881. ON AIR/オン・エアー
こういう事言うと怒られちゃいそうですけど、これは「映画に愛を込めて」ならぬ「TVドラマに愛を込めて」ですね。作り手のTVドラマ制作に対する愛情(と皮肉)がこもっている作品だなあ、と思います。・・・でもなあ、なんか台詞が演劇っぽいというか、橋田スガコドラマっぽいというか、説明過剰な感じがしたんですよねえ。元々劇場公開作として作られたものではないらしいし、きっと分かり易さを重視したんでしょうけど・・・。それに杉田かおりも(バラエティの印象が強いせいか)あんまり「売れっ子ライター」に見えないしなあ。でも、制作側の「若者に媚びない、大人が楽しめるコメディを作りたい」という意図はひしひしと伝わってきました。次回作では、もっと頑張って下さい、と皮肉ではなく思います。 5点(2003-11-05 18:21:05) |
882. スティング
うむ、「粋」な作品ですね。すごくテンポが良いし、1930年代風の曲も素敵でした。ただ、いっこ残念だったのは、ラストのどんでん返しの伏線を「これ、怪しいんじゃないかなあ」と思ってしまっていたため衝撃が若干薄れてしまったこと。なまじ「驚異の逆転劇!」とかいう予備知識があったのが仇になってしまいました。しかし、さすがSTING大好きさんが大好きな作品なだけある。<追加>あら?どなたか存じませんが、尊い(笑)一票有難うございます。余談ですが、僕がこの映画のことを知ったのは10年以上前、「大東京ビンボー生活マニュアル」というマンガに登場してたのを見たのが最初です。ちなみに、主人公が馴染みの定食屋でTV放映される「スティング」を観ようと思ってたら、たまたま店にいた大学生のコンパに付き合わされてしまい、結局店の主人がビデオ録画していた「スティング」を温め直してもらった定食を食べながら観る、というお話でした。 9点(2003-11-01 22:29:45)(良:1票) |
883. “アイデンティティー”
なんか、「シックス・センス」以降こういう映画って増えてくのかなー。いや、観客をびっくりさせてやろうって気持ちはわかるけど、これは反則じゃないかい?前半2/3位は密室サスペンスとしてすごく面白かったのに、あんなカラクリとは・・・。結末も後味悪いし、犯人(?)もなんとなく「こいつなんじゃないかなー」と思ってた奴だったし、第一、○○○を(いくらエンタテインメントとはいえ)こういう扱い方していいの?と思ってしまった。ま、こういうの、好きな人は好きなんだろうし、それを否定する気も非難する気も毛頭ないんですけどね。名前忘れちゃったけどあの娼婦の役の女優さんと、新婚カップルの新婦の人(「十七歳のカルテ」にも出てた)は良かったけどなあ・・・。 3点(2003-11-01 22:23:41)(良:1票) |
884. 宇宙の法則
どっちかっていうとドタバタ的イメージの強い(別に悪い意味じゃないです)井筒監督の作品にしては、光がポヤ~ンとした画面で違う感じでした。ある意味、バブルのその後を見つめた作品なのかもしれないけど、主人公の元恋人役の鳥越マリがバブルの臭いプンプンでちょっとマイナスでした。台詞も(悪い意味で)芝居がかっているし、後半の「御大」の登場とかいくらなんでも強引だし、うーん・・・時間、なかったのかな? 6点(2003-10-30 21:07:35) |
885. グッドマン・イン・アフリカ
こ、こりはヒドい・・・。何がヒドいって、いかにも主演のフリしてるショーン・コネリーの出番がすげー少ない(まあ重要っちゃあ重要な役どころだけど)し、話も後半破綻しちゃってるし・・・どーゆーこと? 3点(2003-10-30 21:00:29) |
886. ナタリーの朝
外見にコンプレックスを持つ若い女性が様々な経験を重ね、成長する物語・・・とはいえ、別にブサイクじゃないぢゃん!どっちかっていうとひがみ根性から勝手にひねくれた性格ブスって感じだぞ。でもまあ、可愛らしい作品ではありました。 6点(2003-10-30 20:56:44) |
887. フィオナが恋していた頃
《ネタバレ》 やってくれたぜ、エイダン・クイン!いや、あたしゃアンタを「妹の恋人」で見た時から「やる」男だと思っていたよ!さ、飲んでくれ飲んでくれ、ママ、こちらのお客さんに店で一番良い酒持ってきて!・・・ドンペリ?んじゃそれでいいや、朝まで飲もうぜ、エイダン!・・・と、思わず小芝居の一つもやりたくなるほどの(?)傑作!観始めて10分位で「ん、これはしっかりしたアメリカ映画だぞ」と思わされました。いわゆる悲恋モノであると同時にシカゴに住むアイルランド系の主人公が自らのルーツ(顔を知らない父親)を辿って行く話でもある本作は、エイダン・クインが母親から聞いたアイルランドの悲話を元に兄弟(監督・脚本ポール・クイン、撮影デクラン・クイン)と共に作ったのだそうです(ちなみにエイダン・クインはアイルランド系でシカゴ出身。アイルランドに住んでたこともあったらしい)。愛し合いながらも、古い因習や厳しいカトリックの戒律に縛られた共同体に引き裂かれてしまう二人の悲しい運命が涙をそそります。とはいえ、ただ悲しいだけのメロドラマではなく、無気力気味だった主人公が自分の父母の過去を知ることによって改めて自分を取り戻すラストは爽やかな印象を与えてくれます。「フライド・グリーン・トマト」が好きな人なんかにはオススメです。 9点(2003-10-30 20:08:26) |
888. 三月のライオン
作家の松村雄策氏(ロッキン・オンの「渋松対談」の「松」の方)が絶賛していたので関心を持ったのですが、久々に映画らしい映画を観たなあ、という感じでした(何をもって「映画らしい」とするのかは人それぞれなのでしょうが、僕にとってのそれは「一つ一つの音や映像がとても生々しい息遣いをしていてドキドキさせられる」ことです)。こんな感じは「ミツバチのささやき」以来かも(そういえば本作の監督矢崎仁司もヴィクトル・エリセと同じく、ほぼ10年に1本のペースで映画を撮ってるんですよね)。この映画ではビルの解体現場から聞こえる「ゴォーン、ゴォーン」というボウリングの音や、物語の合間に挟まれる東京の古い街並みが印象的でした。兄と妹の近親相姦の話なのですが、主演の由良宣子がとても可愛らしくて、むしろ爽やかな印象でした。 8点(2003-10-30 19:33:40) |
889. アルビノ・アリゲーター
こういう密室サスペンスものをあんまり見慣れていないためか、途中まではドキドキ、ハラハラ結構楽しめました。でも、オチがなー。こういうタイプの後味の悪さはあんまし好みじゃないです。 7点(2003-10-30 18:53:31) |
890. オーガズモ
な、な、な、何ザマスっ!この下品で低俗でお下劣な映画はっ!ん?マット・ストーン?と言えばあの「サウスパーク」ザマスね!それで納得ザマス。だ、大体何ザマスかっ!あのチョーダ・ボーイとかいうサブキャラクター!頭にあんなイヤらしいモ、モノをくっつけて、何やる気マンマンで演技してるザマスか!それにこの内容!下品であるだけでなく、ユタ州の人々や敬虔なクリスチャンに対して失礼だとは思わないザマスか!ケント・デリカット&ギルバートが黙ってないザマスよ!こんな低俗映画を、今の若い人が観るなんて、ああ~世も末ザマス。こんな映画は・・・・・・・・・・・・7点! ザマス。 7点(2003-10-30 18:30:38) |
891. パッション・フィッシュ
事故で半身不随になったTV女優と、その介護をする黒人女性の交流を描いた佳作。すんごいワガママで一日中TVばっかし観ている女優シャンテルと、どこか陰のある黒人シュガーが互いの「欠落」を認め合い、助け合いつつ心を通わせていく過程が丁寧に描かれていて好感が持てます。アメリカ南部の情景も瑞々しく、観た後爽やかな気分になります。 7点(2003-10-30 18:13:37) |
892. ハーヴェイ・ミルク
カミングアウトしたゲイとして初のサンフランシスコ市政執行委員に選出され、ゲイや黒人等のマイノリティーのために尽力しつつも、同じ執行委員に暗殺されてしまった男、ハーヴェイ・ミルクの実像に迫ったドキュメンタリー(と、えらそうなことを書きつつ、この映画を観るまでこの人のことはまったく知らなかったのですが)。ドキュメンタリーとはいえ「ボウリング・フォー・コロンバイン」ほどのエンタテインメント性はありませんが(というよりあっちの方がドキュメンタリーとしては異色なんですけど)、「ボウリング~」同様、アメリカという国の病理に鋭く切り込む、見応えのある作品でした。最初ゲイに偏見を持っていた人々が徐々に彼を認め、支持していくようになる過程は感動的です。それにしてもアメリカに「ゲイの教師を首にさせる法律(!)」があったっていうのは知りませんでした。 7点(2003-10-30 17:56:41) |
893. エブリバディ・フェイマス!
こういうこと書くと逆効果(?)かも知んないんですけど、結構「ゲロッパ!」との共通点が多いなあ、と感じました。父親の娘に対する情愛を描いている所とか、歌が重要な鍵になってる所とか、そういう目に見える部分だけでなく、社会に対する風刺の仕方とか、或いは(これは深読みしすぎかもしれませんが)自国の文化と他国の文化に対する見方とかも、実は井筒監督と近いように思えます。で、基本的にはドタバタコメディで冷静に考えると腑に落ちない所もあるんですけど、終盤で主人公の娘が歌う「ラッキー・マヌエロ」が流れるシーンでは不覚にもウルッときてしまいました(とはいえ、歌詞に拠る所が大きいんですけど)。「フル・モンティ」とかが好きな人にはお勧めできると思います。あ、そうそう、この映画観てて一つわかんない事があったんですけど「フラマン人」って何のことかご存知の方います?多分沖縄における「うちなんちゅー」みたいなもんかなーと思ったのですが・・・。 もしご存知の方がいらしたら、「小ネタ情報」の方に書いていただけると嬉しいです。<追記>【denny-jo】さんへ:ども、しょっちゅうHNを変更してる下の人でーす。「フラマン人」についてのご教示、ありがとうございまーす。 8点(2003-10-30 17:35:44) |
894. 突撃隊
あんまし戦争モノって観ないんですけど(これはたまたまBSで観た)、なかなか面白かったです。兵士一人一人のキャラクターがちゃんと描かれていたし。でも、最後のスティーブ・マックイーンはちょっとカッコ良過ぎ。 7点(2003-10-30 17:16:06) |
895. 都会のアリス
ぶっちゃけた話、今ひとつピンとこなかった部分もあったんですよね。理屈では分からないでもないけど、直接胸に響かないというか・・・。んでも部分部分でいいなーと思えるシーンもありました。他の方が仰っている証明写真のシーンも好きですが(そういえば「バッファロー’66」でも似たようなシーンがあったけど、あれはこの作品を踏まえているのだろうか?)、個人的には二人が看板(?)の前で体操をするシーンが一番好きです(6点)。<2005.2.23追記>おうっ←約一年半前には、こんな事書いてたのねん。多分この頃は「分かり易い盛り上がりと起承転結、どばーんと来る感動」を映画に対して求めてたんだろーなー、と今は思います(つまり淡々とした作品が苦手だったのです)。んでも久々に見直したら、どばーんとは感動しなかったけど、じわじわーっと感動しました。何かアホな物言いだけど、こーゆー映画は四の五の言わず、黙ーって画面の前で感動すれば良いんじゃないかなーと思う。んで、やっぱり体操のシーンは良かった。 9点(2003-10-30 17:11:48) |
896. ギャルソン!
イブ・モンタン演じる主人公は確かにいかしてるし、かっこいいんですけど、若い恋人に振られても「フッ・・・」てな感じで微笑んでるのが何かちょっとイヤミっぽい感じがしてしまいました。んー、もうちっと年取ったらこの良さがわかるのかな? 6点(2003-10-30 17:02:37) |
897. ギャラクシー・クエスト
これって「サボテンブラザーズ」のアイデアの盗用なんじゃないの?と観る前は思ったんですか、なかなか面白かったですね。特にアラン・リックマン(確か舞台出身で、「リチャード三世」はどうか知らないけど、「ハムレット」とかに出てる)の役は現実のアラン・リックマンのパロディみたいで笑えます。後半、嫌っていた自分のセリフを敢えて口にするところとか、ちょっとウルッと来てしまいました。でも全体的に観ると後半はちょっと尻つぼみな感じでしたね。 7点(2003-10-29 22:05:31) |
898. セルピコ
うーん、こういう社会派ドラマ、それも「闘う男」のドラマは好きなほうなんですけど、もう一つ感情移入できなかったんですよ。思うに主人公の汚職と闘う動機っていうのが「潔癖症的正義感」から来るもののように感じられてしまったからじゃないか、という気がします。これが弱者や虐げられている人々(例えば警察官へのワイロ代の為にこき使われる下っ端のチンピラとか)に対する同情の気持ちとかがあった、というのなら別ですが・・・。ま、モデルになった人がどういう人かはわかりませんが、この映画の主人公は一歩間違えると「アメリカの正義」とか言い出しちゃいそうな気がしたんですよね。いい映画だとは思うんですけど・・・。 7点(2003-10-29 21:55:20) |
899. グリーンフィンガーズ
すごくいい話だし、感触もいいんですけど、ちょっと物足りないんですよね。主人公がガーデニングに出会う前に感じていたであろう絶望感がもう少し描かれていれば・・・と思います。でもあのお爺ちゃん(ファーガス)はいい味出してたし、スキンヘッドの囚人も良かったな。 6点(2003-10-29 21:44:47) |
900. 北斎漫画
確か小学生の頃だったかな・・・。TV放映時、たまたま家に親がいなくてコッソリ見た記憶があります。正直な話、ストーリーなんか全然覚えてなくて、ただ、あの蛸のシーンにすっげードキドキしたんですよねー(樋口可南子でしたっけ?)。「プライベート・レッスン」と並んで個人的にお世話(?)になったというか、ヰタ・セクスアリス的作品というか・・・。もう一回冷静に鑑賞してみたいんですけど、近所のビデオ屋さんにはないんですよねー。ということで点数は甘美な思い出に対してと、あと感謝の意を込めて。 8点(2003-10-29 21:37:31)(笑:1票) |