81. ゴッドファーザー PART Ⅲ
ラストは、良かったけど、星一徹みたいなアル・パチーノがなあ・・・。気に入らないことがあると卓袱台引っ繰り返して「出入りじゃあ!!」って叫びそうだな。 6点(2004-03-22 22:28:19) |
82. 突入せよ! あさま山荘事件
機動隊や警察の人間をヒーローとしてではなく普通の人間として描いているのが新鮮。藤田まことの後藤田が出色。 8点(2004-03-22 22:24:34) |
83. キッド(1921)
これは本当に素晴らしい映画です。言いたいことが、たくさんありすぎて、かえって書けません。素晴らしい!それに尽きます。 10点(2004-03-16 21:52:43) |
84. チャップリンのニューヨークの王様
アメリカを追放されたチャップリン。そのヒステリーから作ったような作品。それが、映画のあっちこっちに出てしまっている。ただ、その時その時の自分にこれほど正直な彼には感服する。とにかく正直だ。傑作ではないが、68歳で、全く枯れていない、このエネルギッシュさにも脱帽する。 7点(2004-03-16 21:48:54) |
85. 椿三十郎(1962)
黒澤監督は当初フランキー堺を主演で、山本周五郎の原作に忠実に脚本も「日日平安」として撮ろうとしたが「ホノボノし過ぎている」という会社からの横槍で、滅法強い三十郎の話になった。本当は満点にしたいけど、妥協を強いられたことにマイナス1。しかし映画自体は、滅茶苦茶に面白いし、黒澤監督の本音が登場人物や、彼らの台詞に出てるのも興味深い。三十郎に助けられた奥方(これがいい!)が「本当に良い刀は、ちゃんと鞘に入ってるものです」とヤンワリと三十郎を諌めて、三十郎が一瞬見せる反省の表情。そして何よりも、要所要所で押入れから出てくる小林桂樹。いかにも人が良さそうで、争いごとが嫌いそうで、どこか惚けた、この人物にこそ黒澤監督の本音が出ている。「俺はこんな男を主人公にして、これを作りたかったし、本当はこういう男の方が好きなんだ」という本音。それを、ほとんど押し入れの中にいる、あのキャラクターにチラチラと、しかしハッキリと託している所に、とかく豪快なイメージを持たれる黒澤明の素顔が出ていると思う。それと9人の若侍のキャスティングも上手い。裃の似合わない俳優ばかり選んでるところがさすが。新卒の新入社員の着るスーツが、どこか貸衣装みたいで似合ってないのと同じで、裃が似わないからこそ初々しさが出る。昔の監督ってキャスティングが上手かったんだなぁと、そのことにも感心。勿論、クライマックスの果し合いの凄さは・・・・まさしく、これは筆では書けない。これが映画です。 9点(2004-03-16 21:38:07)(良:3票) |
86. 花のお江戸の釣りバカ日誌
馬鹿馬鹿しくていいんだけどな。決して嫌いなタイプの映画ではない。ナンセンス喜劇って難しいんだよな。これ見てるとよくわかる。最初から最後まで客が笑ってるような映画を作りたいと山田洋次監督がコメントしてたことがあるが、俺も見たい。いまの日本映画に一番欠けてるのはそういう映画。家族で見て、ゲラゲラ笑って、見たあと、心に残るわけじゃないんだけど「ああ、面白かった」と心底言える様な・・・・そういうのって大事だと思うよ。残念賞ってとこですな。 6点(2004-03-16 02:58:23) |
87. チャンス(1979)
クドイ演技が売りだったピーターセラーズが、この遺作では、技巧を捨て去ったような徹底してストイックな演技。「無」の演技とでもいえばいいのだろうか。アメリカ映画なのに、どこかヨーロッパの映画のような品格と味わいがある。すごく静かな映画なんだけど、紛れもなくコメディで、おおいに笑わせてくれる。でも段々切なく、ほろ苦い悲しみのような物が静かな画面の奥から迫ってくる。ラストのNG集は、何故かいつまでも、これが続いてほしいと思わせる。おかしくて、悲しくて、難解なようでシンプル、辛辣だけど優しい・・・・・不思議な不思議な寓話。 10点(2004-03-14 00:39:49)(良:2票) |
88. 暗闇でドッキリ
手厳しいコメントが多いけど、好きですぞ。ベタで、馬鹿馬鹿しくて、けっこうけっこう!おおいに笑って、その盤、夜泣きしたぞ。 8点(2004-03-14 00:31:55) |
89. アニマル・ハウス
傑作!現在のハリウッドでコメディを撮れるのは、ロンハワード、ロバートゼメキス、そしてこのジョンランディスくらいだろう。日本では当たらなかったらしいが、俺が劇場で見た時、みんな腹をよじって笑ってたぞ。早すぎた映画かもしれない。「アメリカン・グラフィティ」の見事なパロディとしても秀逸。そして、何と言ってもジョンベルーシが大暴れしてるのが嬉しい。もう止まりません。早死にしたのが、つくづく悔やまれる。それにしても、ベルーシ、ゼリーを一口で食うなよ。 10点(2004-03-14 00:23:06) |
90. Shall we ダンス?(1995)
カーチェイスがなくても、濃厚なベッドシーンがなくても、平凡な人間が出てきて踊るだけでも、こんな楽しい、良い映画が出来るというお手本。ただ役所浩二の嫁さんだけは不愉快だった。探偵雇って旦那尾行させて、それで「あなたを愛してるから」「自分で調べるの怖かった」と勝手な御託。一番性質の悪い悪女だなと思った。「相手がダンスでも許せない。相手がダンスでも浮気だ」と責めるところは「そりゃないんじゃないの?」とすっごく不愉快だった。挙句に果てに「わたしが悪いのね」と人を理不尽に責めておいて、自分を弁護することはチャッカリ忘れない狡猾さ。いかにも、か弱い妻の顔して・・・・ああ、嫌だ、嫌だ。こんな猜疑心と自己愛だけの女の言うことを「いじらしい女心」なんて耳障りのいい言葉で摩り替えてほしくない。他はすごくいいのに、この嫁さんが出てくるところだけ、いや~な気分になる。本当は9点くらいつけたいんだけど、以上の理由から7点。俺、ひねてるのかね? 8点(2004-01-23 23:40:41)(良:2票) |
91. 女優霊(1996)
噂を聞いてレンタルで借りて見た。怖かった。それで充分。ラストの、あの笑い声と女の顔は、けっこうキタナ~。日本映画はホラーとコメディではハリウッドにタメ張れると思ったな。頑張れ日本製ホラー。 7点(2004-01-19 23:46:45) |
92. 仄暗い水の底から
不発。ホラーは、怖がらせてナンボ。親子の情愛がどうこうという能書きは不要。情緒に傾げすぎたのが敗因か。 4点(2004-01-19 23:44:12) |
93. らせん
サッパリわからんかった、つまらんかった。 2点(2004-01-19 23:39:22) |
94. レイジング・ブル
作品によって、痩せたり太ったりするデニーロの良さが、最良の形で出ている傑作。栄光の絶頂にいる時の主人公は、とにかく嫌な奴。というより、ほとんど性格破綻者といっていいくらい付き合いたくない奴だ。嫉妬心と猜疑心に凝り固まった、そしてそれがリングで闘う時の何よりのガソリンで、見ているうちに魅力的にすら見えてくる人間の不思議。嫌な奴なのに憎みきれない「何か」を秘めた男。後半、見る影もなく肥ってしまって、ドンドン人の良いオッサンになっていく。終いにゃ場末のクラブで芸人になっていく。落ちるところまで落ちたこの男が嫌がる弟に懐かしがって抱きつくところに惨めと背中合わせの安堵感を見てる側にもたらしてくれる。惨めな生活だけど、人間としては、こいつにはこれが幸せなのかもしれない。実際、主人公は、どこか満ち足りた穏やかな顔をしている。だから、この映画は本当はハッピーエンドなのかもしれない。「神様は、こういう形で幸福を与えることがあるんだよ」と最後に出てくる聖書の一節が言ってるように思う。 カメラが素晴らしい。 10点(2004-01-16 01:27:00)(良:1票) |
95. エンゼル・ハート
ハードボイルドな救いのないオカルト映画ってところか。前半はすごい緊迫感で、それだけでも見る価値はあるんだが。もっとペース配分考えてやれば大傑作になってたと思う。スマッシュヒット級の佳作。ミッキーロークの絶えず、汗と雨にジトジト濡れてるような雰囲気が秀逸。デニーロの悪魔が怖い。 7点(2004-01-16 01:09:58) |
96. 日本の黒い夏 冤罪
熊井啓監督の生真面目さ、正義感の強さがプラスに出た映画。映画の出来云々というより、いまこれを作らなければならないという義務感、使命感をすごく感じる。一部の俳優陣の学芸会みたいな演技が辟易するが中井貴一、石橋蓮司のうまさが、それを救ってあまりある。サリンでバタバタ人が倒れていく場面は怖かった。熊井監督の面目躍如だ。こういう映画は斜に構えないでこっちも真摯に見たいものです。 8点(2004-01-14 14:51:19)(良:1票) |
97. 海は見ていた
黒澤監督が女性を主人公にしたということで、すごく期待してたんだが・・・・ガックリ。物語はすごくいいし、それだけに残念、勿体無い。熊井啓監督はもちろん大巨匠なんだけど、クライマックスの大洪水の場面を除けば彼向きの題材ではないと痛感した。生真面目な中学生が、精一杯背伸びして作ったような、あるいは新劇の舞台を見てるような窮屈さ、気恥ずかしさを台詞の一言一言にかんじてしまう。色町の「粋」や「いなせ」が全然出ていないんだもの。ああ、熊井監督ってモダンボーイじゃないんだなと思ってしまった。一言で言うと、台詞から演出からすべてが「野暮」なんですよ。江戸っ子が本当に言いたいことでも、わざとちょっと外して言う。ストレートに言うのを照れる。そんな江戸っ子のシャイから来る屈折した美意識のようなものが全く無視されていて、演劇見てるようだった。音楽もトランペットでしょ?江戸の色町の話なんだから長唄、端唄、小唄や三味線でやってよ。それから無理に現代の感覚を盛り込もうとしてるのも見てて邪魔だった。監督は最近の若い女性に映画を見てもらって、彼女らの意見を参考に撮ったというが、そんなことしなくていいの。今時の女性の感性やら意見だのは無視していいの。女性の感性=優れているっていう思い込みが仇になってるよ。江戸時代の価値観をいまの価値観で裁断するのはいいことだとは思えないし、キツイ言い方をすれば「卑怯」とすら言える。不毛です。「アメリカの西部劇はインデアンを差別してるからよくない」と「今」の価値観で裁断しても意味がないのと同じ。やはり黒澤演出で見たかった、あるいは愛弟子の小泉さん、他に適材がいっぱいいると思うよ。山田洋次監督も女性を描くの上手いから彼が撮ってたらもっと感動的な映画になったかもしれない。結果論だけど。それにしても満点の星空のラスト「野良犬」へのオマージュのつもりなのかもしれないけど、あの流れ星のセンスは頭が痛い・・・・。本当は3,4点にしたいんだけど、洪水のさすがの迫力に免じて6点。 6点(2004-01-14 14:44:58)(良:1票) |
98. 阿弥陀堂だより
淡々とした映画が駄目な人はソッポを向く映画だが、素敵な深呼吸ができる映画。寺尾聡の受けの演技が素晴らしい。人の話を聞いている演技って難しいんだろうな。そして、何と言っても北林谷栄の素晴らしい事!自然に演じようという計算を微塵も感じさせないその凄さ。座布団を無造作に放り投げる仕草だけでお婆ちゃんの底抜けの善良さが画面から溢れる。黒澤タッチを受け継ぎながらも、自分の作風を築き上げた小泉監督にも拍手。いい映画です。 8点(2004-01-14 14:24:34) |
99. コール
アイデアはいいね。ワイラーの「必死の逃亡者」の設定を、ちょっと捻ったような映画だね。緊迫感の盛り上げ方も上手いんだけど、クライマックスの、ちょいと強引なヘリと車のチェイスの場面が画竜点睛を欠くかな・・・・。惜しい作品だよ。好きなんだけどね。でも佳作であることは間違いない。 8点(2004-01-13 21:55:00) |
100. フォーン・ブース
ラストの説明不足から来る不可解さ。やっぱり「ああ、そうか!こいつだったのか!」って納得させてくれなきゃな。それが欠点。それさえなけりゃ満点なんだけどな、惜しい!でも、傑作であることには変わりはない。ヒッチコックが生きてたら飛びついただろうなってプロットの映画だ。「もし、こうなったら?」ていう一発のアイデアだけで約90分客を引き付けようっていうのは、よほど脚本がシッカリしてるんだろうな。久々のサスペンスの傑作。いや、けっこうでした。天晴れ、天晴れ。 8点(2004-01-13 21:49:49) |