81. シティ・オブ・ゴッド
ひえー。ブラジルってこんなところなの?しかし映像、編集が想像以上にモダンで驚き。つかまったちびっこギャングの子供二人のどちらかを殺せ、というときの泣きじゃくる様がリアルですごい。陰惨な話だがエンタテイメント性も高い。それは自分の視点を、気弱で正義感がものすごく強いわけでもない、タナボタに舞い込んでくるラッキーに素直によろこぶオスマン・サンコンそっくりの少年に置くことで心のよりどころに出来るからではないかな。大した映画ですよ。 8点(2004-05-24 23:00:04) |
82. ビッグ・フィッシュ
泣きすぎて死ぬかと思った。イワン・マグレガーの美しい、濁りのない笑顔。冒頭の釣りのシーンから泣きそうになった。荒唐無稽なホラ話が次第に見ているうちに本当の話のような気分に。ラストに息子が受け継ぐホラ話は真実以上の意味を持つ。いつもは長く感じるエンドクレジットだが、涙が乾くには短かかった。 9点(2004-05-22 21:08:28) |
83. ドーン・オブ・ザ・デッド
なかなか面白かったな。”テキサス・チェーンソー”がオリジナル版にあった魅力的な”怖可笑しい”ブラックユーモアを排除して恐怖演出の強調してしまったのに対してこちらはショッピングモール内での生活にある程度慣れてからのほのぼの演出もきっちりあって安心した。ロメロ版はああいうリアルな人間生活を描いていたのが凄く新鮮だったのであれは残して欲しいなあと思ってました。屋上のホワイトボードを使ってのチェス、なんて新アイディアも面白く、きっちり人間も描けてましたね。”28日後・・”同様、荒廃した町を俯瞰を多用して撮るのも大変効果的でした。最近はやりの走るゾンビも迫力満点でおっかないし、改造バスにわんさか群がる様もすごい。 ただところどころ異常に強引なつながりの編集が見られたのは残念。なんだか無理やりカットしたように見えるのと、犬を助けにいった女との無線のやりとりはありがちな上に脚本が良くなくて(不自然に説明的)ちょっとしらける。”復活の日”で無線でしゃべりながらピストル自殺する子供のエピソードを思い出す、わざとらしい演出。 しかし全体的にはロメロ版をモダンに撮りました、というレヴェルには達していると思います。ロメロ版を凌駕するまではいってないけどね。かつて新人監督の腕試しはホラーだった時代があったが最近またその傾向にあるようで楽しい。 7点(2004-05-16 23:29:34)(良:1票) |
84. スクール・オブ・ロック
ジャック・ブラックによろしく。まさにJBの映画だ。彼のテンションの高い演技で煽られる。まさにロック。ストーリーは天使にラブ・ソングを とかの部類だが、実に壮快に笑える。ロック・スターを夢見ながら高校の文化祭でロックバンドをやった事を思い出しながら見た今では平凡なサラリーマンで子供が2人くらいいるあなた!ツボだったでしょう?僕は泣きそうにツボでしたよ。 8点(2004-05-09 23:52:12)(良:1票) |
85. ファングルフ/月と心臓
期待せずに見た”狼男フレンチ”。なかなかスタイリッシュな演出で案外楽しかったな。ジュリー・デルピーって好きだな。可愛くて、ちょっとエロくて。 7点(2004-05-05 22:54:54) |
86. キル・ビル Vol.2
面白かった。もともと一本の映画だったんだよな。1でアクションが壮絶な分、それをはぐらかすような殺し方が面白かった。音楽含め、マニアックなサンプリング映画だな、と思ってたけど、ここではさらに演出までサンプリング。中国の修行シーンのざらついた画面、さらにわざとらしい急速なズームアップの多用なんて、まさに昔の香港少林寺ムービーそのもの。ズームアップの度に吹き出してしまった。批評のしようがない程デタラメな映画なんで、これは好みだけの問題だろうね。1も2もこれから見る人は点数なんか参考にする必要ないと思います。 あと最後のクレジットのダリル・ハンナに?マークが付くところが笑える。 8点(2004-05-05 22:50:53) |
87. フォーン・ブース
なかなか面白かったな。オチがちょっと綺麗すぎだが、まあこれだけ惹きつけるものがあれば文句なしでしょう。個人的にオチよりオープニングや過程の作りが重要と思っているので、オチがどうこうで点数を下げるのは気が引けるのです。佳作と駄作の差が激しいシューマッカー監督だけど、今回は当たりね。最近”24”ばっかり見てたから、声で”ジャック・バウアーだ!”と分かってしまった。コンパクトにまとまった良い作品です。おすすめ。 7点(2004-04-25 21:41:48) |
88. ネバー・クライ・ウルフ
大変美しい映画。自然に対する愛があふれているし、ドキュメンタリータッチなのに飽きさせない。もう一回みたいけど、ビデオとか出てないね。 8点(2004-04-23 23:31:56) |
89. テキサス・チェーンソー
まったく新しい切り口での作品かと思ったら意外とオリジナルをそれなりに踏襲した作品になってました。ただ、カメラワークや音響や、編集テクニックなどはいかにも最近の雰囲気。ちょっとオープニングとエンディングはブレアウィッチっぽいところもくすっとさせる。怖さも期待していたほどの嫌悪感をもたらすものでもないのだけど、異様なクローズアップなどでなんだかわからんけどなんか気持ち悪い感じは出ていたと思います。しかし、前作では恐怖と笑いが背中合わせの感じがあったのが今回はリアリティを強調したかったのか妙にまともだったかな。悪役は悪役なりの愛らしさも欲しかったな。だって全員なんだかいらいらさせる奴ばっかりでさ。怖いのはもちろんだけど、非常に不愉快な感じがずっと続くんだもの。それがねらいといえば成功なんだけど、繰り返して見たいという気持ちにならない、いやな感じ。でも、そんなに悪くない、っていうか結構頑張ってたと思う。 7点(2004-03-21 22:05:22)(良:1票) |
90. マッチスティック・メン
超へそまがりな”ペーパームーン”って感じだったな。しかしR・スコットはなんだかほんとにストーリー・テリングがこなれてきたな。なんかそつなく笑わせるし。映像派の部分は窓を開けたときの外の感じ、とかかな。ライティングもこってるけど、さすがにもうスモークもくもくじゃないのね。スピルバーグになりたいのかな。”ブラックホークダウン”が”プライベートライアン”で今作は”キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン”って感じに作品の選び方がスピルバーグっぽいぞ。しかしまあ、ストーリーに釈然としないながらもしっかり楽しんだしな。良く出来た映画と思う。ニック・ケイジも笑わせるしな。 8点(2004-03-08 22:14:47) |
91. パンチドランク・ラブ
PTAはとにかくダメ人間への暖かいまなざしをテーマにする人だ。今回も例外ではない。いささかケレン味のあるオープニングでがっちりつかんでおいてストーリーを語る。今回びっくりなのは時間が意外と短いのと、アダム・サンドラーが実にいいという事だなあ。間違いなくアダム・サンドラーの最高傑作、っていうか他が酷すぎるからね。 8点(2004-03-08 22:07:16) |
92. マスター・アンド・コマンダー
《ネタバレ》 重くて暗い話がストーリー性がある、とか思われるかもしれないが、これは久々に本格的な海洋ロマンだったよ。群像劇としても一級だし、もちろん戦闘シーンも大迫力。 ガラパゴスに上陸できると思ってたら艦長の方針変更で望み断たれる医師が可笑しくも哀れ。準備万端できちんと着替えているのが哀れさを増す。そこへ片手切断された少年が差し出すコガネムシ、この暖かさ。結局ガラパゴスに上陸した後の動物達のほのぼの。こういうシーンを盛り込みながら緊張感あふれる戦闘シーン、という緩急が素晴らしい。ナポレオンだなんだといいながら敵を1隻の船に限定している事でストーリーを引き締まったものにしているのも上手い。 ラッセル・クロウも文句なしに格好いいし、指導者としての葛藤、決断がこの映画の大きなテーマとなっている。それぞれの登場人物も葛藤に悩む。こういうテーマはP・ウィアーの得意とするところ。 後は船内のきしむ音などリアルに再現した音響も素晴らしかった。傑作です。 9点(2004-03-06 22:46:33)(良:1票) |
93. 28日後...
こら面白い。映像もクールだし。細かい演出が格好いいな。公衆電話の受話器がぶらぶらしてるところとか、いっぱい食料調達して車が出た後空のカートがゆらーっと動くところや。前半の荒廃したロンドンを引きや、俯瞰を使って撮るあたりも絶望感を良く表現してるし。音楽もUKっぽいしな。結構人物を描けているのに感心しましたよ。やっぱ、ゾンビはダッシュで襲ってくる方が怖いな。最初の教会で”はろー”って言った瞬間ゾンビがむう!って起き上がるところが好き。だからラストは”ハロー”バージョンの方が好きかな。登場人物は常に”ハロー”と言って答えを望んでいる。思えば”ハロー”の返事を探しつづける主人公達の物語、という一貫性が”ハロー”バージョンの方が明確であるように思う。 8点(2004-03-06 00:40:22)(良:1票) |
94. ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
すばらしくて言葉もない。涙・・。 10点(2004-02-22 23:03:16) |
95. ミスティック・リバー
泣いた。俳優たちがみんな上手いのは当然だが、特にT・ロビンスと マーシャ・ゲイ・ハーデンは素晴らしかった。せつない、あまりにせつない。そしてローラ・リニーのラストも前半で人のよさそうに見えた笑顔が悪魔のように見えるあたり凄い。ローレンス・フィッシュバーンのキャラは映画に小気味良いリズムとアクセントを加えている。実に重厚な映画だった。 9点(2004-01-24 21:53:26) |
96. ウェイキング・ライフ
あの”恋人までの距離”の二人が出ているのはうれしかったな。唐突にいろんな人生観や夢、意識について話す人が次々に出てきてなんだか混乱するけど、少しずつルールみたいなものも見せてくれてリズムがわかると乗れる。アニメにすると登場人物の動作ひとつひとつがとても面白く感じるのに気づいた。新鮮。 8点(2004-01-19 23:23:59) |
97. ザ・コア
オープニングがだめな映画は絶対駄目、というのが僕の信条であるが、最近オープニングからの落差が激しい映画が多すぎる。困ったもんだ。というわけで導入は結構いけます。 5点(2004-01-11 22:57:35)(笑:1票) |
98. パール・ハーバー
ビデオ、またはDVDの再生ボタンを押し、それから料理を作り始める。出来上がった頃真珠湾攻撃シーンなので、出来上がった料理を食べながら観戦。その後食器を洗ったり後片付けをし、しばし新聞でも読みながら時間をつぶし、爆撃シーンを見ながら転寝すれば、なんとなくくつろぎの週末を過ごせるかもしれん。 1点(2004-01-11 22:53:13) |
99. 恋人までの距離(ディスタンス)
何も起こらないけど、見ている間ずっと幸せな映画。 8点(2004-01-11 22:46:02) |
100. バレット・バレエ
面白かったな。塚本監督らしいテンション。たまにうるさく感じるのだけど今回はめずらしくある程度の緩急があって良かった。オヤジ狩りは許せんがな。 7点(2004-01-11 01:37:08) |