宗教と謳うようなネガキャン展開で、双方ともイメージ最悪で逆効果。予算がなくなったのか終盤の特殊効果が初代プレステ並みになったり、宗教嫌いのヒロインの父親と悪玉宗教のボス(池田大作)をたらし込んで洗脳させていく過程は失笑もの。自分自身を美化し、ブッダの生まれ変わりとほざく偽善者・大川隆法のナルシストぶりにもうついていけません。こういうのは自分達の施設だけで上映、自画自賛してください。人に欲望があるからこそ文明が発達して便利な物質社会があるわけだが、楽してベンツを所有している詐欺師に愛とか心の豊かさとかを言われる筋合いなんてない。
[DVD(字幕)] 1点(2015-01-10 19:38:00)
880.  勝手にしやがれ
ゲリラ撮影、即興演出、ジャンプカットと、メジャースタジオとは真逆の、型に嵌らない映画製作が世界中に革命をもたらした"映画史の教科書的名作"。リアルタイムで見ていたら衝撃を受けていたかもしれない"常識を覆す映画"だったが、独立系映画で嫌ってほど見る現在となっては"かつて常識を覆した映画"でしかない。映画史において避けては通れないし、お洒落で勿体ぶった雰囲気である以上、高評価を付けなければならない空気はあるが、自分は頭の良い馬鹿ではないので感覚的にこの点数。しかし、"コロンブスの卵"的な立ち位置であることに未来栄光変わりはない。
[DVD(字幕)] 5点(2015-01-10 19:34:40)
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