881. パッセンジャーズ
《ネタバレ》 確かに、類似の設定による作品は随分とあります。この作品も、ある程度その種の作品に慣れていれば、あるいは好んでいれば、早い段階で種明かしに気付くでしょうね。 ただ、この作品に関しては、その気付きを想定して制作していると思われ、2回観てみると随所に丁寧な関連付けが施されていて、「なるほど、そういうことか…」と思わせられる場面が多々あります。 また、「生」と「死」、そして「愛」についての解釈と言うか思い入れというか、制作者のメッセージがきちんと伝わって来ます。登場人物の人物設定や役割、位置付けもしっかりとしていて、安定感のある作品になっていますね。勿論、キャスティングの妙であることも見逃せません。 という訳で、自分の好みのプロットであることも加点して8点献上です。 ただ、DVDのジャケットや予告編の内容がサスペンスやスリラーを思わせるものであることが、観賞時のマイナス要素になりかねないことが残念。とは言え、他に広告のしようもないとも思われ、配給会社の営業さんは苦労したんだろうなぁ… [DVD(字幕)] 8点(2010-08-16 01:15:31)(良:1票) |
882. ムーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 「ブレア・ウィッチ」の監督だから、今回も手ぶれ映像かなぁ…と思ったら良い意味で期待を裏切られました。ただ、これってゾンビ映画かなぁ…(謎) 伝説系の物語として、特に新たな展開とか特徴はないのですけれど、結構惹き込まれます。主人公の行動パターンなんかが解りやすく納得です。で、夜の出来事だから画面が暗いのは仕方なし。 これは結構見っけもんだったかも。 [DVD(字幕)] 6点(2010-08-15 01:54:12) |
883. クイックシルバー(1985)
今観ると流石に古さは隠せないです。ただし、公開当時はこの作品を知りませんでしたけれど…。 でも、いつの時代も青春ドラマっていいですね。人物像の掘り下げ方とか、物語の展開とか結構浅いんですけれど、トータル的な爽やかさがその辺りを補って余りあります。 特にこの作品は、メインアイテムの自転車が良い!あまりマニアックに解説的にならず、さりとて良く見ると随所に拘りが…。それを黙っているところが良いです。 この作品を観て自転車を買った!って方は当時多かったかも。「やっぱ男はシングルスピード!」みたいにね。 [DVD(字幕)] 7点(2010-08-08 10:25:44) |
884. 処刑山 -デッド・スノウ-
《ネタバレ》 ひさびさに面白いゾンビものを観せていただきました。 微妙にコメディタッチ。それも、結構笑わせてくれるんですよ。さりげないカットに込められた笑いのセンス。純粋な笑いじゃなくって、逆説的とも言える笑い。悲惨なカットなのに笑えてしまう。これは才能なのか国民性なのか。 B級ソンビものは、殆どがどうしようもない作品。妙にメッセージ性を強調してみたり、使い古されたスプラッター表現に固執してみたり。その辺は、米国作品において特に言える。正統派(?)B級ゾンビものの裏をかくっていうか、方針が定まればストレートに突っ走る、そんなスタイルが好きだなぁ。 [DVD(字幕)] 8点(2010-08-03 00:02:23) |
885. ファイナル・デッドサーキット 3D
《ネタバレ》 DVDで観賞したので2D。そこんところが何と言っても残念でした。だって中身はないですから。 皆さん御指摘のとおり、オープニングの「おさらいビデオ」は良かったんですけど、後は物語が進むほどに尻すぼみ。アイディア枯渇なんですね。 特に最後は最低。ひねりも何にもなく、死に様をオープニングとリンクさせてアニメーションにしたのは新しいけど、何にしてもトラック突っ込みは芸がなさ過ぎ。意外性も何もあったもんじゃない。中だるみしてくれた方がよっぽどマシ。 まぁ、さんざん「これが飛んできて刺さるよ」「これで首が飛ぶよ」みたいな前振りがあって、結果は違う死に方ってのはそこそこ満足できましたけれど。 原題的にはこれが最終回?それが正解かもしれませんね。 [DVD(字幕)] 5点(2010-08-02 21:04:46) |
886. イングロリアス・バスターズ
いや~面白い!流石のタランティーノさんですね。 よくよく考えると残虐極まりないシーンがてんこ盛りですけれど、何故かスタイリッシュでカッコいい。人殺し映画をカッコいいなんて言っちゃいけないんでしょうけれど、極上のエンターテイメントに仕上げてます。 そういう意味では危険な作品。でも、タランティーノさん、また作ってくださいね。 [DVD(字幕)] 9点(2010-08-01 20:07:14) |
887. 告白(2010)
《ネタバレ》 原作を先に読んでいました。よく練りこまれた作品と思います。 なので、どうしても原作との比較になってしまうのですが、それ抜きに考えてもラストの数分間は不要と思います。爆破シーンも、体育館での鼻血錯乱シーンも、「な~んてね」も要らない。やはり、あの場面は原作の方が良い。観る者に考えさせるべきと思います。まして、逆回転時計まで登場させるとは…。 全体を通しては、原作にかなり忠実で、映像化は難しいだろうと思える部分(告白者ごとの視点の切り替えとか)は、流石と思わせるアレンジが施されていて、映画としての秀逸さが感じられます。観客動員力も納得です。 ただ、やはり原作との比較の中では、原作者がそれぞれの告白の中に散りばめている「思い」が薄められているようで、テーマが母の愛なのか若者の狂気なのか社会の崩壊なのか… 何かしっくりこない感じがしました。必要以上にクラスが荒れているように表現されてたり、主題とは関係のない苛めシーンが差し込まれていたり、そこだけ観てしまうと中途半端に学園青春ドラマっぽかったりして。 まぁ、とは言え映画を先に観ていれば大分レビューも違っていたかな?全体としてのまとまりの良さに7点献上です。 [DVD(字幕)] 7点(2010-08-01 19:32:33) |
888. MOTHER マザー(2004)
《ネタバレ》 冒頭の少年の死のシーン、ヒロインが囁かれる「恐い子たちに気をつけて」という少女の台詞、話の展開としてはなかなかに惹かれるものがあります。 ただ、ヒロインの行動があまりに短絡的に映ってしまう。展開を早めるために無理無理行動しているみたいな。まぁ、最後まで見れば、そして好意的に受け取れば、子どもたちの亡霊(=恐い子たち)に取り憑かれたが故の行動と見做せないこともありませんが…。 ストーリーとしては比較的シンプル。 第二次世界大戦の戦争孤児300人が引き取られた孤児院。たった2人の医師では力及ばず、多くの幼い命が失われていった。戦後も孤児院は運営されたが、子どもたちの亡霊はその場を彷徨い続け、時として「遊び相手」を自分たちの世界に引き込んでいた。 老朽化した孤児院の整備のため入所児童たちは施設を離れるが、当面の施設管理のため住み込みの掃除婦アンナが雇われる。そして、素肌に虐待の跡を残す彼女もまた家庭には恵まれず、ついには望まない妊娠までしていたのだ。 孤児院での生活の初日から、好奇心旺盛な彼女は「恐い子たち」の痕跡を追うが、母の愛を求める亡霊たちにとって、彼女こそ待ち望んでいた「母」であった。 いつしかアンナは、亡霊たちが築き上げていた白い世界に招き入れられ、「子どもたち」の永遠の「母」となっていった。 だいぶ端折るとこんな感じではないかと思いますが、なにせ駆け足で展開するのでいささか説明不足。折角の美しい映像が、十分な余韻も残せないまま過ぎ去って行く感じです。 オマケの7点献上ですけれど、ほんの少しのアレンジでもっと魅力的な作品になるんじゃないかなぁ?ちょっと勿体ない感じがします。 [DVD(字幕)] 7点(2010-07-31 12:44:06) |
889. 暴走特急 シベリアン・エクスプレス
《ネタバレ》 見応えのある一本。謎めいた雰囲気がいい感じです。 ストーリー的にはありがちなんですけれど、途中ヒロインがあっさりと殺人を犯してしまう。このあたりから一味違う展開になります。 ドキドキハラハラってこともなく、ミステリー仕立てでもないけれど、落ち着いた展開に安定感を感じます。キャスティングもいいのかな? ただし、この邦題はどうなんだろ?「暴走」しないし… 紛らわしいなぁ、ジャケットともども。 [DVD(字幕)] 7点(2010-07-27 01:28:41) |
890. アドレナリン・ブレイク
《ネタバレ》 配給会社さんゴメンなさい。お約束の「中身と全然違うジャケット」で、「どうせどうしようもない作品」とタカをくくってました。ところが観始めたら、中身は重厚な社会派ドラマ。なかなかに惹き込まれ、一気に観ることが出来ました。 それにしても悲しい結末。これじゃ死んでも死にきれないよ。 ちなみに、キャスティングを少しアレンジして、演出も工夫してリメイクしたら、かなりの良作になるのでは?(このままでも見応えありますけどね) [DVD(字幕)] 7点(2010-07-24 17:02:54) |
891. U.M.A 2010 (TVM)
《ネタバレ》 どうにも感情移入できない主人公。顔の長さが気になる。恋人(本人は否定してるけど)も何だか嫌な感じだったけど、どうせ二人とも生き残るんだろと思ってたら、あっさり彼女は首ちょんぱ。 冒頭の展開の遅さがそのあたりから解消されて、少しスピードアップ。だけど、結局最初っから怪物はガーゴイルって判ってるわけだし、UMAでも何でもない。 全体を通じて恐怖感が伝わらないのと、クリーチャーの質感の悪さが決定的。こりゃいけません。 [DVD(字幕)] 3点(2010-07-24 16:42:40) |
892. 実験室KR-13
《ネタバレ》 酷評をするほど面白くないとも言えず、さりとて特筆すべき秀逸さもない、なんとも中途半端な消化不良感溢れる作品。 類似シチュエーションの作品が多々ある中、しかも、複数の先行ヒット作がある中、どうしても工夫が必要。この作品は、工夫し間違えてしまいましたね。 感情ある観察者の存在と治験者への直接関与、過度の説明行為、観察者もまた観察されているという余計な設定等々。実験の目的の意外性を演出出来ないばかりか、ぜ~んぶオープンにしてしまってる。ネタを明かして尚且つ観客を惹きつける、なんてのは至難の技なのに挑んでしまい、結果、素材を生かしきれませんでしたね。 ただ、結構真剣に観てしまったのでオマケの5点献上です。 [DVD(字幕)] 5点(2010-07-18 01:49:27) |
893. デルタ・フォース 俺たちスーパーソルジャー!(2007)
《ネタバレ》 どーしよーもない作品なんですけどね、何となく憎めない。 特にパロディってわけじゃないけれど、いろんな場面で既視感たっぷり。 いや、いい雰囲気ですよ。肩の力を抜いて、のんびり鑑賞するにはOKかも。 しっかし、こんなに銃を乱射してるのに被弾ゼロっていうのは、映画界の新記録? [DVD(字幕)] 7点(2010-07-16 02:19:37) |
894. ROOM 33 -THIRTY THREE
《ネタバレ》 登場人物に魅力なし。だから余計に、その行動についても全く共感や感情移入不能。 廃屋(てか元精神病院)への侵入行為も唐突すぎて唖然。ヤバい!と気付いてからの行動も遅い。殺られるべくして殺られてしまう登場人物たち。んでもって、おまけの幽霊おじさん登場で事態はいよいよ修復不能! とにかく、ストーリー的には決して目新しくもなく、少女の体験の核心部分は触れてないし。説明不足にも程がある…。33号室の謎だって中途半端じゃないかな~。。。 [DVD(字幕)] 2点(2010-07-16 01:33:27) |
895. トランスポーター3 アンリミテッド
ま、ヒロインのことやら何やら、皆さん同様いろいろ言いたいことはありますけれど、ジェイソン・ステイサムのカッコよさは文句なく、満足できる1本でした。 でも、やっぱこれだけは言いたいなぁ… 何でこの仕事を彼に頼むの? それと、直前に観た「アドレナリン2」のイメージが濃すぎて、これ観てても何かにつけて下ネタに展開することを期待してしまった… 頼むよジェイソン、どっちが本当の姿? [DVD(字幕)] 8点(2010-07-11 12:34:06) |
896. センター・オブ・ジ・アース(ブレンダン・フレイザー主演)
《ネタバレ》 幼き日に鑑賞した旧作の「地底探検」。そして、その感動を胸にハヤカワSF文庫で読んだヴェルヌの名作。今ほど情報過多でなかった時代には、「地底には別世界がある」という設定は、海中や宇宙と同様、子ども心にとって実にロマンでした。 で、これは別物。皆さんご指摘のとおり、内容云々ではなくてテーマパークの3Dアトラクションそのもの。映画としてはプロトタイプって感じですかね。 なので得点の付けようもなく、かといって小学校低学年ぐらいなら大喜びしそうなので最低レベルとも言えず、5点献上です。 [地上波(吹替)] 5点(2010-07-11 12:25:27) |
897. レベル・サーティーン
《ネタバレ》 予告編を見て気になりながらも、生理的にダメだろうと避けていた作品。ついに観てしまった、うぅ… 正直、タイ映画と知らずに観始めてしまいましたが、オープニングで「バーラムユー」と来たから期待度アップ。タイ映画、好きなんです。 でも、やっぱり生理的にキツイ部分が多かった。ただ、それが監督の狙いなんだろうから仕方ないですよね。このテーマにはここまでやらなきゃイカン!という意図は理解出来ました。 主人公の生い立ち。父との確執。母と生きた半生… 次第次第に明かされていく背景。このあたりの展開は好きです。タイ映画ならではのブラックコメディ的要素もしっかり詰め込まれ、嫌なんだけど惹き込まれる不思議な作品です。 冒頭の老婆を助けバスに轢かれる青年。彼もゲームに参加していたのですね。彼の場合は汚れネタじゃなかったのかな? でもって、あの婆様、このゲームのレギュラー? なかなかどうして大した役者です(笑) [DVD(字幕)] 6点(2010-06-30 02:54:54)(良:1票) |
898. コントロール(2004)
《ネタバレ》 主演の2人の上手さも手伝い、非常に綺麗にまとまった佳作。 伏線の張り方、効果的な回想シーンの挿入、主人公を取り巻く複雑な状況を簡潔に余すことなく説明していること等々、まとまりの良さは文句ないところ。 ただ、もう少し長尺になってもいいので、テーマを前面に押し出して欲しかった。このままだと、死刑反対論者が語る性善説的作品とも、死刑云々じゃなくて人間は結局ありのままに生きるしかないのだよ的な運命論的作品とも、他にもいろいろ解釈出来たりして、実は単なる娯楽作品だったりもするんじゃないかとも思え、それはそれで考えさせられて面白いんだけど、やはり社会派作品として方向性を出して欲しかった。もしかしたら、私が理解出来てないだけかもしれないけれど。 なので、限りなく8点寄りの7点献上です。 [DVD(字幕)] 7点(2010-06-27 14:50:44) |
899. エコーズ2(TVM)
《ネタバレ》 重いです。やたらと重いです。 ロブ・ロウの熱演もあって、冒頭から惹きつけられる展開ではあります。 ただ、あまりに救われないなぁ… この一家は一体どうなってしまうんだろ?あぁ、一家と言うより父と子ですけどね。これもある種の反戦映画なのかな? 戦争が兵士に与えるもの、そして家族に与えるもの、さらには民族や宗教間の超えられない壁。それらに対するメッセージを込めた作品と受け止めれば、これはホラーじゃなくて社会派ドラマですね。 やっぱ重いな、これは。 [DVD(字幕)] 6点(2010-06-27 13:13:35) |
900. 2012(2009)
《ネタバレ》 既に皆さんがレビューしきってしまった感があり、意見は出尽くしたといったところですが、遅ればせながら一言。 確かに見応えあります。この圧倒的なCGによって表現された世界の終末には、他の追随を許さないものを感じます。 ただ、多くの方が「コメディー」と評されているように、この主人公一家の行動はあまりに御都合主義。にも関わらず「ありえねェー!」の連発で全てを切り抜けてしまう。 壮大なスケールで表現されている都市の崩壊の影で、苦しみのたうち回りながら死んでいく圧倒的多数の人々の姿は、まるで棒人間のようにしか表現されない。 いくら娯楽映画だからといって、ここまで命(もちろん人間だけじゃなく他の全ての動植物も含めた)を軽んじていいのだろうか?あの方舟に合計何人乗っているのか知らないけれど、死んでいった人間は70億人ぐらいいるわけですよ。デッキから見下ろす大海原にも、数えきれない犠牲者が浮き沈みしているんじゃないのだろうか? あくまでもフィクション。あくまでも架空世界。だから割り切れ、と言われても、やはりどうにも受け入れがたい軽さが鼻につくのです。もちろん、この監督はその辺は了解済みで制作してるんでしょうけどね。 提案。主人公一家のストーリーを潔く全て切り捨て、真面目にナレーション入れて再編集。それを「2012年12月!世界に何が起きるのか?~古代マヤ人は知っていた~」てな木曜スペシャル120分拡大版で流したら高視聴率間違いなし?? [DVD(字幕)] 6点(2010-06-26 16:28:08) |