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81.  アマデウス
これはクラシック音楽や芸術がどうのこうのといった小難しい話ではなく最高に面白い人間ドラマなのだが、どうにも先に述べたような先入観がこの映画にはつきまとうのが残念。一時期、会う人全てにこの映画を薦めていたことがあったが、今では分かる人だけに分かればいいと思っている。生涯を通して見続けるであろう一本である。
10点(2003-09-27 08:35:34)
82.  カッコーの巣の上で 《ネタバレ》 
エンターテイメントとして観るのには正直辛い内容なのだが、映画としては傑作である。劇中でジャック・ニコルソンが廃人のふりをして病院の患者を驚かせる場面があったが、最後に本当に廃人となってしまうのが恐ろしかった。これほどまでに現代社会を鋭く批判した映画はそうない。最後のトーマスの行動が分からないという方のために私見を述べさせてもらうと、精神の自由を求めて精神病院に入ったマクマーフィがロボトミーにより精神の自由を奪われてしまう。このあまりに残酷な皮肉がマクマーフィにとって死よりも辛いことだと分かっていたトーマスは彼に死を与えることによりマクマーフィの魂を救ったのではないだろうか。切腹における介錯とは言いえて妙である。
9点(2003-09-27 08:11:12)
83.  チャップリンの独裁者
1940年の作品となっているが1939年の前半には既に完成していたという。つまり同年9月1日に起こったドイツのポーランド侵攻以前からチャップリンはナチスを批判していたという訳だ。当時のアメリカ政府はポーランド侵攻まではナチスに対して友好的で、本作の撮影時にもさまざまな圧力があったという。今でこそ皆がナチスを糾弾し、「シンドラーのリスト」や「ライフ・イズ・ビューティフル」といった映画に涙を流している。現代の映画監督にナチス批判の映画を作るなと言うわけではないが、どうにも「後出しじゃんけん」という印象が拭えない。先日亡くなった「民族の祭典」の監督レニ・リーフェンシュタールが「戦前は皆ナチスを支持していたくせに戦後はこぞって批判するのはおかしい」という旨のことを生前話していた。同時代においてナチスを公然と批判したチャップリンの勇気に敬意を表したい。
10点(2003-09-27 07:46:08)(良:7票)
84.  ツインズ
チビでデブでハゲのダニー・デビート。そんな自分のコンプレックスを逆に武器にしてしまう彼の凄さをこの映画で感じた。本当にかっこいいってこういうのを言うのだと俺は思う。
6点(2003-09-26 23:05:19)(良:1票)
85.  ゴッドファーザー PART Ⅱ 《ネタバレ》 
マイケルはドンとして父ビトーの器にははるかに及ばなかった。それを分かっていながら家族を守るために孤独に苦闘する姿が本当に哀しい。妻ケイから堕胎を聞かされ怒りのあまり妻を殴ってしまうマイケル。あの場面でマイケルの中にわずかに残された純粋さが完全に消失してしまったのだと思う。そして母の葬儀で自分を裏切った次兄フレドを抱きしめながらも無言で部下に殺害を命じる場面。この映画は本当に哀しい。<追記>最初は孤独なマイケルに同情していたのだが、3回、4回と鑑賞を重ねてゆくうちにドンの妻として苦しむケイが気の毒に思えるようになった。
10点(2003-09-26 22:18:57)
86.  ゴッドファーザー 《ネタバレ》 
演技の見本を提示してくれる傑作。マーロン・ブランドが出てくる場面はどれも必見だが、次男フレッドを庇って敵に銃撃される場面と5大ファミリーの会談の場面が特に私のお気に入り。何度も観たいという映画はそうないのだがこれはその数少ない一本である。
10点(2003-09-26 22:11:58)
87.  サイン 《ネタバレ》 
「シャマラン、つまらん」なんて下らない駄洒落を大真面目な顔をして言いたくなるような映画である。神への信仰なんて仰々しいテーマの割には出てくるのがあの涙が出てくるぐらいにヘボい宇宙人。大体、侵略なんてこっそりやればいいものを大々的にミステリーサークルなんて出すその神経が理解できない。と思いきや、そうか、タイトルの「サイン」というのはバッティングのサインのことだったのか。メル・ギブソンなんて食事中、子供相手に意味なくキレるし濃顔のホアキン・フェニックスに至っては間抜け面してアルミの帽子被ったりと突込みどころ満載!それとそこのインド人、宇宙人捕まえておいてそのまま放って置くなよ!!警察に通報するなりなんなりしろ!!テーマの信仰心にしても、妻を交通事故で失った→だから神なんてもう信じない→息子が毒ガスを吸引せずに奇跡的に助かった→やっぱり神を信じるというアメリカ人の信仰心って随分現金なんだなあと思った。「日本人は宗教を信じない」なんて批判する人もいるが、奇跡無しに維持できない信仰心というのもいかがなものかと思うのだが。つーか、この映画観て信仰心に目覚める奴っているんかいな?シャマランさん、この映画ってコメディですよね?
1点(2003-09-25 22:58:50)
88.  フェイク
アル・パチーノとジョニー・デップのどちらになりたいと聞かれれば迷うことなく前者。男の魅力って美形のルックスじゃあないんだよな。
7点(2003-09-25 22:38:59)
89.  ジャッカルの日
原作はジャッカルが暗殺遂行に至るまでの過程とそれを追うルベル刑事の奮闘が入念に描かれていて実に面白かった。映画で観るとなるとやはり駆け足というか展開が早すぎるという印象。悪い出来ではないものの原作の魅力には今ひとつ及ばず。でも映画のレビューで原作に触れるのは反則か。
6点(2003-09-25 22:35:41)
90.  パール・ハーバー
私は右翼でも愛国者でもないが、この映画を観て「アメリカ映画なんだから日本を悪く描いて当たり前」なんて変に物分りの良いこと言う人より「アメリカ、ふざけんじゃねえ」と憤る人のほうが正直だと思う。あの当時のアメリカの超保護貿易政策や日本人移民に対する人種差別主義的政策を知っているか否かでこの映画に対する評価は相当変わるのではないか。とりわけ今の若い方は歴史を知らない人が多いからこんなお粗末なプロパガンダに騙されやすいと思う。怒りにまかせて0点を付けることは容易だが、日本に対するアメリカの本音を教えてくれただけでも価値のある映画だと思う。21世紀の今でも日本(というよりは黄色人種)を決して信用していないんですよ、あの国は。自分が正義でなければ気が済まない国なんですよ、あの国は。<追記>零戦は戦闘機、B29は爆撃機です。通常、戦闘機での決戦で制空権を握った後、爆撃機で本土を攻撃、つまり民間人を標的にします。ではなぜわざわざ戦闘機の零戦で民間人を攻撃しなければならないのでしょう。言っている意味、分かりますか?
2点(2003-09-24 21:50:27)
91.  ライフ・イズ・ビューティフル 《ネタバレ》 
ホロコーストという重い史実をコメディとして扱うという試みを勇気と評価するかそれとも軽薄と見るか。筆者は後者である。六百万人ものユダヤ民族が殺害された史実をここまで軽薄に扱えるものなのか。正直、ロベルト・ベニーニの蛮勇ぶりに驚いた。ナチスの強制収容所を当然のことながら体験したことのない戦後生まれ日本人である私には、この映画について「偽善だ」「史実と異なる」「実際の生存者がこの映画を観たらどう思うか」などと批判する資格は無い。しかしながらホロコーストに対するベニーニの認識があまりに浅はかという印象がどうしても拭えないのだ。ナチスの強制収容所において子供はガス室で真っ先に殺害されるか人体実験の道具にされる末路を迎えたという。それを「かくれんぼ」と言う感覚がどうにも理解できない。勘違いしている人が多いのだが、ナチス・ドイツはユダヤ人と「戦争」をしていたのではない。連合軍との戦争を遂行する傍らホロコーストという民族浄化を行っていたところにナチスの異常さがある。民族浄化=戦争ではないのだ。更に言えば民族浄化を戦争という手段でしか止めることができなかった史実。戦争には反対しても民族浄化には何も言わないという矛盾。果たしてこの映画は本当に感動作なのだろうか。
2点(2003-09-23 17:15:06)(良:5票)
92.  めぐり逢う朝
ただ音楽のみを追求する師と世俗の栄達を求めた弟子。その弟子を愛する師の娘。とにかく美しい映画である。芸術論を語る柄ではないが、この作品を観て芸術とは何かというのを考えさせられた。キャスティングに唯一不満が残るが、ラストで涙ながらにヴィオールを奏でるジェラール・ドパルデューを見て「これもありか」と思った。あまり世に知られてはいないが(まさにサント・コロンブそのもの)十年に一度の傑作ではないだろうか。
10点(2003-09-23 09:14:25)
93.  グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
仮に主人公がアインシュタイン並の天才的な頭脳の持ち主でなければ周囲は救いの手を差し伸べただろうか?彼が天才だから皆、親身になったのか?他人の好意には露骨に馬鹿にした態度をとり自分の好きなことにしか関心がない。仮にこの男がただの凡人だったら誰も見向きをしなかったのでは。
3点(2003-09-23 08:50:44)
033.23%
199.68%
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