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プロフィール
コメント数 2454
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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941.  SHORT PEACE
『武器よさらば』、そういえば昔ヤングマガジンかなんかに載っていたのを読みましたよ。あのころの大友克洋は『童夢』も描いていたし、この人の才能が満開に近かった時期ではなかったかな。それがこうやって30年の月日が過ぎてアニメになって甦るとは感無量です。彼の画はとてつもなく緻密だから、これぐらいの短編の尺が製作側としてもちょうど良いんじゃないでしょうか。いかにも大友らしいオチが微笑ましいとも言えます。他の三篇は時代設定が戦国時代や江戸時代という最近の彼の趣味が反映している感が強いですが、『武器よさらば』との組み合わせは映画としてはどうなのかなと首をかしげるところがあります。でも個人的には『火要鎮』の独特の世界感がツボでした。 大友克洋と言えば『気分はもう戦争』や『童夢』のアニメ化が実現する可能性はないんでしょうかね?やっぱり『童夢』はあまりに画が凄すぎて無理かもしれない。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2017-02-27 23:38:10)
942.  くちづけ(1969) 《ネタバレ》 
ライザ・ミネリの初主演映画で名匠アラン‣J・パクラの初監督作でもあります。もうこの映画では、ライザ・ミネリの初々しさを堪能して目に焼き付けるしかありません。当時のハリウッドでショートカット女優としてはジーン・セバーグが有名でしたが、私の中ではアメリカ映画史上もっともショートカットが似合った女優は文句なしでライザ・ミネリです。本作のようなちょっとメンヘラ気味な女の子キャラは、彼女の素の部分もあるのかと思わせるほど自然な感じがします。彼女の多彩な表情を観ているだけで楽しく、口に絆創膏でバッテンをした画像はこの映画のポスターにも使われていてけっこう有名です。 物語はアイヴィー・リーグのカレッジに入学した学生カップルの出会いと別れです。ふたりは別々の学校なんですが寮が道を挟んだお向かいです。寮生同士のバカ騒ぎやパーティなどはありますが、ヴェトナム戦争真っ盛りの大学が舞台にしては政治的・社会的なエピソードがまったく出てこないところが珍しいんですが、そこがまた心地よい気がします。ラブストーリーにそんな世相描写みたいなものは必要ないし、物語自体に時代を超えた普遍性が与えられると思います。ニューシネマ全盛期ですからこういうアプローチは珍しかったかと思いますが、さすがアラン・J・パクラだけあって良く心得ていらっしゃいます。バスに乗って故郷から大学に向かうところがファーストシーン、同じバスに乗ってライザ・ミネリが故郷に帰るのがラストシーンという安定したストーリーテリングで、氷が張っていないシーズンオフのスケートリンクやミネリの乗り回すオンボロなワーゲンなど印象深い映像も多々ありました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-24 23:16:18)
943.  ヘイトフル・エイト 《ネタバレ》 
なんで“エイト”なの?はっきり言っちゃうと、登場人物は全部で10人じゃないですか。御者のО.Bはあまりにも無関係なので“ヘイトフル”に含めてないのかもしれないけど、後の一人はねえ… まあそんなことはどうでも良くて、タランティーノ版の密室サスペンスを愛でてみようじゃないですか。前半のストーリーテリングは何というかタランティーノ版人狼ゲームという感じでちょっとゾクゾクさせてくれます。というよりも、これはサミュエル・L・ジャクソンの独壇場という感じでしょうね。あの目玉をギョロギョロさせてめぐらす推理の冴えは、黒いシャーロック・ホームズと呼びたいぐらいです。サミュエルと言えばこれ、と有名な決め台詞“マザー・ファッカー!”がまったく無かった(たぶん)のは珍事です。そしてサミュエルがタマをぶち抜かれてからの後半は血しぶき吹き上げる阿鼻叫喚、やっぱりタラは我慢しきれなかったって感じですかね。ちょっと不満だったのはチャニング・テイタムで、あれは普通に凍死しちゃってますよ。凄かったのはジェニファー・ジェイソン・リーの死にっぷりで、もうここまでくるとほとんどホラーです。そしてタラ映画にしては珍しく余韻を残す終わり方、きっとサミュエルとウォルトン・ゴギンズの二人は死んじゃうんだろうな、と思ってしまいます。そこで気が付きました、この映画は『遊星からの物体X』を西部劇に再構築してたんですね。カート・ラッセルも出てるし(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-02-22 23:12:24)
944.  肉体のすきま風 《ネタバレ》 
テネシー・ウィリアムズの戯曲が原作です。テネシー・ウィリアムズというと登場人物のカップルが激しく刺々しいセリフをぶつけ合うというイメージがどうしても付きまといますけど、本作に限ってはとても彼の原作とは思えない落ち着いたストーリーをじっくり堪能できます。 家が隣同士の牧師の娘と医者の息子の、長すぎた春という風情の悲恋物語であります。この娘をジェラルディン・ペイジが演じます。ジェラルディン・ペイジと言えば『バウンティフルへの旅』でオスカー受賞したあのお婆ちゃんですが、彼女にも当然若い時があったわけで(失礼)、その落ち着いた美貌は牧師の娘という役柄にピッタリです。医者の息子はローレンス・ハーヴェイで、彼も親父の跡を継ぐべく医大に進むんですが、ギャンブルに目がない典型的なドラ息子になってしまいます。牧師の娘も、近所の娘たちに音楽を教えながら頭がおかしくなってしまった母親の面倒を見ているオールドミスというありがちなパターンの人生を送って三十路になってしまいます。どっぷり信仰に浸って生きてきたジェラルディン・ペイジの心を吹き抜ける“肉体のすきま風”がこの映画のテーマというわけですけど、この邦題はストーリーを暗示する優れものではないでしょうか。ここでぜひ注目していただきたいのはローレンス・ハーヴェイの存在感で、英国人の彼が南部のボンボンドラ息子を見事に演じ切っています。早世しちゃった人ですが、もっと長生きしていればきっと名優として記憶される存在になってたはずで、実に惜しいです。 パターン化したメロドラマじゃないかという見方もできますけど、俳優の演技がじっくり愉しめる映画でもあります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-19 23:29:44)
945.  アバウト・タイム 愛おしい時間について 《ネタバレ》 
すでに指摘されたレヴュアーもいらっしゃいますが、この主人公はタイムトラベルの能力を徹頭徹尾自分のためにしか使っていない!歴史を変更してはいけないというルールが彼ら一族のあいだには一応あるみたいだけど、自分のことならいくら変えても良いと言ってもその行動が周囲に影響して明らかに違う時間が創られることには変わりないはず。また過去には戻れるけど未来に行くことはできないということは、主人公がしたように何年も前にトラベルしちゃえばその年月をまた過ごさないといけないってのは、ちょっとしんどいでしょう。だから最後に少年時代にまで戻っちゃったら、また人生を何十年も過ごさないといけないし、そもそも身体は少年でも意識は大人という違う意味でもややこしいことになってしまいます。 とまあ突っ込むことはできるんですけど、この映画はそういうSFは単なる設定であって、家族愛を基調にして人生というものを考えさせようというのが主題なんです。だから数あるタイムトラベル映画の中でも飛びぬけて何も起こらないというちょっと不思議な感じの出来になったわけで、私はこれはこれで良かったと思っています。最後の方で出てくる“一日を毎日戻ってやり直す”という秘訣は、“一期一会”というものを大切にする我々の文化とは馴染まない部分もあるけど、素直に「そんな能力が欲しい」と思ってしまいます。 レイチェル・マクアダムスのキュートさが際立ってましたが、彼女来年は四十路に突入というけっこうなお歳だと知ってもうびっくりです。そしてビル・ナイの渋さはもう落涙ものでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-16 22:00:45)
946.  封鎖作戦 《ネタバレ》 
もし私が“若いころから容貌が変わらなかった俳優ベスト10”というランキングをするなら、間違いなくベスト1の称号を奉るのはトレヴァー・ハワードです。彼ほど生涯顔つきが変化しなかった男優は他にいないんじゃないでしょうか、ということは若いころから恐ろしく老けた顔だったわけですけど(笑)。 この映画の原題は“Gift Horse”、これは第二次大戦中にまだ参戦していなかった米国が英国海軍に貸与した中古駆逐艦のことを表しています。第一次大戦中に建造されたレトロな艦で、平甲板で煙突が4本もついていて“four-pipers”などとも呼ばれていました。この中の一艦の艦長に任じられたのがトレヴァー・ハワードで、彼は戦前に衝突事故を起こして海軍を退役させられた古傷を持っています。任務は船団護衛ですから地味な物語展開で、前半はこのオンボロ艦との悪戦苦闘ぶりがメインで、沈没船とは衝突するわ防潜網をスクリューにからませるて立ち往生するわでほんといいとこなしです。旧帝国海軍ならこの艦長は間違いなくクビでしょうが、船団護衛に猫の手も借りたい英海軍はそれどころじゃないってわけです。興味深いところは艦長を含めてこの艦の乗組員はほとんどが招集兵であることで、戦闘艦には現役兵しか乗せなかった帝国海軍とはこれまた違いますね。この乗員の中にはリチャード・アッテンボローがいます、50年代に撮られた英国戦争映画には必ずと言っていいほど彼がわき役で出演している感じがするぐらいです。 ストーリーは後半からガラッと変わってこの駆逐艦が特殊作戦に加わってフランスのドイツ軍港に突入することになります。これはサン・ナザール軍港に突入して艦ごとドックをふっ飛ばした「チャリオット作戦」の史実に基づいています。つまりこの映画のHMSベントレーという駆逐艦は、実はこの作戦で戦史に名を遺したHMSキャンベルタウンだったというわけです。偽装のために煙突を二本に減らしたり突入後は艦長以下の生き残りが捕虜になって終わるところなんかは史実通りですけど、作戦名や細かい部分は架空になっています。当時はまだ戦後まもなくなので、こういう特殊作戦については機密解除になっていなっかったからなのかと推測されます。そういう事情もあってか、この突入作戦をメインに出来なかったので牧歌的ですらある前半部との継ぎはぎ感はけっこう半端ないですね。まあそこら辺にこの映画の味があると言えなくもないんですけどね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-02-11 22:39:10)
947.  キラーカーズ/パリを食べた車
うーん、さすがにこれは私には理解不能でしたね。ただひとつ判ったのは、オーストラリア人が車を題材にしたらとってもヘンな映画になってしまう伝統が確かに存在するということでしょうか。そして今はすっかり名匠と呼ばれるピーター・ウィアーにもヤンチャな時代があったんだと判ります。まあこんな感じで下手にアートに走ってゆかないところが、オージーらしいんですかね。あのポンコツ車のドレス・アップぶりが、まるで『デス・レース2000年』みたいで笑っちゃいました、でもよく見ると本作の方が1年早く撮られているという事実が判明、実はロジャー・コーマン御大が目をつけるほど偉大なオリジナルだったのかも?
[CS・衛星(字幕)] 4点(2017-02-08 23:38:16)
948.  バリー・リンドン 《ネタバレ》 
蓮實重彦教授はたしか「劇中で正確に37回大笑いさせていただきました」と映画芸術のベスト10選出で本作を評価(?)していた記憶がありますが、再見するにあたってそれはどのシーンなのか確認を試みてみました。一つ目はたぶんバリーが水浴びをしながら愛を語り合うホモ将校の制服と親書を盗んで脱走するところ、二つ目はバリーがシュバリエの変装をしてプロイセンから逃げ出すところ(これは確かに笑わせてくれます)じゃないかと推測できましたが、三つめ以降はどうしても判りませんでした。もし蓮實教授にお会いする機会があればぜひ聞いてみたいです(そんな機会あるわけがない)。 キューブリックはナポレオン映画を撮りたかったそうですけど、彼のフィルモグラフィ中唯一のコスプレものである本作は、きっとその予行演習かナポレオンものを撮る夢が破れてその腹いせとして撮ったんじゃないでしょうか。この映画で蝋燭の灯りで撮影するテクノロジーが確立したことは有名ですが、キューブリックもその技術を試すための実験映画のつもりだったのかもしれません。なんせ主演がライアン・オニールとマリサ・ベレンソンというハリウッドきっての大根役者で、俳優に百回テイクを要求したという鬼とは思えず、もう端から演技を見せようという気がないのは見え見えです。またお話しの方も前半はともかく後半は悲惨で、登場人物が全員不幸になって終わってしまうという究極の悲劇でもあります。でもキューブリックらしい凍り付いたような目線で全登場キャラを舐めまわしてくれるし、全編に流れるマイケル・ホーダーンの冷徹なナレーションが琴線を揺さぶるし、三時間なんてあっという間と感じてしまいました。また自然描写が美しいのも、キューブリック映画にしては珍しいです。ヘンデルの『サラバンド』を有名にした功績も大ですね。
[映画館(字幕)] 8点(2017-02-04 23:27:35)
949.  キラー・エリート(2011) 《ネタバレ》 
話の内容が今一つ判りにくかったんですけど、ジェイソン・ステイサム主演で量産されている他のアクション映画と比べると水準は頭一つ抜けていたという印象です。椅子に縛り付けられたジェイソンが敵と格闘するシーンはさすがに見ごたえがあり、現役でこんなアクションができるのは彼だけでしょうし、いよいよ“21世紀のジャッキー・チェン”の領域に近づいたのかなと思いました。敵味方ともにいろいろとドジを踏むところがあって緊張感がそがれるという見方もありますが、私は却ってリアルな雰囲気がでてて良かったんじゃないかと思います。最初はデ・ニーロを使うような役じゃないよなと訝しく思ってましたけど、後半になるにつれて存在感がどんどん増してくるのはさすがです。 ジェイソンやデ・ニーロが所属していた組織って何だったのかは最後まで謎でした、やはりCIAなんでしょうかね。またSASが悪の秘密組織、まるでスペクターみたいな描かれ方をされているのは面白かったです。なかなかシャレたエンディングを観てると、これはジェイソン・ステイサム主演のラブコメもありなのかなと思ってしまいました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-02 23:37:50)(良:1票)
950.  恐竜・怪鳥の伝説 《ネタバレ》 
いやもう何と言いますか、スッゲーものを観てしまったとしか感想はございません。「突っ込んだるぞー!」と気合い入れて観始めましたが、まさかこれほど愉しませていただけるとは感激です(笑)。でもこれだけは皆さんにぜひ広めたいポイントを挙げておきます。①プレシオサウルスや翼竜よりはるかにカネと手間をかけている人体破壊シーン、東映はほんとに子供向けを狙っていたのか?併映が『ドカベン』と『世界のスーパーカー』ですからねえ…②TVニュースで大々的に報道している割には恐竜対策にあたるのが自衛隊はおろか警察ですらなく、なんと村の消防団!なぜか爆雷なんて物騒なものを持っている不思議な村です。山と積んだ爆雷に慌てた警官が拳銃弾を撃ち込み大爆発で消防団は全滅、思わず「ウソだろ!」と画面に突っ込んでしまいました。③西湖の湖底がなぜか樹海につながっていて渡瀬恒彦たちはラストはウエットスーツを着て森の中を彷徨うという不思議な光景を見せられます。そして富士山が大噴火、二人は地面が割れて火が噴き出す中を逃げまどいます。でもどう見ても渡瀬恒彦の方が常に恋人より先を進んでいて、彼女を捨てて逃げてる風にしか見えません。そして恋人は割れて火を噴く地面に落ちそうになりますが、それを救い上げようとするシーンがもう引っ張ること引っ張ること、でもあれじゃあ溶岩に飲み込まれて二人とも死んだとしか解釈のしようがないラストです。どっと疲れました。④そして絶望するほどチープかつダサい音楽、だいたい諸口あきらって、誰よ? でもこの映画ってけっこう各国に売れて、海外でもカルト映画になっているそうです。ちょっと恥ずかしい気分です。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2017-01-30 23:51:06)(良:1票)
951.  グッバイガール 《ネタバレ》 
リチャード・ドレイファスがまあ良く喋ること、それも早口とキンキン声だから日本人からしても耳障りなことこの上なしです。こんなのに『リチャード三世』なんか演らしたら、そりゃ大コケするのは当然ですよ(笑)。彼はスピルバーグ御用達の俳優みたいな時期もありましたが、本来はこういう非凡な才能を持った人なんですよ。また円熟期のニール・サイモンの脚本がまた絶妙で、確かにバブル期に流行ったトレンディドラマの原型だと言えるでしょう。そしてそこに被さるデイブ・グルーシンのイージー・リスニング(もはや死語かな)、ここが大事なポイントなんです。マーシャ・メイスンも、ボディはともかくとして30代半ばとは思えない老けたおばちゃんという感じがよく出ています。舞台設定はともかくとしても、こういう美男美女ならぬ普通の感じのカップルを主役に据えたドラマは、日本のトレンディードラマでは決してお目にかかれなかった代物です。ラストのギターの使い方もシャレていて、さすがニール・サイモンという出来でした。
[ビデオ(字幕)] 7点(2017-01-29 22:07:05)
952.  ふるえて眠れ 《ネタバレ》 
『何がジェーンに起こったか?』に続くロバート・アルドリッチ&ベティ・デイビス黄金コンビ第二弾。前作と比べるとかなりクライム・サスペンスの要素が強くなっており、スリラーとしても愉しめるようになっています。 デイビスとの往年の不仲が爆発してジョーン・クロフォードが途中降板しオリヴィア・デ・ハヴィランドが起用されたという裏話はけっこう有名ですが、何かで読んだ話では『不意打ち』も本来クロフォードが出演するはずだったけど「もう屋敷に閉じ込められる話は懲り懲りした(これは『血だらけの惨劇』に出演したことを指しているみたいです)」と出演拒否した後がまだったそうです。ジョーン・クロフォードの落ち穂拾いをするのがオリヴィア・デ・ハヴィランドというパターンが当時のハリウッドにはあったみたいです(笑)。でもどっちも美味しい役で、デ・ハヴィランドはなかなか聡明な女優だったんじゃないでしょうか。 というわけで、本作では頑張ってはいますがデイビスは完全にデ・ハヴィランドに喰われてしまったしか言いようがないですね。ネタバレが過ぎちゃうんであんまり書けないんですけど、残り40分の彼女のド迫力演技は一見の価値ありです。クール・ビューティというイメージだったアグネス・ムーアヘッドの怪演も見どころで、ほんと最初は彼女だと気づかないぐらいの変身ぶりです。 まあ考えてみればアルドリッチがオカルトものを撮るはずもなく、「本当に怖いのは人間だ」という彼のメッセージを素直に受け止めようではありませんか。
[DVD(字幕)] 8点(2017-01-26 22:25:34)
953.  ヒトラー暗殺、13分の誤算 《ネタバレ》 
『ヒトラー最期の12日間』を撮ったオリヴァー・ヒルシュビーゲルが、ヒトラー暗殺未遂事件である“ビュルガーブロイケラー爆破事件”にスポットをあてて再びヒトラーものに挑戦です、もっともヒトラー自身はほんの一瞬しか登場しませんけど。 田舎の工員だったゲオルク・エルザ―という男がヒトラーが毎年演説するミュンヘンのビヤホールに爆弾を仕掛けますが、見事爆破には成功したが13分早くヒトラーが退出してしまったために暗殺には失敗した事件です。冒頭でエルザ―はあっさり逮捕されてしまい事件をクライマックスにしての緊迫感をあおるようなストーリーテリングではなく、ゲシュタポがエルザーを取り調べる過程がこの映画のメイン・プロットということになります。エルザ―は割とあっさり自白してどうやって事件を仕組んだかを回想するわけですが、実は彼の単独犯行でした。史実通りなんですけど、確かにヒトラーまでもが背後の陰謀組織の存在を疑ったのは納得できるほど、この男の行動は不思議です。共産党シンパなのに敬虔なクリスチャンというだけでも矛盾していますが、人間の心の中なんてそう簡単に割り切れるものじゃないのも確かでしょう。その辺りは余り突っ込んだ描き方をしていないところがあり、自分としてはちょっと不満です。この映画の脚本の肝は、取り調べるゲシュタポ高官のアルトゥール・ネーベとエルザ―のやり取りにあるのは間違いないでしょう。このネーベという人は、映画のラストでもふれられている様になんと1944年のヒトラー暗殺未遂事件に関与して処刑されているんです。もっと驚くことはエルザ―自身も終戦1か月前までざっと6年近く処刑されなかったということでしょう。こうなるとヒトラーの考えることですから謎としか言いようがありません、「俺を殺そうとしたエルザ―が死ぬときは、自分も死ぬときだ」とでも思っていたのかな? 最近ドイツではエルザ―の記念切手が発行されたりして英雄扱いなんだそうですが、なんか「ドイツ人よ、ちょっとおかしくないか?」って気がします。結局彼が仕掛けた爆弾ではナチ党員とはいえ普通の人が死んだだけなんですから、こうなるとテロリストと英雄の違いとはいったいなんなんだろうと悩んでしまいます。彼を英雄視するのは、民主的な選挙でナチスに政権を取らせてヒトラーを国民投票で総統にしてしまったドイツ人の後ろめたさの現れかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-01-24 21:49:28)
954.  SPY/スパイ 《ネタバレ》 
最近ブレークしているメリッサ・マッカーシー、こないだ刑事役をこなしたんで予想通りの女スパイ役が回ってきました。ジェンダーレスなヒロインが流行っている昨今ですから当然といえば当然。CIAの後方支援OLが現場に出てゆきスパイとして意外な大活躍をするというのは誰でも考え付きそうなプロットで、内容もいろんなスパイ映画やアクション映画の軽いパロディをちりばめて引っ張る安定のコメディです。ジュード・ロウは最初の登場シーンからその後の展開が読めるベタさで、彼自身も「遊びで出演してます」と言い出しそうなリラックスというか軽い演技ですね。相変わらず役作りもしないでいつものまんまの無精ひげキャラのジェイソン・ステイサムの方が、仕事のし過ぎでパンチ・ドランカーになってしまったようなドジなエージェントで妙に可笑しかったです。主演のメリッサ・マッカーシーははっきり言って日本じゃ人気が出そうもないタイプですけど、このおばさんの軽い下ネタをちりばめたしゃべくりはなかなかの迫力です。最後まで引っ張ったIDネタはベタですけど笑っちゃいます。でもなんで彼女が銃を撃たせたら百発百中なのかは、マジで謎です(笑)。 さてメリッサさん、次はどんな危険な職業を演じるんでしょうか、消防士か兵士あたりかな?
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-01-21 22:38:33)
955.  キャバレー(1972) 《ネタバレ》 
ミュージカル映画の氷河期だった70年代に綺羅星のごとく登場した傑作です。MGMミュージカルの全盛期がまだ記憶に残っていた時代だったので、「こんなテーマ性が強くて暗いのはミュージカルじゃない」と全否定する頭のコチコチな批評家もいたと思います(けっこう有名な人だったけど名前が思い出せない)。確かにキャバレーのショーがストーリーテリングの要になっていますが、一般的なミュージカルのようないわゆる「歌って踊る」ということがプロットになっているわけじゃありません。でもこのキャバレーのショーとジョエル・グレーのMCがヤバすぎるんです。ちょうどヒトラーが政権をとる寸前、ワイマール共和国がナチス第三帝国に変貌してゆく世相を見事にショー・アップして見せてくれます。「人生はキャバレー」というのはこの映画が世に広めたあまりにも有名なフレーズですけど、実は「ドイツの歴史はキャバレー」というノリでもあるのです。また編集というか監督のカット割りのセンスがずば抜けています。時おり挟み込まれる狂言回しであるジョエル・グレーの表情のカットがちょっと気味悪くてこのMCが人智を超えた存在であるかのような印象を与えてくれます。田舎の保養地で陽光のもとでみんなが寛いでいる。そして一人の金髪青年が美しいテナーで歌い始めます。みんなうっとりして聴いているけど、カメラが引いてゆくとその青年がナチスの突撃隊員であることが判りますが、周りの老若男女の庶民たちはほとんどが引き込まれるように青年の歌に唱和してゆきます。このシーンは観るたびに鳥肌が立つんです。 ライザ・ミネリはオスカー受賞はもう当然という圧巻な演技、同年に主演女優賞にノミネートされた方々には「相手が悪かったね」と慰めるしかありませんね(特に『ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実』のダイアナ・ロスは)。ラストのテーマソングの熱唱では、その歌詞をよく考えてみると亡き母ジュディ・ガーランドへの哀歌だったような気がしました。
[映画館(字幕)] 10点(2017-01-18 23:45:26)
956.  悪魔の追跡 《ネタバレ》 
この映画はホラーものというよりもアメリカ映画特有のジャンルでもあるスモールタウンものといった方が正しいんじゃないでしょうか。でもわたくし的には並みのホラーよりスモールタウンものサスペンスの方がはるかに怖い話が多いんです。とくにテキサスの田舎のお話しはね。 四人が旅に出てから出会う人間は全員怪しいという設定は当時としてははかなり奇抜だったんじゃないでしょうか。劇中でケリーだけは出会う人達が不気味に見えてしまうわけで、その時点ではこれは彼女の被害妄想と見えなくもない撮り方ですけど、彼ら四人が出会う人間が男女ともすべて中年以上で若者が一人もいないというところで不自然さが満開です。まあこれはラストで襲ってくる面々を観て答えは出るわけで、かなりストレートな恐怖です。このプロットは70年代の若者世代が年寄り世代のに抱いていた不信感のメタファーになっているのかもしれません。結論としてはアメリカ(特にテキサス)の田舎は恐ろしい、ということでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-01-14 23:24:52)
957.  ラストベガス 《ネタバレ》 
『ハング・オーバー』シリーズの後期高齢者版かよ、って思って観始めましたが、さすがにあれほどバカバカしく弾けてはないしそこそこ品よくまとめましたって感じです。なんてたってこの4人のオスカー俳優を揃えたってところはすごいもんです。デ・ニーロとマイケル・ダグラス、デ・ニーロとモーガン・フリーマン、この組み合わせは今まで観たことないし、4人目にケヴィン・クラインを持ってくるところがまたセンスがイイですね、まさに夢の競演(ちょっと渋いんですけど)でしょう。 脚本自体は映画学校の生徒が書いたような臭さがありますけど、それでも終盤にかけては名優たちの渋い演技のおかげでグッときましたね。それしても、マイケル・ダグラスとメアリー・スティーンバージェンが乗る高層ホテルの天辺から落ちるコースター、観てるだけでもマジで怖かったです(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-01-13 22:26:55)
958.  110番街交差点 《ネタバレ》 
なんてたって、タランティーノが『ジャッキー・ブラウン』で使ったボビー・ウーマックが歌う主題歌がメチャカッコよい。もっとも流れたのはタイトル・ロールだけで、タラの方が使い方としてはるかにセンスが良いのは認めざるを得ないでしょう。 この全編にみなぎる緊迫感はただもんじゃありません。マフィアとハーレムを仕切る黒人ギャングそして警察がマフィアのカネを強奪した三人組を追っての三つもどえを繰り広げるスピーディなストーリー。冒頭とラストのシークエンスを除いたほとんどのシーンが夜間撮影なのも雰囲気が出ています。もっとも当時の感度の低いフィルムで野外ロケ撮影ですから、画面が暗すぎて観にくいというのは難点ですけど。老刑事と大学出の若い黒人刑事という警察側の図式はもろ『夜の大捜査線』ですけど、アンソニー・クインの老刑事がハーレム・ギャングから賄賂をもらっていたり、ヤフェット・コット―のエリート刑事に黒人ギャングのボスが賄賂で餌付けを仕掛けたりと、はるかに人間模様がリアルです。アンソニー・フランシオサのイカレたマフィア幹部も味がありましたね。ラストの締め方の感じでは、エリート黒人刑事がこれからハーレム・ギャングとズブズブな関係になってゆくことを暗示しているみたいです。 ブラックスプロイテーション映画というとおバカ映画のイメージがありますけど、本作はそんなジャンルを飛び越した隠れた傑作と呼ぶにふさわしいと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-01-06 23:34:22)
959.  ペーパー・チェイス 《ネタバレ》 
中坊のときこの映画を観て、「大学生ってこんなに勉強しなけりゃいけないんだ」と恐れおののいたものですが、実際に入ってみるとあまりの緩さにびっくりしたもんです。まあ日米の大学教育の質はだいぶ違いますし、同じ学部とはいえ自分が入った某私大とハーヴァードを比べるなんてそりゃおこがましい限りですし、日本だってハードに勉強している大学生は存在していることはもちろん承知しております。でも邦画にはこういう勉強をテーマにして大学生活を描いた映画が皆無(とくに文系)という事実は、ある意味恐るべきことかもしれません。 小説の映像化だそうですが、よく出来た脚本です。ティモシー・ボトムズは決して上手い俳優じゃないですけど、この最後まで名前を教授に覚えてもらえなかったハート君は大好演でした。この映画は言うまでもなく『セッション』とプロットが似ています。『セッション』は教師と教え子の生きるか死ぬかの死闘という感じでしたが、こっちはあくまで人間関係の戦いに終始していますのでよりあり得るお話でリアルと言えます。この鬼教授役がジョン・ハウスマンなのですが、たしかにすごい演技だと思いますけど、劇中これだけ無表情で通してオスカー演技賞をゲットしたというのはある意味で偉業だと思います。残念なのは教授の娘役のキャラに魅力がないことで、最後まで感情移入できない女だと思いました、ハートがこの女に惹かれるのがちっとも理解できないんですから。 自分は初見のときハート君と娘の関係をキングスフィールド教授は気づいていたんじゃないかと思ってましたが、最後の最後になってもハートの名前を認識してなかったことでその回答は得られました。でもそういう疑問を観る者に抱かせるということは、この脚本と演出の巧みなところなんでしょうね。「son of a bitch!」とハート君に罵られて、「君はかなり知的なことを言った」と返す教授は、やはり大人物です(笑)。
[映画館(字幕)] 8点(2017-01-02 23:56:53)(良:1票)
960.  パワープレイ
“クーデターってやつはこうやって計画し実行するんだ”という事例を、まるでその手引書みたいにバッチリと見せていただけます。ドナルド・プレザンスといいピーター・オトゥールにしても、もうピッタリのキャスティングで文句なしです。でもある意味とてもリアルなキャラだったのはデヴィッド・ヘミングスだと感じます。始めは「誰も殺さない」なんて綺麗ごと唱えていても、実行されると敵味方に死者が続出、それでも「まあ、しゃあないか」と無関心。乗り気じゃなかったはずなのに大統領の席に座るともうにんまりと満面の笑み、こういう人って世間にゴロゴロいますから切れ者と見せておいての凡人感が半端ないです。静というかもたつき気味の前半と、打って変わってスリリングなクーデターが始まってからの後半パートのメリハリもイイ感じですね。 グラサンかけて砲塔ハッチに横座りして煙草をふかすピーター・オトゥールの姿は、ため息が出るほどカッコよかったです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-12-30 23:10:35)
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